
読んでみた、アメリカ人作家によるSF短編小説集。1951年発表。
本書は短編の名手として知られる著者が刊行した、初のSF系作品集。本書には「狂った星座」「星ねずみ」といった代表作を始め全9編が収録されており、後続に多大な影響を与えた、珠玉のアイデアの数々が楽しめる…という内容。
MS戦記じゃない方のブラウン。本書の序文で著者は(ユーモア交じりながら)、SFを書く事の大変さを語っているけれど…多分本心なんだろうな、とは思う程度には意表を突くプロットばかりで納得してしまった。ただ初の短編集だからか後のショートショートとは違って、もうちょっと腰を据えて書いている感じもある。
「さあ、気ちがいに」という(何とも物騒なタイトルを持つ)短編は、未来に転生したナポレオンの生まれ変わりの男が、宇宙の真実を突き付けられて…というスケールの大きな作品。よく考えたら転生もナポレオンも関係なくね?、とは思ったものの、人を食った様でいて重量感のある作品と言っていいかもしれない。