観てみた、マーティン・ショア監督によるドキュメンタリー映画。2014年公開。
ソウル・ミュージック発祥の地として、世界中の音楽家達から尊敬の念を集めて来たテネシー州「メンフィス」。本作では現地で活動して来た伝説的なベテランと、若い世代のミュージシャンによるレコーディング・セッションを通して、メンフィスという街が辿った音楽の歴史と、託された未来への希望を描く…という内容。
多分関係はないだろうけど、先日紹介した「アイ・アム・ザ・ブルース」とは姉妹編みたいな印象。ソウルとブルースとの違いはあっても、黒人発祥の音楽だけあって近い歴史を持ち…更に全盛期世代は次々にこの世を去っていっている辺り、似てしまう。ただそちらと比較すると本作は、そこまで悲壮感は感じない。
何が違うのかと言うと、新世代のミュージシャンがセッションで旧世代をリスペクトし、実際の音楽として新たに生み落とされる現場を見せてくれるからだろうな。…苦難の歴史と将来への不安だけが、米黒人音楽の先行きではないよね。