観てみた。宍戸錠主演、中平康監督映画。1962年公開。
紙幣印刷の用紙を運搬中の車が襲われ、何者かに強奪された。その次に狙われるのは偽札造りの名人・坂本の腕だと察したのが、ガラスのジョーと呼ばれる男。同じ狙いを元に行動していた計算機の哲、ブル健に、黒幕の秘書をしていたとも子を加え、彼ら4人の偽札奪取の暗闘が始まったのだが…という内容。
原作は都筑道夫の小説「紙の罠」。主演の宍戸を始め哲役の長門裕之に、とも子を演じる浅丘ルリ子といった日活では馴染みの面々が登場する、コメディ・アクションとなっている。そうしたメンツがアニメ「ルパン三世」を連想させ、また本作における偽札造りのプロットは、1期・第10話等に影響を与えたと言われる。
とルパンとの関係ばかり取り沙汰される映画なのだが、単純に観て楽しめる内容。中平監督作だと「あした晴れるか」(1960年)辺りと近い、洗練された感覚がある。でも本作は死体ゴロゴロ(ルリ子が吐きそうになる)で血腥いね。