2009.04.18
「脳波の音楽(2006年エディション)」デヴィッド・ローゼンブーム
聴いてみた、アメリカの実験音楽作家の代表作。76年発表。
本作はタイトルを見ただけでも恐らく見当が付くように、人間の瞑想状態における「脳波」をピックアップして体外的に出力、その後増幅・変調したものを音楽として再構成したという実験的内容。…個人的に思い出したのは、富田勲が天文台で受信した星間電波の波長を音楽として採り入れた、「ドーン・コーラス」という作品。
ローゼンブーム自身は経歴を見るとバリバリの理系のようで当人的な思惑は別の場所にあるのかもしれないけれど、これらの方法論って現代音楽の分野が、易だの偶然性だのを用いて「無作為の法則」を作曲に導入しようとしていたのと、同質の方向性にあると見てもいいんじゃないかな。…それに最新電子機材の導入が加わって、当時はいかにもセンセーショナルに受け止められたんじゃなかろうかと。
本作を聴くと(直接の関わりがあるとも言えないのに)上記現代音楽やサイケムーブメントにおけるドラッグ実験、更に東洋的な瞑想等と様々に連想が広がるね。
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