2024.04.15
「戦後世界経済史 / 自由と平等の視点から」猪木武徳著
読んでみた、日本人著者によるノンフィクション。2009年発表。
第二次大戦後の復興から始まって、石油危機にソ連崩壊、グローバリゼーションといった激動の時代を過ごした「世界経済」。本書では、主要先進国に留まらず周辺諸国の動向も含めて、包括的に戦後経済を解説する…という内容。
とにかく幅広く、包括的な話題を採り上げているのが特長。相応に分厚い新書本ながら、よくここまで簡潔にまとめ上げたものだと。まあ読んだ感じは解説されたと言うより「並べられた」という印象だが…著者も冒頭のはしがきで「粗い地図」を描いたと記しているので、概観した「眺め」そのものが肝要なのだろう。
とは言え、自分も同時代を過ごした様なトピック(日米経済摩擦とか)など、今となってはあれって何だったんだろうな、という気分になった。そうした個人史的な感懐に触れる一方で、殆ど馴染みのない国々の経済動向もまた存在する訳で。そうした本だからか、世界の「多様性」に思いを馳せたり、馳せなかったり…