
読んでみた、日本人著者によるノンフィクション。2012年発表。
明治維新を発端として、日本は「近代」への道を歩み始めた。本書では太平洋戦争へと至る80年の歴史を、「改革」「革命」「建設」「運用」「再編」「危機」といった概念区分に分けて、日本のl近代史を再考するものである…という内容。
450頁もある分厚い新書だが、日本近代史をまとめるのは著者にとっても一苦労で、1年がかりの執筆だったとの事。でも読者としては日本が維新から戦争へと、あれよあれよという間に転がり落ちる様を目撃する事になる。江戸から昭和はそれぞれ個別の印象だったけれど、通史として興味を維持したまま読めた。
多分エッセイ的に著者自身の、(歴史や執筆に関する)「個人的な述懐」が差し挟まれているからかも。…本書は東日本大震災直後という事もあって、その大事件から来る社会変動や歴史観への影響を感じるのはた易い。そういう意味で近代史の本だが、歴史は個人の感情に基づくものという印象も得られたかも。