2017.06.18

アンジェリカの微笑み

観てみた。マノエル・ド・オリヴェイラ脚本、監督映画。2010年公開。

ある夜ユダヤ青年・イザクの元に、上流階級の邸宅から写真撮影の急な依頼が舞い込む。その際に彼が撮った被写体は、若くして天に召された美女・アンジェリカの亡骸。しかも驚く事にシャッターを切るイザクには、彼女がまるで微笑んで見えた。その後もアンジェリカの事が頭から離れないイザクは…という内容。

2015年に106歳でこの世を去った同監督による、101歳時の映画がこちら。彼が長年暖めていたという脚本を映像化した本作の内容は、エドガー・アラン・ポオ風の幻想譚だった。写真の中から死美人が微笑む…なんて書くと怪談みたいだけど、ゆったりした進行の中にユーモアを盛り込んだ浮遊感のある作品だな。

死に魅せられた主人公からは、高齢の監督自身が生と死の境界に向き合った視線が窺えるけれど…(いかに特異な存在だったとは言え)そこにばかり着目してもな。個人的には絵画的に美しい映像からは、一切の衰えを感じないなと。
posted by ぬきやまがいせい at 23:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画