観てみた。アニエス・ヴァルダ脚本、監督映画。1962年公開。
タロット占いで出た不吉な予言におびえる、女性歌手のクレオ。彼女は2時間後の7時に医者から聞かされる検査結果で、癌だという告知を恐れているのだ。クレオはパリ市内を移動し、様々な知人たちと顔を合わせるも、不安は消えない。そんな時公園で、休暇中の兵士・アントワーヌと出逢ったのだが…という内容。
作中の経過時間と上映時間を大体一致させて、若い女性の行動と内面とを描いた作品。癌うんぬんはそれなりに重い題材だが、過度にシリアスに展開する訳でなく、ポップでキュートな当時のパリ文化を切り取っている辺りが見所。
加えて街中の人々の会話や兵士の存在が、リアルタイムの(アルジェリア等)社会問題もさりげなく織り込む辺りは巧み。それでも自分が知る中では、ヴァルダ作品としてはストーリーがちゃんとある劇映画なので観やすい方だと思う。…因みに劇中のサイレント映画に出演しているのは、ゴダールなのだそうです。
2025.02.18
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック