観てみた。久野真紀子主演、黒沢清監督映画。1992年公開。
ある商社で新設された、絵画の取引部門で働くことになった成島秋子。一方その同日に警備員として入社した富士丸という元力士は、嘗て殺人を犯したものの精神鑑定で無罪となっていた。だが富士丸はここでも彼の周囲の者を、次々に斬殺してゆく。秋子もまた富士丸に、命を狙われる事となって…という内容。
黒沢監督の初期作品で、「スウィートホーム」と「CURE」との間に作られた橋渡し的な映画。…と言うか「ほん怖」が同時期の発売なので、Jホラーとしてまだ十分に咀嚼できていないという意味でも橋渡し。むしろ同時期の公開なら「ミカドロイド」(1991年)もなので、個人的には大差ないなって気がしてしまったよ。
とは言えスラッシャー役が、「孤独のグルメ」でブレイクする前の松重豊だったりと、妙な珍品感がある。長身で標準体型から外れたシルエットに、魔人加藤的な雰囲気があったりもするので、こっち方面で有名になってもよかった。