観てみた。イングマール・ベルイマン脚本、監督映画。1953年公開。
馬車を連ねて進む、巡業サーカス団。座長のアルベルトは曲馬師・アンを愛人として興行を続けたものの、一座は経済的に追い詰められていた。ある町で地元の劇団に助力を乞うたものの、侮辱を受ける。その町はアルベルトが、妻と2人の子供を置き去りにした場所。彼はサーカスの廃業も考えており…という内容。
ベルイマンとしては比較的初期の作品で、「不良少女モニカ」の翌年の作。サーカスを題材にしている為か、フェリーニ作品っぽいと言うか…それだけではなく(同時代的な影響から?)「ネオレアリズモ」を思わせる作風なのは興味深い。
サーカスの映画で、こんな陰鬱な気持ちにさせられるのも珍しい(「地上最大のショウ」なんて本作に較べたら、楽しいばっかりだな)。クマちゃんかわいそう。…とは言え冒頭の幻想的なシーンなどは、フェリーニがまだ「青春群像」(1953年)を撮っている頃なのに、そちらに先駆けてフェリーニっぽいという逆転現象。
2024.11.26
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック