観てみた、佐藤信介監督によるCGアニメ映画。2009年公開。
幼い頃亡き母から聞いた、人々が「ほったらかし」にした物を持ち去る狐の民話。父親と折り合いの悪い日々を過ごす高校生の遙は、母の形見である手鏡を無くしてしまっていた。そんな時、神社で見掛けた不思議な狐・テオを追って泉の中へと吸い込まれる。彼女の行き着いた先とは「ホッタラケの島」だった…という内容。
製作はProduction I.G。本作の内容自体は基本的には子供向けで、3DCGという手法からもピクサー等の作品を念頭に置いたものなのは確かだろう。それでも主人公が女子高生だったりする辺り、オタ方面への目配せも忘れていないとは愉快な。…まあどちらもI.Gぽくない(押井作品の印象からしたら)とも言えるけど。
でも本作が武蔵野に伝わる民話を元にしているというのは面白い。本作は割と垢抜けた雰囲気を持っているのだが、筆者が「狐面」から連想するのは寺山修司作品で、島が「人間の内面の後ろ暗い所」だという辺りに通底するものを感じるな。
2011.01.03
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