観てみた。G・フィリップ主演、ルネ・クレマン監督映画。1954年公開。
資産家の妻を持ちながらも恋多き男、アンドレ・リポワ。彼は妻・キャサリンの不在中、彼女の友人であるパトリシアを自宅に招く。これまでの人生をプレイボーイとして生きて来たリポワは、パトリシアを物にするべく過去の女性遍歴を語って聞かせる。教養も金も何も無い彼が、ロンドンで送った生活とは…という内容。
公開時にはフランス映画らしい、しっとりとした邦題が付けられたけれど、内容を踏まえてしまうといかにも不似合いなので…日本再公開の際に、上記の副題が付けられた模様。と言うのも頭カラッポの見掛けだけいい色男が、しまいにゃホームレスにまで堕ち、無茶苦茶なカサノバ生活を送るというコメディなので。
ただ人々との交流の並列構成と、主人公の独白で内面を語る趣向が、「田舎司祭の日記」にちょっと近い。要はいわゆる「ビルドゥングスロマン」(小説じゃないけど)と同種の作品。まああれで、主人公が成長できたかどうかは疑問だが。
2025.02.22
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック