観てみた、ヤン・シュヴァンクマイエル監督映画。1994年公開。
ある男が手に入れた、奇妙な地図。男はその地図上に記された場所に足を運び、劇場を備えた古びた屋敷へ辿り着く。舞台の裏には錬金術の工房があり、男はそこで悪魔・メフィストフェレスとある契約を結ぶ事となって…という内容。
ゲーテの小説で有名な「ファウスト」伝説がモチーフ。でも原典そのままではなく、現代を舞台にしているのに加え、「ファウスト劇」に主人公が巻き込まれるという形のメタ表現が特徴。同監督はストップモーション・アニメで知られるけれど、本作では人形劇…というか、暗黒スーパーマリオネーションとでも言った趣き。
シュールとも不気味とも言える作風はいつも通りなので、多分好きな人は好きだろう。個人的には単調な上に少々長いために、だらけてしまったものの…ラストシーンでハッとした。と言うのも(ネタバレだけど)ハッピーエンドなゲーテ・ファウストと違い、気味の悪い残酷な結末は、やはり安心のシュヴァンクマイエル。