
聴いてみた、アメリカの現代音楽作曲家。1982年発表。
「ポーリン・オリヴェロス」は1932年、テキサス州ヒューストンで誕生。大学等で音楽を学んだ後に、第二次世界大戦後の米国における電子音楽の中心人物となる。自身の音楽性を「ソニック・メディテーション」と称しており、瞑想的な響きを持った持続音によるドローン・ミュージックを中心に制作した。2016年没。
本作もそうしたドローン音楽の一つだが、演奏に用いられているのは機械ではなく、「アコーディオン」と彼女自身の「声」によるもの。…Tr1は一片のメロディーすら無い曲だが、Tr2の方には多少音階らしきものも採り入れられている。
という説明をしてしまうと如何にも難解そうだけど…電子機器の発する音ではなくアコーディオンと声という耳に馴染んだ、肉体的・有機的な音響なので、意外に結構気持ちよく聴ける筈。灰野敬二によるハーディガーディでの演奏曲の感じに近いかな。でもジャケットの自然風景と、一体化した空気も感じてみたい。