2017.04.30

「The Randy Rhoads years」QUIET RIOT

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聴いてみた、米ヘヴィメタル・バンドのコンピレーション盤。1993年発表。

「クワイェット・ライェット」は、Randy Rhoads(g)を中心に1973年結成。1978年には1st「静かなる暴動」と2nd「暴動に明日はない」の2枚を、日本盤のみでリリースするもその後一旦解散。1983年にはKevin DuBrow(vo)により再編成され、アルバム「Metal Health」で遂に世界的な成功を物にする事となる。

本作は1982年に悲劇的な飛行機事故でこの世を去った、Randy Rhoads在籍時の音源を収録したもの。…同バンドの音楽性自体は(再結成後と殆ど変わらない)陽性のハードロックという感じで、彼を今も伝説的ギタリストとして語り継がせている、Ozzy Osbourne Bandでの神秘的な印象とは少々違っている。

とは言え、貴重な演奏には違いないので(1st,2ndどちらも未だにCD化されていない…)Rhoadsに関心がある人なら、聴いておいて損はないんじゃないかなあ。Sladeならぬ、Small Facesのカバーをやっている辺りも仲々興味深い。
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2017.04.29

「士郎正宗選曲による音楽の世界 “人類のためのレクィエム”」V.A.

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聴いてみた、日本の漫画家によるクラシック選曲集。1995年発表。

「士郎正宗」は1961年神戸に生まれ、学生時代より同人誌にて漫画の執筆を始める。1985年には描き下ろし単行本という形で、青心社より「アップルシード」を刊行しデビューを飾る。その後も日本的サイバーパンクを決定付けた「攻殻機動隊」を始めとして、SF漫画の分野で世界をリードする作品を発表し続けた。

本作はイラストレーターが選曲するクラシック音楽というシリーズの1枚で、士郎本人は「宗教曲」を採り上げると共にジャケット等にイラストを寄稿している。ヘンデルやバッハの作品から、高揚感のある楽曲を中心にセレクトしたとの事。

選者はこうした曲を聴きつつ作業しているとの事で一ファンとしては興味深いが、個人的にはクラシックの門外漢という事もあって、宗教音楽の入門編としても有り難い内容になっている。まあ自分みたいに自堕落な人間が絵を描く時のBGMにしたら、高潔すぎて作業する手が止まってしまいそうな気はしたかなあ…

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2017.04.27

プロジェクトA子

観てみた、西島克彦監督によるアニメーション映画。1986年公開。

隕石墜落から16年過ぎた世界で、怪力少女・摩神英子と寿詩子はある高校に転入する。だがそこに待ち受けていたのが大富豪のお嬢様・大徳寺美子。B子はC子を自分のものにせんと、A子に盛んにちょっかいを出して来た。一方宇宙空間から謎の宇宙船が現れC子を拐かす。一体彼らの目的とは…という内容。

本作も元々は「くりいむレモン」の1本として企画されたものだが、創映新社製作の独立した一般アニメとして公開(因みに同時上映は「旅立ち 亜美・終章」)。そうした経緯やキャラデザの担当がもりやまゆうじという事から、「POP CHASER」の後続として期待された作品でもある。…その後OVAとして続編も製作された。

宮崎監督との確執等もあって当時はかなり話題になったと思うけど、現在はすっかり忘れられた作品。とは言えパロディ満載の馬鹿馬鹿しさと共に(マクロス風の)過剰なメカ描写等、今も続く日本アニメのある種の典型ではあるな。
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2017.04.26

くりいむレモン PART.4 「POP CHASER」

見てみた、佐倉大(北久保弘之)監督によるOVA。1985年発売。

エアバイクを駆り女ガンマンのリオが辿り着いた砂漠の町、ネオカンザスシティ。だがその町は無法者ザックの一味に狙われていた。娼館の娘マイと成り行きで関係を持ったリオは、一味に連れ去られた少女達を追うのだが…という内容。

18禁OVAとして一世を風靡した「くりいむレモン」シリーズ。4作目となる本作は、今回初監督である北久保が脚本や絵コンテ等を担当した上、当時頭角を現して来た若手アニメーターが多数参加した事で注目された。もりやまゆうじや庵野秀明が変名で原画を描いており、今現在見ても相当に力が入っていて驚く。

まあエアバイクと高足ロボのバトルとは時代を感じるが、内容の方も当時の「うる星やつら」の影響力の程が窺える感じ。個人的にうる星は原作派だったので、本作の様な派生作品に余り興味が湧かなかったというのが正直なところ(意識高い系オタクが妙に騒いでたし)…でも今更見るというのも案外面白かったよ。
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2017.04.24

観てみた、ベルンハルト・ヴィッキ監督映画。1959年公開。

第二次大戦末期、ドイツ国内のある村へ連合国軍の侵攻が目前に迫っていた。まだ学生である村の少年達7名にも召集令状が届き、しかも即日兵士として出動令が下る。訓練不足の余り兵力と見なされなかった少年達は、既に爆破が決まった村近くの「橋」に配備される。だが、上官が姿を消してしまい…という内容。

原作はグレゴール・ドルフマイスターの自叙伝。という事はどうやら実話が元である様だが、それも納得の迫真性がある。素人同然の少年兵が戦車部隊相手に、あれだけの被害を与えられるものかどうかは半信半疑だけど…壮絶な戦闘場面に目を見張る(パンツァーファウスト大活躍、更にバックブラスト描写も)。

とは言え日常から戦争へと推移する、導入部は少々批判される事もあるのだけれど…個人的には橋上での中間展開が、何だか不条理演劇の様で驚いた。西独では遅れて発生したヌーベルバーグが、本作にだけ先に到来したみたい。
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2017.04.22

ゾンビマックス! / 怒りのデス・ゾンビ

観てみた、キア・ローチ・ターナー監督映画。2014年公開。

ある日彗星がもたらした病原体による空気感染で人々が次々凶暴化し、特定の血液型の持主のみが難を逃れた。その中の1人であるバリーもゾンビ化した妻子を自らの手に掛けるという試練を経て尚、妹ブルックを救出する為自動車を走らせる。一方ブルックは、謎の武装集団に捕らえられしまい…という内容。

とここまで書いた粗筋を読む限りだと何の変哲もないロメロ型ゾンビだが、実は更に1/4ひねり程加えられているユニークな作品。隕石の影響はゾンビ化だけではなく石油が無力化されており、ガソリンの無い世界でプロテクタを身に付け散弾銃を撃ちまくるという…要は「マッドマックス」の要素を採り入れたという趣向。

邦題だとその辺ストレートだけれど、原題は「Wyrmwood」で聖書からの引用らしく意外と趣味がいい。…歩くゾンビ(これも少々ひねってる)でもカット割次第で緊張感を出せるという実例であり、同ジャンル制作者は参考にしてはどうか。
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2017.04.21

デモンズ

観てみた、ランベルト・バーヴァ監督映画。1985年公開。

仮面の男から招待状を貰ったシェリルは、友人と共に映画館へと赴く。同様に集まった多くの客達と共に観た映画は、若者が「デモンズ」という怪物に変貌する内容だった。しかもその場の観客もまたデモンズと化し、人々を襲い始める。シェリル達は閉鎖された館内から、必死の脱出を試みるのだが…という内容。

ロメロ監督作「ゾンビ」(1978年)の欧州配給に尽力した、ダリオ・アルジェント原作/脚本によるホラー映画。ゾンビものの変形というか亜流的な内容ではあるものの、上映される映画と同じ事が現実でも起きるというメタ構造や、迷宮と化した劇場を舞台にする辺りに、アルジェントらしい美意識が窺えるのが興味深い。

ただ展開自体は無茶苦茶で(これは監督の持ち味なのかなあ?)、唖然とする事請け合いの怪作。…個人的には(何でか)日本刀を振り回しての大虐殺なクライマックスで、Acceptの「Fast As A Shark」が流れるのが気に入ったな。
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2017.04.20

サイクロンZ

観てみた、サモ・ハン・キンポー監督映画。1988年公開。

ジャッキーは女好きで、少々汚い案件でも請け負う弁護士。彼が今回引き受けた仕事は、漁場に訴えられた化学工場からの依頼だった。彼は問題解決を図るべく、旧知のウォンとトンの協力を得て相手側に接近する。ところがウォンが訴訟主のイップを、ジャッキーが彼女の姪メイに惚れ込んでしまい…という内容。

主演のジャッキー・チェンを始めユン・ピョウ、更に監督も担当したサモ・ハンも加えた黄金トリオによる作品。何か「プロジェクトA」「スパルタンX」から続くかの様な邦題だけど、内容的には特別関連は無い。まあ東宝東和のすることだし…

出演者皆んなが全盛期だけあって、見せ場のカンフーアクションは流石の出来だが(スパルタンと同様ベニー・ユキーデの登場も嬉しい)恋愛方面の描写も力を入れている辺りも興味深い。メガホンでの言い合いや法廷での告白場面なんか、当時の香港映画だったからこそ出来た、衒いの無い演出なんじゃないかな。
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2017.04.18

ロード・オブ・ウォー

観てみた。アンドリュー・ニコル脚本、監督映画。2005年公開。

ウクライナ移民の米国人ユーリ・オルロフは、合法非合法問わず武器を売り捌く「死の商人」だ。弟が麻薬中毒になって離脱しても尚、彼は独り世界中の紛争地帯指導者に渡りを付け商売を拡大させていった。ソ連崩壊の混乱で大量に兵器を入手する一方、長年の憧れだった女性を妻に迎えるのだが…という内容。

ニコラス・ケイジ演じる主人公に具体的なモデルはいないが、複数の武器商人への取材から得られた実話を元にしている本作。80年代の冷戦期から90年代の地域紛争と、世界の戦場を裏側から支えた(?)人々の話が、大層興味深い。

ケイジさん主演作にしてはやけに社会派な内容だが、関わっただけで命の危険を覚えそうな人物描写や(冒頭の銃弾の生涯から始まる)ユーモア混じりのテンポ良い進行で飽きさせない。一方的糾弾でなく、こういう人達にはこういう人達なりの事情がある、という視点を垣間見せてくれただけで意義のある作品だ。
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2017.04.16

第七天国

観てみたフランク・ボーゼイジ監督によるサイレント映画。1927年公開。

パリの地下で下水道掃除の仕事に就く青年・チコ。常に上を目指す彼がある日出逢ったのは、姉に鞭打たれる娘・ディアーヌだった。チコは彼女を不憫に思い、自分の妻と偽ってディアーヌを引き取る事にする。2人は建物最上階にある七階の部屋で暮らすうち、次第に想いを通わせる様になるのだが…という内容。

オースティン・ストロングの戯曲を原作とする本作、記念すべき第1回の米アカデミー賞では監督賞を始め5部門で栄冠に輝いた。…内容としては時代がかったメロドラマだが、主役2人のやり取りが可愛らしくて思わず微笑んでしまう。

後半では戦争に引き裂かれる恋人達が描かれるんだけど…個人的に連想したのは、デ・シーカ監督の「ひまわり」だな。同監督が本作を踏まえて、ひまわりを製作したかどうかは定かではないけれど…下手したらあんな展開になってかのかもなんて考えたりして。本作の大団円にはホッと胸を撫で下ろすというものさ。
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2017.04.15

ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム

観てみた、マーティン・スコセッシ監督映画。2005年公開。

米国を代表する音楽家/詩人、ボブ・ディラン。ミネソタ州で生まれ、歌手を目指して訪れたNY。そしてプロテストフォークに対する賞賛から、ロック音楽への転身で見舞われた受難。激動の1966年までに至る彼の半生を、ディラン本人のコメントを始め、関係者の証言や映像によって綴るドキュメンタリー…という内容。

Bob Dylanという人物には(ノーベル賞受賞の顛末を見ると)相当に厄介なイメージがあるけど、本作では自身の過去や考えについて結構率直に述べているのが意外…というか好印象。当時は音楽に対するジャーナリズムも未熟で、そうした敵対的な質問に機転で対応できる知性あってのものだったんだなあと。

個人的にはDyran本人より、同時代音楽(Woody Guthrieへの傾倒なんか微笑ましいね)の貴重な映像が色々と挿入されているのが興味深かった。…例の「ユダ!」という観客の声には、ルーシー・モノストーン叫んでるわ、みたいな。
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2017.04.13

アナと雪の女王

観てみた、クリス・バック監督他による3DCGアニメ映画。2013年公開。

全ての物を凍らせる力を持つ王女エルサ。彼女は幼い日に妹アナを傷付けた為に、姉妹は常に距離を取って成長した。エルサが女王となったその日、妹が出逢ったばかりの他国の王子との婚約を告げた事で、彼女の感情が爆発する。国中を凍り付かせ、山奥に引きこもったエルサを追ってアナは…という内容。

童話「雪の女王」を原案とするディズニー製CGアニメ。劇中で歌われる「Let It Go」等のヒット曲を生み出し、世界中の劇場に多くの観客が詰めかけた。…昨日のヒックとは逆で、まさに「オンナノコ」心をくすぐったという事なんだろうな。

とは言え、お話自体はそこまで優れている訳でもないのだが…本作は堂々たる「ミュージカル」映画でもあるので、まずはそこから評価するのが筋。ディズニーアニメでミュージカル演出は定番なのに子供は退屈だったりするんだけど…本作の音楽から得られる「高揚感」は格別で、成程その点だけでもすごいわな。
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2017.04.12

ヒックとドラゴン

観てみた、ディーン・デュボア監督他による3DCGアニメ映画。2010年公開。

長年に渡りドラゴンと戦い続けるバイキングの島で、族長の息子でありながらヒックは弱虫と蔑まれていた。だがある夜彼は、鍛冶屋見習いとしての腕で開発した道具を使ってドラゴンを撃ち落とす。ところが止めを刺す事の出来なかったヒックは、傷付いたドラゴンに「トゥース」と名前を付けて世話を始め…という内容。

クレシッダ・コーウェルの児童小説が原作の、ドリームワークス製CGアニメ。この手のにしてはやけに「オトコノコ」心をくすぐる内容だが、何でか続編の日本公開が見送られてしまった。…少々不遇ながら宮崎アニメから影響を受けたという飛行シーンの爽快感と共に、和解や友情等のテーマが織り込まれている名作。

なんだけど、ラストでドラゴンを「ペット」と言っている事が批判されてたりする。…これは冒頭の「有害動物」と対比させた言葉だし、(トゥースの事を言ったのでもなく)観光案内風ナレーションだから即物的・説明的表現になったんだと思うよ。
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2017.04.10

RWBY Volume.1(るびー う゛ぉりゅーむわん)

見てみた、モンティ・オウム監督による3DCGアニメ。2013年配信開始。

グリムと呼ばれる脅威に対し、人間はダストなる超能力を手に入れた。少女ルビー・ローズはその力を見出され、姉のヤンと共にグリムハンターの養成機関「ビーコン・アカデミー」に入学する。ダストを測る為の様々な試練を乗り越え、ルビーをリーダーとするチーム・RWBYが結成されるのだが…という内容。

本作は米国のRooster Teeth社製作によるWebアニメだが、日本のアニメに強い影響を受けている事で話題になった。2015年より日本語吹替ソフトのリリースと共に、日本では劇場上映も行われている。…内容自体は見た感じ、ソウルイーターみたいだなと。いや巨大な鎌だけでなく、特殊能力育成学校とかがさ。

本作は正直映像面で絶賛は出来ないものの、こと戦闘の描写や演出に限っては本当に圧倒される(それこそソウルイーターでの中村豊担当カットに匹敵しそう)。お陰で話が頭に入って来なかったんだけど…まあイジメとか別にいいか。
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2017.04.09

龍の歯医者

見てみた、鶴巻和哉監督によるスペシャルTVアニメ。2017年放映。

巨大な龍が実在する世界。だが強大な龍も弱点の歯に異状を来すと力が発揮できない。そこで龍の体表上で暮らし歯の治療を行う、「龍の歯医者」という職能集団が存在していた。ある日新米歯医者の野ノ子は、龍の歯の中から敵軍の少年ベルを救い出す。だが彼は既に命を失い「黄泉返った」者で…という内容。

元々「日本アニメ(ーター)見本市」の短編として発表されたものを、1時間半程の前後編として再構成しNHK-BSで放映したのが本作。すごく大雑把に言えば東洋風ファンタジー世界の退魔物だが…戦う相手が虫歯菌だったり、世界観的に第一次〜二次大戦風の戦闘描写が採り入れられている辺り、独自の雰囲気。

殊に独特なのはその死生観というか、宗教(?)観なのだが…本作のヒロイン・野ノ子を演じた清水富美加というのが、例の幸福の科学に出家した人。そう考えるとまるで、天に愛されたかの如くに奇跡的な配役とでも言うか。何と言うか。
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2017.04.07

ひるね姫 -知らないワタシの物語-

観てみた、神山健治監督によるアニメーション映画。2017年公開。

女子高生の森川ココネは、機械国の王女エンシェンとして活躍する夢を繰り返し見ていた。幼い頃母を亡くし、自動車整備士の父親と岡山で2人暮らしの彼女。だがある日父が警察に逮捕され、更に彼から託されたタブレットを狙う何者かに追われる事に。ココネは現実そして夢の中で困難に立ち向かい…という内容。

女子高生の冒険物語に異世界ファンタジー、更に今話題の自動車の完全自動運転やロボット物要素を加えるという、神山監督らしい盛り沢山な内容。…なんだけど要は(貴種流離譚を経て)修復する家族を描いたシンプルなストーリーであって、アニメアニメした表面的描写なんかサービスみたいなもんじゃないか。

個人的には「東のエデン」との共通点が窺えるのが興味深い。社会変革ゲームというSF的課題を主人公の出生話にすり替えちゃったそちらと違い、最初からココネの「ルーツ探索」を描いた本作は、同テーマの完成形と言ってよいかと。
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2017.04.06

モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-(もーれつぱいれーつ あびすおぶはいぱーすぺーす あくうのしんえん)

観てみた、佐藤竜雄監督によるアニメーション映画。2014年公開。

私掠船免状を持つ「宇宙海賊」である女子高生、加藤茉莉香。彼女が今回受けた仕事は、謎の集団から追われる無限彼方という少年の保護。彼は宇宙の深淵とも言うべき亜空間航路の研究で知られる、無限博士の息子だった。父親に複雑な感情を抱く彼方も、茉莉香達にやがて心を開いていくのだが…という内容。

笹本祐一の小説「ミニスカ宇宙海賊」を原作とする、TVアニメの劇場版である本作。時系列上では続編だけど、内容は外伝的なものとなっている。女子高生であり海賊だという辺りが売りのシリーズだが、今回は女子高生要素が強めと言うか…弁天丸の戦闘は殆ど無いと言っていい感じで、少々拍子抜けかも。

その代わりに謎解き要素や、亜空間を深海潜行に準えた展開が見せ場なのだけれど…どうもTV版と較べると今一つSF的な感性をくすぐってくれんな。とは言え近年のアニメでは希少なスペオペ作品だけに、次の展開もあったらいいな。
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2017.04.05

ガールズ&パンツァー 劇場版

観てみた、水島努監督によるアニメーション映画。2015年公開。

戦車道全国大会の優勝で、母校の廃校を回避した西住みほら大洗女子学園の生徒達。だがエキシビションマッチを終えた彼女達に届いたのは、口約束を反古にする廃校通告だった。失意の中転校手続きの為実家に戻ったみほは、姉のまほと再会する。そして学園に再び、廃校撤回のチャンスが訪れて…という内容。

TVアニメシリーズの続編である本作、何だかプリキュアのオールスター映画を連想させるファンムービーといった感じ。観ていてガルパンってこんなローテンションなアニメだっけ?、という感想なんだけど…多数のキャラや戦車に満遍なく台詞や出番を割り振ったお陰で、単調な上に緩急のない内容になってしまった。

とは言え更に新作も決まった今では、それこそ純粋なファンムービーとして楽しめばいい。センチュリオンやM26といったWW2後発組の投入もあって、劇場版に名前負けはしてないけれど…続編の方に出す車輛残ってたかなと、ちと心配。
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2017.04.04

GAMBA ガンバと仲間たち

観てみた、河村友宏監督他による3DCGアニメーション映画。2015年公開。

海に憧れる町ネズミのガンバは、幼馴染みのマンプクと共に旅立つ。辿り着いた港で、夢見が島から来た忠太と出逢うガンバ。彼の故郷は恐るべき白イタチ・ノロイの襲撃を受けて甚大な被害が出たというのだ。島を救うべくガンバはヨイショやガクシャを始め、頼れる仲間と共に大海ヘ船出するのだが…という内容。

原作は斎藤惇夫の小説。出崎統監督によるTVアニメの印象も強いが…筆者もそちらと較べない訳にはいかなかったな。とは言え名作の誉れ高いTV版には流石に及ばないものの、原作の優れた要素は汲み取っており意外と楽しめた。

ただ(最近Eテレでやっていた、ピクサースタッフのTEDプレゼンを見たせいで)CGアニメにおける照明や、光線に対する配慮の欠如が気になってしまってどうも。あとネズミなのに毛のフワフワ感が無くて、ボディスーツみたいなのが気色悪くてなあ。データ量とかの都合かもしれないけれど、致命的に可愛くないのが…
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2017.04.01

ヴィトゲンシュタイン

観てみた。C・ジョンソン主演、デレク・ジャーマン監督映画。1993年公開。

20世紀に大きな足跡を残した哲学者、ヴィトゲンシュタイン。裕福ながら兄弟に3人もの自殺者を出したという家庭に生まれた彼は、ケンブリッジ大に進学し哲学を志す。思想家ラッセルの援助を受け、歴史的著作「論理哲学論考」の出版を果たした。だがその後周囲の期待に反し田舎の学校教師となり…という内容。

実在の哲学者ルードヴィヒ・ヴィトゲンシュタインを題材にした本作。ジャーマン監督が得意な有名人の伝記映画だが…本作でもホモセクシャル疑惑のある人な訳で、まあ彼自身の共感みたいなものが製作の根本にあるのは確かだろう。

本作は低予算での撮影という事もあって、最小限の登場人物と真っ暗な背景の簡易なセットを用いた、舞台劇風の演出が行われている(冒頭少年ヴィトゲンシュタインが観客に語りかけて来る辺り、寺山修司みたいだなと)。…著書以上に理解しがたい生涯を送った哲学者だけに、これはこれで適切な表現かもしれん。
posted by ぬきやまがいせい at 23:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画