2016.01.31

71フラグメンツ

観てみた。ミヒャエル・ハネケ脚本、監督映画。1994年公開。

ウィーンの銀行で大学生マキシミリアン・Bが突然銃を乱射し、3人を射殺した後に自ら命を絶った。映画はその時点から遡り、事件に至る数ヶ月の間に送られた老若男女様々な人々の日常を追う。オーストリアに密入国した少年や児童保護施設の少女、パズルを解く若者や卓球をする青年。そして彼らは…という内容。

本作は一種の群像劇なのだけれど、タイトルの通り色々な人達の人生における「断片」の寄せ集めで(「マグノリア」辺りと違って)ドラマとして集束する訳でもないのが特徴。ただ時折挿入される世界中の不穏なニュース映像と同等に扱われる事で、映画という枠組みを越えた現実への地続き感の下に並列化される。

とは言え困惑する位何も起きないまま進行する映画が突然の暴力で崩壊するというのは、これまたいつものハネケ。本作の場合事前に何が起きるか予告しているから多少緩和されているけど、やはりなかなか心臓に悪い手口だよな。
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2016.01.30

振り子

観てみた。中村獅童主演、竹永典弘監督映画。2015年公開。

高校時代に出逢った大介とサキ。当初この結婚は周囲に反対され、更に苦労して始めたバイク店が詐欺に遭ったりと、2人の人生は苦難の連続だった。だがやがて娘が独立し大介も新たな職探しに奔走していたそんな時、サキが突然倒れてしまう。殆ど意識のない彼女を必死に介護する大介だったが…という内容。

原作はお笑い芸人・鉄拳のパラパラ漫画。動画サイトで公開され有名になったそちらは、5分程度の長さなので本作にもそのままの形で収録されているのだが…これ映画本編要らなくね?、と。素朴な表現ゆえに得られる魅力(まあ要は夫婦版「大きな古時計」なんだけど)に、山盛りで蛇足を付け足しただけだよなあ。

それは兎も角、件のパラパラ漫画も今回が初見かと思ったら何故か見覚えがあった。元々そちらはTV番組の企画で作られたもので、筆者その初放映の際にたまたま見ていたらしい。感動とか知らんけど、その偶然にはちょっと驚いた。
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2016.01.29

摩天楼を夢みて

観てみた、ジェームズ・フォーリー監督映画。1992年公開。

NYの不動産会社。かつて敏腕だった老セールスマン・レーヴィンが勤める職場に幹部が訪れ、社員を散々罵倒した挙げ句成績不振者は解雇すると宣告する。翌日オフィスでは盗難事件が起こり、警察が捜査にやって来た。そんな騒動の中でもレーヴィンは大口契約を勝ち取り、得意満面だったのだが…という内容。

原作はデヴィッド・マメットの戯曲「グレンギャリー・グレンロス」。オフィスという限定空間内で、全て男性の登場人物が激しく台詞の応酬をするという作品。アル・パチーノやジャック・レモンといった、名優による演技合戦が見所だが…

正直筆者その手のは今一ピンと来ない事もあって、延々続く口論と罵倒合戦は眠くてたまらんかった。何だこれ…と思いつつ観てたけど、最後の最後でちょっとした逆転展開があるので、そこでハッと目が覚めた。とは言え(個人的にはよく判らんけれど)こういう作品を褒めとくと、「映画通」って感じがするかもしれん。
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2016.01.27

バーディ

観てみた。M・モディーン主演、アラン・パーカー監督映画。1984年公開。

負傷してベトナムより帰還したアルは、同じく戦争で心を病んで精神病院に収監されている親友・バーディを訪ねる。アルは彼の正気を取り戻す為に、出会った高校時代よりの思い出話を聞かせる。鳥の様に空に憧れるバーディは鳩を飼い、背中に羽を着け、何度も飛ぼうとする。だがそんな彼は戦場で…という内容。

若き日のニコラス・ケイジが出演している事で知られる作品だが、Peter Gabrielが音楽を担当しているという辺りも面白い。…そういやパーカーはPink Floydの「ザ・ウォール」も監督しているけれど、英プログレとは関わりが深いのか。

内容は青春版「カッコーの巣の上で」という感じだが、同じ様な展開の繰り返しなので正直結構退屈。でもその鬱々とした気持を吹き飛ばしてくれる鮮やかなラストシーンで、評価が一変してしまった。…しかしケイジ+鳩と来たから、ジョン・ウー作品みたいな横っ飛び二挺拳銃が見られるかと思ってしまったのだわ。
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2016.01.25

ZOMBIO 死霊のしたたり

観てみた、スチュアート・ゴードン監督映画。1985年公開。

マサチューセッツの大学にやって来た医学生ハーバート・ウェスト。ダンの同居人となった彼は様々な実験機器を運び入れ、怪しげな研究を始める。彼は何と完全に生命活動を停止した、死人を蘇生する薬品の開発に成功したのだ。ダンもまたその研究に魅入られ、大学のモルグで死体に薬品を注入し…という内容。

原作はH・P・ラヴクラフトの短編「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」。筆者一時期ラヴクラフトは結構好きで読んでいたけれど、その作品は覚えてないな。まあ本作はそちらを大胆にアレンジしたそうで、ホラー・コメディ映画となっている。

当時話題になっただけあってスプラッタ度合は結構なものだが…生首が肺に繋がってないのに喋ってる時点で、真面目に観る気にはならんな。しかもコメディとしても後の「最終絶叫計画」程ストレートに笑える訳でもないし、今となっては中途半端な印象。とは言えラヴクラフティアン受けがいいのも成程なという怪作。
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2016.01.24

チャッピー

観てみた、ニール・ブロムカンプ監督映画。2015年公開。

凶悪犯罪に苦しむヨハネスブルグ警察は、ロボット警官隊を導入し多大な成果を上げていた。一方開発者のディオンは完全な人工知能の開発に成功し、廃棄寸前だったロボット警官にそのデータを入れる。だがそれはギャング団からの命令によるもの。彼らに「チャッピー」と名付けられたロボットは…という内容。

(例によって)南アフリカの地を舞台にした、ブロムカンプ監督によるSF映画。筆者が今回観たのも、残酷シーンをカットした事で物議を醸した日本公開版だけど…まあストーリー自体には大して関わって来ないので、それはどうでもいいや。

ヨハネスブルグの風景と犯罪集団によるドンパチに教育問題。これだけ揃ってしまうとまさにいつもの同監督作だが…前作程のやっちまった感は無いので、充分楽しめる出来映えではある。しかし世界に先駆けて南アでロボット警官を導入というのは笑い所だろうな。何せ日本には40年前に「ロボット刑事」がいたし。
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2016.01.23

ルパン三世

観てみた。小栗旬主演、北村龍平監督映画。2014年公開。

ドーソン率いる盗賊集団の中で、一際盗みの才能を発揮する若者・自称「ルパン三世」。だがドーソンは仲間であるマイケルの裏切りに遭い、クレオパトラの秘宝を奪われてしまう。ルパンは次元大介、峰不二子、石川五ェ門等と共にマイケルを追うのだが、彼もまた真の黒幕・プラムックに裏をかかれ…という内容。

原作は言わずと知れたモンキー・パンチの漫画。アニメ化されて長年親しまれた作品だが、実写映画としては1974年の「念力珍作戦」に続く2作目。…そちらは原作ともアニメとも違うまさに珍作だったが、本作に関してはアニメ第1期を意識したとの事。とは言え、ルパン一家の誕生を描いたという点では共通している。

本作は何より実写としてキャラの雰囲気がよく再現されており、それだけで割と満足。そらまあ不満を挙げてたらキリが無いけど…次元が落ちていた銃の引き金を撃つのと、ルパンがアナログ金庫を鮮やかに開ける場面なんか好きだな。
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2016.01.19

タイムソルジャー

観てみた。D・ヴォロンコフ、O・ポゴディン監督映画。2010年公開。

セルゲイとオレグは、ウクライナでソ連と独軍の間で行われた「ブロディ包囲戦」を再現する催しに参加する。だがふとした事から不発弾が爆発、その影響で彼らは第二次大戦のまさに戦闘当日に飛ばされてしまう。セルゲイは以前の時間跳躍の際に出逢った、ヂョミン少佐と妻の二ーナを探すのだが…という内容。

ロシア製作による戦争SF映画なのだが…上記あらすじからも見当が付く通り、実は「タイムジャンパー」という作品の続編。でもその点を日本の配給会社は隠していたらしく、前作があると知らずに見てしまった人が多数の模様。筆者も実は未見なのだが、そちらを観る機会も無さそうなので敢えて騙されてみるかと。

設定が荒唐無稽なのに反して、戦場描写は「プライベート・ライアン」ばりの臨場感。PPSh-41の銃撃や、短砲身3号戦車っぽい?車輛も登場して興味深い。…まあストーリーは判ったような判らない様な感じだったけど、結構楽しめたよ。
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2016.01.18

愛のむきだし

観てみた。西島隆弘主演、園子温監督映画。2009年公開。

幼い頃に母を亡くしたユウ。彼の父親は神父の身でありながら作った愛人に捨てられ、おかしくなってしまう。その父と接するうちユウの精神までもが歪み、彼は凄腕の盗撮師になった。そんな彼が運命的に出逢ったのがヨーコという少女。だが彼らの生活は、新興宗教の手先・コイケにより浸食されて…という内容。

4時間弱という上映時間ながら、園監督の最高傑作とも言われる本作。海外評価も高いとの事なので、神父一家の目を通し聖書からの引用等を用いて語られるテーマに親しみを持たれたのかな。…と思ったけど荒唐無稽なコメディ演出が笑えて、先がまるで読めないジェットコースター的展開を面白がられたのかも。

女囚さそりパロディに、何だかんだ最後まで重要な意味があった事からして予想外だったわ。同監督の知人である盗撮師の実話という触れ込みだが…半信半疑にならざるを得ない。まあでも本当、パワフルさに終始圧倒されっぱなし。
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2016.01.17

テラービジョン

観てみた。テッド・ニコラウ脚本、監督映画。1986年公開。

衛星放送を受信するべく、パラボラアンテナを据え付けた父スタン。だがその装置を通じて、宇宙から謎の怪物がやって来る。怪物は留守番していた祖父を食べ、更に家を訪れた客を次々に吸収してしまった。シャーマン少年と姉のスージーは、テレビ番組に出演中のメデューサに助けを求めるのだが…という内容。

藤岡弘が主演した「SFソードキル」等を製作した映画会社、エンパイア・ピクチャーズによるホラーコメディ。変人一家宅に変人と怪物がやって来るという内容で、映画と言うより「サタデー・ナイト・ライブ」のコントを思わせる低予算作品だが…何カ所か笑えた所はあったものの、ダラダラとしたテンポが正直辛かったな。

「ロボットモンスター」や「巨大怪鳥の爪」と共に、ヘヴィメタルグループ「WASP」の映像も引用されているのにへえと(娘の彼氏のメタル野郎もバンドTを着ている)。ただ個人的にはこのバンドが好きだった事は、本気で黒歴史なもんで…
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2016.01.15

蘇える金狼

観てみた。松田優作主演、村川透監督映画。1979年公開。

現金輸送車が襲撃され、1億円が奪われた。犯人の朝倉哲也は、うだつの上がらない会社員という表の顔とは異なり、怜悧な頭脳とボクシングで鍛えた肉体を武器に野望に燃えていた。足の付きそうな現金を大量の麻薬に替えた彼は、更に自分の勤める会社内の不祥事に乗じのし上がって行くのだが…という内容。

原作は大藪春彦のハードボイルド小説。何度も映像化されている人気作だが、やはり本作である松田優作版に尽きるというもの。…まあ逆に言えば優作の精悍な姿や独特の空気感、ラストの「木星には何時につくんだ?」等の真似をしたくなる演技を抜きにすると、かなりだるい展開がずっと続いて正直つらい内容。

とは言え、本作の場合はそれでいいんだろうね。優作を鑑賞する為以外にこの映画観る人なんていないでしょ。…個人的には段々と車がランクアップするのが面白かったけど。でも自分の好みとしては、カウンタックよりマセラッティだなあ。
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2016.01.14

大地

観てみた。オレクサンドル・ドヴジェンコ脚本、監督映画。1930年公開。

穀物が実るウクライナの大地で、一人の老人がこの世を去った。その一帯にもソビエトの農業共同化の波が押し寄せ、若い労働者にトラクターが届けられた。だがそれを面白く思わないのが旧来の富農。農民の先導者であるヴァージルが、ある夜何者かの手で殺害されてしまう。悲しみに暮れる民衆は…という内容。

ドヴジェンコはエイゼンシュテインやプドフキンに並ぶソ連映画の巨匠(因みにパラジャーノフの先生でもあるらしい)。本作は農場のコルホーズ化やトラクターの導入といった題材から、以前紹介した「全線」と比較される事が多い様だが…

こちらは人物を肖像画風に捉えたショットや、風景や自然の映像を落ち着いたテンポで積み重ねる内容。「絵画的」という表現には成程と思ったのだが…サイレントの上に説明的な描写は控えめなせいで、女の人が裸で暴れてるシーンは何事かと思ったのだわ。まあ概要くらいは事前に知っておいた方がいいかも。
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2016.01.12

オーシャンズ

観てみた。ジャック・ペラン&ジャック・クルーゾ監督映画。2009年公開。

地球表面の大部分を覆う広大な「海」に棲まう、生き物達の姿を捉えたドキュメンタリー作品。様々な姿・大きさの魚類やそれを捕食せんと狙う鳥達、更にクジラやイルカといった海棲哺乳類の姿を、美しい映像で綴っていく…という内容。

日本公開版には宮沢りえのナレーションと共に、平原綾香&藤澤ノリマサの主題歌が付けられた(個人的にはLed ZeppelinのThe Oceanだったら高得点付けたのに)。内容としては上記した通りだが、純粋なドキュメンタリーという訳ではなくロボットを使った撮影シーンもあるとの事。なんだ、感心して損しちゃった。

ペラン監督の前作「WATARIDORI」での、鳥の飛行に寄り添う撮影というシンプルなアイデアには及ばなかったというのが正直。だから観ていて「ダーウィンが来た!」と何が違うんだよと(…多分ヒゲじいの駄洒落が無い辺りだな)。まあこの手の映像も見慣れると、驚く様な場面にはそうそう出会えないもんだしねえ。
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2016.01.11

めめめのくらげ

観てみた。末岡拓人主演、村上隆監督映画。2013年公開。

小学生の草壁正志は引っ越した先で、不思議な生き物と出会い「くらげ坊」と名付けて友達になる。しかも学校では、生徒達皆が「ふれんど」という生き物を機械で操作して遊んでいた。ふれんどは正志の叔父も勤めている、町の研究所の所員が子供達に配ったものらしい。ふれんどに隠された秘密とは…という内容。

現代美術のアーティストとして世界的に有名な、村上隆による初監督映画。同氏の映像作品なら「シックスハートプリンセス」ってアニメがあった筈だが、そっちはどうなってんのよ…と思ったけど、実写の本作の方が早く世に出たらしい。

内容はポケモンというか、妖怪ウォッチやらダンボール戦機やら色々混ぜた感じの子供向け。ルイヴィトンとのコラボの際に使った様なマスコットを登場させているのだが…個人的には有名な美少女フィギュア作品「Miss Ko2(ココ)」が、3DCGでいい感じに動き廻るのにおおと。これに関しては一見の価値があるかも。
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2016.01.10

六神合体ゴッドマーズ 劇場版

観てみた、今沢哲男監督によるアニメーション映画。1982年公開。

ズール皇帝率いるギシン星軍が地球へと攻めて来た。クラッシャー隊・明神タケルはそれを迎え撃つも、彼の正体は実は幼少時に送り込まれた敵の破壊工作員だった。恐ろしい事実に衝撃を受けるタケルことマーズ、その彼の前に双子の兄・マーグが現れる。再会を喜ぶ2人、だが卑劣なズールの罠で…という内容。

横山光輝の漫画「マーズ」を原案としたTVアニメの劇場版。10万人分もの署名を集めたという、女性ファンからの熱烈な支持を受けて制作された。本作のエンディングには、そうしたお姉様方の名前がずらっとクレジットされており圧巻。

まさに「愛の金字塔」すな。ただ内容自体は第1部を一番人気だったマーグを中心にまとめた、要するに総集編。筆者も最近TVシリーズをMXの再放送で見たばかりなので、何かうーん。ゴッドマーズが新作画で観られるかと思ったら、やっぱり不動明王のままだし。…まあでも当時のファンの熱気が感じられてよかった。
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2016.01.09

バスケットケース

観てみた。フランク・ヘネンロッター脚本、監督映画。1982年公開。

大きなバスケットケースを抱え、NYにやって来た青年ドウェイン。彼が訪ねた先では凄惨な殺人が発生していた。バスケットの中身は実は切り離された結合双生児の兄ベリアルで、兄弟は畸形故に彼を棄てた者達への復讐を続けていたのだ。だがドウェインが女性に向けた、性愛の感情を共有した兄は…という内容。

元々は16mmで撮影された低予算自主映画ながら、35mmにブローアップされNYの深夜上映でカルト的人気を博した。日本でもレンタルビデオ勃興期のホラーブームでは定番だった一作。筆者の場合は友人から借りた輸入ビデオだったのだが…今回日本語字幕付きで観ても、さほど印象自体は変わらなかったな。

畸形や死姦といった際どい題材を扱った作品だけど、今観ると(当時もか)コマ撮りアニメのチープさもあって余り深刻な気分にはなれないな。…それでも結末の寂寥感は素晴らしく、本作をどこか特別なホラー映画たらしめていると思う。
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2016.01.08

天地明察

観てみた。岡田准一主演、滝田洋二郎監督映画。2012年公開。

将軍家綱治世の江戸。算術好きの囲碁棋士・安井算哲は、暦と実際の天測との差異を確かめるべく全国各地に足を運ぶ。その旅で彼は長年使われて来た宣明暦の不備を知り、それに代わる新たな暦の必要性を痛感する。果たしてどの暦が最も正確か、天体観測勝負を公の場で行う事にするのだが…という内容。

江戸時代に用いられた「貞享暦」の編纂者・渋川春海を題材にした、冲方丁の小説が原作。筆者そちらは未読だけど本屋大賞受賞を始め話題になった本なので、映画の方でも一応観ておくかと。監督は「おくりびと」の滝田洋二郎…と言うか「陰陽師」も撮った人なので、まあ作品的な雰囲気は成る程そんな感じだな。

割と題材選びの時点で勝ちみたいなもんだから、個人的には結構楽しめたな。…火矢の襲撃等少々話を盛り過ぎだったり、暦勝負やDV…じゃなくて夫婦愛等の展開がありきたりなのはご愛敬。こんな人がいたと知れただけでも良かった。
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2016.01.06

万事快調

観てみた、ジガ・ヴェルトフ集団監督映画。1972年公開。

スーザンと夫の映画監督ジャックは、ラジオ局の取材である食肉工場を訪れる。だがそこではストが紛糾して、実力行使に至った労働者に社長が監禁されるという始末。一方ジャックは商業映画制作を拒みCM撮影を生業にし、スーザンも自らの取材姿勢に疑問を呈する。そんな映画もやがて終幕に至り…という内容。

ジャン=リュック・ゴダールとジャン=ピエール・ゴランの共同監督による政治色の強い作品だが、イヴ・モンタンとジェーン・フォンダといった有名俳優を起用しており、それなりに意味の判る内容になっている。特にドリフの全員集合みたいな工場内のセットは秀逸で、本作をシュールコントの類として観てもいいのでは。

ゴダールもやはりブニュエルの影響は受けているのだなあと。…まあ登場人物が小難しい主張を(カメラ目線で)延々観客に喋る映画でもあるけれど、モンタン演じる映画監督が代弁してゴダール本人の当時の心境を語るのは興味深い。
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2016.01.05

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日

観てみた。デヴィッド・マギー脚本、アン・リー監督映画。2012年公開。

訪ねて来た小説家を相手に、パイ・パテルは自らの半生を語り始める。少年時代に彼の家族は故郷インドで経営していた動物園を畳み、動物達と共に船旅に出る。ところが嵐に遭遇して船が沈没。パイは唯1人救命ボートで助かったものの、何と凶暴な虎「リチャード・パーカー」までが乗り込んで来て…という内容。

ヤン・マーテルの小説を映像化した本作、アカデミー賞では監督賞を始めとする4部門で栄冠に輝いた。…筆者が観た感じとしてはトルナトーレ監督的なホラ話風ファンタジーに近い印象だが、それに加え宗教的な隠喩に満ちた幻想的イメージや、多層に渡る含意が込められた奥行きのあるストーリーになっている。

動物との友情を描いた感動系映画かと思っていたのであら意外(まあある意味感動はする)。…個人的には観ている途中、どうしたら虎をやっつけられるかばかり考えてしまったけど。照明弾をブチ込むというのはどうか(台無しな意見)。
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2016.01.04

ローリング・サンダー

観てみた、ジョン・フリン監督映画。1977年公開。

ベトナムでの捕虜生活から解放され、故郷テキサスに戻ったレーン少佐。だが彼の不在中に妻は地元警官の男と関係を持ち、激しい拷問の為に精神に癒えぬ傷を負った少佐は、一人息子とも打ち解けられずにいた。そんな時金目当ての暴漢達に妻子を殺され、彼もまた右手を失う重傷を負ってしまい…という内容。

「マッドマックス」や「狂い咲きサンダーロード」等のバイオレンス作品に大きな影響を与え、「ランボー」を始めとするベトナム帰還兵もの映画の嚆矢となった作品。…だそうだけど内容的にはニューシネマの残り香も濃厚で、戦争で心を病んだ兵士の内面・境遇に迫る展開は、単純なB級アクションとは一線を画している。

まあそれもその筈、脚本担当のポール・シュレイダーは「タクシードライバー」の人。…本作でも義手による弾丸の装填や散弾銃の銃身を短く切断するシーン等、静かな狂気を湛えつつ壮絶な戦いに備える描写にテンションが上がる。
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