観てみた、マリオ・バーヴァ監督映画。1964年公開。
ファッションモデルの女性が、白覆面を付けた何者かの手で惨殺されてしまった。警察により尋問が行われたものの、周辺人物にはアリバイが成立。だが被害者の日記帳が発見され、中の記録は誰もが殺人動機となりうるものだった。その日記を預かったモデルの元に、再び白覆面の怪人が現れて…という内容。
「バンパイアの惑星」のバーヴァが手掛けたジャッロ映画。赤や青といった照明を駆使し、鮮やかな色彩感覚で描かれる残酷描写に、個性的で印象に残る音楽(本作だとモンド系?)の使用等。後にダリオ・アルジェント監督が世界に衝撃を与える事になる映像表現の、先駆けとなる存在と言っても差し支えないのでは。
また本作をホラーとして見ると、(S・キング登場を嚆矢とする)「モダン・ホラー」では驚くほど早い。まあ今観たらそう怖くはないのだが、古い作品なのに笑われる感じになってもいないのは、内容の陰惨さ・表現の斬新さによるものだろう。