2023.07.03

「海神別荘 他二篇」泉鏡花著

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読んでみた、日本人作家による戯曲集。1994年発表。

海神の世継ぎである公子が妻を迎える事となり、海中の別荘は準備に忙しい。妻となるのは人間の娘で、地上との別れを惜しむ彼女は、故郷の家族の前に姿を見せる事を望むのだが…という表題作を含む、全3編が収録されている。

表題作は「夜叉ヶ池」「天守物語」と共に3部作と呼ばれ、鏡花の戯曲では代表的なもの。でも雑誌発表は1914年だが、実際に舞台で初演されたのは40年以上も経った1955年。加えて映画化された「夜叉ヶ池」や、TVアニメ化された「天守」(考えたらこれすごいよな)とは違い映像化もまだ…かと思いきや、実はアニメ映画「サクラ大戦 活動写真」(2001年)の劇中劇として上演されている。

要するに「太正」の世界にも鏡花先生がいて、日々消毒活動してたって事なんだな。まあサクラ大戦の映画は当時観たきりなので、どのキャラがどの役を演じたか等は覚えていないのだけれど…なかなかに面白い趣向だと思った。
posted by ぬきやまがいせい at 22:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書