2024.08.28

「名刀に挑む / 日本刀を知れば日本の美がわかる」松田次泰著

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読んでみた、日本人著者によるノンフィクション。2017年発表。

長い歴史の中「日本刀」で最高の名品は、正宗を始めとする鎌倉期が頂点とされる。長年同時代の名刀再現に取り組んで来た現代刀工の著者が、日本刀の魅力や自身の経験を踏まえた物作りに対する取り組みを語る…という内容。

鎌倉刀を再現したと言われる逸話に限らず、刀工である著者の視点から日本刀全般の魅力に関して解説してくれる辺り、初心者の自分でも大変楽しく読めた。ただ出版元(PHP研究所)の性格からか、話がいつの間にかビジネスマン向けの精神論になる辺り、思てたんと違うと言うか、いやそうだろうなと言うか…

流石に鎌倉刀再現はまだ現在進行形だからか、秘訣はこれこれなどと判りやすく書いてくれる訳ではない。そもそも鎌倉刀のどこがすごいのか、見ないとわからんというスタンスだし。…それでも著者ならではの(精神面に限らず、工学・材料学的側面からの)独自見解が窺えるのは、大変に刺激的な内容だと思う。
posted by ぬきやまがいせい at 23:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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