2024.11.02

「手塚治虫のマンガの描き方」手塚治虫著

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読んでみた、日本人著者によるノンフィクション/指南書。2000年発表。

「鉄腕アトム」や「ブラックジャック」等で知られる、漫画の神様こと「手塚治虫」。本書では漫画家を志望する読者に限らず、親や教師といった子供を教え導く人々にも向けて、「マンガ」の持つ楽しさ・描き方を紹介していく…という内容。

流石に神様著というだけあって、漫画入門書としては最も有名な一冊。でも実際に読まなければ知らなかった事も多い。落書きから始まってキャラ・背景の描き方。特に手塚版・北斎漫画とでも言うべき、様々な表情や人物動作等の見本として描かれた、豊富な挿絵はすごい。当時の読者は、さぞや感激したろうな。

個人的に感激したのは、本論に添えられた自叙伝的部分。幼い頃著者の母親が寝物語に聴かせてくれた創作童話に、病気の際母に描いてとねだったパラパラ漫画の思い出。どちらも漫画家・アニメ制作者である手塚の、原点となるエピソードだろう。意外と巷間語られないのは不思議だが…大変感動的だと思う。
posted by ぬきやまがいせい at 01:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書