
読んでみた、アメリカ人作家による長編SF小説。1983年発表。
ジーニー船長の宇宙船に乗り組むのが、天才的物理学者「マッカンドルー」。彼は加速Gを相殺し、真空からエネルギーを取り出す画期的な宇宙船を開発。2人は広大な宇宙空間で、様々な冒険の旅を繰り広げるのだが…という内容。
短編連作の形で発表された本作、1993年には続編「太陽レンズの彼方へ」も刊行されている。本書はいわゆる「ハードSF」として、かなり念入りな科学考証が行われているが(巻末の著者自身による解説も楽しい)…印象としてはニーヴンの「ノウンスペース」シリーズに近い、ワクワクする冒険物語となっている。
まさに「これこれ、こういうのだよ」って感じ。とは言えコロンブスの卵的なアイデアによる宇宙船は、イーガンを経過した後だと「人間をデータ化したらこんなの要らんわな」という気が。でもそこがいいのだ。未来の宇宙旅行はこういう風になる…とは全然思えないけれど、だからこそ未来への夢も広がるというものさ。