
読んでみた、アメリカ人作家による長編小説。1953年発表。
私立探偵・マーロウは、妻殺しの嫌疑を掛けられたレノックスの逃亡を手助けした。ところが彼の自殺により、事件は一応の解決を見る。疑惑の晴れないマーロウだが、その後失踪した作家の調査依頼を受ける事に…という内容。
ハードボイルド小説を代表する探偵「フィリップ・マーロウ」を主人公とする、長編シリーズの第6作。チャンドラーの作品としては、最も人気のある作品のひとつでもある。他…は自分の場合「大いなる眠り」しか読んでいないのだが、本書ではマーロウが見せる厚い友情と、そこから訪れる切ない結末に魅力がある。
いやミステリとして見ると謎解きがメインではないので、大体予想通りではあるけど…やはりマーロウのキャラクターがいちいち素晴らしい。こんな皮肉の効いた小洒落た台詞を、自然体で吐ける男になりたい。まあ船戸与一先生がチャンドラー・アンチなので自分もそんなつもりだったものの、やっぱりいいもんだな。