2017.03.31

時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!

観てみた。O・ザンダー主演、ヴィム・ヴェンダース監督映画。1993年公開。

天使ダミエルが人間になってから数年。友人の天使カシエルもまたベルリンの人々の側に寄り添い、内心の声を聴いていた。そしてカシエルがベランダから落下した少女の命を救った時、彼もまた人間としての生を得た。だが人としての生活に不慣れな彼は、善と悪との間で葛藤する事になってしまい…という内容。

カンヌ映画祭で審査員特別グランプリを獲得した「ベルリン・天使の詩」の続編。前作にも登場した天使カシエルを主人公に、その後東西ドイツが統一したベルリンの街を舞台に描かれている。…そうした歴史の激動を象徴するのがゴルバチョフ元共産党書記長の出演で、今となっては大変貴重な記録となっている。

内容も結構エンタメ寄りになっていて楽しめるのだが…ちと尺が長いか。まあそれもピーター・フォークや、(前作のNick Caveに当たる?)Lou Reedの出番を充分に取る為と考えたら納得。前作好きなら満足できる続編じゃないかな。
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2017.03.30

マルホランド・ドライブ

観てみた。デヴィッド・リンチ脚本、監督映画。2001年公開。

ある夜マルホランド・ドライブで交通事故に巻き込まれた女。怪我を負った彼女はハリウッドの邸宅に身を隠す。そこは有名女優の家で、不在の彼女は姪のベティに留守宅を任せていた。女優志望であるベティは、女の正体を問い詰めるものの彼女は記憶を失っていた。女性の持ち物は大金と青い鍵で…という内容。

カンヌ映画祭では監督賞を獲得した本作だが、元々はTVシリーズとして製作を始めたものだった。一旦お蔵入りしかけた所を、仏の会社よりの出資を得て映画として完成したとの事。謎めいた雰囲気や変人だらけの登場人物といった辺りは成程「ツインピークス」を連想させるけど、相当に難解…というか不可解な作品。

現実と幻想が入り乱れ解釈を難しくしている辺り厄介な作品だが、まあ大まかな本筋としては2人の女性の愛憎劇ではある。…リンチ本人も好きに観てくれと言ってるんだし、ぼんやり判った様な気になればそれでいいんじゃないかな。
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2017.03.27

スターリングラード 史上最大の市街戦

観てみた、フョードル・ボンダルチュク監督映画。2013年公開。

震災現場で救助活動中のロシア人医師は、彼の「5人の」父親について語り始める。第二次大戦中スターリングラードの激戦の中、拠点となったあるアパートに住む娘・マーシャを中心に、5人の兵士が集まった。敵軍の市民への暴虐が続くその一方、あるドイツ軍将校はロシア人娼婦と深い関係になり…という内容。

ロシア映画で史上最大のヒットになったという戦争大作。同国の映画では初めてIMAXと3Dで公開されたというだけあって、CGをふんだんに用いた迫力のある市街戦場面が売りになっている。内容の方もまるでハリウッド作品の様な定番展開が続くのだが…これがまたどうして?、と思う程の退屈さで参ってしまった。

とは言え、本作が実は311の救援シーンから始まるという辺りは意外。まあナチを悪者にすればもっと明快になったとは思うけど…その際助けるのが独人という辺り、露映画もグローバルな視点に立つ様になったのは間違いないと思う。
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2017.03.26

「ベスト」トランザム

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聴いてみた、日本のロックバンドのベスト・アルバム。2005年発表。

「トランザム」は、チト河内(dr)を中心に1973年結成。翌年アルバム「トランザム」でのデビューより、ドラマやTVCMに多くの楽曲を提供する事になる。その後は河内の離脱に伴い、活動は高橋伸明(vo)により引き継がれて現在に至る。

このバンドの曲で特に有名なのが、恐らく1977年〜79年にかけて担当したコカコーラのCMソング(TVドラマ「俺たちの」シリーズの音楽も代表作だが、インストのみで歌は中村雅俊のだけなんだな)。どの曲も当時のキャッチコピー「Come On In」と、「さわやか」ってフレーズが入っていて思わず笑ってしまった。

でもまあ本作最大の名曲は「地球の仲間」じゃないかなと。こちらは国際障害者年テーマソングで、当時NHKでよく流れていたから覚えている人も多いと思うけれど…個人的には同時期に行われた校内合唱大会で、うちのクラスで採り上げたのがこの曲だった事もあって印象深い。ああ井上忠夫作曲なのか、流石だ。
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2017.03.23

「Happy ending」DOGSTAR

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聴いてみた、アメリカのグランジ/オルタナ・バンド。2000年発表。

「ドッグスター」は1991年、お互いに俳優であるKeanu Reeves(b)と、Robert Mailhouse(dr)が意気投合した事からスタート。その後Bret Domrose(g)を加え2枚のアルバムを制作し、数々のフェスティバルでの演奏や2002年の来日公演を行った後解散した。尚現在Reevesは、音楽活動自体停止している。

本作は2ndアルバムにして最終作。内容はグランジやインディー系ギターロックといった感じだけど、これといった特徴が無いのも正直なところ。…まあ殆どの曲はDomroseが手掛けており(Carpentersでお馴染みのSuperstarのカバーも収録されているが)、キアヌにどの程度主導権があったのかはよく判らない。

案外控えめなベース演奏は、キアヌらしいと言えばらしい。…とは言え俳優さんのお遊びバンド、という風に批判される事も無い程度には本格的なのも確か。ただそのせい?で、中途半端な立ち位置に終わってしまったのも致し方無しか。
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2017.03.22

「The electric banana sessions (1967-1969)」THE PRETTY THINGS

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聴いてみた、英ロックバンドのコンピレーション・アルバム。2011年発表。

「ザ・プリティ・シングス」は、初期のThe Rolling Stonesに参加していたDIck Taylor(g)を中心に1963年結成。同年に英ガレージの筆頭作である1st「The Pretty Things」、1968年にはロックオペラの先駆けとなる「S.F.Sollow」をリリースするも、活動には困難を極めた。それでも現在も尚存続中の重鎮。

そんな彼らが活動資金を稼ぐ為?に、「The Electric Banana」なる変名で制作した音源をまとめたのが本作。…どうも彼らはこの当時不道徳なバンドとして世間から徹底的に忌避されていた様で、それも止むを得ない話だったのかも。

でも演奏自体は本家プリティーズとそこまで変わらない上、本作のTrack.3が英ドラマ「ドクター・フー」の主題歌として起用されたらしいのだから、どっちが表か裏かわからんな。…ただし本作は28曲収録のうち半分くらいは、ボーカルトラックだけを抜いたカラオケ音源なのがちと。まあそれでも充分に聴き応えがあるよ。
posted by ぬきやまがいせい at 20:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2017.03.21

「Live at the Hollywood bowl」THE BEATLES

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聴いてみた、英ロック・バンドのライブアルバム。1977年発表。

解散後にリリースされた、ビートルズ唯一のライブ盤である本作。LAにある野外音楽ステージ「ハリウッド・ボウル」で、1964年8月23日と1965年8月30日に録音した音源が収録されている。当時は録音機材が未発達だった上に、大き過ぎる聴衆の叫び声が終始鳴り響いている為、余り高い評価はされなかったが…

2016年に新たに4曲を加えたリマスター版が発売された。これまでずっとCD化が見送られて来た作品だが、ビートルズのドキュメンタリー映画「EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years」公開に合わせリニューアルされた模様。

筆者旧版を聴いたのは相当前だからよく覚えてないけど、実際音質が向上して(当時のひどい録音状況からしたら)充分鑑賞に堪える内容になっている。ただ旧版が音質的に聴く気にならなかったのとは反対に、新版は余りにも騒々しく、聴き疲れしてしまって聴く気にならんな。とは言え、貴重な作品には違いない。

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2017.03.19

氷の微笑

観てみた、ポール・バーホーベン監督映画。1992年公開。

元ロックスターの男がアイスピックで刺殺され、情交跡の残るベッド上で発見される。疑いを向けられたのは彼と関係のあった女性作家キャサリンで、犯行は彼女が書いた小説の内容通りだったのだ。捜査を担当する刑事ニックには射殺事故を起こした過去があり、キャサリンは彼に興味を抱いた様子で…という内容。

シャロン・ストーンのセクシーな演技が大変な話題になった作品だが、最も脂が乗った当時のバーホーベン演出だけあって、サスペンス映画としてもすこぶる面白い。加えてシリアルキラー・ブームの初期でもあって(因みに「羊たちの沈黙」は前年の公開)、サイコでミステリアスな描写も時代を捉えていたのだろう。

ストーンと刑事役マイケル・ダグラスの関係が、ちょっと「ゴーン・ガール」の夫婦を連想させる先取り感にも成程なと。その一方でラストシーンのベッド上でのやりとりなどはヒッチコック風に大時代がかっていて、意外と王道的でもあるんだな。
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2017.03.18

愛と青春の旅だち

観てみた。リチャード・ギア主演、T・ハックフォード監督映画。1982年公開。

13歳の頃母が自ら命を絶ち、自堕落な水兵である父親の元で育ったザック・メイオ。彼は父に反発するかの様に、海軍士官養成学校に入りパイロットを目指す。黒人軍曹フォーリーの課す厳しい訓練の毎日を過ごす中、ザックはポーラという娘と出逢う。だが同僚である親友のシドが、恋人との間に…という内容。

同名主題歌がアカデミー賞を獲得した、80年代初期を代表する青春恋愛映画。ギアの代表作でもあるが、軍事教練物としては「長い灰色の線」等があるので、本作を元祖と見るのは流石に違うな。しかし航空士育成の筈なのに全く飛行機に乗らない辺り、後の「トップガン」がその辺を埋める為の企画だったのかも。

「フルメタル・ジャケット」を観た後では随分ぬるいシゴキだな、なんて思ってしまったけれど…そういう映画でもないしな。青春の苦さや過去の挫折はあっても、それを克服していく展開はあくまでロマンチックで、今観てもウットリするわぁ。
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2017.03.17

トワイライトゾーン / 超次元の体験

観てみた、S・スピルバーグ監督他によるオムニバス映画。1983年公開。

人種差別主義者の男が、時空を超えて辿り着いた先とは…(偏見の恐怖)。ホームで暮らす老人達が、真夜中に缶蹴りをすると…(真夜中の遊戯)。ある女性が見知らぬ少年の導きで訪れた家は…(こどもの世界)。飛行機恐怖症の男がフライト中、翼の上に見たのは怪物で(2万フィートの戦慄)…という内容の4作品。

ロッド・サーリングのホストで有名なTV番組「ミステリー・ゾーン」を、劇場版映画としてリメイクしたのが本作。各話の監督にはスピルバーグを始めジョン・ランディス、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラーといった蒼々たる顔触れが並んでいる。

それより何より第1話撮影中ヴィック・モローが事故死した印象が強烈だが、話途中で纏めたにしては綺麗にオチてるんだな。ただ原典程の神秘性は無いかも…とは言えスピルバーグが第2話で後のヒューマンな作風を先取りしていたり、第3話がロジャー・ラビットの雛形になったのかなとか、案外興味深く観られた。
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2017.03.15

ウォー・ゲーム

観てみた。M・ブロデリック主演、ジョン・バダム監督映画。1983年公開。

アメリカ軍が核兵器の運用や管理を、コンピュータに任せる事を検討していた頃。高校生のデビッドは軍用コンピュータとの接続に成功し、「核戦争ゲーム」を始める事になる。その相手とは故フォルケン博士の開発したコンピュータ「ジョシュア」で、ゲームは現実の米軍防衛システムにまで影響を及ぼし…という内容。

当時急速な発展を見せていたパソコン機器と、コンピュータの軍事利用という題材を組み合わせた話題作。機械音声による「Shall We Play A Game?」という台詞も懐かしく、電話回線を介したハック/クラック描写には今でも心が躍る。

ただ近い題材としては「地球爆破作戦」が先に発表されているのだが…本作の楽観的な結末は、その後の東西雪解けを反映したものかもしれない(強硬派と言われたブレジネフ死去の翌年に作られたのが本作)。…細田監督のデジモンとの関係が気になって今回観たんだけど、ほぼ題名だけ拝借した感じだったな。
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2017.03.14

神々のたそがれ

観てみた。アレクセイ・ゲルマン脚本、監督映画。2013年公開。

800年程発展が遅れたある惑星に、地球から30人の調査団が派遣される。ところがルネサンス初期に到達した文化を押し戻すかの様に、暴力が吹き荒れていた。そんな中調査団の一人であるドン・ルマータは、神の子を名乗り知識人を守っていた。だが彼もまた、その星の激動に否応なく巻き込まれ…という内容。

ゲルマン監督の遺作である本作。本人は製作途中でこの世を去った為、最終的には遺族の手で完成された。…原作はストルガツキー兄弟のSF小説「神様はつらい」だが、描かれるのは血と暴力、腐臭と糞尿にまみれた中世風世界だ。

個人的にはラブレーの作品を想起したけれど、あんな笑えるものではないか。(白黒映像で緩和しているとは言え)生々しすぎる描写と共に、端役の人物がカメラを意識して視線を向けて来るセミドキュメンタリー調。…猥雑にして狂乱、人間的本質を剥き出しにする世界の只中に放り込まれる、圧倒的感覚が味わえた。
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2017.03.12

オール・ユー・ニード・イズ・キル

観てみた。トム・クルーズ主演、ダグ・リーマン監督映画。2014年公開。

異星種族「ギタイ」と戦闘状態にある地球。軍の広報担当・ケイジ少佐は前線任務を拒否した事から、一兵卒として戦場に送り出される。敵が待ち伏せした戦場で戦死の憂き目に遭うケイジ、だが次の瞬間決戦前日の時間に戻っていた。不思議な能力を身に付けた彼は、何度も同じ日の戦闘を繰り返して…という内容。

原作は桜坂洋のSFライトノベル。日本の漫画やラノベがハリウッドで映画化…と言われても大抵は企画中止やとんでもない事になるのが常なので、本作の出来には素直に喜びたい。パワーアシスト強化服大活躍のアクションと共に、主演のトム・クルーズがヘタレから英雄にテンポ良く成長する展開に手に汗握る。

いわゆる「死に戻り」系のループ作品だけど、そのテンポ感というのが本当に良くて(呆れる程アッサリ殺されるトム君…)流石ボーン・シリーズの生みの親であるリーマン監督だな。色々な意味で幸運に恵まれた作品なのは間違いない。
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2017.03.11

プリデスティネーション

観てみた、マイケル&ピーター・スピエリッグ監督映画。2014年公開。

時間を飛び越えて、連続爆弾魔フィズル・ボマーを追跡する時空警察官の男。彼がバーテンダーとして潜入していた1970年の酒場に、客として作家を名乗る男が訪れる。その作家は女として生まれ孤児院で育ち、その後特殊な訓練に身を投じたという、自身の数奇な運命を語った。そしてある男と出逢い…という内容。

原作はロバート・A・ハインラインの小説「輪廻の蛇」。壮大な一人芝居(ネタバレ)というお話も、原作は短編なのでワン・アイデアでサッと走りきれるのだが…2時間程の映画にもなると、観客に先読みする時間を与えてしまうのがつらいな。

それでも主人公が置かれた運命の理不尽や世界からの疎外感を、ジックリと描いた辺り本作独自の味になっている。…古色蒼然たるタイム・パトロールネタで作中最大の未来が90年代だったり、古典的内容を隠しもせずにこうした先鋭的な映画が出来るというのは、今後名作SF小説映画化の際指標にしてもいい作品。
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2017.03.10

エンダーのゲーム

観てみた。ギャヴィン・フッド脚本、監督映画。2013年公開。

異星種族の襲撃を辛くも撃退した後、人類は敵殲滅を目的に若年士官養成の為のバトルスクールを設立していた。エンダー・ウィッギン少年もまた候補生の一人だが、兄や姉と違って彼は戦闘指揮官としての類い希な素質を見せていた。だが候補生チーム同士の模擬戦闘を、端に発した小競り合いで…という内容。

原作はオースン・スコット・カードのSF小説。何か結構な長期シリーズ化していて驚いたのだが、筆者が読んだのはこの一冊だけ。…本作映画版は原作を2時間の尺にするに当たって、かなり妥当な線で纏められており個人的に文句はないな。逆に言えばこれ以上を望むってのなら、原作を読むしかないだろう。

子供同士がサバゲやらTVゲームやらで遊んでるだけ(に見える)って話なので、戦争SFとして今一つ盛り上がらないのは仕方ない。エンダーが小憎らしくて魅力に欠けるのも仕方ない。…それでも「きちんとしてる」って印象だけで充分。
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2017.03.07

ガルム・ウォーズ

観てみた。メラニー・サンピエール主演、押井守監督映画。2014年公開。

長き戦いの果てに5つの部族が滅びた後でも尚、3つの部族「コルンガ」「ブリガ」「クムタク」が争い続ける星アンヌン。コルンバの女戦士・カラは、クムタクから追われる老人・ウィドとブリガの戦車兵・スケリグという敵対する者達と共に、世界そして彼らガルムの謎を解く答えを得るべく聖地を目指すのだが…という内容。

本作は90年代に一旦製作中止となった「ガルム戦記」という企画を、押井の執念で完成まで漕ぎ着けた作品。…と書くと一種の美談みたいだけれど、実際に出来た内容は不明瞭な世界観と曖昧なストーリー展開といういつもの押井節。

それでもカナダでロケをしたとの事で結構雰囲気が出ており、末弥純の絵を動かした様な映像と共に、同監督が長年こだわり続けただけのものはあった。…ただ時間経過と共に新鮮味も失せてしまったのは残念。「天使のたまご」や「セラフィム」を連想させる要素だけでも、長年の押井好きにとっては興味深いが。
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2017.03.06

ミッドナイトムービー

観てみた。S・サミュエルズ監督によるドキュメンタリー映画。2006年公開。

アメリカでは1970年から77年にかけて、若者向け「深夜映画」が隆盛を誇った。低予算ながら画期的な映像表現を米国映画界にもたらした中心的存在である6本の作品を、制作者の証言から時代性と共に紐解いていく…という内容。

その6本というのが、「エル・トポ」「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」「ピンク・フラミンゴ」「ハーダー・ゼイ・カム」「ロッキー・ホラー・ショー」「イレイザーヘッド」。どれも皆カルト映画として有名だが…日本だとハーダー〜に関しては一段知名度的に劣っている様な? まあその辺り、現地アメリカとの認識の違いとして面白い。

各作品主要スタッフ(ホドロフスキーからリンチまで)が出演して、当時の逸話を語ってくれている。それを聞くと日本のオールナイト上映とも、また違った文化なのかなと。ロッキーでの悪ノリ振りなんか、いかにも米国風で少々理解しがたいが…お約束のリアクションがあるというのは、今のネット実況みたいなもんか?
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2017.03.05

四次元への招待

見てみた、ロッド・サーリング脚本によるTV映画。1969年放映。

悪辣な手段で莫大な遺産を手に入れた男。だが相続主の伯父が生前に描いた絵が徐々に変化し彼を追い詰める(復讐の絵画)。盲目の富豪婦人が、健康な眼球を手に入れて僅かな時間視力を得ようとする(アイズ)。潜伏中のナチス戦犯、彼が最終的に逃げ込んだ先とは(絵になった男)…というオムニバス作品。

ミステリーゾーンでお馴染みの脚本家サーリングが、そちらと同様ホストも担当したTVシリーズの「四次元への招待」。本作はそのパイロット版で、第2話の「アイズ」では若き日のスピルバーグが初の商業監督仕事に取り組んでいるのが見物。ところが日本でのTV放映の際には、その話だけ全カットされてしまった…

どの話も皮肉なオチが効いた怪奇譚で楽しめるのだが、スピルバーグ演出は彼の他作品のどれとも違う技巧を凝らしたもの。まあ初監督と知った上だと若者の背伸びにも見えるけど、「激突!」でまず結実する助走としても興味深い。
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2017.03.03

ネクロノミカン

観てみた。伊藤和典他脚本、金子修介他監督映画。1993年公開。

怪奇作家H・P・ラヴクラフトが図書館奥にある秘密の部屋で手にしたのは、世紀の魔道書「ネクロノミカン」だった。彼がページを繰る合間に綴ったのが、これら3つの物語。海辺の古びたホテルを相続した男が体験した恐怖。髄液を抜き取る連続殺人の謎、そして女性警官が遭遇した恐るべき存在とは…という内容。

ラヴクラフトが創造した魔道書、「ネクロノミコン(死霊秘法)」をモチーフにしたオムニバスホラー。…伊藤や金子が第2話「ザ・コールド」に参加しているものの、邦画ではなく出演者も全て外国人俳優を揃えた、日仏米の合作となっている。

ただ観た印象としてはラヴクラフト作品と言うよりは、「フライトナイト」や「クリープショー」辺りを連想する当時物のホラーって感じ。やっぱりあの陰鬱で無闇に仰々しい文体が伴わないと、あまり感じが出ないな。…それでもトム・サヴィーニやマッド・ジョージの特殊メイクという、今や失われた神業が観られるのは良い。
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2017.03.02

蠅の王

観てみた。ピーター・ブルック脚本、監督映画。1963年公開。

戦火を逃れ疎開する途中だった英学校の生徒達。だが飛行機が墜落し、彼らは絶海の孤島で遭難してしまう。少年達は火を燃やして救援を待つと共に、野生の豚を狩って食料を得る。そんな生活の中で彼らは二分され、やがてジャックの率いる集団は狂気に足を踏み入れる。彼と対立するラルフは…という内容。

原作はウィリアム・ゴールディングの小説。暗黒版「十五少年漂流記」として知られる内容だが、これまで2回映画化されたうち最初の作品である本作は、特にカルト映画として評価が高い。…白黒の映像は南洋を舞台にしているとは思えない寒々しさで、「殺せ、殺せ」という掛け声と共に実に不気味さが際立っている。

狂気に侵された少年達が土俗的なメイクをするというのは、「ドラゴンヘッド」が引用したのかも。ただ1990年版と比較すると、そっちの方がカラーの分話は判り易かったかな(メイクまでされると、白黒画面では誰が誰やら見分けが…)。
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