2017.05.31

巨人獣

観てみた、バート・I・ゴードン監督映画。1958年公開。

核実験の影響で巨大化してしまったグレン・マニング中佐。ダムから落下し死亡したと思われていた彼が、下流のメキシコの地で発見された。捕獲され米国内に連れ戻されたマニングだが、正気を失って巨大な獣に成り果てていた。しかも彼の身を案じる姉ジョイスの前で、マニングは再び逃亡してしまい…という内容。

「戦慄!プルトニウム人間」の続編である本作。登場するのがマニング中佐なのは一緒だが、演じる俳優さんは交代しているらしい。顔に頭蓋骨が露出しているメイク(何だかアランカルみたい)をしているお陰で、全く気付かなかったな。

復活したはいいけど縛られて唸ってるばかりで大して暴れない上に、70分弱の尺やぞんざいな演出で盛り上がらない事甚だしい。結局出て来てまた死ぬだけの話なら続編作る必要もないじゃん…とは思ったものの、彼を一心に庇う姉の存在や中佐の最期(ここだけカラー映像になる)等、案外切ない内容ではあった。
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2017.05.30

大怪獣ヨンガリ

観てみた、キム・ギドク監督映画。1967年公開。

中東で核実験が行われ、それが原因だと思しき地震が韓国に向かって接近する。韓国全土に緊張が走る中姿を現したのは、何と伝説の大怪獣「ヨンガリ」だった。街を破壊するヨンガリに対して軍はミサイルでの攻撃を立案するのだが、化学者イール博士がイーチョ少年の活躍から解明した退治法は…という内容。

北のプルガサリ、南のヨンガリという朝鮮怪獣映画戦争の一方が本作。まあ出来としては残念ながら北に軍配が上がりそうだが、本作もプルガサリと同様日本人スタッフが担当している。…それが大映のガメラ関係者なので、映像や内容面でかなりそういう雰囲気が感じられる辺り結構興味深い(と言えば興味深い)。

ただ肝心のヨンガリの首が据わらない酔っ払いみたいな挙動のせいで、どうにも盛りあがらないな。ヨンガリの気の毒な最期はグエムルを連想したりするけど…そういやキム・ギドクって同国の有名な監督とは、同姓同名の別人みたい。
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2017.05.28

ピエロがお前を嘲笑う

観てみた、バラン・ボー・オダー監督映画。2014年公開。

ハッカー少年・ベンヤミンが警察に出頭し、リンドベルク捜査官が聴取に当たる。孤独の中ハッキングの腕を磨いた彼は、3人の仲間の誘いでピエロの面を着け「CLAY」の名で次々にサイバー犯罪を行う。だが憧れのハッカー・MRXの注目を引くために行った行為が、大変な危険を呼び寄せてしまい…という内容。

ドイツ製の犯罪サスペンス映画で、日本公開の宣伝では盛んに結末の意外性を謳っていた。実際「ユージュアル・サスペクツ」等を連想させるどんでん返し展開だけど、そういう辺りでハードルを上げ過ぎると驚けなくなる典型だよなと。

個人的には(劇中でも名前が挙がっている)「アノニマス」に代表されるハッカー集団の活動は、こんな感じなのかなあ…という辺り興味深く観られた。自宅PCの前に座りっぱなしかと思ったら、下水道に潜ったり走り回ったりと結構行動派だったわ。またサイバースペースを地下鉄車内に象徴させる描写もユニーク。
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2017.05.26

ツレがうつになりまして。

観てみた。宮崎あおい主演、佐々部清監督映画。2011年公開。

漫画家・崎晴子の「ツレ」こと夫の幹夫は、会社のクレーム対応係。ある日連載の打ち切りと時を同じくして、調子を崩したツレが医者で鬱病と診断された。ストレス過多の環境から離れるべくツレは会社を退職するも、彼の症状は一進一退を繰り返す。晴子も夫を支える為、漫画執筆に精を出すのだが…という内容。

原作は細川貂々のエッセイ漫画。実体験を基にした本作の企画は数社から断られたが、最終的に幻冬舎から刊行され大きな反響を呼んだ(だから作者は連載を持った事が無いのに、実家の床屋にコミックバーズが並んでたんだな)。

鬱病の深刻さは控えめに(良くも悪くも)軽いタッチで描いているのが特徴。だから映画として腰の据わりは期待するべくもないけれど、代わりに病気への理解をそっと促す優しさがある。主演の宮崎と夫役の堺雅人は「篤姫」コンビだそうで…そういう辺りで注目されるのも、病気の啓蒙的にはいいんじゃないかな。
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2017.05.25

ラブ&ピース

観てみた。長谷川博己主演、園子温監督映画。2015年公開。

会社では皆から馬鹿にされ、いつも胃を痛めている鈴木良一。唯一の例外である同僚の寺島裕子に想いを告げる事も出来ず、「ピカドン」と名付けたペットの亀にビッグになる夢を語るのがせいぜいだった。だがある日会社に持ち込んだ亀が上司に見付かり、慌てた良一はピカドンをトイレに流してしまい…という内容。

無名時代の園監督が執筆した脚本を映像化したという本作。大雑把には青春物だが、若者の妄念そのままに雑多な要素が渦巻いている。個人的にはフォークからパンク、スタジアムロックへと変化する音楽映画的な部分を面白く観たけれど、正面切ったファンタジー/メルヘン描写や怪獣映画としても注目するべき。

日本が誇るアナログ特撮にこだわったという映像は仲々で、特撮ファンはもっと意識してもいいんじゃないかな。…因みに本作で主演した長谷川は「進撃の巨人」や翌年の「シン・ゴジラ」にも出演しており、新たな怪獣映画の顔なのかも?
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2017.05.24

誰も知らない

観てみた。柳楽優弥主演、是枝裕和監督映画。2004年公開。

あるアパートに引っ越して来た母と息子の明。だが実際には子供は明以外に3人おり、一家はその存在を周囲から隠して生活して来たのだ。仕事で外出する母を支え、明を中心に家事一切は子供達がこなしていた。その上いつしか母の不在は長期に渡る様になり、彼らは金の工面に困る事態に陥って…という内容。

主演の柳楽がカンヌ映画祭にて、日本人初/最年少で主演男優賞を獲得した本作。1988年に発覚した「巣鴨子供置き去り事件」を題材にしているが、印象としては実写版「火垂るの墓」という感じも。となると一見現代的な問題の様で、家族の危機や社会からの孤立という普遍的題材を描いているとも言えるだろう。

それでも本作は(止むに止まれぬ事情とは言え)子供が自らの力だけで生き抜こうとする、シティサバイバル物でもある訳で。…終幕に至っても周囲から救済が訪れないのは(社会批判以外にも)、子供達に向けた信頼の眼差しを感じる。
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2017.05.22

龍三と七人の子分たち

観てみた。藤竜也主演、北野武監督映画。2015年公開。

元組長「鬼の龍三」。今や息子一家に世話になる身だが、ヤクザ気分の抜けないまま隠居の日々を送っていた。そんな時詐欺や悪どい商売で荒稼ぎする、京浜連合なる新興ヤクザの存在を知る。龍三はそんな奴らをのさばらせる事は出来ないと、今や皆老人になった嘗てのヤクザ仲間を集めるのだが…という内容。

北野監督お得意のヤクザ物だが、本作では平均年齢72歳という老齢の俳優陣を揃え、コメディタッチで描く異色作となっている。そうした趣旨を基にした場合は大抵、過去の同ジャンルへの郷愁などを忍ばせたりするものだが…本作はどちらかと言うと「老人ギャグ」を全編で披露する為に設えた舞台って感じがする。

そうした辺りは監督自身の加齢に応じた内容なんだろうけど…オフビートな語り口にナンセンスな笑いの連続は、ちっともしんみりした気分にさせてくれなくて逆に良かった。年寄り達の冷や水に苦笑しつつ、全身脱力して観るのがいいよ。
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2017.05.21

あん

観てみた。樹木希林主演、河瀬直美監督映画。2015年公開。

ワカナを始めとした中学生が常連の、小さなどら焼き屋の雇われ店長として日々を暮らす千太郎。そんなある日徳江という老女が訪ねて来て、自分を雇ってくれと言う。千太郎は最初こそ断ったものの、彼女が持参した手製の「餡」の味に舌を巻く。以来彼女の作る餡子のお陰で、店は大繁盛したのだが…という内容。

原作はドリアン助川の小説…って「叫ぶ詩人の会」の人かあ。映画版である本作は(かつて河瀬監督が「萌の朱雀」で新人賞を最年少受賞した)カンヌ映画祭でオープニング上映された。内容はハンセン病患者の女性を中心に、どら焼き作りを通じて人々の関わりを淡々と描いた、ヒューマンストーリーとなっている。

大変重い作品ながら、人から人に受け継がれる想いというテーマを親しみやすい題材である菓子作りに落とし込む着想と共に、出演陣の過度に感傷的にならない抑制した演技によって救われる(特に映画各賞での樹木の高評価に納得)。
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2017.05.20

劇場霊

観てみた。島崎遥香主演、中田秀夫監督映画。2015年公開。

伸び悩んでいた女優・水樹沙羅は、「鮮血の呼び声」という舞台で脇役の仕事を得る。その日より稽古に打ち込むものの、スタッフや主演女優が次々と不幸に見舞われる。そんな最中に沙羅はヒロインへ抜擢されたのだが、舞台上に小道具として持ち込まれた実物大の「人形」に不吉なものを感じ取り…という内容。

中田監督がかつて手掛け、一大ブームとなったJホラーの嚆矢とも言われる「女優霊」。公開より20年を経て同監督により再び作られたのが本作、という触れ込みだが…AKB女優によるアイドル汚染や、同監督自身の恐怖演出に対する衰えも見え、ジャンルの終焉を印象付ける出来となったのは何とも皮肉な話で。

ただ本作は(小中理論に代表される)現代的なJホラーと言うよりも「血を吸う」シリーズみたいな、懐かしのゴシックホラーに近い内容なのは興味深い。考えてみたら「女優霊」だって個人的には、因縁渦巻く怪談話という印象だったしな。
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2017.05.18

映画 ビリギャル

観てみた。有村架純主演、土井裕泰監督映画。2015年公開。

常識的な知識すら危うい女子高生・さやか。校内で最下位(ビリ)の成績になった彼女が塾に通う事になった。そこの講師・坪田の熱心な指導や母の支えで受験勉強への意欲を得たさやかは、弟への野球指導にかまける父や、担任教師への対抗意識もあって、何と慶応大学合格を目指す事になるのだが…という内容。

原作は坪田信貴によるノンフィクション。本作映画版は大ヒットを記録すると共に、各映画賞を広く獲得した。…観る前のイメージだと植木等主演の「日本一シリーズ」みたいに、C調で難なく合格するサクセスストーリーって感じだが、実際は日本的にウェットな家庭問題や苦労談が描かれる、立身伝みたいな話だった。

だから先入観だけで貶すべき作品ではない、というのも本当だけれど…個人的には真面目な内容の分、説教が耳に痛くてなあ。まあ自分みたいなNo Futureじゃなく、未来ある若者が元気や希望を得る為に観るべき映画なんだろうしな。
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2017.05.17

MONDAY

観てみた。堤真一主演、SABU監督映画。2000年公開。

見知らぬホテルの一室で目覚めた高木光一。新聞を見ると月曜日だがどうやらしたたかに呑んだらしく、彼にはここまでやって来た覚えが無い。だが徐々に記憶を取り戻し、自分がとんでもない事をやらかしたのに思い至る。通夜での出来事に恋人との会話、更に酒場でヤクザと遭遇してからの暴発で…という内容。

ベルリン映画祭で国際批評家連盟賞を獲得した、SABU監督の第4作。ダラダラと続く会話や思い付きを繋ぎ合わせたかの様な感性全振りの作風から、タランティーノを引き合いに出される事も多いけど…暴走するサラリーマンというプロットからは、マイケル・ダグラス主演の「フォーリング・ダウン」を連想したかな。

その為ストーリーだけを追ってしまうと不満も出るのだが…コメディともおふざけともつかない作風も、フィーリング自体が合えば楽しめるんじゃないかな。個人的には主演の堤を始め、今や一線級となった俳優ばかり集まっていてへえと。
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2017.05.16

少女は異世界で戦った

観てみた。金子修介原案、監督映画。2014年公開。

核兵器や銃砲を完全に廃絶した世界の日本。そこで用いられる最強の武器は刀剣で、アリサ、レイ、マリ、ミキという4人の少女戦士は「インベーダー」と呼ばれる敵と日夜戦っていた。彼らは実は核や銃が存在する並行世界からやって来た者で、そちら側で少女達はアイドルとして平和に暮らしており…という内容。

金子の原案を元にアスリート出身の動ける女優を揃えて、吹替無しのバトルシーンを見せ場にしたアクション作。同時に彼女達の歌もふんだんに織り込んだ、要するにアイドル映画…なんだけど、低予算丸出しの内容は映画と言うより(ヴァニーナイツとかヴェッカーとか?の)むしろ深夜特撮TVドラマとでもいった趣き。

非核非銃ってのは要するに現実の現代日本のアナロジーだし、正面切った震災への言及もあって意外と真面目なテーマ性も窺えるのだが…まともに観る気にならんな。まあ時間の無駄と知りつつ、同監督の珍品として楽しめる人なら。
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2017.05.14

俺物語!!

観てみた。鈴木亮平主演、河合勇人監督映画。2015年公開。

気は優しくて力持ち、でもその強面な風貌のせいで女子から縁遠い高校生・剛田猛男。そんな彼が困っている所を助けた女子高生・大和凜子は、その後猛男と積極的に交流して来る様になる。だが猛男は彼女もまた、モテモテながら何故か彼女を作らない親友・砂川誠との交際が目当てだと思い込んで…という内容。

原作は河原和音&アルコによる少女漫画。本作映画版は当初読切として発表された、主人公カップル成立までの…殆ど「出オチ」とでも言うべき部分を映像化している。好評を受けて連載化し、アニメ化した際にはその後の展開も描かれていて仲々楽しかったのだが、2時間の映画として纏めるなら妥当な構成だろう。

まあ結局のところは鈴木亮平に尽きる訳で。本作でも鈴木は体重を大幅に増やす役作りで、巨漢の猛男を見事に再現している。…やり過ぎと言うには画面上の存在感は自然で、やるべき事だからやっている本当のプロなんだなあと。
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2017.05.13

告白

観てみた。松たか子主演、中島哲也監督映画。2010年公開。

ある中学校の教室で終業式の日、担任を辞する事になった教師・森口悠子が静かに「告白」を始める。シングルマザーである彼女の一人娘が死亡し、警察捜査で事故として処理された。だがこの件が実は、クラスの生徒2名が関わった殺人事件だというのだ。彼女は犯人達へ、命の重さを伝える為に…という内容。

原作は2009年の本屋大賞を獲得した、湊かなえによる小説。筆者どういう話なのかよく知らないまま観たら、(教育や青少年の問題がどうのという堅苦しいものでなく)復讐サスペンスだった。中島監督らしく技巧を凝らした映像/演出と共に、多視点の告白という体裁で、徐々に解明されていく真相に引き込まれる。

同監督の過去作は演出過剰な面があって少々苦手だが、本作の匙加減ならいいな。ただ逆回転場面に対する評価は微妙だけど…アントニオーニ監督「砂丘」で、Pink Froydの曲をバックに映される爆発を思い出させてくれたからOK。
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2017.05.12

青天の霹靂(せいてんのへきれき)

観てみた。大泉洋主演、劇団ひとり監督映画。2014年公開。

売れない手品師・轟晴夫に、音信不通だった父親の訃報が届く。父がホームレス生活を送っていたと知った彼は突然雷に打たれ、衝撃で過去に飛ばされた。そこは40年前の浅草で、晴夫は手品師としての職を得る。その際彼の助手になった女性・悦子は、何と幼い頃に彼を捨てたという若き日の母で…という内容。

原作は劇団ひとりによる同名小説で、本作映画版は彼の監督デビュー作でもある。個人的にタレントとしての劇団ひとりは、TVで顔を見掛けたらチャンネルを変える位にアレなんだけど…初監督作なら逆に見といたるわって気になった。

内容的には要するに、手品版「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。そこへ日本的にウエットな親子の情を盛り込んだって感じながら、これが案外手堅くて、あんまり叩く様な出来でもなかったわ。…まあ主役の大泉が画面に現れるだけで醸し出される雰囲気、これによって何段か下駄を履かせてもらってる感じもあるしなあ。
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2017.05.10

オールド・ボーイ

観てみた。チェ・ミンシク主演、パク・チャヌク監督映画。2003年公開。

ある夜、妻子を残して突然失踪したオ・デス。彼は実は何者かに誘拐され、15年もの監禁の末に漸く解放されたのだ。妻殺しの汚名まで着せられたオ・デスは、偶然知り合った女性・ミドの協力を得て謎の黒幕への復讐を始める。ところがやがて姿を現した犯人は、彼に真相を解明するゲームを持ち掛け…という内容。

本作は韓国での製作だが、原作は「ルーズ戦記 オールドボーイ」という日本の漫画。更に2013年には米でリメイク版映画が公開されるという、何気に多国籍な展開を見せている。…カンヌでは審査員特別グランプリを獲得した本作の内容は、日本漫画的な飛躍を踏まえつつ韓国映画らしい怨念ドロドロを盛った衝撃作。

その復讐の陰惨さには呆れるほど。でもよくよく考えたら、その巻き添えで殺された主人公の奥さんが一番可哀相なのではという気が(画面にも全く出て来ないし)。…まあこの作品は日本ではなく、韓国で作られて良かったんだろうな。
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2017.05.09

エヴェレスト 神々の山嶺(えう゛ぇれすと かみがみのいただき)

観てみた。岡田准一主演、平山秀幸監督映画。2016年公開。

かつてエベレストで消息を絶った登山家マロリー。彼の物だったと思しきカメラを入手した深町誠だが、現地語で「毒蛇」と呼ばれる男に取り返されてしまう。その者こそ日本登山界で、驚異的なクライマーとして知られた羽生丈二だった。曰く付きの彼が目指すのが、エベレスト単独登頂と知った深町は…という内容。

原作は夢枕獏の同名小説。谷口ジローの作画で漫画化もされた作品だが、相当な大部である為に2時間の映画ではダイジェストにならざるを得なかったというのが専らの評価。…実際どうも(エベレスト登山という興味深い題材からすると)内容に深みが無く、エピソードの羅列になっているのはそういう事なのだろう。

とは言え、実際に現地に足を運んでロケしたという風景映像は仲々見応えある。また本作の象徴的人物である羽生を演じた、阿部寛の存在感自体は原作読者からの評判も悪くない様で。…エレベストだけに、「ベストを尽くした」んだな。
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2017.05.08

この子の七つのお祝いに

観てみた。岩下志麻主演、増村保造監督映画。1982年公開。

幼い娘に向かって自分を捨てた夫への復讐を唆す女。そして35年程が過ぎ、ある女性が刃物で惨殺された。ルポライター母田は、謎の女占い師の件で彼女を取材する筈だったのだ。だが彼もまた何者かに殺されてしまう。それは友人の新聞記者・須藤から、ゆき子というバーのママを紹介された後で…という内容。

原作は斎藤澪による第1回横溝正史ミステリ大賞受賞作、そして本作は増村保造監督最後の映画でもある。80年代の角川映画という事もあって、過去からの因縁や不気味な象徴殺人といった金田一耕助風要素を踏まえているのが特徴。

また岩下志麻と岸田今日子の二大女優の存在感から、トラウマ的怖さを残すという評判も聞くけれど…劇中で見られる岩下の「○ー○ー服(伏せ字)」姿は、違う意味で怖すぎる。まあそうしたあれこれもあって個人的には余り真面目に観られない作品だが、何とも空虚感漂う結末は確かに日本的ミステリの成果かもしれん。
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2017.05.03

天才スピヴェット

観てみた、ジャン=ピエール・ジュネ監督映画。2013年公開。

モンタナ州の片田舎にある、広大な牧場で暮らす少年スピヴェット。天才的な頭脳を持つ彼は、僅か10歳ながら「永久機関」の発明で権威ある賞を獲得する。周囲から仲々理解されないスピヴェットは一念発起し、貨物列車を無賃乗車で乗り継ぎ、一路授賞式が開催されるワシントンDCを目指すのだが…という内容。

原作はライフ・ラーセンの小説「T・S・スピヴェット君傑作集」。本作はジュネ監督初の3D映画として製作され、「アメリ」辺りから引き続く小技を効かせたキュートな演出等に活用している。まあアメリより前は、グロテスクなのが持ち味だったと思うけれど…本作はそれより、落ち着いた風景描写の方が見所じゃないかな。

本作は少年の心象風景そのままに移ろう列車からの眺めが心地よく、等身大の冒険譚というストーリーと共に「自然さ」を印象付ける。家族の再発見という少年の旅は、永久機関と同じく彼にとって単なる絵空事に終わりはしないだろう。
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2017.05.01

「Struck down」YESTERDAY AND TODAY

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聴いてみた、アメリカのハードロック・バンド。1977年発表。

「イエスタデイ・アンド・トゥデイ」は、Dave Meniketti(vo,g)を中心に1972年頃のオークランドにて活動を開始。Phil Kennemore(b)、Leonard Haze(dr)、Joey Alves(g)の布陣で、1976年に同名アルバムでデビューする。その後レーベル移籍に伴いヘヴィメタルバンド「Y&T」に転身し、活動の場を広げた。

本作は1978年にリリースされた2nd。今回聴いたCDはオリジナルが8曲なのに、Y&T時代の音源を11曲も収録している謎仕様。一聴した印象では少々地味かな。演奏自体はハードドライヴィンで勢いがあるんだけど…ボーカルがメインを張るのではなく、楽器を補佐するかの様に半歩引いた構成になっている。

Y&Tの曲と比較出来るので、割とその辺は明白。ボーカルパートの合間に速弾きギターソロが来るという、メタルにおける定型の曲構成に変化したって事でもあるんだな。とは言えマニアックながら、重量級の米産ハードロックが楽しめる。
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