2017.08.31

濹東綺譚

観てみた、津川雅彦主演。新藤兼人脚本、監督映画。1992年公開。

麻布に「偏奇館」なる新居を構えた小説家・永井荷風。放蕩的な面を批判されるものの、彼は玉の井にある私娼窟の女達と浮き名を流して来た。そんな中で出逢ったのがお雪という娘で、荷風は彼女に強く惹かれるものを感じた。世の中が戦争へと進んで行く一方で、遂に2人は結婚の約束をするのだが…という内容。

原作は永井荷風の同名小説。そちらでは自身をモデルとした大江匡という主人公を登場させているが、本作映画版ではストレートに荷風本人とし、彼の最期までを描く伝記的要素を強めたものとなっている。…そういうのって何かあった気がするなと思ったら、クローネンバーグ監督によるバロウズの「裸のランチ」だわ。

尚本作は日本ATGの30周年記念作との事だけど、同時に最後の映画ともなった。血を吐き前のめりに斃れた荷風の姿をそれに重ねる事は可能だが…その後も数十年に渡って撮り続ける事への、新藤監督の覚悟を込めたものかも。
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2017.08.30

時代屋の女房

観てみた。渡瀬恒彦主演、森崎東監督映画。1983年公開。

安さんが営む骨董店「時代屋」に1匹の猫と共にフラリと現れ、そのまま居着いてしまった女・真弓。安さんが彼女と暮らしたこの半年の間にも、真弓は何度か姿を消したのだが、今回ばかりは本当に戻って来ないのではという予感があった。安さんは周囲の人々の間に居ても、彼女の姿を求めてしまい…という内容。

原作小説は村松友視による直木賞受賞作で、映画としても本作の他にキャストを一新した「〜2」が製作されている。…本作の魅力は真弓役の夏目雅子に尽きると言われるが、彼女の早世もあって変更はやむを得ない事だったのだろう。

本作は真弓の「不在」をテーマにした(また例によってベケットの名前を挙げる事になるけど…)もので、偶然ながら夏目の逝去が内容と呼応して、本作を彼女の代表作という以上に特別・神聖な映画にしている。ただ今観ると彼女だけでなく出演者の多くが鬼籍に入られており、より一層の物哀しさを覚えてしまうのだが。
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2017.08.29

スーパーの女

観てみた、宮本信子主演。伊丹十三脚本、監督映画。1996年公開。

幼馴染みの小林五郎と再会した井上花子。彼女は小林が経営するスーパー正直屋が、敵対店舗の開店・買収話により危機にある事を知る。花子は一介の主婦ながら、スーパーに関する豊富な知見と見識を元に、駄目スーパーの正直屋改革に取り組む。だが彼女の敵は外だけではなく、身内にもいて…という内容。

今回はスーパーマーケットを題材にした、伊丹監督「〜の女」シリーズ。お話の基本構造や経営ノウハウをカタログ化する手法はいつもの通りだが、本作では後に発覚する産地偽装等の食品に関する諸問題に、先見の明を示している。

まあ伊丹監督の事を、社会派と呼ぶ人は余りいないとは思うものの…本作など問題意識が「夕方のニュース」的な匙加減なのは面白い。そうした番組もまた純粋な報道と見る人はいないだろうけど、美味しい店紹介や主婦の知恵やらのユルい話題の合間に問題提議を忍ばせる見せ方は、結構近いんじゃないかなあと。
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2017.08.27

ミンボーの女

観てみた、宮本信子主演。伊丹十三脚本、監督映画。1992年公開。

認識の甘さを付け込まれ、ヤクザからの恐喝被害に苦しむホテル・ヨーロッパ。その対応に当たるべく民事介入暴力、通称ミンボー専門の女弁護士・井上まひるが協力する事になった。ヤクザがあの手この手を駆使し金を強請りに来る一方、まひるの助言でホテル側の対ミンボー意識改革も進むのだが…という内容。

本作の公開直後、伊丹監督が暴漢の襲撃を受けて重傷を負う事件が発生した。そうした社会派的な要素を持ちつつも、ヤクザの恐喝の手口やその対策に関するノウハウをカタログ的に羅列した、いつもながらの親しみやすい伊丹作品。

今観ても防犯意識向上の為の示唆に富む上、娯楽映画として楽しく噛み砕く手際に感心するんだけど…ヤクザが四六時中怒鳴ってばかりいて、観てるこっちまでくたびれてしまうんだよなあ。お陰で単なるコメディとしては少しばかり重量級な作品ではあるものの、それでも監督の覚悟と共に一見の価値はあると思う。
posted by ぬきやまがいせい at 23:51 | Comment(0) | 映画

2017.08.26

タンポポ

観てみた。山崎努主演。伊丹十三脚本、監督映画。1985年公開。

トラック運転手・ゴローが立ち寄ったあるラーメン屋。そこの女主人・タンポポは亡き主人の後を継いで店を切り盛りするも、味に関しては全くの素人同然であった。彼女の懇願を聞いて、ラーメン指南を始めるゴローだったが…という内容。

本作の公開により日本のラーメン文化が海外にも知られ、現在の世界的ブームの呼び水になったとも言われる。個人的に伊丹映画は「カタログ」的な、ネタの羅列に面白味があると思うんだけど…本作当時はまだラーメンの世界も未発達で、二郎系も家系も淡麗系も広まってない頃だけに(博多ラーメンの東京本格進出も翌々年)今改めて観るとそういう方面は少々素朴過ぎに感じてしまうかも。

その代わりに経営ノウハウ的な部分は今でも有効だし、仲々興味深く観られる。…新店舗の小綺麗な佇まいなどは、見事に現状を先取っていたのかもねえ。
posted by ぬきやまがいせい at 23:49 | Comment(0) | 映画

2017.08.25

時空の旅人(ときのたびびと)

観てみた、真崎守監督によるアニメーション映画。1986年公開。

女子高生・早坂哲子が乗るマイクロバス。その車内に見知らぬ少年が乗り込み、奇妙な装置を取り付けた。その瞬間バスはタイムスリップし、哲子を始めとする同乗者5名は過去への旅に出る。その少年・ジロは、未来の管理社会から逃れて来たのだと言う。更に彼らを捕らえんとする、追跡者まで現れて…という内容。

原作は眉村卓作の小説「とらえられたスクールバス」で、こちらをアニメとして角川映画により製作されたのが本作(同時上映は「火の鳥 鳳凰編」)。…キャラクターデザインに萩尾望都を起用している辺り興味深いけれど、当時社長だった角川春樹自身の手による「俳句」が随所に挿入されているのも不思議な感覚だ。

角川映画はタイムスリップしたら、織田信長と仲良くしないと気が済まないのか…と思ったものの、他は戦国自衛隊位だったか。今となっては実に古色蒼然たる内容だけど、川尻善昭や梅津泰臣による作画は今観てもパワーを感じるね。
posted by ぬきやまがいせい at 23:16 | Comment(0) | アニメ

2017.08.24

ザ・ブルード / 怒りのメタファー

観てみた、デヴィッド・クローネンバーグ監督映画。1979年公開。

カーヴィスは娘の身体に不審な傷を発見し、彼の妻からの虐待そして彼女が精神治療の為に、現在入院している医療センターに疑惑を抱く。そんな時妻の母親が家の中に潜む人に似た、人ならざる怪物に襲われて命を落とした。その後もまるでその怪物は、妻の怒りに呼応するかの様に凶行に及んで…という内容。

初期クローネンバーグらしい、肉体の変容や精神の逸脱を描いたホラー。翌年には「スキャナーズ」を手掛けるだけあって、今観ても斬新な発想が窺えるのだが…低予算の為か、何だかリメイク版ウルトラQや怪奇大作戦を連想させる感覚が(と言うか、そうした作品の製作者に影響を与えていても不思議ではないが)。

女性に対する複雑な感情が漏れ出ているのは、当時泥沼の離婚裁判をしていたかららしい。…でもグロテスクで気色悪い割にどことなく理性的な感じがあるのは、極初期に硬派な前衛映画を撮っていた事による自制が効いたからかもね。
posted by ぬきやまがいせい at 03:29 | Comment(0) | 映画

2017.08.22

殺人の告白

観てみた。チョン・ビョンギル脚本、監督映画。2012年公開。

ヒョング刑事が執念をかけて追っていた、連続殺人事件が遂に時効を迎えた。そして時を同じくしてドゥソクと名乗る男が事件の詳細を記した、犯人しか知り得ない内容の告白手記を出版する。韓国中がこの話題で騒然とし、彼ら2人の対決は人々の耳目を集める事に。それに際して被害者の遺族達は…という内容。

日本では「22年目の告白 ‐私が殺人犯です‐」の題で、リメイク版も製作された。現在の日本では殺人事件の公訴時効が廃止されているので、内容は多少アレンジされてるのかな。…殺人犯の手記と言えば日本でも某元少年の本が騒動になったので、全くあり得ない話でもない辺り着眼点の鋭い映画なのは確かだ。

ただ作品としては重厚なサスペンスが展開する一方で、コミカルな演出や派手なアクションが挿入されたりと一貫性が無い。そういう意味では筆者も正直少々惜しいとは思うけれど、社会派エンタメを力業で成立させた辺り凄いは凄い。
posted by ぬきやまがいせい at 23:35 | Comment(0) | 映画

2017.08.21

海にかかる霧

観てみた。シム・ソンボ脚本、監督映画。2014年公開。

漁船チョンジン号の船長チョルジュは金策の為、中国から脱出する朝鮮族の密航仕事を引き受ける。荒れた夜の海で密航者数十名を乗船させ、海に落ちた女ホンメもまた船員ドンシクが救出する。だが密航者との関係は穏やかなままでは済まず、更に海洋警察の監察に対し彼らを魚艙に匿う事になり…という内容。

2001年に実際起きた事件を題材にしている本作。ポン・ジュノが共同脚本とプロデュースを担当し、「殺人の追憶」の脚本家ソンボの監督デビュー作だとの事。…かなり凄惨でショッキングな展開が用意されているので本項でもそこには触れないけれど、ジュノはやっぱりこういう作品を手掛けた方がいいなと改めて。

またソンボ監督の演出も処女作とは思えない手際で、後半の地獄絵図をギリシャ悲劇か白鯨かという神話的な情景の中に描いてみせる。…ラストに関しては実際の事件とは関係無い完全な創作の様なので、まあ別にいいんじゃない?
posted by ぬきやまがいせい at 23:45 | Comment(0) | 映画

2017.08.20

レッド・ファミリー

観てみた、イ・ジュヒョン監督映画。2013年公開。

韓国で暮らす一見何の変哲もない家族。実は彼らは妻役の上官ベクを中心に、夫役・祖父役・娘役の4名で構成される北朝鮮のスパイ集団だった。本国に住む家族を人質に取られる彼らは、心苦しくも諜報や暗殺の日々を送る事に。そんな事情には全く気付かない、隣人一家との交流も続くのだが…という内容。

キム・ギドクが脚本と製作総指揮を兼ねて描く、ユニークな設定の家族ドラマ。ユニークなんて気軽に書いてしまったけど(幾分誇張されたものとは言え)かの国における一面の現実を反映している事を思うと、複雑な気分になってしまう。

何せ悪い冗談の様な状況設定なので、もっとコメディ寄りな作品かと思ったら仲々にキツい内容。笑い飛ばすには未だに解決を見ない問題なので正直動揺してしまったが…それでも韓国でしか描けない独自の視点や切り口には、色々と考えさせられる。聖痕と共に復活した次なる世代に、希望を託したいものだねえ。
posted by ぬきやまがいせい at 00:49 | Comment(0) | 映画

2017.08.18

アゲイン / 明日への誓い

観てみた。チョウ・ユンファ主演、ツイ・ハーク監督映画。1989年公開。

マークはベトナム戦争当時のサイゴンから、従弟のマイケルと叔父を香港に脱出させるべくやって来た。その際彼らは裏の世界に顔の利くキティの協力を得て、無事に故郷への帰還を果たす。マークとマイケルは共にキティに惹かれるのだが、彼女のボスである暗黒街の顔役・ホーが2人の前に現れて…という内容。

「男たちの挽歌」シリーズ第3作(原題は「英雄本色V夕陽之歌」)だが、時系列的には過去の話?なので一応独立した作品として観られる。というか筆者1・2の内容は忘れてしまったんだけど…それでも何かこんなんじゃなかった感が。

実際監督がジョン・ウーからツイ・ハークに交代しており、アクション等も(スロー演出は健在だが)大分雰囲気が違っている。日本からは時任三郎が参加し、かなり大規模なエキストラの起用やM48戦車まで登場するバトルシーンなどは確かに派手なんだけど…ちっとも羨ましくない三角関係とか、何か違うよなあと。
posted by ぬきやまがいせい at 23:17 | Comment(0) | 映画

2017.08.17

初恋のきた道

観てみた、チャン・イーモウ監督映画。1999年公開。

中国奥地の村で、教育に一生を捧げた父親がこの世を去った。故郷に戻ったユーシェンは、母親のチャオディが夫の遺体を乗物の力を用いず、人が担いで帰宅させる風習に固執している事を知る。それは村に都会から教師としてやって来た父親と、まだ娘だった頃の母親との出逢いの想い出があって…という内容。

パオ・シーの小説が原作。近年では派手な武侠映画の印象が強いイーモウ監督だが、本作では瑞々しい演出で純粋な恋愛を描いている。語り手である息子の登場する現在が白黒、恋模様が描かれる過去場面がカラーと、この演出だけ見ても恋愛が中心の映画と言って間違いないけれど…それだけでもないだろう。

個人的には父親の教育への想いを継ぐ息子の姿に感動する。「道」も邦題では恋愛を連れてきたものだが、葬儀の列と共に帰宅する父は再度村に「教育」を齎す者として描かれている。…まあ単純に恋愛だけ見たっていいんだけどね。
posted by ぬきやまがいせい at 23:49 | Comment(0) | 映画

2017.08.15

恐怖分子

観てみた、エドワード・ヤン監督映画。1986年公開。

ある朝台北の街に銃声が響き、警官隊が出動する。そこへカメラを手に駆け付けたのがシャオチャンで、彼はシューアンという少女が現場から去る姿を撮影した。一方街には彼の恋人シャオウェンを始め、女流小説家イーフェンと夫のリーチュン。更に彼女の元恋人、シェンといった人々が暮らしていて…という内容。

80年代から90年代にかけて隆盛を極めた映画運動「台湾ニューシネマ」で、中心人物であるヤン監督の代表作とされるのが本作。内容は台湾で暮らす人々の持つ現代的/パーソナルな問題を採り上げ、それが徐々に悲劇へと交錯していく…という感じだけど、寡黙な語り口が人物の内面の空虚さを照らし出している。

そう書くとアントニオーニっぽい作品だな。壁に貼られた大判の写真が風に靡き、左右に揺れるカメラの映す視界が世界の不安定さを語る…かの様だが、アジア的猥雑さから離れた映像は成程、新しい感性の発露だったことを伺わせる。
posted by ぬきやまがいせい at 23:48 | Comment(0) | 映画

2017.08.14

コミックマーケット92・終了報告

コミケット92、無事終了いたしました。
暑い中わざわざお越し下さった皆様、本当にありがとうございました。

新刊のコピー誌はまあどうにか作る事は出来たんですが…
一旦電源を切った作業用PCが、再起動しても画面が真っ暗なままだという。

別のPCでなら画面が映ったので、モニターの問題ではない筈。
多分これグラボが逝っちゃったかな…という状況で
どうも面倒な事になったなと。

とは言え新刊完成までは待ってくれたんだから、
それなりに義侠心に厚いグラボだったのかもしれぬ。
posted by ぬきやまがいせい at 17:23 | Comment(0) | 日記

2017.08.13

コミックマーケット92

本日は、コミックマーケット92開催日です。
当サークル、ジャンクアーツも K-42a で参加しております。
新刊コピー誌をご用意しておりますので、ぜひお越し下さい。
posted by ぬきやまがいせい at 05:43 | Comment(0) | 日記

2017.08.08

ニューヨーク恋泥棒

観てみた、リチャード・シェパード監督映画。1991年公開。

NYの高級クラブで働く脱出マジシャン志望のルーシーと、英国人バーテンダーのモンティ。彼女はフーディーニ夫人の指輪購入の為、彼は米国滞在の為に偽装結婚するべく大金を必要としていた。思惑が合致した2人は更に友人ヴィヴィアンを巻き込み、自分達が勤めるクラブで強盗を計画するのだが…という内容。

デヴィッド・ボウイ主演のラブコメディ映画。こんなのあったのか…と思って調べたら、彼の音楽活動としては丁度Tin Machineの頃でもあって、まさに低迷期を象徴するかの様な存在だなと。内容はウディ・アレン作品っぽい辺り興味深いが(邦題も多分それを踏まえている)、知名度通り正直冴えない出来ではある。

シナリオやキャラ描写等手堅くまとまっているのに、簡単そうで真似が難しい作風なんだな。…とは言えボウイ主演の映画でボウイを鑑賞する事以上の価値なんてそうそう無いんだから、本作も充分その要件は満たしているんじゃないか。
posted by ぬきやまがいせい at 23:39 | Comment(0) | 映画

2017.08.07

ルーキー

観てみた。クリント・イーストウッド主演、監督映画。1990年公開。

パロヴスキー刑事は自動車窃盗団をの捜査中、相棒を殺害されてしまう。その代わりにコンビを組む事になったのが、若手刑事のアッカーマンだった。ところが犯人を追い詰めるも、新人故の判断の甘さからパロヴスキーが拉致されてしまう。アッカーマンは相棒を救うべく、独自に捜査を進めるのだが…という内容。

60歳を迎えたイーストウッドが「世代交代」をテーマに、相棒として若手のチャーリー・シーンとコンビを組んだ作品。なんだけど内容的には目茶苦茶で、60歳なのに監督としてはまだまだまるで未熟なのがある意味凄い。彼が過去演じた刑事物を手癖で再現した様な内容の上、大味で社会性もへったくれも無いという…

どんな大監督であっても駆け出しの時期はあるもんだと言っても、還暦を迎えんとする頃にまでこれではな。むしろシーンの方が若手俳優として堂々としてる位だよなあ…とは思ったものの、それが監督イーストウッドの特異な点なのかも。
posted by ぬきやまがいせい at 23:48 | Comment(0) | 映画

2017.08.05

ルパン三世 GREEN VS RED

見てみた、宮繁之監督によるオリジナル・ビデオ・アニメ。2008年発表。

顔も素性も微妙に異なる「ルパン三世」を名乗る泥棒が、世界中で活動していた。日本に全てのルパンが詰めかけた際、あるラーメン屋の店員・ヤスオもまた緑色のジャケットを着込んでその中に加わる。彼は「アイス・キューブ」と呼ばれる謎の秘宝を求めて、赤色のジャケットのルパンと対決するのだが…という内容。

ルパン三世生誕40周年記念作品として製作されたOVA。画面上に大勢のルパンが登場するのは「どっちが勝つか三代目!」を連想させるけど、これまで多数の作品が作られて来た同作をメタ的な視点から語った、観念的な内容でもある。

ただテイスト自体はTVSPの雰囲気を踏襲しているので、「峰不二子という女」や所謂小池ルパンが見せた斬新な解釈には及んでいないかなあと。…今作るとしたらそうした「BLUE」ルパンも含めるのかもなと妄想してしまうけれど、幻となった「押井ルパン」も暗に採り入れている辺りの徹底振りは、結構すごいよね。
posted by ぬきやまがいせい at 23:14 | Comment(0) | アニメ

2017.08.03

ボトムズファインダー

見てみた、重田敦司監督によるOVA。2010年発表。

ある惑星にある深い崖下の「ボトムズ」で、頭上の土地に憧れて暮らす青年アキ。彼はある日崖の上「トプ」から来たレッシングという男から、誘拐された議員令嬢捜索の為の協力を依頼される。地下迷宮を進み令嬢を発見したと思いきや、彼を連れ去ったと思しきロボット・Atから攻撃を受ける。ところが…という内容。

本作もCase;IRVINEと同じく、「ボトムズ・フェスティバル」と銘打ったイベントで上映された作品。…内容的には更に攻めた感じで、IRVINEがガンダムで言う宇宙世紀外伝なら本作はアナザーとでも言うか。登場するロボットもAt(アルトロ)と呼ばれるATとは異なる物で、ボトムズの意味するところも本編とは全く違う。

仲々野心的で可能性を感じる内容ながら、IRVINE同様その後に続かなかった。ATより高度な操縦性を感じさせるAtのアクションは見応えあって、サンライズの3DCGロボはこの方向性で発展していったらいいんじゃないかと思う程。
posted by ぬきやまがいせい at 21:54 | Comment(0) | アニメ

2017.08.02

装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE(そうこうきへいぼとむず けーすあーびん)

見てみた、五十嵐紫樟監督によるOVA。2010年発表。

AT同士による賭博戦闘・バトリングで、残虐なファイトを行っていたペイガンを圧倒しながら、アービンは八百長の負け役に甘んじていた。彼の腕を見込んだイシュルーナにより再び銃火を交える両者。だがペイガンの暴走で周囲は焦土と化す。アービンは過去、実際の戦場で真の地獄を目撃しており…という内容。

「装甲騎兵ボトムズ」の世界観を基にしたスピンオフ作品。本作ではキャラデザの久行宏和を始めとする「舞-HiME」等のスタッフが担当しており、ボトムズシリーズに新風を吹き込む目的で製作された。…と思うのだけれど、その後の展開が特に無かったのは残念。実際賛否両論あるのも、致し方ない内容ではあるが。

作風面の「軽さ」に違和感があるのは否定しようがないし、余り受けなかった?のもまあ仕方ない。それでも意欲は買うし、結局キリコありきでしか成立しない作品として落ち着くには勿体ない、魅力的な世界観だって事も再確認出来たな。
posted by ぬきやまがいせい at 22:28 | Comment(0) | アニメ