2024.05.15

「時の他に敵なし」マイクル・ビショップ著、大島豊訳

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読んでみた、アメリカ人作家による長編SF小説。1982年発表。

更新世の時代へと時間旅行した、黒人青年・ジョシュア。彼は石器時代のアフリカで、「ホモ・ハビリス」という旧人類と接触する。ジョシュアはその集団に溶け込んで長期間生活をし、遂には子供までもうける事となるのだが…という内容。

乱暴な説明をすると、2001年冒頭「人類の夜明け」の猿人集団の中で生活する様な話。そちらに加えて、主人公自身の来歴を語る自分探し的なパートが、同時進行する構成となっている。その為SFと言うよりも、すごく一般小説っぽい印象がある。実際時間旅行ではなく(ネタバレ)だし、まあそういう事だろうなと。

社会問題・社会意識的な要素が推されるので、フラナリー・オコナーとかそういう辺りを想起したのだけれど…ネビュラ賞の長編小説部門で受賞した、立派なSFなのも確か(また「グリンプス」との類似を指摘したい…義父アホすぎ)。でもやはり一種の「青春小説」として読んだ方が、色々しっくり来る気はするかなあ。
posted by ぬきやまがいせい at 14:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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