2024.08.02

血ぬられた墓標

観てみた、マリオ・バーヴァ監督映画。1960年公開。

かつて魔女と呼ばれた王女・アーサは、民衆の手にかかって処刑された。その2世紀後にクルヴァヤン教授は、古代の墓地で不気味な仮面を付けた女の死体を発見。やがて死体は血液を得て、アーサとして復活する。魔女は自身に瓜二つの女性・カティアになりすまし、復讐を果たそうとするのだが…という内容。

ゴーゴリの小説「妖女(ヴィイ)」を原案とした、バーヴァ監督のデビュー作がこちら。イタリアのホラー映画史で嚆矢となる存在であり、重要作として名前が挙がる事が多い。…実際観てみると原色バリバリなカラー撮影でのバーヴァ演出とは違って、本作の重厚で陰鬱な白黒映像は、まさに「怪奇映画」という趣き。

流石に古い映画なので直接的な怖さは求めようがないものの、闇と影を強調するゴシック的な美意識に支えられたアトモスフィアで、現在でも名作と呼ばれるに値する。つまり、本作の良さはムード…「怪奇ムード」の良さなんだろうな。
posted by ぬきやまがいせい at 23:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画