2022.03.11

「暗殺者」ロバート・ラドラム著、山本光伸訳

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読んでみた、アメリカ人作家による長編冒険小説。1980年発表。

「J・ボーン」という名前と断片的に甦る記憶が、頭部の負傷から記憶を失った男に残された、僅かな手掛かり。協力者の女性マリーと共に、彼は正体不明の殺し屋が率いる組織、そして自身の正体へと迫って行くのだが…という内容。

マット・デイモンの主演で映画化された、「ボーン・アイデンティティー」(2002年)の原作が本書。原作と言うか…「ジャッカルの日」に対する「ジャッカル」(1997年)みたいな関係じゃないかと。そちらよりはまだ共通点があるものの、ほぼ別物。残念ながら本書の重層的で緊密な構成は、再現出来なかったと見える。

やはり媒体の違いとして、主人公が自身の身の処し方を考えに考え、自身の過去に隠された謎を悩みに悩む、強迫的内面描写は映像には出来ないよなあと。…まあ代わりにアクション描写を見所に、大ヒットシリーズになったのはご存じの通り。でもやっぱり本書の面白さは圧倒的なので、こっちも読んでほしいな。
posted by ぬきやまがいせい at 23:46 | Comment(0) | 読書