2022.03.25

素敵な歌と舟はゆく

観てみた。オタール・イオセリアーニ脚本、監督映画。1999年公開。

友人から借りた大型バイクに乗って、ガールハントする鉄道清掃員の青年。富豪の子息である事を隠す二コラは、皿洗いのバイトをしつつ不良と付き合っている。二コラの父は実業家として働く妻に頭が上がらず、酔っ払いながら猟銃を撃つ。更に彼らを取り巻く人々が織り成す、人生模様は続いて…という内容。

イオセリアーニ監督の作品は以前「月曜日に乾杯! 」(2002年)を紹介したけれど、こちらの映画はその前作に当たる。製作時期が近い事もあってか、まあ大体同じような内容。…なので正直、感想として特段書くような事もないや。

あえて書くならやっぱり、本作でもブニュエルやタチの作風を思い出さざるを得ない事か。でも本作ではなぜか、「ハゲコウ」という巨大な鳥が画面に頻繁に登場するのが気になる。監督はその鳥に「哲学者の視線」を担わせたそうだが…ブニュエル「黄金時代」の部屋を闊歩する象に較べたら、まあ確かに哲学的か。
posted by ぬきやまがいせい at 23:45 | Comment(0) | 映画