2017.01.31

マジック・イン・ムーンライト

観てみた。ウディ・アレン脚本、監督映画。2014年公開。

凄腕だが皮肉屋の奇術師、スタンリー・クロフォード。彼は旧友の同業者バーカンから頼まれて、最近大富豪宅に居着いているという霊能者ソフィ・ベイカーのインチキを証明する事に。ところが嘘を曝くどころか彼女の能力を認めざるを得ず、更に富豪の息子から求婚を受けているソフィに惹かれてしまい…という内容。

「鑑定士と顔のない依頼人」(2013年公開)にモヤモヤしたものを感じた人は、本作を観たら溜飲が下がるかもしれない…ってこれ結構なネタバレだな。両作は実際プロット面で似通っているのだが、本作は遅れて公開された上に割とありがちなオチを迎える為からか、内容面での陳腐さを批判される事が多いみたい。

アレン作品としては毒も切れ味も鈍いものの、自分なんかそこがいいと思ったな。あと個人的には、心霊主義や降霊術を題材にしているのも興味深い。時期的にずれるけれど、多分フーディーニの超能力者退治が元ネタじゃないかな。
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2017.01.30

カラヴァッジオ

観てみた。デレク・ジャーマン脚本、監督映画。1986年公開。

死の床につく画家・カラヴァッジオ。旅路の果てに辿り着いた東屋で、彼は自らの生涯を回想する。少年時より筆を握り貧困の中で病に冒された彼は、やがて貴族から絵の腕前を見出され、遂には正教会からの依頼を受けるまでに至る。だが彼はある賭博師との出逢いから、危険な揉め事に身をさらし…という内容。

16世紀イタリアで活動した画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオの生涯を描いた伝記映画である本作。深い陰影表現を採り入れた画風や、殺人罪での逃亡生活を送った事で知られるが…本作は画家出身だというジャーマン監督らしい感性の演出と共に、同性愛的なイメージに満ちた内容となっている。

特に本作は厳密な歴史考証が重視されてはおらず、自動車や電卓といった現代の小物が画面に登場するのが特徴。この辺り正直自分は余りピンとは来ないんだけど…多分監督が画家に対して自己投影したって事なんじゃないかな。
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2017.01.28

1984

観てみた、マイケル・アンダーソン監督映画。1956年公開。

核戦争後の世界は3つに分かれ、互いに争っていた。その一国であるオセアニアのウィンストン・スミスは「ビッグ・ブラザー」体制による指導の下、常にカメラから監視される管理社会の中で暮らす。役人の身でありながら国家の在り様に疑問を抱くスミスは、不審な女からの視線を常に感じていたのだが…という内容。

原作はジョージ・オーウェルの有名な小説。抑圧的・非人道的な管理社会を描いた先駆的内容で、(本作映画版を観た限りでも)後の色々な同系作品を連想させるのだが…それよりこれって、例の将軍様がいる北の国そのものだなと。

まあ本作のオセアニアの方が遙かにとんでもないけれど、「いずれは現実になる」という予言が実現していたというのには何とも慄然としてしまう。…本作映画版は日本未公開だとの事だが、白黒の映像が管理社会の寒々しさに沿うと共にレトロフューチャー感まで醸し出していて、今観ると(関係無い部分で)面白い。
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2017.01.27

フットルース

観てみた、ハーバート・ロス監督映画。1984年公開。

田舎町ボーモントに引っ越して来た大都会シカゴ出身の高校生レンは、その町でロックやダンスが禁止されている事に驚かされる。そうした締め付けを推進しているのがムーア牧師。彼の娘であるエリエルらと共に、レンは卒業式のダンスパーティーを計画する。だが開催に際して激しい反対を受けて…という内容。

主題歌であるKenny Logginsの「Footloose」を始め、数々のヒット曲を生み出した、80年代を代表する青春音楽映画。主演のケヴィン・ベーコンを一躍スターダムへと押し上げた事でも知られるが…まあ内容自体は結構他愛ない感じ。

とは言うものの、田舎の不良とのトラブルを「理由なき反抗」のパロディとして描いている辺りは仲々面白い。まあ勿論本作の見せ場はヒット曲に乗せたダンスで、鬱憤をぶつける様に激しく踊る廃倉庫のベーコンなどは屈指の名シーンと言ってよいだろう(…あと何故か「スローターハウス5」を弁護する辺りもいいね)。
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2017.01.24

予告犯

観てみた。生田斗真主演、中村義洋監督映画。2015年公開。

ある日ネットに犯罪を予告する動画が公開され、その宣言は本当に実行される。些細な社会悪に制裁を下し続ける犯人は、やがてその覆面から「シンブンシ」と呼ばれる様になる。警察でも犯人を追うのだが、仲々尻尾を掴ませなかった。彼ら予告犯グループとは、社会から疎外された者達の集まりで…という内容。

原作は筒井哲也の漫画。一見すると少年誌的荒唐無稽さの無い「デスノート」といった印象を受ける内容だが…個人的には「相棒」を犯人視点から描いた感じだなと。外国人労働者の悲劇や派遣社員の苦悩(そういや原作はホリエモン似の人が「あのさあ!」と言う部分だけ見た)等、あのドラマでよく見る題材かも。

ただデスノートと違って犯人の側に同情の余地がある為、お涙頂戴と言われかねない展開ながら、細かい伏線を効かせた解明のドラマには見入ってしまった。…まあ右京さんならどんな事情があろうと怒るだろうけれど、自分は許したよ。
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2017.01.23

ラッシュ / プライドと友情

観てみた、ロン・ハワード監督映画。2013年公開。

レーシングドライバー、ニキ・ラウダとジェームス・ハント。F3のレースで接触事故を起こし遺恨を残した2人は、F1を舞台に再び対決する。1976年のシーズンはラウダがリードするものの、雨のドイツGPで彼は大事故を起こし一時は復帰すら危ぶまれる。その間優勝を重ねる、ハントの姿を見たラウダは…という内容。

実在のF1ドライバー2人のライバル関係を軸に、ニキ・ラウダの事故からの復帰劇とジェームス・ハントのチャンピオン獲得までを描いている。…事前にドキュメンタリーを見て筆者もある程度は知っていた話とは言え、当時にタイムスリップして撮影したのかと思ってしまう様な、臨場感と再現度には全く驚かされる。

対照的な主役2人の好演は勿論、実物のF1マシンを走らせたレース場面は本当に凄い。フェラーリ&マクラーレン始め、タイレル6輪車とか感涙物。F1に興味無いと入り込みにくいかもとは思うけど、ラウダ絶賛の出来に偽りは無いね。
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2017.01.20

超神伝説うろつき童子

見てみた、高山秀樹監督によるオリジナル・アニメーション・ビデオ。

3000年に一度出現するという「超神」を求めて、人間界にやって来た獣人・天邪鬼。彼は恐るべき霊力を発揮する少年・南雲辰夫を見出すのだが、その振る舞いは余りにも邪悪で伝説の内容と反していた。やがて南雲は…という内容。

前田俊夫の漫画を原作にアダルト作品として製作されたOVA。近年でも派生作が作られている長期シリーズだが、本項は1987年から1989年にかけて発売された「初期三部作」に関して触れる。同作は容赦無いエロス&バイオレンス描写で大変なセールスを上げると共に、海外でも高く評価された事で知られる。

筆者は当時2巻まで見てふーんって感じだったんだけど…今回改めて最後まで見て、確かに大変な名作だって納得したわ。スペクタクル場面での破格な作画や何でか消しの甘いエロ描写(LD-BOXで見たから)等だけでなく、結末における宇宙的視野の終末展開と、一縷の希望を託す天邪鬼の叫びに心震わされた。
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2017.01.19

DETONATORオーガン

見てみた。大張正己監督によるオリジナル・ビデオ・アニメーション。

西暦2292年。外宇宙から送られて来た通信データを元に作成されたマシンは、戦士「オーガン」の肉体だった。彼と一体化した地球の青年・真道トモルは、宇宙からやって来る破壊者イバリューダーと戦う事になるのだが…という内容。

1991年から1992年にかけて全3巻で発売されたOVAの本作、凄腕メカアニメーターとして注目されていた大張が手掛けた初の単独監督作でもある。…「アンドロメダのA」等のSF作品からの影響が興味深いが、本作は元々テッカマンのリメイク企画だったそうで、「〜ブレード」との共通点が散見される辺りも面白い。

個人的には以前1巻だけ見てそれきりだった。バリ全開の戦闘等今見ても流石ながら、当時はそこまで突出した作品ではなかった気もするが…時代の変化もあって実に楽しめる。時間経過と言えばオタ界隈で急に知名度を増した平沢進の音楽も貴重で、この劇伴あって生れる独特の存在感に関しては唯一無二かも。
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2017.01.18

アルタード・ステーツ 未知への挑戦

観てみた。ウィリアム・ハート主演、ケン・ラッセル監督映画。1979年公開。

科学者エドワード・ジェサッブは人間の肉体に刻まれた生命進化の痕跡を探るべく、幻覚剤を服用した上で薬品溶液を満たした水槽に浸かる実験を繰り返していた。エミリーとの結婚で一旦は遠ざかっていた実験を再開すると、彼の肉体は何と退化を始め猿の様な状態に変貌した。更に実験を続けると…という内容。

ラッセル監督の作品としては一時期頻繁にTV放映され、翌日学校で「訳わかんねえ」と話題になった作品。…実は当初別の監督が予定されていたのだが、引き継いだ同監督のやり放題から原作者兼脚本家とトラブルになったらしい。

宗教的な幻覚のコラージュ映像(Godfleshのジャケってこれの引用か)や猿化した主人公の大暴れ等、サイケデリック/ドラッグ・ムービーもいいところで、そりゃ観た小学生も困惑するわ。ただお話自体は要するに、現代版「ジキルとハイド」なんだな。最後に無理矢理愛が勝ってしまって、余計に困惑する気もしたが… 
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2017.01.16

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

観てみた。ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督映画。2013年公開。

1961年のNYに暮らすフォーク歌手・デイヴィス。彼は以前デュオを組んでいた相手を自殺で失い、現在は知人宅を渡り歩く困窮生活を送っていた。歌えどもギャラは出ず、預かった猫は逃がす。シカゴまで足を伸ばしても仕事は無く船員に戻る事も適わないという、うんざりする位些細な日常の中で彼は…という内容。

カンヌ映画祭では、審査員特別グランプリを獲得した本作。実在のフォーク歌手Dave Van Ronkの自伝を元にしたとの事だが、本人はこんなダメ人間ではなくNYフォーク界の大物だったらしい。個人的にこの手の音楽には今一馴染みが無いんだけど…ビートニク後、ESPディスク設立前ってこんな感じなのかと。

コメディ調に描かれてはいても作品の空気は重く、実際に当時を知る人達からの批判はあったそうで。…とは言え同兄弟らしい屈折した作品観はユニークで、劇中奏でられる演奏の流麗さに反しどこか人生への達観めいたものを感じる。
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2017.01.15

怒りの荒野

観てみた、トニーノ・ヴァレリー監督映画。1967年公開。

娼婦の子として蔑まれ、汚れ仕事を押し付けられるスコット。ある時タルビーという謎めいたガンマンが町にやって来た。スコットは自分に敬意を払ってくれる彼に憧れを抱き、弟子として行動を共にする。そして銃の腕前も成長したスコットは故郷へと戻るのだが、タルビーは悪どい手段で町の掌握を始め…という内容。

セルジオ・レオーネの弟子だというヴァレリー監督によるマカロニ西部劇。主演を務めたジュリアーノ・ジェンマの代表作でもあるが、劇中語られる「ガンマン十戒」がよく知られている。何だか丹下段平の「あしたのために〜」みたいだけど、本作の公開はあしたのジョー連載開始と前後するので影響関係は判らんな。

最終的に銃火を交える師弟それぞれのキャラクター描写が巧みで、小技の効いたアクションと共に見応えがある。…ジェンマが実物の銃をいじった事もないのにやけに扱いの手際がいいのには、モデルガン好きとして共感してしもうた。
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2017.01.14

ピーナッツ

観てみた。内村光良主演、監督映画。2005年公開。

スポーツライターの秋吉光一は、かつて草野球チーム「ピーナッツ」で伝説の三塁手と呼ばれた男。久し振りに町へと戻った彼は、今や消滅寸前のチームを立て直す為に奔走する。一方地元商店街で再開発計画が持ち上がり、住民の意見は割れていた。そこで草野球の試合で決着をつける事になって…という内容。

映画好きで知られる内村による初監督作。脚本も内村自身が手掛けたものだが、内容はTV番組「内村プロデュース」と密接な関わりを持つ。出演者にさまぁ〜ずやTIM等が登場し、同番組の集大成的意味合いも大きいものとなっている。

との事だが筆者は見てなかったもんで。上記の事情を抜きにしても、ウッチャンらしさが伝わって来る作品なのは間違いない。ただ主人公の再起と再開発問題に何の関連も無い辺り、ドラマ面の弱さを感じるのがちと。敵チームと事前の因縁でもあれば…とは思ったけれど、それはそれで持ち味が消えてしまうかな。
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2017.01.12

ブロークバック・マウンテン

観てみた、アン・リー監督映画。2005年公開。

1963年。イニスとジャックはブロークバック山でたった2人、羊の放牧を日夜見張る仕事に就く。初対面だった彼らはその間親交を深め、しかも肉体関係の一線も越えてしまう。その後それぞれ家庭を持った2人だったが、数年後再会し山野での逢瀬を重ねる。だが決して世間的に許されぬ彼らの関係は…という内容。

E・アニー・プルーの小説を原作とする本作、アカデミー賞での3部門獲得を始め世界的に高く評価された。…ゲイ映画として有名だが、同監督が「普遍的なラブストーリー」と説明する通り、20年の長きに渡って秘された愛情が描かれる。

特に前半、世界から隔絶された山間で展開される神話的な情景が素晴らしく(60年代の西部じゃ同性愛なんてそりゃ隠すわなという現実的な部分を超えて)どこか宗教的・観念的な禁忌に触れるかの様な雰囲気醸成の手際は見事。…互いの想いを一瞬から永遠へと重ねるラストシーンの飛翔感も切なく、また美しい。
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2017.01.11

カラー・ミー・ブラッド・レッド

観てみた。ハーシェル・ゴードン・ルイス脚本、監督映画。1965年公開。

画業に心血を注いで取り組むも、伸び悩んでいた画家のアダム。開催された個展で評論家から指摘された欠点は、色彩の未熟さだった。ある時婚約者が怪我でカンバスに付けた血液の跡を見て、彼は啓示を受ける。その鮮烈な血の「赤」を自らのものとする為に、彼は次々に若者達を手に掛けるのだが…という内容。

スプラッタ映画の創始者として知られる、「血糊のゴッドファーザー」ルイス監督が手掛けた本作。鮮烈な血の赤をカラー上映する事で、当時ドライブイン劇場のホラーとして相当なインパクトがあった様だが…冷静に考えると血液って空気に触れると酸化して変色するから、画家の狙った様にはならなかった筈だよなあ。

まあそれでも映像表現の未熟さや演出の荒々しさで、今観ても禍々しい感覚は健在。ただ案外犠牲者が少なかったり展開がだるかったりで、退屈さの方も尋常ではないレベルだが…先駆者の本気度が窺える辺り、避けて通れない作品。
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2017.01.09

マッハ!無限大

観てみた、プラッチャヤー・ピンゲーオ監督映画。2013年公開。

象と共にタイの村で暮らすカーム。彼は嘗て、奪われた象を取り戻す為にムエタイの腕を振るった戦士だ。そして今また象が動物密輸組織に盗まれてしまう。組織のアジトに向かったカームだが、敵のボスは何者かの手で既に殺害されていた。警察から追われる彼の背後では、巨大な陰謀が蠢いており…という内容。

「マッハ」という邦題が付いているものの、実は「トム・ヤム・クン!」の続編である本作(まあ多分セガールにおける「沈黙」みたいなものだろう)。内容は例によって主演のトニー・ジャーが得意のムエタイで、悪い奴をやっつけるというものだが…特殊撮影を禁じた前作とは打って変わって、CGもワイヤーも使い放題。

(「ザ・レイド」の続編でも同じ様な事を書いたけれど)そうした一点突破的な「芯」が無くなってしまった分、特徴のない作品になってしまったかなあと。…それでも屋上でバイクに追い回されるアクション場面なんかは、大笑いしてしまった。
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2017.01.08

ゾンビーバー

観てみた、ジョーダン・ルビン監督映画。2014年公開。

別荘を借り受けてバカンスにやって来た、メアリーを始めとする女子大生3人組。近場にはビーバーの巣も作られている自然の豊かな土地。その後ボーイフレンド3人も合流するのだが、ジェンは彼氏と喧嘩をしてしまう。そんな時、危険な化学薬品で凶暴化した「ゾンビーバー」が彼女達に襲いかかって…という内容。

「ハングオーバー!」シリーズの制作陣が手掛けたというホラーコメディ。夏のキャンプ場に化学薬品で凶暴化した動物。チープな造形のモンスターに包囲されて夜中襲撃を受ける、等といったホラー的お約束の数々を採り入れてパロディ化した作品だけど…つまらないネタはどう料理したところでつまらんままだなと。

近年のサメ映画を過剰に持て囃す様な層だったら、ユルさがいいだの映画愛があるだの言って賞賛するのかもしれんけど(とは言えED曲のユルさは確かに良かった)。この手の映画に怒っても負けという気がするから…まあ別にいいや。
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2017.01.07

屍者の帝国

観てみた、牧原亮太郎監督によるアニメーション映画。2015年公開。

19世紀末。フランケンシュタイン博士の開発した蘇生術により、屍者を様々な労働に使役する時代が到来していた。英国の医学生ワトソンは無許可で蘇生した屍者・フライデーと共に、諜報活動に従事する事に。彼らが探し求めるのは博士が残した「手記」。果たしてそこに書かれた恐るべき内容とは…という内容。

夭折の作家・伊藤計劃の絶筆原稿を、友人である円城塔が遺族の許可を得て完成させたというスチームパンクSF。そうした経緯が失われた手記を探索する本作の物語とシンクロしているが…内容の方も実在の人物や創作の有名キャラが入り乱れつつ進行する、メタ的な入れ子構造を採り入れたものとなっている。

フランケンシュタインやホームズ等は、筆者も読んでいるので割と楽しめたけれど…表面的な印象自体は「有名人大集合物」と「ゾンビ物」を合体させた、近年では手垢付きまくりなものに見えてしまうのが、ちょっと勿体なかったかな。
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2017.01.05

ブルーバ

観てみた。浜口喜博主演、鈴木重吉監督映画。1955年公開。

渡部礼子は20年程前消息を絶った父の友人、志賀博士を捜すべくアフリカの地に降り立った。彼の手紙に記されたダイヤモンド鉱山発見を目的とする一行だったが、人喰い種族の襲撃を受けて散り散りになる。そんな時彼女を救ったのが、野生の青年「ブルーバ」。彼は何と亡き博士の息子だった…という内容。

当時世界的に人気のあった「ターザン」映画を、日本でも独自に作ってしまおうという企画。日本で大々的に海外撮影を行った初期の作品の様だが、アフリカが舞台なのに実際はアメリカ。アフリカの場面は既存の映像を流用したらしい。

因みにブルーバを演じる浜口は、「フジヤマのトビウオ」と呼ばれたオリンピック水泳選手の1人。道理で泳ぎを披露するシーンが多い訳だ。尚本作は現在のところDVD化には至っていないのだが…本作の差別表現を見るとそれもやむなしか。伊福部昭が、バラダギ風のバーバリックな曲を提供しているのも面白い。
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2017.01.04

サム・ペキンパー 情熱と美学

観てみた、マイク・シーゲル監督によるドキュメンタリー映画。2005年公開。

映画監督サム・ペキンパー。1925年に誕生し、西部劇「ワイルドバンチ」から現代劇「ゲッタウェイ」まで激しい暴力に彩られたアクション映画を作り続けた。本作は彼の59年の生涯を、作品の映像や関係者証言により綴る…という内容。

本作はペキンパーの研究書も上梓したシーゲルが、自身のコレクションを売却した資金を元に制作したとの事。ハリウッドとの対立や撮影の困難から飲酒や薬物に溺れ、銃の扱い等で相当に無茶苦茶なエピソードが語られ興味深い。…ただ私生活では案外事件らしい事件は無く、割と淡々とした内容になっている。

個人的には実質的な遺作が、Julian LennonのPVだったというのが興味深い。死と暴力の映像作家というイメージが正直強かったのだが、意外とそれだけではなかったと判ったのも良かったな(あとBeatles関連のエピソードだと、彼の誕生日にリンゴやディランが、ナイフ投げ用の「ドア」をプレゼントしたとか…)。
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2017.01.03

皆殺しの天使

観てみた。ルイス・ブニュエル脚本、監督映画。1962年公開。

ある上流家庭の邸宅で、ブルジョア階級の人々を集めて晩餐会が開かれていた。ところが何故か使用人達が次々に職を辞していく。更に客達は皆何故か帰宅しようとせず、夜が明けた時には屋敷から誰一人出られなくなっていた。まるで見えない檻の中に、閉じ込められたかの様になった彼らはやがて…という内容。

実験音楽には演奏もしないで観客に突飛な事を仕掛ける、「ハプニング」という表現がある。中には「観客を部屋に閉じ込めて驚かす」というのがあったのだが、筆者今回それを連想したな。…メキシコ時代の同監督による本作は、初期のシュルレアリズム作品を想起させるのと同時に、様々な社会風刺も読み取れる。

階級差や社会的抑圧、何より「人間とは何かに囚われる存在である」といった言葉が浮かんでくるが…まあ、そうした解釈は観客の自由だろう。変に凝り固まった見解に囚われてしまったら、それこそ本作のブルジョワ達と一緒だしね。
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