2022.03.09

「ブラジルから来た少年」アイラ・レヴィン著、小倉多加志訳

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読んでみた、アメリカ人作家による長編小説。1976年発表。

メンゲレ医師を始めとするナチス残党が、ブラジルで秘密会合を開いた。そこで話合われたのは65歳で公務員という共通点のある男性を、90人以上も殺害するというもの。情報を掴んだ反ナチの有力者、リーベルマンは…という内容。

自分の世代だとグレゴリー・ペックがメンゲレ役を演じた、1978年公開の同名映画が有名。なので本書の謎も、相当知れ渡っているのだけど…サスペンス、冒険小説という以上に「ホワイダニット」のミステリとしての内容を尊重して、ネタバレは控えておく。実に優れた着想の名作なので、本当は知らずに読むべき。

Slayerの歌詞でもお馴染み「死の天使」ことメンゲレは、映画公開の翌年にまんまと逃げおおせた末に死んでいる。出来れば本書みたいに、悲惨な最期だったらよかったのだけれど。まあ本書のメンゲレは、リーベルマンを待ち受けている間の一人芝居というか、一人コントみたいなのが可笑しくて憎めないのよな。
posted by ぬきやまがいせい at 22:38 | Comment(0) | 読書
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