観てみた。P・ホームズ主演、エルンスト・ルビッチ監督映画。1932年公開。
第一次世界大戦中。フランス軍兵士のポールは戦場で、あるドイツ兵を殺害した。終戦し数年経った後でもその悔恨に苦しむ彼は、遺族に詫びるべくドイツ兵の故郷を訪れる。ところが両親に対面しても、その事を言い出せなかったポール。彼の苦悩が続く中、やがてドイツ兵一家との交流が始まって…という内容。
ルビッチ監督と言えばソフィスティケイテッド・コメディの名手というイメージだけれど、本作は(メロドラマ調の内容ではあるものの)重い反戦的なテーマを採り上げている。…とは言えどう考えても悲惨な展開しか想像出来ないところを、フワリと見事に着地して紅涙を絞ってくれる辺り、やはり流石の名監督なのである。
元々はドイツ生まれのルビッチ監督。第一次大戦当時は既に映画業界人として活動しており、出征の経験はない。1922年に渡米し同地で作った本作は、そういう距離感の映画と言えばまあそうかも。…でもだからこそ、感動もできる。