観てみた、宮崎駿監督によるアニメーション映画。2023年公開。
第二次大戦中。母を火事で亡くした少年・眞人は、父親の再婚相手であるナツコの邸宅に疎開する事に。そこで彼は奇妙なアオサギに導かれ、現世から姿を消したナツコを取り戻すべく、「下の世界」へと旅立ったのだが…という内容。
宮崎監督の引退撤回作、ほぼ完全に事前宣伝無しで公開された事でむしろ話題に。内容的にはいわゆる異世界ファンタジーで、タイトルが引用された吉野源三郎の同名小説とは関係がない。…かと言うと案外そんな事もなく、最終的に「友達=友情」を着地点にしている辺り、そちらを踏まえているんじゃないかな。
「黄泉平坂」モチーフは同監督が何度も描いた展開だが、今回は「少年が母親を」というエディプス的な描写となっている。なのでインモラルから急に教訓的になった印象もあるのだけれど…本作はいちいち挙げたらキリ無い位「死」の象徴に溢れており、そこから観客の意識も「現世」へ引き戻す必要があったのかも。
2023.07.22
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