
読んでみた、イギリス・アメリカ人作家による長編SF小説。1990年発表。
遥か未来。都市に引き籠っていた人類を、アルヴィンが再び銀河帝国の道へと促してから数世紀。旧人類のクレイは何者かに襲撃され、仲間が全滅する。それはかつて銀河中心に封じ込められた、恐るべき敵の復活で…という内容。
クラークによる初期の作品「銀河帝国の崩壊」(1948年雑誌掲載)を第1部に、その続編としてベンフォードが執筆した第2部を合わせたものが本書。クラーク自身が後に「都市と星」(1956年)という前掲書のリメイク版を発表しているのだが、それとは全く違う内容として展開させているのが興味深い。…のだけれど。
続編は続編ながら、そのテイストの違いには面食らうんじゃないかな。どうもベンフォードは自作の「銀河の中心」シリーズである「光の潮流」(本書の前年1989年刊行)から、作風やアイデアを流用してしまっている。まあ自分の小説からなら問題ないとは言え…一応他人様の続編と、銘打った作品なのになあって。