観てみた、ジョナス・メカス監督による実験映画。1968年公開。
「ジョナス・メカス」は1922年リトアニアで誕生し、その後ニューヨークに渡り実験映画の制作を始める様になる。彼は自身の身辺を映像に収めた「日記映画」を撮り続け、本作は中でも3時間の長編であり代表作でもある…という内容。
本作は1964年から1968年にかけて撮影されたもので、家族との日常や旅行先の風景といった、要するにプライベートフィルム。でもそうした中に交流するNYアヴァンギャルド界隈の有名人の姿が捉えられており、C・ドライヤーやウォーホル&ヴェルヴェッツ、ジョン&ヨーコまでと大変貴重な記録となっている。
加えて単なる記録ではなく、映像的に相当な手間で編集が施されており「作品」と呼ぶに足る内容となっている。早回しのラフな映像をスピーディな編集で繋げる事で、前衛的というか都会/ストリートの空気を切り取っている。実験的ではあるけど決して難解でない辺り、同地のアート表現そのままで成る程興味深い。