観てみた、いしづかあつこ監督によるアニメーション映画。2022年公開。
「ドン・グリーズ」こと、親友のロウマとトト。高1の夏、新たにドロップを仲間に加え、彼らは花火大会の夜にドローンを飛ばす。自分達を疎外して来た連中を見返す積りが、同夜発生した山火事が彼らの原因と疑われてしまう。3人は喪失したドローンの録画データを探して、山中へ分け入ったのだが…という内容。
同じスタッフが手掛けた「宇宙よりも遠い場所」の男子版。と言うよりも、要はアニメ版「スタンド・バイ・ミー」か。女子会アニメだった前作が男子会映画に置き換わった感じで、幾つかの共通点が勿論あるけど…どうも男性的に、ウェットな感覚まで引き継いだのは、正直良し悪し(まあ感動路線にしたかったのだろう)。
むしろ「よりもい」の女子達の方が、もっとサバサバしたメンタリティじゃなかったっけ?、という気も。ただまあこれをそのまま女の子キャラでやっていたら、もっと好きになってただろうな…と言ってしまう自分は、かなりな正直者だと思う。
2022.12.31
2022.12.29
竜とそばかすの姫
観てみた、細田守監督によるアニメーション映画。2021年公開。
母の死で、歌う事が出来なくなった高校生・すず。だが仮想世界・Uでは歌姫「ベル」の姿になる事で、彼女の歌は多くの人に感銘を与えた。そんな時Uで暴れる謎の「竜」が現れ、ベルのコンサートを台無しにしてしまう。彼の傷ついた姿に自分自身を重ねたすずは、竜の現実世界での正体を探るのだが…という内容。
情緒不安定な映画。…上記した設定の主人公は仕方ないとしても、出てくるキャラほぼ全員見ていて不安になる。コメディシーンすら笑うより前に、人物の挙動不審さから心配になった。加えていつもの細田アニメの田舎風景から、ディズニーアニメ調のU世界に頻繁に切り替わるので、作品自体が落ち着く暇が無い。
よく言えば多彩な要素を採り入れているけれど、逆に言うと映画としてバタバタしすぎでは。…とは言えクライマックスの歌唱シーンでは、結構感動してしまったのも確か。歌と映像美に焦点を絞ってくれていれば、もっとよかったかも。
母の死で、歌う事が出来なくなった高校生・すず。だが仮想世界・Uでは歌姫「ベル」の姿になる事で、彼女の歌は多くの人に感銘を与えた。そんな時Uで暴れる謎の「竜」が現れ、ベルのコンサートを台無しにしてしまう。彼の傷ついた姿に自分自身を重ねたすずは、竜の現実世界での正体を探るのだが…という内容。
情緒不安定な映画。…上記した設定の主人公は仕方ないとしても、出てくるキャラほぼ全員見ていて不安になる。コメディシーンすら笑うより前に、人物の挙動不審さから心配になった。加えていつもの細田アニメの田舎風景から、ディズニーアニメ調のU世界に頻繁に切り替わるので、作品自体が落ち着く暇が無い。
よく言えば多彩な要素を採り入れているけれど、逆に言うと映画としてバタバタしすぎでは。…とは言えクライマックスの歌唱シーンでは、結構感動してしまったのも確か。歌と映像美に焦点を絞ってくれていれば、もっとよかったかも。
2022.12.28
神在月のこども
観てみた、四戸俊成監督によるアニメーション映画。2021年公開。
母・弥生の死で、走る事が出来なくなったカンナ。旧暦10月・出雲で言う「神在月」のある日、母が実は韋駄天の末裔だと知った。カンナは母の務めだった各地の「馳走」を集め、神々の集う出雲へと運ぶ役目の為に旅立つ。導き手の白兎の言う、その地で母との再会が叶うとの言葉を信じての事だが…という内容。
MTBじゃない方の韋駄天。なので本作では少女が徒歩で、東京から出雲まで行くという話。その間試練があったり挫折したりして、最後には母親の死を克服して成長するという…公民館で上映されそうな、児童向けの教育アニメっぽい。
決して悪くはないけど、主人公の声を例によって俳優さんが当てているのを始め(子役の方が上手いじゃん)、どうも乗り切れない。日本神話モチーフは興味深いだけに、岬のマヨイガの時に言った「類似作のふんわり感」がそのまま当て嵌まってしまうのが惜しい。…まあでも、児童向けならむしろこれでいいのかな。
母・弥生の死で、走る事が出来なくなったカンナ。旧暦10月・出雲で言う「神在月」のある日、母が実は韋駄天の末裔だと知った。カンナは母の務めだった各地の「馳走」を集め、神々の集う出雲へと運ぶ役目の為に旅立つ。導き手の白兎の言う、その地で母との再会が叶うとの言葉を信じての事だが…という内容。
MTBじゃない方の韋駄天。なので本作では少女が徒歩で、東京から出雲まで行くという話。その間試練があったり挫折したりして、最後には母親の死を克服して成長するという…公民館で上映されそうな、児童向けの教育アニメっぽい。
決して悪くはないけど、主人公の声を例によって俳優さんが当てているのを始め(子役の方が上手いじゃん)、どうも乗り切れない。日本神話モチーフは興味深いだけに、岬のマヨイガの時に言った「類似作のふんわり感」がそのまま当て嵌まってしまうのが惜しい。…まあでも、児童向けならむしろこれでいいのかな。
2022.12.26
思い、思われ、ふり、ふられ
観てみた、黒柳トシマサ監督によるアニメーション映画。2020年公開。
少女漫画に憧れる由奈と、恋愛にはドライな朱里。同じマンションに住み親友同士ながら、対照的な女子高生の2人。しかも由奈は朱里の弟で、幼い頃に憧れた王子様そっくりの理央に恋してしまう。だが理央には既に想い人がおり、由奈は失恋してしまった。朱里もまた、由奈の幼馴染の和臣に対して…という内容。
継母の連れ子がドメスティックな彼女だった。…まあ咲坂伊緒の原作は少女漫画なので(「ママレード・ボーイ」が例えに挙がったりもするけれど)、似た状況設定でもラノベや少年漫画とは違って、本当にピュアなお話になるんだなと。
ただ本作も恋に一途な由奈と、恋多くその為に傷つきやすい朱里をダブルヒロインとする、対照的な恋模様。これは「昔ながらの少女漫画」と「現代的な恋愛観の少女漫画」と並行して描く、ジャンルにおける自己言及的表現を含むのが興味深い。いや多分そういう批評眼は、本作を観る上で余計だとは思うんだけど…
少女漫画に憧れる由奈と、恋愛にはドライな朱里。同じマンションに住み親友同士ながら、対照的な女子高生の2人。しかも由奈は朱里の弟で、幼い頃に憧れた王子様そっくりの理央に恋してしまう。だが理央には既に想い人がおり、由奈は失恋してしまった。朱里もまた、由奈の幼馴染の和臣に対して…という内容。
継母の連れ子がドメスティックな彼女だった。…まあ咲坂伊緒の原作は少女漫画なので(「ママレード・ボーイ」が例えに挙がったりもするけれど)、似た状況設定でもラノベや少年漫画とは違って、本当にピュアなお話になるんだなと。
ただ本作も恋に一途な由奈と、恋多くその為に傷つきやすい朱里をダブルヒロインとする、対照的な恋模様。これは「昔ながらの少女漫画」と「現代的な恋愛観の少女漫画」と並行して描く、ジャンルにおける自己言及的表現を含むのが興味深い。いや多分そういう批評眼は、本作を観る上で余計だとは思うんだけど…
2022.12.25
ジョゼと虎と魚たち
観てみた、タムラコータロー監督によるアニメーション映画。2020年公開。
海外留学の夢の為、ダイビングショップを始め幾つもバイトを兼ねる大学生・恒夫。そんな彼が出逢ったのが車椅子の女性、ジョゼことクミ子。祖母・チヅからの申し出で、恒夫はジョゼの世話をする事になったのだが、気の強い彼女に振り回されっぱなし。そんな2人が、徐々に打ち解けたそんな時…という内容。
原作は田辺聖子の同名短編小説。こちら以外にも日本と韓国で、実写での映画化をされた様だけれど(未見)、本作はかなり自由に原作を翻案している模様。そのお陰で本作アニメ版は、「観て気持ちのいい恋愛映画」となっている。
これあれでしょ「とらドラ!」、虎も出るし(なんてボケたくなる)。ジョゼが釘宮声じゃないのが、不思議な位のツンデレキャラだし。まあいかにも現代日本のアニメ映画なのだけれど…勿論そこがいい訳で。この結末以外ありえないと思える形に、2人の物語が丁寧に積み重ねられる本作は、やはりこれ以外ありえない。
海外留学の夢の為、ダイビングショップを始め幾つもバイトを兼ねる大学生・恒夫。そんな彼が出逢ったのが車椅子の女性、ジョゼことクミ子。祖母・チヅからの申し出で、恒夫はジョゼの世話をする事になったのだが、気の強い彼女に振り回されっぱなし。そんな2人が、徐々に打ち解けたそんな時…という内容。
原作は田辺聖子の同名短編小説。こちら以外にも日本と韓国で、実写での映画化をされた様だけれど(未見)、本作はかなり自由に原作を翻案している模様。そのお陰で本作アニメ版は、「観て気持ちのいい恋愛映画」となっている。
これあれでしょ「とらドラ!」、虎も出るし(なんてボケたくなる)。ジョゼが釘宮声じゃないのが、不思議な位のツンデレキャラだし。まあいかにも現代日本のアニメ映画なのだけれど…勿論そこがいい訳で。この結末以外ありえないと思える形に、2人の物語が丁寧に積み重ねられる本作は、やはりこれ以外ありえない。
2022.12.23
劇場版 SHIROBAKO
観てみた、水島努監督によるアニメーション映画。2020年公開。
あれから4年。一連の制作中止騒動により精彩を無くした「武蔵野アニメーション」で、同社社員の宮森あおいもまた物思いに沈む。そんな中、新作劇場アニメの元請け企画が持ち上がり、あおいも再び奮起する。意欲を失った者を励まし、散り散りになったスタッフを集めて、遂に制作は始まったのだが…という内容。
TVアニメシリーズ「SHIROBAKO」の続編である劇場版。同作はアニメのバックステージものとしては決定版的な内容で、恐らく今後これを超える様な作品は出ないだろう。…というのは、続編であるこの映画にも当て嵌ってしまった。
努力も苦労も一時の成功にしろ、同じ様に繰り返される。というのは正直な感懐だろうし、それが反映した本作もまた同様だろう。とは言えTVとはもう少し違う「アニメ制作の局面」が見たかったかなあって。でもコロナ蔓延に公開が丁度カチ合った本作の事を思うと、同じ様な日々でよかったんだって実感するけれど…
あれから4年。一連の制作中止騒動により精彩を無くした「武蔵野アニメーション」で、同社社員の宮森あおいもまた物思いに沈む。そんな中、新作劇場アニメの元請け企画が持ち上がり、あおいも再び奮起する。意欲を失った者を励まし、散り散りになったスタッフを集めて、遂に制作は始まったのだが…という内容。
TVアニメシリーズ「SHIROBAKO」の続編である劇場版。同作はアニメのバックステージものとしては決定版的な内容で、恐らく今後これを超える様な作品は出ないだろう。…というのは、続編であるこの映画にも当て嵌ってしまった。
努力も苦労も一時の成功にしろ、同じ様に繰り返される。というのは正直な感懐だろうし、それが反映した本作もまた同様だろう。とは言えTVとはもう少し違う「アニメ制作の局面」が見たかったかなあって。でもコロナ蔓延に公開が丁度カチ合った本作の事を思うと、同じ様な日々でよかったんだって実感するけれど…
2022.12.21
映画大好きポンポさん
観てみた、平尾隆之監督によるアニメーション映画。2021年公開。
映画の都で活躍する、有能な女性プロデューサー「ポンポさん」。彼女の下で働くジーンはある日突然、ポンポが執筆した脚本を映画化する監督として抜擢された。同時にヒロインとして選ばれたナタリーと共に動揺する2人だったが、周囲の人々の力もあって無事撮影完了。残るは肝心の編集作業で…という内容。
原作は杉谷庄吾【人間プラモ】の漫画。で本作では脚本も書いた平尾監督は、驚くなかれ「GOD EATER」の人。熱心に取り組むあまりスケジュールを大崩壊させた当人なら、本作のジーンに対する思い入れもひとしおだった事だろう。
要するに映画バックステージものだが、本作では特に「編集」に着目しているのは面白い。切って繋いで想いを形作ること、それを人生になぞらえるという本作の構想は無論感動的なのだけれど…上の話を踏まえてしまうと、それも感心すべきか苦笑すべきか。とは言え90分でまるっと収まる本作は実に小気味よい。
映画の都で活躍する、有能な女性プロデューサー「ポンポさん」。彼女の下で働くジーンはある日突然、ポンポが執筆した脚本を映画化する監督として抜擢された。同時にヒロインとして選ばれたナタリーと共に動揺する2人だったが、周囲の人々の力もあって無事撮影完了。残るは肝心の編集作業で…という内容。
原作は杉谷庄吾【人間プラモ】の漫画。で本作では脚本も書いた平尾監督は、驚くなかれ「GOD EATER」の人。熱心に取り組むあまりスケジュールを大崩壊させた当人なら、本作のジーンに対する思い入れもひとしおだった事だろう。
要するに映画バックステージものだが、本作では特に「編集」に着目しているのは面白い。切って繋いで想いを形作ること、それを人生になぞらえるという本作の構想は無論感動的なのだけれど…上の話を踏まえてしまうと、それも感心すべきか苦笑すべきか。とは言え90分でまるっと収まる本作は実に小気味よい。
2022.12.20
岬のマヨイガ
観てみた、川面真也監督によるアニメーション映画。2021年公開。
震災直後の東北。保護者不在のまま避難所生活を送る17歳のユイは、同じく親類を亡くした上に喋る事も出来なくなった8歳のひよりと出逢う。そんな2人をキワという老女が、岬に建つ古びた一軒家へといざなって共同生活を始める。実はその建物は昔話の中で語られる、不思議な家「マヨイガ」で…という内容。
原作は柏葉幸子の小説。でも映画化に当たり、人物設定等に変更が加えられている。…本作でも東日本大震災が大きく影を落としているが、脚本を担当しているのが「フラ・フラダンス」と同じく、吉田玲子なのは偶然ではないだろう。
大筋だけ見たらよくあるファンタジーだけど…震災という背景や舞台となる風景、加えて「遠野物語」で語られる伝承要素により、類似作のふんわり感とは違い「具体的なビジョン」として焦点を結んでいるのは大きな違い。それがつらくもあり、また美しくもあり。そしてあの時の思い出と共に、新たな想いへと紡いでゆく。
震災直後の東北。保護者不在のまま避難所生活を送る17歳のユイは、同じく親類を亡くした上に喋る事も出来なくなった8歳のひよりと出逢う。そんな2人をキワという老女が、岬に建つ古びた一軒家へといざなって共同生活を始める。実はその建物は昔話の中で語られる、不思議な家「マヨイガ」で…という内容。
原作は柏葉幸子の小説。でも映画化に当たり、人物設定等に変更が加えられている。…本作でも東日本大震災が大きく影を落としているが、脚本を担当しているのが「フラ・フラダンス」と同じく、吉田玲子なのは偶然ではないだろう。
大筋だけ見たらよくあるファンタジーだけど…震災という背景や舞台となる風景、加えて「遠野物語」で語られる伝承要素により、類似作のふんわり感とは違い「具体的なビジョン」として焦点を結んでいるのは大きな違い。それがつらくもあり、また美しくもあり。そしてあの時の思い出と共に、新たな想いへと紡いでゆく。
2022.12.18
アイの歌声を聴かせて
観てみた、吉浦康裕監督によるアニメーション映画。2021年公開。
高校で孤立気味なサトミのクラスに、突如歌いだし彼女に幸せかと問う転校生がやって来た。その少女・シオンは、サトミの母親が開発し極秘実験中の人型AIだった。ところが幼馴染・トウマを始めとする生徒数名に正体が知られてしまい、サトミは母の為にシオンの秘密を、必死に守ろうとするのだが…という内容。
HMX-12 meets ラ・ラ・ランドみたいな。…吉浦監督は「イヴの時間」で注目されただけあって、AIはお得意の題材。でも陰気な(失礼)そちらと違って本作は、コメディ調のミュージカルアニメとなっている。お陰で大変楽しい作品だが、シオンの一見奇矯な行動の裏付けが語られると、不覚にもホロリと来てしまった。
そういう辺り論理ゲーム的なイヴ世界とは真逆な感じで、(歌の表現によるエモーショナルさと共に)情感に直接訴えかける作品となっている。まあその「情感」が少々オタク臭いところで、客層を絞って感じるのがちと勿体ないかもな。
高校で孤立気味なサトミのクラスに、突如歌いだし彼女に幸せかと問う転校生がやって来た。その少女・シオンは、サトミの母親が開発し極秘実験中の人型AIだった。ところが幼馴染・トウマを始めとする生徒数名に正体が知られてしまい、サトミは母の為にシオンの秘密を、必死に守ろうとするのだが…という内容。
HMX-12 meets ラ・ラ・ランドみたいな。…吉浦監督は「イヴの時間」で注目されただけあって、AIはお得意の題材。でも陰気な(失礼)そちらと違って本作は、コメディ調のミュージカルアニメとなっている。お陰で大変楽しい作品だが、シオンの一見奇矯な行動の裏付けが語られると、不覚にもホロリと来てしまった。
そういう辺り論理ゲーム的なイヴ世界とは真逆な感じで、(歌の表現によるエモーショナルさと共に)情感に直接訴えかける作品となっている。まあその「情感」が少々オタク臭いところで、客層を絞って感じるのがちと勿体ないかもな。
2022.12.17
泣きたい私は猫をかぶる
観てみた。佐藤順一、柴山智隆監督によるアニメ映画。2020年公開。
周囲を驚かす行動でムゲと呼ばれる中学生・美代。彼女は賢人という男子にアタックを続けるも、彼の態度はいつも素っ気ない。そんなある夏祭りの夜、美代は猫妖怪から貰ったお面で「猫」に変身する能力を得る。猫として賢人と仲良しになった彼女は大はしゃぎだが、やがて大きな問題が持ち上がり…という内容。
同年4月に劇場公開予定だった本作だが、新型コロナの感染拡大を受けて中止、Webにて配信された。しかしその後、各地の映画館でも上映の運びとなったとの事。内容は割とストレートに、ジブリ作品(猫の恩返しとか)を連想させる。
でも本作での佐藤監督や脚本の岡田麿里といった外部スタッフの起用にも関わらず、すでに「スタジオコロリド」風というものが確立されており、単なる真似と言ってしまうのは失礼だな。…まあ主人公少女の躁鬱気味なテンションがむしろ、おジャ魔女のどれみを連想させる辺り、成る程サトジュンだわと思ったけれど。
周囲を驚かす行動でムゲと呼ばれる中学生・美代。彼女は賢人という男子にアタックを続けるも、彼の態度はいつも素っ気ない。そんなある夏祭りの夜、美代は猫妖怪から貰ったお面で「猫」に変身する能力を得る。猫として賢人と仲良しになった彼女は大はしゃぎだが、やがて大きな問題が持ち上がり…という内容。
同年4月に劇場公開予定だった本作だが、新型コロナの感染拡大を受けて中止、Webにて配信された。しかしその後、各地の映画館でも上映の運びとなったとの事。内容は割とストレートに、ジブリ作品(猫の恩返しとか)を連想させる。
でも本作での佐藤監督や脚本の岡田麿里といった外部スタッフの起用にも関わらず、すでに「スタジオコロリド」風というものが確立されており、単なる真似と言ってしまうのは失礼だな。…まあ主人公少女の躁鬱気味なテンションがむしろ、おジャ魔女のどれみを連想させる辺り、成る程サトジュンだわと思ったけれど。
2022.12.15
フラ・フラダンス
観てみた、水島精二総監督によるアニメーション映画。2021年公開。
亡き姉が勤めていたハワイアン・センターに、同じく「フラダンサー」として入社した夏凪日羽。だがフラダンス経験が浅い彼女は当初から苦闘、更に新人チームと共に臨んだお披露目ステージで大失敗してしまう。そんな日羽も仲間や会社の人々の励ましもあって、フラ選手権という新たな目標を見出して…という内容。
福島県に実在する施設を舞台とした映画。(総監督は多分違うと思うけれど)本作には「アイカツ!」関連のスタッフが多数参加しているお陰か、観ていて頭に常にちらついてしまった。でもそれでよかったと言うか…作品の背後に厳然と存在する「震災」の影を、これ見よがしな手つきでなく自然に緩和してくれたから。
とは言え本作がありがちな青春ストーリーと一線を画するのはそうした所だろうし、主人公の成長に沿う形でその後の同地の行く末を、温かく見守る眼差しがある。まあ自分も説教する様な立場でもないし、ひとこと「観て」と言っておこう。
亡き姉が勤めていたハワイアン・センターに、同じく「フラダンサー」として入社した夏凪日羽。だがフラダンス経験が浅い彼女は当初から苦闘、更に新人チームと共に臨んだお披露目ステージで大失敗してしまう。そんな日羽も仲間や会社の人々の励ましもあって、フラ選手権という新たな目標を見出して…という内容。
福島県に実在する施設を舞台とした映画。(総監督は多分違うと思うけれど)本作には「アイカツ!」関連のスタッフが多数参加しているお陰か、観ていて頭に常にちらついてしまった。でもそれでよかったと言うか…作品の背後に厳然と存在する「震災」の影を、これ見よがしな手つきでなく自然に緩和してくれたから。
とは言え本作がありがちな青春ストーリーと一線を画するのはそうした所だろうし、主人公の成長に沿う形でその後の同地の行く末を、温かく見守る眼差しがある。まあ自分も説教する様な立場でもないし、ひとこと「観て」と言っておこう。
2022.12.14
漁港の肉子ちゃん
観てみた、渡辺歩監督によるアニメーション映画。2021年公開。
お人好しで辛い目にばかり遭ってきた「肉子ちゃん」と、小学生の娘「キクリン」。漁港の焼肉店に住み込みで働く2人は、似ていない母子ながら周囲の人々と仲良く暮らしていた。だが少々達観した様なキクリンにも、クラスでの人間関係に悩んだり年頃らしい問題が。そんな彼女がある日、腹痛で倒れて…という内容。
原作は西加奈子の同名小説だが、明石家さんまが映像化を熱望し企画・プロデュースを務めた事で話題になった。題名や肉子ちゃんのビジュアル、そして声を元妻である大竹しのぶが担当…と聞くと正直反応に困ってしまう様な作品だけど、これが想像以上の力作。各地の映画祭で、受賞しているだけの事はある。
主役はキクリンの方なので、実は少年少女ひと夏の冒険系(?)だった。でも次第に人情噺的な側面が語られると、成程さんまが惚れ込む訳だなと。マニアックさ…とは少々違う意味でハードルのある作品だが、これは観た方がいいね。
お人好しで辛い目にばかり遭ってきた「肉子ちゃん」と、小学生の娘「キクリン」。漁港の焼肉店に住み込みで働く2人は、似ていない母子ながら周囲の人々と仲良く暮らしていた。だが少々達観した様なキクリンにも、クラスでの人間関係に悩んだり年頃らしい問題が。そんな彼女がある日、腹痛で倒れて…という内容。
原作は西加奈子の同名小説だが、明石家さんまが映像化を熱望し企画・プロデュースを務めた事で話題になった。題名や肉子ちゃんのビジュアル、そして声を元妻である大竹しのぶが担当…と聞くと正直反応に困ってしまう様な作品だけど、これが想像以上の力作。各地の映画祭で、受賞しているだけの事はある。
主役はキクリンの方なので、実は少年少女ひと夏の冒険系(?)だった。でも次第に人情噺的な側面が語られると、成程さんまが惚れ込む訳だなと。マニアックさ…とは少々違う意味でハードルのある作品だが、これは観た方がいいね。
2022.12.12
ビルとテッドの時空旅行 / 音楽で世界を救え!
観てみた、ディーン・パリソット監督映画。2020年公開。
「ビルとテッド」はロックで一世を風靡するも、現在は落ち目。そんな時未来からの使者が現れ、彼らが曲を作らないと77分後に、全ての時空が滅びるというのだ。2人がその曲を求めて未来の自分自身を訪ねる一方、彼らの娘2人も父親達のために、歴史上の演奏家をタイムマシンで集合させるのだが…という内容。
キアヌ・リーブスとアレックス・ウィンター主演によるコメディ・シリーズ、何と29年を経ての第3作。すっかり老けた2人が昔のノリのまま演じてるのが見所だが、更に未来で老人になっても友情が続いている辺り、ちょっとじーんとした。
と言っても以前の作品はちっとも覚えてないな…と思って考えたら、多分グーグー寝てた。まあ本作も実際、その時の体験を彷彿とさせるユルい出来。でもジミヘンやサッチモ(のそっくりさん)といった偉人達を集めて演奏するという展開が、音楽好きにとっての夢を見させてくれて不覚にも感動する。いいんじゃない?
「ビルとテッド」はロックで一世を風靡するも、現在は落ち目。そんな時未来からの使者が現れ、彼らが曲を作らないと77分後に、全ての時空が滅びるというのだ。2人がその曲を求めて未来の自分自身を訪ねる一方、彼らの娘2人も父親達のために、歴史上の演奏家をタイムマシンで集合させるのだが…という内容。
キアヌ・リーブスとアレックス・ウィンター主演によるコメディ・シリーズ、何と29年を経ての第3作。すっかり老けた2人が昔のノリのまま演じてるのが見所だが、更に未来で老人になっても友情が続いている辺り、ちょっとじーんとした。
と言っても以前の作品はちっとも覚えてないな…と思って考えたら、多分グーグー寝てた。まあ本作も実際、その時の体験を彷彿とさせるユルい出来。でもジミヘンやサッチモ(のそっくりさん)といった偉人達を集めて演奏するという展開が、音楽好きにとっての夢を見させてくれて不覚にも感動する。いいんじゃない?
2022.12.11
グンダラ / ライズ・オブ・ヒーロー
観てみた、ジョコ・アンワル監督映画。2019年公開。
サンチャカは幼い時分に孤独の身となり、暴力のはびこる街で育った。ペンコールという男もまた裏社会で成り上がり、ある計画を推し進めていた。それは次世代の子供達の精神を、凶悪化するという危険なもの。落雷に打たれて強大な力を得たサンチャカは、ヒーローとなって社会の不正と戦うのだが…という内容。
インドネシアのヒーローコミックを原典とする本作。今時のアメコミに倣い、複数連作による映画時空へと発展させる計画だとの事。実際内容面では「ダークナイト」シリーズを思わせる、社会派風の要素が採り入れられているのだが…
肝心なクライマックスのアクションで、急におちゃらけるのがどうも。映画としての質感がインドネシアらしく「ザ・レイド」を思わせた(実際同作スタッフが参加)だけに、結構感心しながら観たんだけどな。…とは言え今後を期待させるには充分で、是非アメコミ映画の牙城を脅かすくらいの勢いでやってほしいものだ。
サンチャカは幼い時分に孤独の身となり、暴力のはびこる街で育った。ペンコールという男もまた裏社会で成り上がり、ある計画を推し進めていた。それは次世代の子供達の精神を、凶悪化するという危険なもの。落雷に打たれて強大な力を得たサンチャカは、ヒーローとなって社会の不正と戦うのだが…という内容。
インドネシアのヒーローコミックを原典とする本作。今時のアメコミに倣い、複数連作による映画時空へと発展させる計画だとの事。実際内容面では「ダークナイト」シリーズを思わせる、社会派風の要素が採り入れられているのだが…
肝心なクライマックスのアクションで、急におちゃらけるのがどうも。映画としての質感がインドネシアらしく「ザ・レイド」を思わせた(実際同作スタッフが参加)だけに、結構感心しながら観たんだけどな。…とは言え今後を期待させるには充分で、是非アメコミ映画の牙城を脅かすくらいの勢いでやってほしいものだ。
2022.12.09
アリータ : バトル・エンジェル
観てみた、ロバート・ロドリゲス監督映画。2018年公開。
最終戦争後の未来。天空都市・ザレム直下の町に暮らす医師・イドは、クズ鉄の中から少女サイボーグの一部を発見する。修理され「アリータ」と名付けられた彼女には、一切の記憶が無かった。そんな時少年・ヒューゴから聞いたのは、ザレムへ行くという夢。だがアリータには次々に危機が迫って…という内容。
原作はご存じ木城ゆきとの漫画「銃夢」。ハリウッド映画化された本作は全体の一部、ユーゴ(ヒューゴ)とのエピソードにモーターボール等のアクション要素を加える形となっている。要は思い切り続きがある訳だが…原作としてOVA版も挙げられている通り、ユーゴとの話として成立させているのでこれはこれで渋い。
原作漫画との比較として色々不満点はあっても…この場合「映像が豪華になったOVA版」として見たら、これ以上望むべくもない出来で感動した。まああるとしたら、ノヴァ教授がプリンを食べて「おいちぃ!」と言わなかった事くらいか。
最終戦争後の未来。天空都市・ザレム直下の町に暮らす医師・イドは、クズ鉄の中から少女サイボーグの一部を発見する。修理され「アリータ」と名付けられた彼女には、一切の記憶が無かった。そんな時少年・ヒューゴから聞いたのは、ザレムへ行くという夢。だがアリータには次々に危機が迫って…という内容。
原作はご存じ木城ゆきとの漫画「銃夢」。ハリウッド映画化された本作は全体の一部、ユーゴ(ヒューゴ)とのエピソードにモーターボール等のアクション要素を加える形となっている。要は思い切り続きがある訳だが…原作としてOVA版も挙げられている通り、ユーゴとの話として成立させているのでこれはこれで渋い。
原作漫画との比較として色々不満点はあっても…この場合「映像が豪華になったOVA版」として見たら、これ以上望むべくもない出来で感動した。まああるとしたら、ノヴァ教授がプリンを食べて「おいちぃ!」と言わなかった事くらいか。
2022.12.08
LOGAN / ローガン
観てみた。ヒュー・ジャックマン主演、J・マンゴールド監督映画。2017年公開。
2029年。リムジン運転手として暮らす老いた男の名は、元Xメンのウルヴァリンこと「ローガン」。彼は恩師・エグゼビアの超能力を抑える薬物を手に入れる為、日夜働いていたのだ。そんな彼に知り合いの女性から、ローラという少女を託される。実は彼女は極秘に開発された、人造ミュータントの1人で…という内容。
「ウルヴァリン」3部作の完結編となる本作…でもなんか、前の話と繋がってない気がするんだけど。知らぬ間にアメコミ超常バトルが、老人映画になっとる。何だこれと思ったら「オールドマン・ローガン」という原典がある模様。でも作中「シェーン」が引用されている通り、西部劇的な意識・心情が採り入れられている。
年老いたヒーローの最期を看取る内容は、「ランボー ラスト・ブラッド」(2019年)と共通しているものの…そちらで見たかった展開を、本作ではやってくれておりハッとさせられた。何とも寂しいけど、見事な決着の映画と言うべきだろう。
2029年。リムジン運転手として暮らす老いた男の名は、元Xメンのウルヴァリンこと「ローガン」。彼は恩師・エグゼビアの超能力を抑える薬物を手に入れる為、日夜働いていたのだ。そんな彼に知り合いの女性から、ローラという少女を託される。実は彼女は極秘に開発された、人造ミュータントの1人で…という内容。
「ウルヴァリン」3部作の完結編となる本作…でもなんか、前の話と繋がってない気がするんだけど。知らぬ間にアメコミ超常バトルが、老人映画になっとる。何だこれと思ったら「オールドマン・ローガン」という原典がある模様。でも作中「シェーン」が引用されている通り、西部劇的な意識・心情が採り入れられている。
年老いたヒーローの最期を看取る内容は、「ランボー ラスト・ブラッド」(2019年)と共通しているものの…そちらで見たかった展開を、本作ではやってくれておりハッとさせられた。何とも寂しいけど、見事な決着の映画と言うべきだろう。
2022.12.06
アクアマン
観てみた。ジェイソン・モモア主演、ジェームズ・ワン監督映画。2018年公開。
海底人の女王の母と、灯台守の人間の父を持つアーサー。陸海で縦横に力を発揮する超人に育った彼は、海底国アトランティスの王座を賭け、弟であるオームとの間で争う事に。一旦は敗北したアーサーは王女・メラと共に、真なる英雄の証である初代アトランティス王の矛、トライデントを探すのだが…という内容。
アクアマンはDCコミックスが擁するヒーローで、ジャスティスリーグ・メンバーの1人。…乱暴な事を言うと「おとぎ話系ヒーロー」なので、MCUでのソーに当たるポジションだと思えばいい。実際ほとんど同じ話なような気がしてくるしなあ。
おとぎ話だけあって他愛ない話の連続(神話的類型とも言ってよいか)だが…豪華絢爛なCG絵巻に、筋骨隆々の肉弾アクションを加えた本作。このアホみたいな描写を実現させるために、どんだけ金かけてんだという辺りは呆れる程すごい。海底世界がこんなすごいなら、ウェインの財力くらいじゃ、どうにもならんな。
海底人の女王の母と、灯台守の人間の父を持つアーサー。陸海で縦横に力を発揮する超人に育った彼は、海底国アトランティスの王座を賭け、弟であるオームとの間で争う事に。一旦は敗北したアーサーは王女・メラと共に、真なる英雄の証である初代アトランティス王の矛、トライデントを探すのだが…という内容。
アクアマンはDCコミックスが擁するヒーローで、ジャスティスリーグ・メンバーの1人。…乱暴な事を言うと「おとぎ話系ヒーロー」なので、MCUでのソーに当たるポジションだと思えばいい。実際ほとんど同じ話なような気がしてくるしなあ。
おとぎ話だけあって他愛ない話の連続(神話的類型とも言ってよいか)だが…豪華絢爛なCG絵巻に、筋骨隆々の肉弾アクションを加えた本作。このアホみたいな描写を実現させるために、どんだけ金かけてんだという辺りは呆れる程すごい。海底世界がこんなすごいなら、ウェインの財力くらいじゃ、どうにもならんな。
2022.12.05
ヴェノム
観てみた。トム・ハーディ主演、R・フライシャー監督映画。2018年公開。
ジャーナリストのブロックは、財団CEOのドレイクを批判した事で全てを失う。そのドレイクは密かに宇宙から持ち込んだ寄生生物と、人間との融合という危険な実験を繰り返していた。そんな中ブロックは偶然生物を体内に取り込み、奇跡的な安定を見せる。だがその生物・ヴェノムは、人間を捕食し…という内容。
ブラックメタルじゃない方のヴェノム。…元々はスパイダーマン・シリーズにヴィランとして登場したキャラなので、本作では主役を張っているものの、人間をガブリと喰う凶悪さが持ち味。そういう辺りから「寄生獣」との共通点が指摘されるのだろうけど、本作は案外コメディ調で、何だかんだ結局よくあるアメコミ映画。
既存のヒーロー作品の焼き直し感があるのは、元々単独で主役としての背景を持たないせいか。個人的には発端部分で「原子人間(クォーターマス)」を思わせる辺りなんか、おっと思ったけれど…まあ、そういう映画ではなかった様だ。
ジャーナリストのブロックは、財団CEOのドレイクを批判した事で全てを失う。そのドレイクは密かに宇宙から持ち込んだ寄生生物と、人間との融合という危険な実験を繰り返していた。そんな中ブロックは偶然生物を体内に取り込み、奇跡的な安定を見せる。だがその生物・ヴェノムは、人間を捕食し…という内容。
ブラックメタルじゃない方のヴェノム。…元々はスパイダーマン・シリーズにヴィランとして登場したキャラなので、本作では主役を張っているものの、人間をガブリと喰う凶悪さが持ち味。そういう辺りから「寄生獣」との共通点が指摘されるのだろうけど、本作は案外コメディ調で、何だかんだ結局よくあるアメコミ映画。
既存のヒーロー作品の焼き直し感があるのは、元々単独で主役としての背景を持たないせいか。個人的には発端部分で「原子人間(クォーターマス)」を思わせる辺りなんか、おっと思ったけれど…まあ、そういう映画ではなかった様だ。
2022.12.03
ターミネーター : ニュー・フェイト
観てみた。リンダ・ハミルトン主演、ティム・ミラー監督映画。2019年公開。
2020年。ダニーは未来からやって来た殺人機械・Rev-9に襲われたところを、同じく未来人の女性・グレースに救われる。敵の目的はAIと人間とで行われている戦争で、将来重要な存在となるダニーを殺すというもの。その戦闘の際、やはりかつて未来の「ターミネーター」と戦った女性・サラが現れて…という内容。
何度となくリブートした「ターミネーター」シリーズ、その中でも創始者のジェームズ・キャメロンが製作総指揮した、本作が決定版となる…かと思ったら、残念ながら興収は伸びず。恐らく同シリーズはこれで最後となりそうだけれど、サラ役ハミルトンに勿論シュワちゃんも登場する本作は、掉尾を飾るに相応しい。
まあお話自体は同「2」の焼き直しみたいなものながら、アクション等のお約束は踏まえており仲々に楽しめる内容。…シュワはもうくたびれててつらいけど、ハミルトンの毅然とした姿が見られたのは、やっぱり良かったんじゃないかな。
2020年。ダニーは未来からやって来た殺人機械・Rev-9に襲われたところを、同じく未来人の女性・グレースに救われる。敵の目的はAIと人間とで行われている戦争で、将来重要な存在となるダニーを殺すというもの。その戦闘の際、やはりかつて未来の「ターミネーター」と戦った女性・サラが現れて…という内容。
何度となくリブートした「ターミネーター」シリーズ、その中でも創始者のジェームズ・キャメロンが製作総指揮した、本作が決定版となる…かと思ったら、残念ながら興収は伸びず。恐らく同シリーズはこれで最後となりそうだけれど、サラ役ハミルトンに勿論シュワちゃんも登場する本作は、掉尾を飾るに相応しい。
まあお話自体は同「2」の焼き直しみたいなものながら、アクション等のお約束は踏まえており仲々に楽しめる内容。…シュワはもうくたびれててつらいけど、ハミルトンの毅然とした姿が見られたのは、やっぱり良かったんじゃないかな。
2022.12.02
クリムゾン・ピーク
観てみた。ミカ・ワシコウスカ主演、G・デル・トロ監督映画。2015年公開。
20世紀初頭。母の死を機に亡霊の姿を見る様になったイーディスは、トーマス・シャープという貴族と出逢う。結婚に反対だった父が何者かに惨殺された事で、彼女はトーマスが姉と共に暮らす土地、「クリムゾン・ピーク」へと引っ越す事に。それは亡霊になった母親が、イーディスに警告していた名で…という内容。
時代がかった衣裳や広壮な屋敷を、豪華絢爛に再現したゴシックホラー。オリジナルの脚本によるものながら、ヘンリー・ジェイムズの小説「ねじの回転」辺りに影響を受けている模様。まあCGのお化けに出て来られてもな…と思ったら、クライマックスは「八ツ墓村」の地下洞チェイスみたいになって、怖いのなんの。
まあトロ作品としては少々地味な部類で、「パンズ・ラビリンス」程のインパクトもないのは確かだけれど…同監督らしいマニアックで凝り性な映像(ハワーズ・エンドと同時代と考えると面白い)は、一見の価値があるのではなかろうかと。
20世紀初頭。母の死を機に亡霊の姿を見る様になったイーディスは、トーマス・シャープという貴族と出逢う。結婚に反対だった父が何者かに惨殺された事で、彼女はトーマスが姉と共に暮らす土地、「クリムゾン・ピーク」へと引っ越す事に。それは亡霊になった母親が、イーディスに警告していた名で…という内容。
時代がかった衣裳や広壮な屋敷を、豪華絢爛に再現したゴシックホラー。オリジナルの脚本によるものながら、ヘンリー・ジェイムズの小説「ねじの回転」辺りに影響を受けている模様。まあCGのお化けに出て来られてもな…と思ったら、クライマックスは「八ツ墓村」の地下洞チェイスみたいになって、怖いのなんの。
まあトロ作品としては少々地味な部類で、「パンズ・ラビリンス」程のインパクトもないのは確かだけれど…同監督らしいマニアックで凝り性な映像(ハワーズ・エンドと同時代と考えると面白い)は、一見の価値があるのではなかろうかと。