2023.03.11

「日本探偵小説全集1 / 黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎集」黒岩涙香、小酒井不木、甲賀三郎著

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読んでみた、日本人作家による推理小説アンソロジー。1984年発表。

日本で初の探偵小説となる「無残」(1889年)を執筆した「黒岩涙香」をはじめとして、医学者ならではの専門的知見を最初に採り入れた「小酒井不木」。本格・変格という日本独自の概念を提唱した「甲賀三郎」と、日本推理小説初期の作家による画期的な代表作を数々集めた、シリーズの第1巻が本書…という内容。

最近気付いたのだけれど、自分の場合推理小説は古ければ古いだけ好きだな。じゃあ世界最高のミステリは「モルグ街の殺人」や「無残」か…と言ってしまっても、そう的外れではない気が。本書に収録された作品はどれも面白いね。

涙香は翻案中心で独自作は「無残」がほぼ唯一なのは残念だけど、小酒井も甲賀も現在の推理小説と遜色無い作品なのはすごい。ただ本書は殆ど短編で、長編は甲賀の「支倉事件」だけ。これがミステリと言うよりはむしろ実録犯罪小説なのだが…何だか大正のロス疑惑みたいな話で、それはそれでビックリ。
posted by ぬきやまがいせい at 21:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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