観てみた。トッド・フィールド脚本、監督映画。2022年公開。
女性としてベルリン・フィル初の首席指揮者となった、リディア・ター。天才的な音楽家ながら同性愛者であり、人格的に傲慢な面も持ち合わせる彼女は、周囲との人間関係で徐々に軋轢を生んでいく。やがて彼女の教え子である女性指揮者が自殺し、その事を機に彼女の地位は足元から揺るぎだし…という内容。
音楽映画かと思ったら音楽映画じゃなかった。クラシック界隈をネタにはしているものの、肝心の演奏風景は殆ど描かれずじまい(コンサート会場での大暴れには参った)。まあLGBTQを絡めて、TARという複雑な女性像を描こうとした作品なのだろうとは思うけれど…複雑と言うよりも行き当たりばったりだな、これ。
特に前半は会話してるばかりで甚だ評判よくないのだが…自分はむしろ前半が楽しめた。クラシック〜現代音楽関係の小ネタを交えた台詞の応酬は、自分の音楽脳を刺激する。なので後半のサスペンスや自分探しはどうでもいいな。