2016.05.31

クラッシャージョウ

観てみた、安彦良和監督によるアニメーション映画。1983年公開。

西暦2160年代。宇宙の何でも屋「クラッシャー」のジョウは、病気治療の為に冷凍されている娘を運搬する仕事を引き受ける。ところがワープに入った途端に宇宙船がコントロール不能になり、気が付いた時には依頼人と娘の姿が船内から消えていた。資格停止となり荒れるジョウに接触して来たのは…という内容。

現在も継続刊行中である高千穂遙の「クラッシャージョウ」シリーズを元に、自身のオリジナル脚本をイラスト担当の安彦監督が映画化したのが本作。公開時「幻魔大戦」「宇宙戦艦ヤマト完結編」との対決が話題になったのも懐かしい。

内容自体は流石に時間の経過を感じさせるものの、シンプルなスペースオペラだけに(そこさえ飲み込めば)今でも充分に楽しめる。それより同監督が現在シリーズ発表中の「機動戦士ガンダムORIGIN」でも、相変わらず本作で見られる様なマンガマンガした演出が健在なのが、困惑する様な微笑ましいような…
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2016.05.30

アンチクライスト

観てみた。ラース・フォン・トリアー脚本、監督映画。2009年公開。

ある夫婦が情を交わすのに夢中になっていた最中、幼い一人息子が転落死してしまう。自らを激しく責める妻は心を病み、セラピストの夫は彼女に付ききりで治療を試みる。人里を離れた山小屋で二人だけの生活を始めるも、そこで夫は妻の内面に隠された恐るべき本性を知る。そして遂に夫の身にも…という内容。

ウィレム・デフォーが主演。そして妻役を演じたシャルロット・ゲンズブールはカンヌ映画祭で女優賞を獲得するも、過激な性描写や女性への悪意とも受け取れる内容の為に賛否が分かれた大問題作。…まあ同監督のフィルモグラフィは問題作だらけだけど、審査員一同から非難されたというのだから大概な話だな。

「ゴーン・ガール」がヌルく思える夫婦間の火花散らすやり取りは圧巻だが、森の中に息づく自然の営み自体に狂気を忍ばせる、高解像度のスロー映像が怖い。まあとても好きな作品とは言えないけれど、夫婦映画の極北ではある。
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2016.05.28

ブルー・マックス

観てみた、ジョン・ギラーミン監督映画。1966年公開。

第一次大戦。平民出の一兵卒出身ながら戦闘機パイロットとなった独軍中尉、ブルーノ・スタッヘル。騎士道精神が重んじられる貴族出操縦士中心の部隊で、彼は20機撃墜の「ブルーマックス」勲章を目指して野心を燃やす。更に伯爵夫人とも不倫関係になり、一旦は栄光を掴んだかに見えたのだが…という内容。

名作「タワーリング・インフェルノ」…よりはリメイク版「キング・コング」の印象が強い、ギラーミン監督による戦争映画。ロジャー・コーマン監督の「レッド・バロン」('71)より実は先に公開されている本作、実話を元にしているかと思ったら別にそういう事はない様で(本作にも脇でリヒトホーフェンは登場しているけど)。

要するにWW1版「赤と黒」といった趣の成り上がり野心家を描いた破滅物語だが、実際に多数の複葉機を飛ばして撮影を行った、空中戦や地上攻撃場面には目を見張る。最後の飛行で栄華の頂点から一転する非情さもまた良い。
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2016.05.26

おいしい生活

観てみた。ウディ・アレン主演、脚本、監督映画。2000年公開。

元ギャングの夫レイがフレンチーに持ちかけたのは、地下から銀行を襲撃する計画。その為に隠れ蓑のクッキー店を開くも計画はどこへやら、あれよあれよと大繁盛してしまう。数年後クッキービジネスで成功し巨万の富を得たフレンチーは、セレブとしての勉強に必死。だがそれに馴染めないレイは…という内容。

チャップリン映画の様なドタバタ喜劇かと思いきや、中盤以降の展開は滑稽なセレブ生活を皮肉ったいつものアレン作品で成程なと。人間身の丈にあった生活が一番…みたいな教訓は汲み取れるものの、基本的には軽〜いコメディ。

図面の見方すらも判らない上に、壁に穴を開けた瞬間水が噴き出して全身ずぶ濡れ。アレン作品にしては珍しく身体を張った笑いが見られて楽しめる。…ただそうした当初のおバカなノリと比較すると後半は少々物足りない感もあるけれど、首飾りを手に変な踊りをするアレンの小悪党っぷりもそれはそれで笑える。
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2016.05.24

エンド・オブ・ホワイトハウス

観てみた、アントワーン・フークア監督映画。2013年公開。

米国大統領夫人の命を救えず、現場から離れた元シークレット・サービスのバニング。北朝鮮情勢の緊張から韓国首相がホワイトハウスを訪れたその日、彼の目前で武装したテロリストによる襲撃が行われる。米大統領はいち早く地下司令所に待避するも、テロ首謀者は何と訪米団の中に紛れており…という内容。

同年「ホワイトハウス・ダウン」が公開され、図らずも同じ題材による映画の競作が行われたその1本。〜ダウンに較べると本作はシリアス寄りで、容赦の無い刃物による殺害やヘッドショットがバンバン出て来る内容。ただ大雑把なのは一緒で、どちらかと言うと映画的に見せ場の多い〜ダウンの方が良かったかな。

とは言え個人的には冒頭のAC-130ガンシップによるF-22撃墜や無差別地上掃射、フレア発射によるミサイル回避なんてのが観られただけで結構許せてしまった。…んなアホなという話ではあるが、だからこそ逆にグッと来たのだわ。
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2016.05.22

武器人間

観てみた、リチャード・ラーフォースト監督映画。2013年公開。

第二次大戦中のソ連。常にカメラを回す映画大学卒業生の記録係・ディミトリーを伴った偵察部隊は、ナチスドイツ占領地域へ友軍の捜索任務に赴く。その際尋問した捕虜の案内で向かった先で彼らが遭遇したのは、何と何者かの手によって無残に改造され、肉体に武器を融合された兵士の群れだった…という内容。

POV撮影によるファウンド・フッテージ作品。ありがちな手法ながら「戦争物+モキュメンタリー」という意外性に加えて、登場する「武器人間」の馬鹿馬鹿しい出で立ちに笑ってしまった。…ロボット三等兵かゴレンジャー怪人かという脱力感がたまらないが、内容自体はグロ表現が多めなので人には薦めづらいかも。

とは言え予告ナレーションの大山のぶ代を始めとする、ドラえもんでお馴染みの声優陣が揃って声を当てている日本語吹替は必聴。何でまたこんな…とは思ったけれど、このキャスティングを実現させた人には素直に賞賛を送りたい。
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2016.05.21

グッド・ウィル・ハンティング / 旅立ち

観てみた、ガス・ヴァン・サント監督映画。1997年公開。

底辺生活に甘んじる青年ウィル・ハンティング。彼の数学的才能に着目したランボー教授が、漸くウィルを見出したのは裁判所だった。天才的頭脳を持ちながら暴力沙汰ばかり起こす彼の為に、教授は旧知の心理学者マグアイアにカウンセリングを依頼する。だがウィルへの対応は一筋縄では行かず…という内容。

主演のマット・デイモンが大学在学中に執筆した戯曲が元になっている本作。ベン・アフレックと共に完成させた脚本が、最終的にアカデミー賞まで獲得したという辺り出来すぎた話だが、本作の天才型主人公が見出され・成長し・旅立つ物語と絶妙にシンクロして(実際の内容以上に)面白がれる作品となっている。

特に主人公を送り出す友人役のアフレックとのやりとりが胸を打つ。でも本編の殆どを占めるカウンセリング展開が始まると、主人公が天才と言うより単なる性悪にしか見えないのが何かな(心理学者役のロビン・ウィリアムズは良いが)。
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2016.05.19

高瀬舟

観てみた。前田吟主演、工藤栄一監督映画。1988年公開。

江戸時代。京都の高瀬川を下る舟の上に、喜助という罪人の姿があった。これから島流しとなる身の上ながら楽しげな喜助を見て、護送の同心・羽田庄兵衛は彼に話し掛けてみる。これまで辛い生活を送って来た喜助は、宛がわれた僅かな金銭に満足だと言うのだ。続けて庄兵衛が彼の罪状を問うと…という内容。

原作は森鴎外の短編小説。本作はそちらにほぼそのまま沿う形で、45分の中編として映画化されている。長さや内容もあって(筆者も教科書で読んだし)商業映画ではなく、教育用に製作されたのではという気もするが…よく判らない。

「必殺シリーズ」等で知られる工藤監督が手掛けているものの、派手さの全く無い落ち着いたタッチ。でそうした中から原作に込められた深刻なテーマをごく控えめに差し出している。…まあ作品自体はぶっちゃけ「隠れた傑作が観られるかも?」という期待程ではなかったけれど、こうした正道さこそ相応しいとも思う。
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2016.05.18

バスキア

観てみた、ジュリアン・シュナーベル監督映画。1996年公開。

1979年のNY。路上生活を送りつつ絵を描き、バンド活動もする黒人青年バスキア。恋人ジーナの部屋に転がり込んだ彼は、ある日有名な画家ウォーホルと出逢う。その後美術評論家リカードの後押しもあって、一躍新進画家として注目を集める事に。だがそんな彼の変貌から、徐々に昔の仲間は離れ…という内容。

27歳でこの世を去った画家、ジャン=ミシェル・バスキアを題材にした実話映画。筆者この人の事は詳しくないけど、ウォーホルを始めとする当時のアートシーンには興味があるので仲々楽しめた。…そのウォーホルを演じるのがDavid Bowieで、豪華な顔触れの出演陣だけでも見物(あとJohn Caleの音楽もね)。

でもその逆に本作を観ても、何故かバスキア本人に興味が湧かないのがどうも。深みが無いという指摘もあるが、バスキアが突如飛び抜けた才能として現れて突如麻薬死で天に召されたという、本人の唐突さそのものと言えるのかも。
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2016.05.16

ミシシッピー・バーニング

観てみた、アラン・パーカー監督映画。1988年公開。

1964年、ミシシッピー州ジュサップの町で公民権運動家である若者3名が失踪した。人種差別絡みでの殺人が推測されたこの事件に、FBIから派遣されたのがアンダーソンとウォードの両捜査官。ところが差別主義団体KKKの構成員と思われる、非協力的で敵対的な町の人々の為に捜査は難航して…という内容。

本作は実際に起きた事件を元にした作品だが、当時の実情を知る人々からは批判を受けているらしい。FBIは本作での様に人種事件に積極的ではなかったとの事なのだが、まあ映画なんだし理想化された内容でも別によいのでは? …と思ったものの、その理屈がアリなら「国民の創生」もアリになってしまうか。

とは言え実情の一端でも伝わるならば、それは無駄ではなかったという事。…本作はジーン・ハックマンとウィレム・デフォーの正義に燃える想いに熱くなれるし、重く辛い題材を受け容れやすく噛み砕いた映画として充分価値がある。
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2016.05.15

極道大戦争

観てみた。市原隼人主演、三池崇史監督映画。2015年公開。

ヤクザの組長・神浦玄洋に憧れて舎弟になった影山亜喜良。だがある日神浦が謎の刺客に倒されて絶命してしまう。その刹那ねじ切られた彼の首が亜喜良の首筋に噛み付き、何と「ヤクザヴァンパイア」としての力を受け継ぐ事に。一方街の「カタギ」の衆もまた、次々に血を吸われて「ヤクザ」となり…という内容。

カンヌ映画祭・監督週間に出品された本作。何の冗談かと思ったものの、メキシコのオアハカ映画祭では最優秀監督賞を獲得している。内容はお得意のヤクザもの…と言うか「DEAD OR ALIVE」の超展開部分だけを膨らませた感じ。

でも「ヤクザ+吸血鬼」と思ったら更にその上を行く超展開で、正体不明なカエルの着ぐるみとの格闘シーンが延々続くという(…ネタバレだけど、まあ誰も観ないだろうからいいよね?)。近年の三池作品を知ってる人なら、ああまた悪い三池が出たかと思うところだけど、個人的には結構笑ってしまったからいいかな。
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2016.05.14

忍者狩り

観てみた。近衛十四郎主演、山内鉄也監督映画。1964年公開。

将軍家光の治世。伊予松山藩・蒲生家は城主の病を理由に、家督相続に関するお墨付を得る。だが藩取り潰しを目論む老中より遣わされた忍者集団が、お墨付の奪取を狙っていた。そこで藩は五郎左衛門を始めとする4名の浪人に忍者狩りを命じた。敵の首領は、闇の蔵人という恐るべき手練れで…という内容。

東映集団抗争時代劇の隠れた傑作。という知識も無しに観始めて、あれ松方弘樹が出てるなと思ったらお父さんの方だった。…で本作はその近衛十四郎による鬼気迫る演技が見所。語り草となっている無実の者まで斬殺する場面やクライマックスの組んずほぐれつまで、重量感のある時代アクションが楽しめる。

ただ忍者が真っ昼間から例の装束で堂々と襲撃して来たりするので、昔の時代劇だというのを意識させてしまうのはちょっと。…とは言え無情この上ない展開や何とも言いようのない虚無的な空気は、他では仲々に得難い作品だと思う。
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2016.05.12

パンドラ ザ・イエロー・モンキー PUNCH DRUNKARD TOUR THE MOVIE

観てみた、高橋栄樹監督による音楽ドキュメンタリー映画。2013年公開。

日本のロック・バンド「The Yellow Monkey」。先日再結成を果たした彼らが、解散前に開催した「PUNCH DRUNKARD TOUR」の模様を中心に捉えたドキュメンタリーである本作。1998年に全113公演という強行軍で行われた同ツアーを、ステージ映像を始めとして関係者の証言と共に再現する…という内容。

筆者イエモンの事は殆ど知らなかったので、まあ勉強のつもりで観ておくかと。ところが実は本作はライブ場面はあまり無く(…あっても曲の途中でブツ切りが当たり前)、スタッフインタビューや念入りに捉えたバックステージ映像ばかり。同バンドに関して門外漢の自分には、何の事やらな内容で正直参ってしまった。

とは言え演奏自体は英ロック風のスタイルで、思ったよりもカッコいいのね。Voの人の演奏による「ドラゴンボール超」主題歌が微妙な評判だっていう、妙なイメージがあったんだけど…まあ少年アニメのテーマ曲って感じではないわな。
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2016.05.11

リベリオン ワルシャワ大攻防戦

観てみた。ヤン・コマサ脚本、監督映画。2014年公開。

1944年のポーランド。ナチスドイツ占領下のワルシャワで暮らす青年・ステファンは、地下抵抗組織ポーランド国内軍に参加する事に。同志であるアラという娘と親しくなるも、戦場で負傷した上に家族を為す術もなく殺害され茫然自失の体に陥る。そんな彼をアラは気遣い、行動を共にするのだが…という内容。

「ワルシャワ蜂起」70周年を記念して製作された、ポーランドの戦争大作映画。激しい戦闘により見るも無残に破壊されたワルシャワの街並みからは、同じ題材を採り上げた「地下水道」等を強烈に連想させる…けれど、同時にガイ・リッチー風に奇矯なスロー演出も採り入れられており、少しばかり戸惑ってしまった。

とは言え、地獄絵図としか表現しようのない戦いの様相が描かれており圧倒される。戦争という極限環境の中、朦朧とした意識状態を映像に定着させたかの様な作品なので、奇妙な演出にもそれはそれで一貫性はあるのかもなあと。
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2016.05.09

おとなのけんか

観てみた、ロマン・ポランスキー監督映画。2011年公開。

子供同士の喧嘩沙汰で、相手に前歯を折る怪我を負わせてしまったカウワン夫妻。彼らは被害者の親であるロングストリート夫妻の自宅を訪ねて、今後についての相談をする事に。ところが会話は度々掛かってくる電話で中断され、しかも互いの立場の食い違いから場は次第に険悪な雰囲気になって…という内容。

原作はヤスミナ・レザの戯曲で、本作もアパートの一室のみで進行する舞台劇を思わせる内容。ニューヨークの出来事という設定(…でもポランスキー監督がアメリカに入国出来ない為に、パリで撮影が行われたとの事)もあって、男女が本音をぶつけ合う会話劇という内容は、ウディ・アレンの作品っぽいなと思った。

子供の喧嘩がいつの間にか大人同士の喧嘩に発展する展開はユニークだが、最初から最後まで口論しているというのは正直楽しくない(ゲロで本を汚すというのも個人的にはつらいし)。人間観察的に客観視出来る人向けなのかなあ。
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2016.05.08

ブレスト要塞大攻防戦

観てみた、アレクサンドル・コット監督映画。2010年公開。

第二次大戦中の1941年。ソ連国境近くにある要塞都市ブレストに、突如ナチスドイツが奇襲をかけて来る。砲撃に続く地上部隊の侵攻により、ブレスト内部は地獄絵図の有様。軍楽隊の少年サーシュカは離ればなれになった少女アーニャを探し求めるも、敵軍の容赦無い攻撃に翻弄されるばかりで…という内容。

ドイツ軍の猛攻に対し果敢に抵抗し後に「英雄都市」の称号を得たという、ブレストの実話を描いたロシア製戦争大作。…大量の火薬を用いた破壊描写に夥しく転がる死体の山。終始緊張感のある戦闘に見応えがあるが、独軍の横暴を糾弾する内容は「僕の村は戦場だった」や「炎628」といった作品を彷彿とさせる。

まあ少年の目を通して独ソ戦を描くという共通点があるからだろう。…ただ本作の場合は戦争の悲惨を描くと共に、割と英雄賛美的な視点も窺えるのは少々違う。そういう辺り、珍品戦争映画的な地位に甘んじている所以かもしれん。
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2016.05.07

LEGO ムービー

観てみた。P・ロード、C・ミラー監督による3DCGアニメ映画。2014年公開。

レゴブロックで出来た世界。平凡な建設作業員であるエメットはある日、ワイルドガールを追って落ちた穴の中で伝説の「失われたパーツ」を手に入れる。彼は「選ばれし者」として多くの協力者達と共に、恐るべきスパボンを用いて世界を征服せんと狙う悪人・おしごと大王に、立ち向かう事になるのだが…という内容。

3DCGを駆使して、実物の「レゴブロック」を動かした感覚の映像で作り上げてしまったユニークな作品。筆者自身はレゴには余り馴染みはないけど…ガレージキットをやってた頃に、シリコン型を作る際の「枠」として使った位かな。

内容自体はそうした映像や展開がガチャガチャとせわしない上に、登場キャラがやたらと多くて(バットマンとスーパーマンの映画での共演って本作が初?)付いていくだけでも大変だった。…とは言え子供がおもちゃ遊びする時にする妄想を、そのまま映画化したかの様な内容に、結構共感してしまったのは確か。
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2016.05.05

ソルジャーズ・オブ・フューリー

観てみた、アレクサンドル・チェルニャエフ監督映画。2014年公開。

ベトナム戦争の続く1970年。直接には参戦しなかったソ連だが、実は特殊部隊の兵士を戦地に送り込み任務に当たらせていた。そんな「トロフィーコレクター(戦利品収集者)」と呼ばれた1人であるパヴェルは、作戦遂行後に部隊から離反して単独行動を取る。実は彼には極秘の指令が与えられており…という内容。

「軍事顧問団」の名目でソ連がベトナム戦争に参加していたのは事実だが、それが本作での様な形だったのかはよく判らない。本作でもその事は未だ秘されていると字幕が出るし。…まあソ連兵がM16自動小銃を使っている事を突っ込む解説もあるけれど、これは上記事情で身分を秘匿する為と見れば筋は通る。

とは言えロシア製のベトナム戦争映画というのが変化球すぎて、それだけで興味を引かれるのは確か。戦闘描写は臨場感があって悪くないが、翼下に機銃を増設したF4ファントムの銃撃シーンはちょっとB級っぽくなる気はするかも。
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2016.05.04

星を追う子ども

観てみた、新海誠監督によるアニメーション映画。2011年公開。

母子家庭に育つ少女・明日菜は、ある日「アガルタ」から来たという少年・シュンに命を救われる。だがシュンが遺体で発見され、明日菜は代理教師・森崎の語る死後の世界に興味を持つ。その直後、シュンと瓜二つのシンの導きで異世界に辿り着いた彼女は、ある死者の復活を願う森崎と行動を共にし…という内容。

2011年の前後に、ポスト宮崎駿を狙ったと思しきアニメ映画が次々公開されたのは、今になってみると興味深い。その中だと「おおかみこどもの雨と雪」の独自性は確かに群を抜いているが、本作もまた別な意味で強烈な印象を残す。

これより以前の同監督作とは大分違った感覚…という前に、宮崎アニメのパロディとしか思えない内容に面食らった。でもファンタジーや冒険要素が強い反面、これまで見せたナイーブさとも違う薄暗く退廃的な雰囲気なのは面白い。そういう意味では決して嫌いじゃないんだよな(ダラダラと長く散漫で疲れただけで)。
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2016.05.02

シンプルメン

観てみた、ハル・ハートリー監督映画。1992年公開。

ビル・マッケイブと真面目な学生であるデニスの兄弟。彼らの父親・ウィリアムは元大リーグの名選手で、しかも現在は国防省爆破事件の容疑者として逃走中という、小物の犯罪者なビルとは違って超有名人。兄弟は母親から託された連絡先を頼りに、父がいると思しきサガポネックへと向かうのだが…という内容。

故淀川長治が絶賛したという本作。彼は「勝手にしやがれ」を連想したそうだが、米インディペンデント的作風の中にオフビートな人間模様/恋愛模様が描かれる内容。本作を語る際常に話題になるSonic Youthの曲でのダンス場面や、ロックバンドの名前を羅列する台詞等、脈絡の無い即興的演出に感性が光る。

ただ筆者初見は何がしたい映画なのかサッパリ判らず、観ていて眠くて仕方なかった。淀川氏はその点、きちんと作品の真価を理解していた様で流石だな。…まあ恋愛どうのより、イケメン兄弟のロードムービー的に観たのかもしれん。
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