2009.12.15

「Edge of time」DOM

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聴いてみた、独サイケ/アシッドフォーク・ロックバンド。72年リリース

「ドム」と言えばツィマッド社が開発したモビルス…の事じゃなくて、西ドイツのアンダーグラウンドなサイケバンドオリジナルレコードは、マイナーレーベルより500枚限定で発表されたレア盤との事。まあそちらが入手困難なのは当たり前だけど、筆者再発CDをずっと探していて今回ようやっと手に入ったという困難さ。

感じとしては…もろジャーマン。この倦怠に「付き合ってらんねー」と突き放すか、或いは逆にハマってしまうか、両極端な反応がありそう。…で筆者はと言うと、その瀬戸際。個人的に苦手なタンジェリン的ダルさと同時に、一方でアシッドフォーク的深淵の叙情味とも言える、愛すべき要素が混在・一体化してるもんでね。

ただまあアングラにはアングラなだけの理由があるよ、失礼な物言いだが(自分にそのまま、呪詛返しして来そうな事言ってるな俺…)。別に「黒い三連星」みたいでなくても、音像にもうちょっとパキッとした輪郭があったら更に好みだったかなと。
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2009.11.27

ナイト・オブ・ザ・スカイ

観てみた、ジェラール・ピレス監督映画。05年公開。

航空ショーのデモ飛行中に、フランス空軍戦闘機「ミラージュ2000」が突如失踪した。騒然とする中、当該機を発見したのは訓練飛行中の同型ミラージュパイロット2名だった。当該機に帰還を呼びかける彼らだったが、危険を察知しやむなく撃墜してしまう。後日脱走した機は、軍の特殊任務中だったと判明し…という内容。

本作ではミラージュ2000の実機空撮にこだわった映像を全編で楽しむ事が出来る…というか、それ以外無いかも。同機は80年代から配備開始の、まあ最新鋭機とは言えないけど(同機種としても、近代化改修以前のC型っぽい)現用機の実機映像というだけでOK。個人的には嘘っぽいドンパチなんか無くても別にいいよ。

本作の原作は「Tanguy et Laverdure」というコミック(日本で言えばファントム無頼)で、何と59年の発表だとの事。こちらでは58年初飛行の、当時配備前の最新機種「ミラージュV」を乗機としている模様。…ダッソー社だけに脱走、なんちて。
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2009.11.26

GSワンダーランド

観てみた。栗山千明主演、本田隆一監督映画。08年公開。

60年代終わり頃、日本音楽界は空前の「GSブーム」に揺れていた。その波に乗ろうと結成された3人組のバンド。だが彼らがデビューする為には、何と性別を隠した女性メンバーの加入を受け入れねばならなかった。事務所の言いなりになった彼らは、新生「ザ・タイツメン」として華々しくデビューを飾ったのだが…という内容。

GSブーム当時の狂騒をコメディタッチで描く本作、どう見ても女が演じてる男性メンバーのいるバンド、という設定が(タイツ姿の王子様ルックという馬鹿馬鹿しさも含め)絶妙な「ありそう」さ加減で楽しい。…自分も別にリアルタイムで知る世代という訳ではないけれど、本当によく研究されている事が判って感心させられる。

憎まれ役のバンドが、コロッとニューロックに鞍替えしてるのも上手い(トラベリンバンドなんかそういう実例ね)。…ニューロックと言えば頭脳警察。本作でも登場する日劇で個人的に思い出すのは、PANTAのマスターベ…ゴホン、まあいいや。
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2009.11.24

「Horde」MNEMONISTS

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聴いてみた、コロラド州の集団即興グループ。81年発表の2ndアルバム

「ニーモニスツ」は総勢30名にも及ぶという、サウンドやヴィジュアルのアーティスト集団。本作では、12名もの名前がクレジットされている。後にメンバーの一人、トム・カツィンパリスを中心に「Biota」というグループに、発展(分家?)していく事になる。…こちらはだいぶ以前に聴いたけど、どんなだったか忘れちゃったなあ。

確か本作と同様に現代音楽寄りの、どちらかと言うとヨーロッパ系のフリーミュージックに近かった様な。…当アルバムはチェロやギターピアノといった楽器による一塊りの音響がクラスター状に放たれ、更に電子的な変調で空間を揺さぶる。80年代当時は、ノイズ/インダストリアル文脈で語られていたのも宜なるかな。

上でも書いた様にニーモニスツはビジュアル面も自ら手掛けており、ジャケットやインナーのアートワークも仲々かっこいい(宮西計三ぽい?)。…今回のCDリイシューはReRによるもので、そう聞くと成程レコメン的でもあるかもね、と思ったり。
posted by ぬきやまがいせい at 23:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2009.11.23

「La bruja」ROCKCELONA

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聴いてみた、スペインのハードロック・バンド。78年リリースの唯一作。

「スペイン」は南西ヨーロッパに位置する国。…まあその文化や歴史について改めて説明する必要はないと思うけれど、個人的には恥ずかしながら現在この国の政治形態が「立憲君主制」だったとは知らなかった。フランコ将軍の独裁制から憲法の成立により立憲君主制国家に移行したのが、当アルバムの発表された78年。

ロックセロナ」はその名の通り、バルセロナで活動していた5人組のグループ…まあ、それ以上の事は殆ど判っていないらしいのだが。音の感じとしては、前のめりのまま転がって行ってしまいそうなスピーディなリズムに、ファズギターがギンギンに火勢を煽るハードロック。でも印象としては不思議に、余りクセを感じ無い。

関係無いけど「La bruja」(魔女の意)で検索したら、何故かやたらとアニメの「エル・カザド」が引っ掛かる。どうやらこの作品、横文字での題名が「EL CAZADOR DE LA BRUJA」と言うためらしい。…いやあ、見てたのに今迄知らなかったよ。
posted by ぬきやまがいせい at 22:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2009.11.22

「Languid red marchetti」THE NO-NECK BLUES BAND

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聴いてみた。ニューヨークの即興音楽集団、初期作品集。94年録音。

「ザ・ノー・ネック・ブルースバンド」ことNNCKは92年に結成され、その後も各メンバーによる独自活動も含め、活発な作品発表を行っている。…音としては大人数による即興演奏を主体とし、フォークやサイケ、フリージャズ等の様々な要素を採り入れている。サ−ストン・ムーアは「宇宙一のバンド」とまで評しているとの事。

まあ筆者が当バンドを聴くのは今回が初なのだが。しかも本作は初期メンバー4名(現在は8名)による演奏で、上記のような説明とは少々印象が違っている。…ざっと調べてみると、主にユーモアや原初的躍動を伴う音楽性を持つ様なのだが、対して本作は眉間にが刻まれてしまいそうなシリアスで難解な前衛作。

ザワザワとした喧噪と共にヒステリックな擦過音や打撃音が、器楽音と現実音との境界で空気を引き裂き震動させる。AMM辺りに近い感じなのかなあと。…まあその後に辿り着く独自性はまだ見られないようだけれど、これはこれでカッコいい。
posted by ぬきやまがいせい at 22:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2009.11.21

「(same)」BANGO

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聴いてみいた、ブラジルのヘヴィサイケデリック・バンド。70年発表。

1908年より大量移民が積極的に行われた事もあり、日本とブラジルの関係は歴史的にも深い。…個人的に思い出すのが第二次大戦終結直後、日本が伝え聞く通り本当に「負けた」か、或いはそれは偽情報で本当は「勝った」か、日系ブラジル人の間で分かれ争ったという話。その際勝ったとする側を「勝ち組」、負けたとする側を「負け組」と称したらしい。最近聞くようになった言葉の、語源なのかねえ。

で本作の「バンゴ」(…ごめん、上の前振り全然関係無い)。本作はブラジル産サイケでも、入手困難なレア盤として知られる。今回例によってShadoksより再発され、手軽に聴く事が出来た。内容的にはツェッペリン辺りからの影響もありそうな、ファズギターが轟くヘヴィサイケ。その一方で南米的なラテンムードの漂う曲も。

…70年というと軍事独裁政権下でC・ヴェローゾが思想弾圧されてた頃だけど、本作を聴いた限り「音楽表現」自体に関しては結構自由だったのかもしれないな。
posted by ぬきやまがいせい at 23:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2009.11.20

「Rancor keeper」ROBEDOOR

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聴いてみた、カリフォルニアのドゥームロックバンド。07年発表。

「ローブドア」は05年頃に結成された、Britt BrownとAlexによるデュオ。これまでにも大小様々なレーベルから作品を発表して来たが、そのリリース形態が全てアナログレコードだったために、この手の音楽愛好家でも余り認知度は高くないらしい。…本作も07年に発売されたアルバムの、500部限定でのLP復刻だとの事。

今回通販で届いた現物のジャケットを見て、「何じゃこれ、メタルか?」と思ったら、当たらずとも遠からずだった。…いわゆる「ドゥームロック」とはブラック・サバス辺りをルーツに持つ「重さ」や「遅さ」を主眼に置いた音楽で、メタルとはそもそも親和性が高い。当バンドの様な音楽性は特に、「ドローン・ドゥーム」と呼ばれている。

要するにドゥームがドローンと結び付いた実験性の高い内容なのだが、前衛音楽の持つ学究的な雰囲気はさほど無く、不思議とメタル的ヒロイズムや享楽主義の名残が感じられて面白い。…やはり美術館より、ラウドパークが似合いそうだ。
posted by ぬきやまがいせい at 22:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2009.11.18

「Danses et rythmes de la turquie」LES MOGOL

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聴いてみた、トルコの民族音楽/サイケ・グループ。71年リリースの1st作。

「レ・モゴル」は、元々トルコの伝統楽器の演奏家として活動していた4名が集まって、民族音楽と西欧的なポップミュージックの融合を目指して結成された。…紛らわしいのだがレ・モゴルはデビュー作が発表されたフランスでの呼び名で、本国に戻ってからは「Mogollar(モゴラー)」の名義で近年も作品発表を続けている。

で本作の内容は、トルコ伝統楽器による演奏にハモンドオルガンや電気楽器を加えた、「電化トラッド」と呼ばれる類のアプローチを採ったものとなっている。フェアポートやペンタングル等、いわゆるそうしたバンドの直接的影響下にあるかどうかは判らないけれど、同様の手法は割に世界的広がりのあった事が見えて来る。

個人的には、今迄トルコのサイケを聴いた際の一要素として知るのみだった当地の伝統音楽に、触れる事が出来たのは良かったな。…何て名前なのかよく知らないけど、弦の弛んだギターを弾いた様な音のする楽器とか特徴的で面白いね。
posted by ぬきやまがいせい at 20:54 | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽

2009.11.17

「Hysterie off music」GHEDALIA TAZARTES

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聴いてみた、フランスの電子音楽作家。07年発表。

「ゲダリア・タザルテス」(“ス”は発音しないかも?)は70年代末期より活動しているミュージシャンで、各国の民族音楽のエッセンスを配合した、独自の無国籍音楽を発表して来たとの事(筆者も名前だけは以前から知っていたのだが、聴くのは今回がはじめて)。…ただこの手の音楽家にはよくある話で、プレス数が極稀少だったため、近年になってようやくCD化により一般リスナーでも聴けるようになった。

本作は07年のリリースという事で、比較的最近の作品。なにやら当人自身が傑作と自負しているとの話。…で実際聴いてみた印象はと言うと、思ったよりギターがジャカジャカ鳴ってる「ロック」そのもの。曲構成に明確なフォーマットは無い為つかみ所を見出しにくいが、実験的・前衛的といった難解な雰囲気はさほど無い。

絞り出すかの様な歌唱からか、何故かアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのブリクサを思い出したり。…日本人的には「ほたるこい」の挿入が面白かったな。
posted by ぬきやまがいせい at 17:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽