2016.10.31

ロックンローラ

観てみた、ガイ・リッチー監督映画。2008年公開。

ロンドンの不動産取引で一攫千金を狙った2人組、だが計画は失敗し暗黒街のボスに多額の借金を負ってしまう。そんな彼らに女会計士が齎した挽回のチャンスは、ボスの取引相手である露人実業家からの現金強奪だった。更に実業家の大切にする絵画を盗んだのが、ボスの息子・ロックンローラで…という内容。

同監督の代表作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」等を思わせる、スピーディな犯罪群像劇。ただ同作や「スナッチ」における銃やダイヤを本作では絵画に置き換えただけで、全っ然代わり映えして見えないんだけど…

とは言うものの、本作で低迷期(マドンナとの結婚が本当に裏目に出たのな…)を脱出し「シャーロック・ホームズ」シリーズで心機一転する契機になった、橋渡しとしての意義はあると思う。薄味なのも確かだけどSonics等の選曲やトリッキーな映像という、同監督ならではのセンスで充分楽しめる作品じゃないかな。
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2016.10.30

オデッセイ

観てみた。マット・デイモン主演、リドリー・スコット監督映画。2015年公開。

NASAの有人探査ミッションが行われている火星。その時突然強烈な嵐に襲われ計画は中止、調査隊は軌道上の母船に避難し地球へと帰還の途に就く。だがその中の1人、マーク・ワトニー飛行士だけが事故で死亡したものと判断され取り残されてしまった。果たして彼は不毛の火星で生き残れるのか…という内容。

原作はアンディ・ウィアーの小説「火星の人」。火星で遭難して死を待つばかりの宇宙飛行士を描いたSF短編(火星年代記?)を昔読んだけれど、本作は同じ題材を最新の科学知識を採り入れたサバイバルSFとして再生させている。

水を作り植物を育て地球との通信を回復させる、主人公の知恵にワクワクし実行力に手に汗握る。ただ題材自体が持つスケールからすると内容自体はパーソナルなものなので、クライマックスの救出劇や大作感を出し過ぎなエピローグは何か違う気も。…まあStarmanが流れるだけで、名作確定みたいなもんだが。
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2016.10.29

アメリカン・ビューティー

観てみた。ケヴィン・スペイシー主演、サム・メンデス監督映画。1999年公開。

レスターの家庭では、妻キャロリンや高校生の娘ジェーンとの関係は冷え切っていた。妻は同業者の不動産王と浮気に走り、娘は麻薬の売人として荒稼ぎする隣人の息子と急接近する。しかもレスターは娘の同級生に色目を使う始末。更に彼は突然仕事を辞めて、大麻を吸いながら身体を鍛え始め…という内容。

米アカデミー賞では作品賞を始め、5部門を獲得した本作。失職や浮気、麻薬に同性愛といった現代アメリカ的な家庭の危機を描いた辺り、センセーショナルな作品だった事が窺える。ただ今となっては個々の問題自体は余り目新しいものとは言えないけれど…本作は一種の「ホームドラマ」として観たらいいのかも。

昔のTVドラマ「パパは何でも知っている」みたいに健全な米国の家庭が、40年を経て本作の様になってしまったと考えたら笑うしかないわな。…それでも父親の理性や良識は保たれる訳で、最終的な悲劇の中にも善性を感じて安堵する。
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2016.10.26

ドラえもん のび太とふしぎ風使い

観てみた、芝山努監督によるアニメーション映画。2003年公開。

ある日のび太は不思議な台風の子供と出逢い、「フー子」と名付けて可愛がる。ドラえもん達と共に遊びに出掛けた際彼らは洞窟の中に吸い込まれ、風使いの民が暮らす村へと辿り着いた。その一方封印を解かれた古代の怪物・マフーガがスネ夫の身体を乗っ取り、嵐の民を従えて風使いの村を襲い…という内容。

旧ドラえもん劇場版シリーズの第24作で、同時上映は「Pa-Pa-Pa ザ★ムービー パーマン」。そちらでは90式戦車が登場し、発射したAPFSDSの弾芯が空中に静止するという、結構興味深いミリタリー描写があるんだけど知ってるかな? …いや何の話って、本当はそっちを見たかったのだけれど。同時収録されてる筈のDVDをレンタルしたら、届いたのは何故か本作単品のものだったのだよ。

まあ仕方ない。本作では明瞭に宮崎作品を意識しているのが窺える辺り興味深いが…名エピソード「台風のフー子」をこんな形で持ち出されるのはちとな。
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2016.10.25

パイレーツ・ロック

観てみた、リチャード・カーティス監督映画。2009年公開。

1966年。イギリスでは僅かな時間しかロックを流さない公共ラジオに反発して、若者達が北海に浮かんだ船上から海賊局「ラジオ・ロック」の放送を行っていた。熱狂する国民達の一方で、英国政府は反社会的な彼らの活動を苦々しく思っていた。毎日がお祭り騒ぎな放送にも、やがて終わりが訪れ…という内容。

実在した海賊放送局をモデルに、66年から翌年にかけての同時代ロックの数々が流れる青春映画。Rolling Stones等の定番だけでなく、Small Facesなんかも使われているのが嬉しいが…実は同バンドの曲は1年のフライング。それが端的に表してるんだけど、音楽への愛情をまるで感じない作品なんだよな。

音楽そっちのけで馬鹿騒ぎばかりしていて、それが軒並み不愉快な内容で参った。実話ベースの割りには余りにも作り話感満載で、感情移入も感動もまるで出来ないし。…まあ本作はむしろ、ロック好きじゃない方が気に入るかもね。
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2016.10.22

THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!

観てみた、錦織敦史監督によるアニメーション映画。2014年公開。

天海春香を始めとする765プロのアイドル達が、新たに取り組む事になったのはアリーナでのライブだった。そこで新人バックダンサーを加え合宿に臨むのだが、その際長年彼女達を支えたプロデューサーの海外留学が判明し動揺が走る。更に新人の1人である矢吹可奈が、練習に欠席がちになって…という内容。

人気ゲームのアニメ化であるTVシリーズからの続編映画。TV版は基本的に困難や障害こそあっても常に上昇を続ける物語だったのに対し、映画版ではアイドルとしての苦悩や葛藤による沈降が描かれる比較的シリアスな内容なのが特徴。…要するにこれって、その後に作られた「アニデレ」と同じ傾向なんだよな。

本作とアニデレとでは監督が違うので、共通する脚本家の意向かなと(いや犯人捜しではないよ)。個人的に本作は、「特殊職業としてのアイドル」の一端が窺えたのが面白かったのだけれど…まあアイドルをアニメで描く方も大変そうだ。
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2016.10.21

カリフォルニア・ドールズ

観てみた、ロバート・アルドリッチ監督映画。1981年公開。

女子プロレスコンビ、「カリフォルニア・ドールズ」のアイリスとモリー。女子プロ生活は金銭で苦しんだりプライドを傷付けられたりする日々ではあるものの、マネージャーのハリーと共に全米各地を転戦していた。そんな彼女達も徐々に人気が上がって、遂にタイトルマッチに挑戦する運びとなったのだが…という内容。

男気ムンムンの映画で知られるアルドリッチ監督の遺作である本作は、その逆で女子プロレスの世界を描く映画となった。…筆者も正直余り詳しくない分野だけど、本作では日本のプロモーターや選手も登場しているのが面白い(公開時はビューティーペア解散後、クラッシュギャルズ結成前の時期になる模様)。

熱い試合シーンで盛り上がるスポーツ物であると共に、女子プロレスの悲喜こもごもを描くロードムービーとしても魅力的な本作。その世界の酸いも甘いも熟知したマネージャーを、ピーター・フォークが演じてる辺りも見事な配役だな。
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2016.10.20

心が叫びたがってるんだ。

観てみた、長井龍雪監督によるアニメーション映画。2015年公開。

高校生の成瀬順は、以前自分の多弁が両親の離婚の原因となった事から、言葉を発するだけで腹痛を起こす「呪い」にかかっていた。そんな彼女が坂上拓実、仁藤菜月、田崎大樹と共に学校行事の委員に選ばれてしまう。順は拓実の支えもあって、その行事でミュージカルを上演する事になるのだが…という内容。

長井監督に脚本担当の岡田麿里を始めとする、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」スタッフが再結集した劇場アニメ。同作のクライマックスが絶叫版青年の主張と揶揄されたのを逆手に取ったのか、本作では内心の想いを「言葉」で発する事をテーマに置いているのが興味深い(…と言うか何と言うか)。

それをミュージカルの歌に乗せて表現する辺り、映像作品的な仕掛けとして面白いが…青春物としてのビターな味付けもあってか、今ひとつカタルシスに届かないのがどうも。まあ個人的には別にいいけど、順ちゃんめっさ可愛かったし。
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2016.10.18

海底大戦争

観てみた。千葉真一主演、佐藤肇監督映画。1966年公開。

新聞記者の安部とジェニーは、米潜水艦が行った水中ミサイル発射実験に立ち会う。だがその際カメラに謎の影が映り、不審に思った彼らは周辺海域で潜水調査を始めた。ジェニーが海中で遭遇したのは何と体中にヒレの生えた半魚人で、彼らは悪の科学者に改造された人間の成れの果てだった…という内容。

福島正実原案による日米合作の東映製海中特撮映画。多分「海底軍艦」辺りに触発されたんじゃないかとは思うものの、本作を観て連想した「緯度0大作戦」や「007は二度死ぬ」辺りには、実は先駆けている事は評価するべきかも。

本作で潜水艦等のデザインを担当したのは成田亨。円谷プロとの契約の都合から、別名義での仕事だというのが興味深い。…と結構面白い材料が揃っているのに、本作の内容自体はだいぶ退屈なのが勿体ない。懇切丁寧にじっくりと半魚人への改造手術を描写するという、狂ったバランス感覚は逆に面白いけど。
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2016.10.17

サカサマのパテマ

観てみた、吉浦康裕監督によるアニメーション映画。2013年公開。

かつて大事故が発生した後の地球。地下の空洞に暮らす少女・パテマは、逆様に天井を歩く何者かに襲われる。彼女が縦穴を落下した先は開けた地上、だがそこは重力が逆転した世界だった。地表は管理社会の国「アイガ」。空へと落ちそうになるパテマは、エイジという孤独な少年の世話になるのだが…という内容。

前回紹介した「アップサイドダウン」と類似したアイデアの作品。そちらの日本公開が2013年9月、本作が同年11月という事でどうやら完全に偶然の一致らしい。映像面では流石に、ハリウッド製のアップサイドに軍配が上がりそうだが…

こちらも仲々どうして負けてない。まあ本作のストーリーがコナンやラピュタを直接連想させてしまう辺り、点数は辛くなってしまうけれど…やはり着想の良さで個人的には全部許せてしまう。特に「空に落下する」って逆転感のあるビジュアルが見事で、価値観の顛倒と相互理解という本作の内容を象徴していると思う。
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2016.10.16

アップサイドダウン 重力の恋人

観てみた、フアン・ソラナス監督映画。2012年公開。

ある接近した2つの惑星では、それぞれの物質が自星の方向にしか重力が働かないという奇妙な世界だった。下の世界に住むアダムは、上の世界のエデンと愛し合うも、無理矢理に引き離されてしまう。そして10年後、科学者となったアダムは彼女と再び逢う為に、上下世界の合同企業に入るのだが…という内容。

上の文では上手く説明出来た気がしないけど…要は別の世界の物体を違う方に持って行ったら、下方向に落ちるのではなく天井にすっ飛んでいく。ドリフの全員集合でやってた、無重力コントを思い出して貰えばいいんじゃないかな?

それが映像的にも面白く表現されていて、かなりユニークな作品になっている。とは言え物理を多少かじっていたら突っ込まずにはいられない設定だが…本作の「斥力物質(厳密には違うけれど)」と「引力物質」を混ぜて無重量物質を作るというSF的なアイデアなどは、古典的センスオブワンダーが感じられて良い。
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2016.10.14

台風のノルダ

観てみた、新井陽次郎監督によるアニメーション映画。2015年公開。

親友の西条ケンタとの喧嘩で、文化祭準備中のクラスの雰囲気を悪くしてしまった中学生・東シュウイチ。彼は台風で暴風が吹き荒れる中、鉄塔から落下した見知らぬ少女の姿を目に止める。傷ついた少女を介抱した際シュウイチが彼女から聞いた話では、地球に大変な事態が迫っているというのだが…という内容。

スタジオジブリ出身の新井監督が手掛けた中編アニメ映画。同監督と共に本作を制作したスタジオコロリドはパズドラのTVCMも担当しており、その中に登場している少年・都北くんが「ある層」にやたら受けてたのが記憶に新しいところ。

本作もジブリ出身と言われたら、そうだろうねとしか言いようのない内容で長編だと辛そうな感じだが…逆に言えば30分弱で簡潔にまとめたお陰でスルッと逃げ切っている。キャラの掘り下げ等物足りないというのも確かではあるものの、(都北くんと同様)脳内であれこれ妄想を膨らませた方が楽しいかもしれん。
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2016.10.13

アンドレイ・ルブリョフ

観てみた、アンドレイ・タルコフスキー監督映画。1969年公開。

15世紀のロシアで活躍した、最も重要なイコン画家と言われるアンドレイ・ルブリョフ。本作は2部8章に分ける形で、ルブリョフの目を通した同時代の出来事が断片的に描かれる。イコン画家となる為モスクワの修道院にやって来たルブリョフは、異教徒の儀式やタタール兵の襲撃、大鐘建造に立ち会って…という内容。

同監督としては「僕の村は戦場だった」と「惑星ソラリス」の間に位置する歴史大作。騎馬による戦場描写がある一方で(白黒映像ながら)水や火、動物の登場する演出が用いられており、作風は上記2作からの折衷という感じがして興味深い。のみならず熱気球の飛行による空撮等、本作独特の画面表現も面白い。

有名な画家の伝記なのかと思ったら、実際は殆ど傍観している感じ。3時間半を余計に長く感じたのも自分が露国史に疎いからかと思ったら、国内でも結構批判はあったらしい。…それでも見事な映像と力強い鐘の音に心震わされる。
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2016.10.11

バケモノの子

観てみた、細田守監督によるアニメーション映画。2015年公開。

母を事故で亡くした少年・蓮は、夜の渋谷で放浪するうちにバケモノの世界に迷い込んでしまった。彼はそこで「九太」と名付けられ、乱暴者・熊徹の弟子として拳法を学ぶ事になる。顔を合わせると喧嘩ばかりの2人だったが、互いに強さのみならず人格的にも成長していく。そして数年が過ぎて、蓮は再び…という内容。

で熊徹の声を演じるのが、終戦日に割腹自殺した役所広司(違)。本作は同監督で最大のヒットを記録したとの事だが…観ていて思ったのは、同監督は自身が見聞きして体験した事以外からは発想出来ないタイプの作家なんだろうなと。

そうした資質自体を批判する気はないけれど、本作の様なファンタジーの場合は少々厳しい。本作の内容は人生で迎える出逢いや別れといった数々の岐路を律儀になぞりすぎで、非現実的なイマジネーションの奔流で逸脱するという事がない。同監督はいい意味での「大嘘付き」になってもいいんじゃないかなあ。
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2016.10.10

日本のいちばん長い日

観てみた。役所広司主演、原田眞人監督映画。2015年公開。

日本の敗色が濃厚となった1945年。昭和天皇の意志の下、鈴木首相や阿南陸軍大臣を始めとする政府は、連合国側との講和の道を探っていた。そしてポツダム宣言の布告をを受け、遂に日本は無条件降伏の決断を下す。だが天皇の玉音放送の録音が行われる中、降伏に反対する青年将校達は…という内容。

原作は半藤一利の実話本。当初半藤の名前は伏せられたのだが、当時作者は一介の社員だった為営業上の判断から「大宅壮一編」という形を取ったとの事。…1967年の岡本喜八監督による映画化と内容的にはほぼ同様だが、登場人物達の家庭人的な面を8月15日から数ヶ月ほど遡って描いているのが特徴。

個人的には戦時下の(照明に乏しい)暗さを再現した撮影だけで結構悪くないと思ったんだけど…役所広司演じる阿南大臣は終戦当日には、潜水艦で戦ってたかその前に一式陸攻で撃墜されてなかったっけ?、とか思ってしもた。
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2016.10.09

ロボ・ジョックス

観てみた、スチュアート・ゴードン監督映画。1990年公開。

核戦争後の地球では二大勢力の争いを治める手段として、巨大ロボットによる決闘が行われていた。共和国のジョックス(操縦者)アキレスは敵対する連邦のアレクサンダーと戦った際、観客席に倒れ込んで多数の死傷者を出してしまう。ショックを受けた彼は再戦を前に、競技からの引退を決意して…という内容。

パシフィック・リムに先駆ける事23年、日本アニメ風の巨大ロボット実写映画として米国で企画されたのが本作。製作会社の倒産等のトラブルを乗り越えて日本でも公開されたものの…出来自体はB級そのものといった感じ。それでも脚本が「終わりなき戦い」のジョー・ホールドマンというのはもっと注目されてもいい。

国家間代理戦争というアイデアや重量感のあるモデルアニメーション特撮等、実際馬鹿にしたものではないと思う。主役ロボット「マツモト14号」の三段変形や敵ロボットのロケットパンチ等、日本的ロボの基本を押さえているのも良い。
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2016.10.06

アニー・ホール

観てみた。ウディ・アレン主演、監督映画。1977年公開。

コメディアンのアルビーは、かつて恋人だったアニーについて語り始める。ジェットコースター下の揺れる住宅で育った彼は、ある日テニス場で彼女と出逢った。厄介な性格の2人は衝突する事も度々だったものの、互いに楽しい時を過ごす。だが歌も嗜むアニーは、音楽プロデューサーの目に留まって…という内容。

アレンの代表作とも言われる映画で、米アカデミー賞では4部門を獲得(でもアレン本人は授賞式に出席しなかった)。長回しでの撮影や台詞の応酬、NYを舞台にした脚本や現地で暮らす人々の描写等、彼のスタイルは本作で完成した。

まあ筆者はそうした手法自体は後の作品で触れてはいたけれど、本作は最初だけあって才気走った意欲の迸りが伝わって来る。上流階級的スノッブからDQN層まで、ユーモア混じりで扱き下ろす舌鋒の鋭さには笑った。マハリシ・マヘシ・ヨギやディラン、フェリーニといった当時先端だった人物への言及にもニヤリ。
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2016.10.05

男はつらいよ

観てみた。渥美清主演、山田洋次監督映画。1969年公開。

葛飾柴又へと20年振りに帰って来た車寅次郎。妹のさくらと共に世話になった叔父叔母と久々の再会を果たした寅次郎だったが、やくざ者の上に行儀を知らない彼は妹の見合いの席で狼藉を働き、縁談を失敗させてしまう。失意の中旅の生活に戻った寅次郎が奈良で出逢ったのは、冬子という女性で…という内容。

ギネスブックにも認定された世界最長の映画シリーズ、その記念すべき第1作が本作。というか元々TVドラマとして製作されたものの、最終回で死亡する主人公・車寅次郎を惜しんだ視聴者の熱望から生まれた映画らしい。更に同時期の山田喜劇作品、「なつかしい風来坊」等との共通性を感じさせる一作でもある。

既にシリーズとしての要素がほぼ揃っている上(無いのは冒頭の夢位)本当の意味での家族との再会や、さくらの結婚まで描かれる盛り沢山な内容。特に寅次郎が夜の柴又の街を歌いながら、軽やかに進む場面の情感が素晴らしい。
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2016.10.04

マンダレイ

観てみた。ラース・フォン・トリアー脚本、監督映画。2005年公開。

ドッグヴィルを発ったグレースと父のギャング団。彼女が立ち寄った大農場マンダレイでは、70年も前に廃止された筈の黒人奴隷制度が未だに行われていた。グレースはその際息を引き取った女主人から、ある本の処分を頼まれる。彼女は黒人達のその後の自立を促す為、マンダレイに残ったのだが…という内容。

「ドッグヴィル」の続編である本作。前作と同様床に白線を引いて家具を置いただけのセットで撮影が行われているが、主人公のグレース役はニコール・キッドマンからブライス・ダラス・ハワードに交代している。…本作では支配と自由、その際発生する責任や自主性といった問題を奴隷制度となぞらえて描いている。

(セットの抽象性とも呼応してか)普遍的な意識の下に語られており、筆者も自分自身に関わるものとして考えさせられた。…ただ直近に「ルーツ」を見たせいで、米国の黒人があれだけ希求した自由にこんな消極的になるもんかなあと。
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2016.10.02

裏切りの荒野

観てみた、ルイジ・バッツォーニ監督映画。1967年公開。

スペイン軍の軍曹ホセは、ジプシー娘カルメンの情熱的な振る舞いに心惹かれる。しかも彼は恋敵となる自分の上官まで殺害し、賞金首として追われる身になってしまった。ホセは彼女と米国に渡る為に、馬車に隠された金塊の強奪計画に加わる。だがその強盗団にはカルメンの夫、ガルシアがいて…という内容。

本作はフランコ・ネロの主演によるマカロニ・ウエスタンだが、オペラとしても有名なプロスペル・メリメ作「カルメン」の物語を元にしている。…って事は要するに舞台はスペインなのだから、西部劇でも何でもないんじゃんって事になるけど。まあ一応は馬に乗ってのドンパチ位はあるんだし、近いと言えば近いのかなあ。

という訳でマカロニ西部劇としては異色なのだけれど、カルメンとして観ると原典を案外忠実になぞっている。…最初のうちは何だモリコーネの音楽じゃないのかよと思ったのだが、どうせならビゼーの曲でも使えばよかったんじゃないかね。
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