
見てみた、鶴田法男監督によるオリジナルビデオ・ドラマ。2022年発表。
1991年から翌年にかけて、ビデオで3作発売された「ほんとにあった怖い話」。読者投稿の体験談を映像化した同シリーズは、画期的な演出や映像表現で「Jホラー」誕生のルーツとなった。本DVDはシリーズ全話に特典映像を加え、2004年にリリースされた「〜完全版」の、パッケージ替え新装版…という内容。
TV番組として有名だが、スタートはビデオの本作。鶴田監督が「Jホラーの父」として呼ばれる様に、本作に影響を受けた作り手が後の世界的なJホラー隆盛をもたらした。…という歴史的な位置づけからばかり語られるけれど、今見ても仲々こわい。低画質のビデオ映像が本物っぽさを感じさせて、いい味出してる。
特に語り草なのが「夏の体育館」「霊のうごめく家」。そちらでの幽霊描写は、黒沢清監督がそのまま借用している感じ。個人的には先に、脚本を担当した小中千昭の本を読んでいたので、「小中理論」の実例が見られたのもよかった。