2017.04.24

観てみた、ベルンハルト・ヴィッキ監督映画。1959年公開。

第二次大戦末期、ドイツ国内のある村へ連合国軍の侵攻が目前に迫っていた。まだ学生である村の少年達7名にも召集令状が届き、しかも即日兵士として出動令が下る。訓練不足の余り兵力と見なされなかった少年達は、既に爆破が決まった村近くの「橋」に配備される。だが、上官が姿を消してしまい…という内容。

原作はグレゴール・ドルフマイスターの自叙伝。という事はどうやら実話が元である様だが、それも納得の迫真性がある。素人同然の少年兵が戦車部隊相手に、あれだけの被害を与えられるものかどうかは半信半疑だけど…壮絶な戦闘場面に目を見張る(パンツァーファウスト大活躍、更にバックブラスト描写も)。

とは言え日常から戦争へと推移する、導入部は少々批判される事もあるのだけれど…個人的には橋上での中間展開が、何だか不条理演劇の様で驚いた。西独では遅れて発生したヌーベルバーグが、本作にだけ先に到来したみたい。
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2017.04.22

ゾンビマックス! / 怒りのデス・ゾンビ

観てみた、キア・ローチ・ターナー監督映画。2014年公開。

ある日彗星がもたらした病原体による空気感染で人々が次々凶暴化し、特定の血液型の持主のみが難を逃れた。その中の1人であるバリーもゾンビ化した妻子を自らの手に掛けるという試練を経て尚、妹ブルックを救出する為自動車を走らせる。一方ブルックは、謎の武装集団に捕らえられしまい…という内容。

とここまで書いた粗筋を読む限りだと何の変哲もないロメロ型ゾンビだが、実は更に1/4ひねり程加えられているユニークな作品。隕石の影響はゾンビ化だけではなく石油が無力化されており、ガソリンの無い世界でプロテクタを身に付け散弾銃を撃ちまくるという…要は「マッドマックス」の要素を採り入れたという趣向。

邦題だとその辺ストレートだけれど、原題は「Wyrmwood」で聖書からの引用らしく意外と趣味がいい。…歩くゾンビ(これも少々ひねってる)でもカット割次第で緊張感を出せるという実例であり、同ジャンル制作者は参考にしてはどうか。
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2017.04.21

デモンズ

観てみた、ランベルト・バーヴァ監督映画。1985年公開。

仮面の男から招待状を貰ったシェリルは、友人と共に映画館へと赴く。同様に集まった多くの客達と共に観た映画は、若者が「デモンズ」という怪物に変貌する内容だった。しかもその場の観客もまたデモンズと化し、人々を襲い始める。シェリル達は閉鎖された館内から、必死の脱出を試みるのだが…という内容。

ロメロ監督作「ゾンビ」(1978年)の欧州配給に尽力した、ダリオ・アルジェント原作/脚本によるホラー映画。ゾンビものの変形というか亜流的な内容ではあるものの、上映される映画と同じ事が現実でも起きるというメタ構造や、迷宮と化した劇場を舞台にする辺りに、アルジェントらしい美意識が窺えるのが興味深い。

ただ展開自体は無茶苦茶で(これは監督の持ち味なのかなあ?)、唖然とする事請け合いの怪作。…個人的には(何でか)日本刀を振り回しての大虐殺なクライマックスで、Acceptの「Fast As A Shark」が流れるのが気に入ったな。
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2017.04.20

サイクロンZ

観てみた、サモ・ハン・キンポー監督映画。1988年公開。

ジャッキーは女好きで、少々汚い案件でも請け負う弁護士。彼が今回引き受けた仕事は、漁場に訴えられた化学工場からの依頼だった。彼は問題解決を図るべく、旧知のウォンとトンの協力を得て相手側に接近する。ところがウォンが訴訟主のイップを、ジャッキーが彼女の姪メイに惚れ込んでしまい…という内容。

主演のジャッキー・チェンを始めユン・ピョウ、更に監督も担当したサモ・ハンも加えた黄金トリオによる作品。何か「プロジェクトA」「スパルタンX」から続くかの様な邦題だけど、内容的には特別関連は無い。まあ東宝東和のすることだし…

出演者皆んなが全盛期だけあって、見せ場のカンフーアクションは流石の出来だが(スパルタンと同様ベニー・ユキーデの登場も嬉しい)恋愛方面の描写も力を入れている辺りも興味深い。メガホンでの言い合いや法廷での告白場面なんか、当時の香港映画だったからこそ出来た、衒いの無い演出なんじゃないかな。
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2017.04.18

ロード・オブ・ウォー

観てみた。アンドリュー・ニコル脚本、監督映画。2005年公開。

ウクライナ移民の米国人ユーリ・オルロフは、合法非合法問わず武器を売り捌く「死の商人」だ。弟が麻薬中毒になって離脱しても尚、彼は独り世界中の紛争地帯指導者に渡りを付け商売を拡大させていった。ソ連崩壊の混乱で大量に兵器を入手する一方、長年の憧れだった女性を妻に迎えるのだが…という内容。

ニコラス・ケイジ演じる主人公に具体的なモデルはいないが、複数の武器商人への取材から得られた実話を元にしている本作。80年代の冷戦期から90年代の地域紛争と、世界の戦場を裏側から支えた(?)人々の話が、大層興味深い。

ケイジさん主演作にしてはやけに社会派な内容だが、関わっただけで命の危険を覚えそうな人物描写や(冒頭の銃弾の生涯から始まる)ユーモア混じりのテンポ良い進行で飽きさせない。一方的糾弾でなく、こういう人達にはこういう人達なりの事情がある、という視点を垣間見せてくれただけで意義のある作品だ。
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2017.04.16

第七天国

観てみたフランク・ボーゼイジ監督によるサイレント映画。1927年公開。

パリの地下で下水道掃除の仕事に就く青年・チコ。常に上を目指す彼がある日出逢ったのは、姉に鞭打たれる娘・ディアーヌだった。チコは彼女を不憫に思い、自分の妻と偽ってディアーヌを引き取る事にする。2人は建物最上階にある七階の部屋で暮らすうち、次第に想いを通わせる様になるのだが…という内容。

オースティン・ストロングの戯曲を原作とする本作、記念すべき第1回の米アカデミー賞では監督賞を始め5部門で栄冠に輝いた。…内容としては時代がかったメロドラマだが、主役2人のやり取りが可愛らしくて思わず微笑んでしまう。

後半では戦争に引き裂かれる恋人達が描かれるんだけど…個人的に連想したのは、デ・シーカ監督の「ひまわり」だな。同監督が本作を踏まえて、ひまわりを製作したかどうかは定かではないけれど…下手したらあんな展開になってかのかもなんて考えたりして。本作の大団円にはホッと胸を撫で下ろすというものさ。
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2017.04.15

ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム

観てみた、マーティン・スコセッシ監督映画。2005年公開。

米国を代表する音楽家/詩人、ボブ・ディラン。ミネソタ州で生まれ、歌手を目指して訪れたNY。そしてプロテストフォークに対する賞賛から、ロック音楽への転身で見舞われた受難。激動の1966年までに至る彼の半生を、ディラン本人のコメントを始め、関係者の証言や映像によって綴るドキュメンタリー…という内容。

Bob Dylanという人物には(ノーベル賞受賞の顛末を見ると)相当に厄介なイメージがあるけど、本作では自身の過去や考えについて結構率直に述べているのが意外…というか好印象。当時は音楽に対するジャーナリズムも未熟で、そうした敵対的な質問に機転で対応できる知性あってのものだったんだなあと。

個人的にはDyran本人より、同時代音楽(Woody Guthrieへの傾倒なんか微笑ましいね)の貴重な映像が色々と挿入されているのが興味深かった。…例の「ユダ!」という観客の声には、ルーシー・モノストーン叫んでるわ、みたいな。
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2017.04.13

アナと雪の女王

観てみた、クリス・バック監督他による3DCGアニメ映画。2013年公開。

全ての物を凍らせる力を持つ王女エルサ。彼女は幼い日に妹アナを傷付けた為に、姉妹は常に距離を取って成長した。エルサが女王となったその日、妹が出逢ったばかりの他国の王子との婚約を告げた事で、彼女の感情が爆発する。国中を凍り付かせ、山奥に引きこもったエルサを追ってアナは…という内容。

童話「雪の女王」を原案とするディズニー製CGアニメ。劇中で歌われる「Let It Go」等のヒット曲を生み出し、世界中の劇場に多くの観客が詰めかけた。…昨日のヒックとは逆で、まさに「オンナノコ」心をくすぐったという事なんだろうな。

とは言え、お話自体はそこまで優れている訳でもないのだが…本作は堂々たる「ミュージカル」映画でもあるので、まずはそこから評価するのが筋。ディズニーアニメでミュージカル演出は定番なのに子供は退屈だったりするんだけど…本作の音楽から得られる「高揚感」は格別で、成程その点だけでもすごいわな。
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2017.04.12

ヒックとドラゴン

観てみた、ディーン・デュボア監督他による3DCGアニメ映画。2010年公開。

長年に渡りドラゴンと戦い続けるバイキングの島で、族長の息子でありながらヒックは弱虫と蔑まれていた。だがある夜彼は、鍛冶屋見習いとしての腕で開発した道具を使ってドラゴンを撃ち落とす。ところが止めを刺す事の出来なかったヒックは、傷付いたドラゴンに「トゥース」と名前を付けて世話を始め…という内容。

クレシッダ・コーウェルの児童小説が原作の、ドリームワークス製CGアニメ。この手のにしてはやけに「オトコノコ」心をくすぐる内容だが、何でか続編の日本公開が見送られてしまった。…少々不遇ながら宮崎アニメから影響を受けたという飛行シーンの爽快感と共に、和解や友情等のテーマが織り込まれている名作。

なんだけど、ラストでドラゴンを「ペット」と言っている事が批判されてたりする。…これは冒頭の「有害動物」と対比させた言葉だし、(トゥースの事を言ったのでもなく)観光案内風ナレーションだから即物的・説明的表現になったんだと思うよ。
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2017.04.10

RWBY Volume.1(るびー う゛ぉりゅーむわん)

見てみた、モンティ・オウム監督による3DCGアニメ。2013年配信開始。

グリムと呼ばれる脅威に対し、人間はダストなる超能力を手に入れた。少女ルビー・ローズはその力を見出され、姉のヤンと共にグリムハンターの養成機関「ビーコン・アカデミー」に入学する。ダストを測る為の様々な試練を乗り越え、ルビーをリーダーとするチーム・RWBYが結成されるのだが…という内容。

本作は米国のRooster Teeth社製作によるWebアニメだが、日本のアニメに強い影響を受けている事で話題になった。2015年より日本語吹替ソフトのリリースと共に、日本では劇場上映も行われている。…内容自体は見た感じ、ソウルイーターみたいだなと。いや巨大な鎌だけでなく、特殊能力育成学校とかがさ。

本作は正直映像面で絶賛は出来ないものの、こと戦闘の描写や演出に限っては本当に圧倒される(それこそソウルイーターでの中村豊担当カットに匹敵しそう)。お陰で話が頭に入って来なかったんだけど…まあイジメとか別にいいか。
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