2024.08.27

新宝島

見てみた、手塚治虫演出によるTVスペシャルアニメ。1965年放映。

ジム少年はある男の遺品から、「宝島」の地図を手に入れる。彼は大人の協力者と共に船を用立てて、その島へと出発する。その際一船員として乗り込んだのが、シルバーというコック。ジムは彼と友情に結ばれたものの、実はシルバーは海賊の首魁だった。そして船は遂に宝島に到着するのだが…という内容。

原作はスティーヴンソンの小説。つまり初期の手塚漫画として有名な「新宝島」という作品のアニメ化かと思ったら、全然関係なかった(まあ複雑な事情があった模様)。…とは言え本作は史上初の、単発TVスペシャルアニメだとの事。

本作ではキャラクターの外見を、全て動物に置き換えているのが特徴。つまりどうぶつ宝島。それより個人的には、出崎統監督のTVアニメを連想しながら見てしまったのだが。…そちらと比較してしまったら流石に、色々物足りないけれど(シルバーのキャラ始め)手塚らしい味わいは、決して悪くはないなと思えた。
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2024.08.25

フウムーン

見てみた、坂口尚監督によるTVスペシャルアニメ。1980年公開。

山田野博士が発見したのは、新種の知的生物だった。その事実を新人類誕生として発表するものの、2大国の軍事的緊張の高まる中で無視された。探偵の伯父が拉致された事で事態に関わったケン一青年は、新人類=フウムーンが宇宙的な危機を察知し、ある計画を推進していた事を知るのだが…という内容。

原作は手塚治虫の漫画「来るべき世界」。そちらを「石の花」等の漫画作品でも有名な、坂口尚が監督している。本作が放映された「24時間テレビ」のスペシャルアニメとしては、かなり面白い印象があったのだけれど、それも割と納得。

本作の暗黒ガスは、フレッド・ホイルの「暗黒星雲」を連想したのだが、実は原作発表はそちらの7年前。さすが神様(まあでもドイルの「毒ガス帯」辺りが着想元かも)。…原作の時代性からかやたらに説教くさいものの、フウムーン=ロココの自己犠牲にはやはりホロリと来る。坂口監督は、アニメの腕も確かだな。
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2024.08.24

らくだい魔女 / フウカと闇の魔女

観てみた、浜名孝行監督によるアニメーション映画。2023年公開。

かつて「闇の魔女」が倒され、封じられた魔法の世界。学校では「らくだい」生である銀の城の王女・フウカは、黒の城の王女・リリカの誘いで見慣れぬ腕輪を身に付けてしまった。それは闇の魔女を封印していた呪具で、緑の城の王女・カリン、青の城の王子・チトセと共に、異空間へ飛ばされてしまい…という内容。

原作は成田サトコの児童小説シリーズで、刊行15周年を記念して制作された劇場アニメが本作。…本作は一言でいってしまうと「プリキュア」。作画・演出にストーリー等、かなりプリキュア感があって、そこから変身・必殺技・マスコットに年替わりモチーフを引いた感じ。そのせいか、ちと物足りなく感じてしまった。

あと60分という中編尺な辺りからも、駆け足な印象(これは児童向けとしての配慮かも)。…と思って調べたら、監督の人って「オトナプリキュア」でシリーズディレクターもやっているので、ある意味本業?だった。成る程これはこれで。
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2024.08.22

神々の山嶺(かみがみのいただき)

観てみた、P・インバート監督によるアニメーション映画。2021年公開。

山岳カメラマンの深町は、かつてエベレストに挑戦し遭難したマロリーの遺品カメラと、消息を絶った日本人登山家・羽生の手掛かりを同時に得る。深町は羽生の過去を調査するうちに、彼が単独でのエベレスト登頂を狙っている事を確信する。そして頂上へ出発した彼の背中を追う様に、深町もまた…という内容。

原作は夢枕爆の小説。そして谷口ジローによる漫画版はフランスでも人気だとの事で、今回同国でアニメ映画化された。…自分は漫画版は読んでいないけど、ネットミーム化した有名な台詞等が綺麗にカットされているのにはあららと。その代わり登山場面の心理やディテールを、映像としてじっくり見せてくれる。

小説はぶっちゃけ、完全再現すりゃ面白くなるもんでもないって内容ではあるので、本作くらいシンプルに取捨選択してくれた方が個人的にはよい。…本作の羽生は狂気もなく優しい男って感じだけど、まあそれも悪くはないのでは。
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2024.08.19

雨を告げる漂流団地

観てみた、石田祐康監督によるアニメーション映画。2022年公開。

家族の様に育った航祐と夏芽だが、最近2人の関係には隔たりが。そして夏休み、かつて2人が育った取り壊し予定の団地に、小学校の仲間6人が忍び込む。その瞬間団地棟は、広大な海の只中に移動していた。彼らは見知らぬ少年・のっぱを加え、食糧も救援も望めない中サバイバルを始めて…という内容。

小学生によるサバイバルや、題名から「漂流教室」を連想する訳で。本作では(何故か女の子ばかり)怪我で出血するのが痛々しく、上記漫画みたいに破傷風とかになったら嫌だな。と思いながら観てたら…別にそんな事はなかったぜ。まあ言い争いばかりのストレスアニメだけど、そこまで深刻な作品でもなかった。

登場人物や設定が多い割に扱いきれておらず、思いついただけ・出しただけ感がすごい。逆に言えば要素要素のイメージは良く、その集合体として見る分にはいい感じじゃないかな。…もっと楽しそうに、サバイバルしてくれてたらな。
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2024.08.18

金の国 水の国

観てみた、渡邉こと乃監督によるアニメーション映画。2023年公開。

隣り合いながら、永く対立する2国「アルハミド」と「バイカリ」。互いに結婚相手を送り合う取り決めがされたのだが、A国王女・サーラの許には犬、B国賢人・ナランバヤルには猫が寄こされる始末。だが偶然にも2人は互いを知らずに出逢い、惹かれ合う。彼らは両国が支え合う、国交を模索するのだが…という内容。

原作は岩本ナオの少女漫画。むしろおとぎ話といった印象の内容である一方、「アナと雪の女王」辺りとも共通するフェミニンなテイストを感じる。まあ今風にイヤな表現をすると、ポリコレ的って事になってしまうけれど…「王子と王女が結ばれて、めでたしめでたし」という、古典的な物語なのは何だかんだで悪くない。

逆に言うと、内容にパンチがないのも仕方ない(宮崎アニメだったら結構スレスレな毒が常にある訳で)。とは言え姫の容姿が展開上、無駄設定になっていないのには誠意を感じる。まあおとぎ話なんだから、これでいいんだよなって。
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2024.04.12

BLUE GIANT

観てみた、立川譲監督によるアニメーション映画。2023年公開。

仙台で独りサックスの練習に打ち込んで来た高校生、宮本大。彼は卒業を機に、世界一のプレイヤーを目指し東京へとやって来た。そして華麗な演奏をするピアニスト・沢辺雪祈と、全くの素人であるドラマー・玉田俊二と共に、バンド「JASS」を結成。名門ジャズクラブ出演を目標に、奮闘するのだが…という内容。

原作は石塚真一と、NUMBER8(本作で脚本も担当)による漫画。現在でも連載中の作品だが、導入部の仙台編をダイジェストとし、東京編を中心にした構成となっている。その為2時間の映画としては、少々強引な面もある様だが…

その代わりか尺は演奏シーンに割いており、それが大変に見応えある。音楽の出来に確信がないとこんな構成は取れないだろうけど、映像も負けていない。大胆なカメラアングルや移動に、様々な手描き技術等を駆使し千変万化するアニメジャズ空間は夢幻の心地(CGの違和感だってその一部ではないかと)。
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2023.11.08

かがみの孤城

観てみた、原恵一監督によるアニメーション映画。2022年公開。

安西こころは、学校でのいじめから不登校の状態。そんな時彼女は「鏡」を通り抜け、孤島に建つ「城」へと辿り着く。集められたのは似た境遇の中学生男女7人。その場所には安らぎや自由があり、そして友情が芽生えた。また彼女達には、何でも願いが叶う鍵を探すという目的も与えられたのだが…という内容。

原作は辻村深月の小説。デスゲーム的な枠組みを用いているのにデスゲームではないという。モチーフや設定等で色々伏せている要素があるのだが、小説と違って映像化してしまうと、結構そのまんま見せてる感が出てしまうかも。

代わりに少年少女の繊細な感情表現で綴られており、そういう辺りのリアリズムや描写力は(「カラフル」を手掛けた)原監督ならでは。と言うか個人的には、同監督にしてはこれでも相当、取っつきやすい作品を作ってくれたと思うよ。ワンダーエッグプライオリティが萌えアニメなら、これだって萌えアニメでいいだろう。
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2023.11.07

犬王

観てみた、湯浅政明監督によるアニメーション映画。2022年公開。

室町時代。平家が滅びた壇ノ浦から引き揚げられた神剣の為、盲目になった友魚は成長し琵琶法師となった。彼が出逢ったのが、猿楽の家の出ながら、異形の体に生まれついた名もなき少年。自らを「犬王」と名付けた彼は巧みな舞を踊り、友魚改め友有の琵琶と共に、世間の注目を集めるのだが…という内容。

原作は古川日出男の小説だそうだが…アニメ映画化された本作は何故だか、どろろ meets ファントム・オブ・パラダイス、みたいな感じになってる。犬王という室町時代に実在した能楽師を題材にしているのに、なんと「ロックミュージカル」「ロックオペラ」の手法を採り入れて、大胆な解釈で映像化してしまっている。

豪華作画陣や音楽担当に大友良英の起用と、驚く程に酔狂で水準の高い内容だけれど…ジャンル的なコンセンサスも無しに、いきなりやってしまっているので、困惑した人の方が多かったのでは。まあでも本当よく作ったなこんなの。
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2023.11.05

ぼくらのよあけ

観てみた、黒川智之監督によるアニメーション映画。2022年公開。

2049年。阿佐ヶ谷団地に住む少年・沢渡悠真は、人口知能ロボのナナコが機能不全を起こすのに遭遇。それは何と27年前に異星から飛来した、宇宙船のAIに乗っ取られたからだった。彼と小学生の友人達は、故障した宇宙船「2月の黎明号」が宇宙へと帰還するのを、助ける決意をしたのだが…という内容。

原作は今井哲也の漫画。ジュヴナイルSFといった風情のアニメだが、連載はアフタヌーンだったらしい。同誌らしいサブカル的要素は無い代わりに、意外とあなどれないSF感を持った作品となっている。…ただ雰囲気がどう見ても単なる子供向けなので、アフタ読者と近い層にも、殆ど興味を持たれなかった様な。

決して嫌いではないけれど…話自体は要するにETみたいなものなのに、親や同級生間でのいさかい。加えてAIに対するわだかまりといった、何かモヤモヤする要素をど真ん中に据えている辺り、やはりアフタだからなのだろうか。
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2023.11.03

ぼくらの7日間戦争

観てみた、村野佑太監督によるアニメーション映画。2019年公開。

高校生・鈴原守は密かに想いを寄せる千代野綾が、政治家の父の意向で転居すると知る。そこで彼らは同級生の男女6名で、廃墟となった炭鉱に7日間だけの家出をする事に。だがそこに不法滞在者の子供・マレットが住み着いていた為、彼らと入管職員や警察、更に綾の父親との「戦争」が始まって…という内容。

原作は宗田理の小説「ぼくらの七日間戦争」(1985年)だが、本作は現代を舞台にしたアニメ映画として再構成されている。なので原典での校則ではなく今風な学生の問題、SNSでの情報拡散といった現代的な味付けがされている。

とは言え割とリアリティライン自体は低く見積もられているので(普通死ぬだろこれ、という無茶な描写も多々あるし)、そこはまあ重く受け止める様な作品でもないだろう。それより本作には、ちょっとした仕掛けがあって…その辺は伏せておくべきだと思ったのに、予告編だと結構思いっきり見せてしまっているのな。
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2023.11.02

夏へのトンネル、さよならの出口

観てみた、田口智久監督によるアニメーション映画。2022年公開。

そこに入った者は、何でも願いが叶うと噂される「ウラシマトンネル」。高校生・塔野カオルは転校生の花城あんずと協力関係を結び、お互いが望むものを手に入れる為にトンネルの検証を始める。ところがトンネルでは違う時間が流れており、その内部だと僅か一瞬でも、外では何日もが経過してしまい…という内容。

原作は八目迷のライトノベル。同書は賞応募時のタイトルが「僕がウラシマトンネルを抜ける時」だったそうで、これは珍しく編集者・出版社に変えられた方が良くなっている例かも。ハインラインの小説への目配せと思しき「夏への」の通り、タイムパラドクス的すれ違いの恋愛模様を描いているだけに、より適切だな。

ただSFと言うにはフワフワしているのだが、繊細な関係性(おねショタカップル誕生?)は魅力的。特にガラケーメールでの気持ちの交感というシチュには、ぐっと来てしまう…ケータイ小説の持つ訴求力というのも、ちょっと判るなあ。
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2023.07.22

君たちはどう生きるか

観てみた、宮崎駿監督によるアニメーション映画。2023年公開。

第二次大戦中。母を火事で亡くした少年・眞人は、父親の再婚相手であるナツコの邸宅に疎開する事に。そこで彼は奇妙なアオサギに導かれ、現世から姿を消したナツコを取り戻すべく、「下の世界」へと旅立ったのだが…という内容。

宮崎監督の引退撤回作、ほぼ完全に事前宣伝無しで公開された事でむしろ話題に。内容的にはいわゆる異世界ファンタジーで、タイトルが引用された吉野源三郎の同名小説とは関係がない。…かと言うと案外そんな事もなく、最終的に「友達=友情」を着地点にしている辺り、そちらを踏まえているんじゃないかな。

「黄泉平坂」モチーフは同監督が何度も描いた展開だが、今回は「少年が母親を」というエディプス的な描写となっている。なのでインモラルから急に教訓的になった印象もあるのだけれど…本作はいちいち挙げたらキリ無い位「死」の象徴に溢れており、そこから観客の意識も「現世」へ引き戻す必要があったのかも。
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2023.04.06

ブラザーズ・クエイ短編集 V

観てみた、アメリカのアニメーション作家の作品集。2016年発表。

「ブラザーズ・クエイ」こと、一卵性双生児であるスティーブンとティモシーのクエイ兄弟。2人は1947年にペンシルベニア州で誕生し、英米の大学で芸術を学んだ後に、モデル・アニメーションの制作を始める。1986年発表の「ストリート・オブ・クロコダイル」では世界的な注目を集め、現在でも活動を続けている。

こちらもアマプラ見放題で配信している作品だけど、元々2016年に「〜短編作品集」として販売された日本版ソフトを、3分割したものの様だ。…代表作である〜クロコダイルはUに収録。LD時代に見たきりなので、自分も久々だな。

内容自体はどれも病的で陰鬱、廃墟・廃物趣味のダークな映像で、夜になると人形が動き出すという…グロテスク版おもちゃのチャチャチャみたいな作品ばかり。でもVに収録している「人為的な透視図法、またはアナモルフォーシス(歪像) 」は、なぜかドキュメンタリーと言うか、美術紹介番組みたいで面白い。
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2023.04.05

The Emperor's Nightingale(邦題:皇帝の鶯)

観てみた、イジー・トルンカ監督によるアニメーション映画。1948年公開。

少年は病の床で夢を見る、それは昔の中国に暮らす若き「皇帝」の夢。彼は西洋人から見せられた本に載っていた「鶯(=ナイチンゲール)」に興味を持ち、女給の助けを借りて捕まえる。その歌声に、涙を流す程感動した皇帝。しかし機械仕掛けの鳥を手に入れた途端、その鶯には見向きもしなくなって…という内容。

導入部こそ俳優を使っているものの、皇帝の話になってからは同監督お得意のモデル・アニメーションにて表現されている。…今回観たアマプラでは字幕無しだったのだが、ボリス・カーロフの語りもあって大体判った。しかしフランケンの時は「フンガー」しか言ってなかったけど(言ってない)、こんな声だったんだな。

内容自体は素朴な人形アニメだし、話の方も有名なアンデルセン童話「小夜啼鳥」なので、自分が付け加える事はない。…けれどこの話、ここ最近のAI絵師関連のあれこれを思い浮かべると、色々と考えさせられる。かもしれない。
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2023.03.28

ユーリー・ノルシュテイン傑作選

観てみた、ソ連のアニメーション作家の作品集。2017年発表。

戦時中の1941年、疎開先の村で生まれた「ユーリー・ノルシュテイン」。家具職人を経てアニメーターとしての教育を受けた後、作品を発表する様になる。本作は「25日・最初の日」、「ケルジェネツの戦い」、「キツネとウサギ」、「アオサギとツル」、「霧につつまれたハリネズミ」、「話の話」…の6作を収録している。

こちら2016年に日本人スタッフの手で修復された6作品を、アマプラ見放題で配信したというものだが、先にソフトとしてリリースされている(その際のタイトルは〜作品集)。素晴らしい画質で観られる様になったのは、実にありがたい。

と言うか「話の話」は、自分も久々に観た。シュールと言うか難解という印象は変わらないものの、何だかタルコフスキー作品に近い感じがした。その辺同時代・同国人作家だけあるのかな…と思ったら、話の話はノルシュテイン自身の断片的記憶がモチーフらしい。それって要するに「鏡」と同じだな、成る程納得した。
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2023.03.12

バリバリ伝説

観てみた、鳥海永行監督によるアニメーション映画。1987年公開。

バイクで峠を攻める高校生・グンは、ある日同年代のライダーとの競走で手痛い敗北を喫する。その相手の名はヒデヨシ、なんとグンの高校への転入生だったのだ。常にいがみ合う2人だったが、同級生・美由紀が運営するチームのメンバーとして、鈴鹿4時間耐久バイクレースに参加する事となって…という内容。

原作はしげの秀一の漫画。前年に前後編で発売されたOVAを、再編集した劇場版となっている。荻野目洋子が歩惟役で出演し、主題歌も担当しているけど…ある意味原作初期のノリには合っているかもしれん(いいとは言っていない)。

で盛大にネタバレしとくと、本作で描かれるのは秀吉の死まで。原作自体それ以降何やってるか知ってる人少なそうだし、妥当な所か(自分の場合はWGP編の内容に印象が上書きされてた)。それよりネタバレすると、峠バトル中に「かめっ!」って叫んでない! …うーん、ギャグっぽくなりそうだし仕方ないのかな。
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2023.03.09

FUTURE WAR 198X年

観てみた。舛田利雄、勝間田具治監督によるアニメ映画。1982年公開。

198X年。アメリカ合衆国は軌道上のレーザー衛星により、大陸間弾道ミサイルの迎撃実験に成功する。ところがその為にソビエト連邦との緊張が高まり、衛星計画責任者の誘拐を手始めに、東西間の軍事衝突は急速にエスカレート。遂には核ミサイルによる、全面戦争の火蓋が切られてしまい…という内容。

東映動画制作によるアニメ映画だが、社内で「好戦的な内容」とされた事から反対運動が起き、当時大激論となった問題作。まあ様々な意見は当然あるだろうけれど…40年以上過ぎた今、そう目くじらを立てる事もあるまい。個人的には監督に起用された舛田利雄が、例によってキワモノ映画をまた任されたんだなと。

と言うか舛田のせい?か、本作はやけに「ヤマト」っぽい。カッコよさげな兵器描写や、主人公の特攻を見ると致し方ないか。…とは思ったものの、核被害の惨状などは「ザ・デイ・アフター」に1年先駆けた辺りにも着目してよいのでは。
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2023.03.08

BIG WARS / 神撃つ朱き荒野に

観てみた、 滝沢敏文監督によるオリジナル・ビデオ・アニメ。1993年発表。

西暦2416年の火星。人類と「神」を名乗る勢力との戦争が始まっておよそ40年。神々は人間を操り、軍内部にスパイとして潜入させていた。隠密巡洋艦「青葉」の艦長である亜空歓喜もまた、恋人を神々の手先にされて喪ってしまう。だが彼女から託されたのは、敵の不沈空母「地獄」攻略の情報で…という内容。

原作は荒巻義雄のSF小説シリーズで、本書はその「枝篇」となる一冊(原作版のタイトルは「朱い〜」)。まあ自分も全くの未読だが、本作を見る分にはだいたい判ると思う。ストーリーは置いといても、メカ描写だけでもかなりの力作。

本作でもメカを担当したのは横山宏。横山は「マシーネンクリーガー=SF3D」で知られるだけあって、本作でもパワードスーツをデザインしている。多分「SAFS」が有名だと思うけど、(装着者の顔が見えないのは、よろしくないからか)今回は「AFS」風。他にも雪風っぽい?戦闘機もいるし…好事家なら必見だ。
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2023.03.06

ヴイナス戦記

観てみた、安彦良和監督によるアニメーション映画。1989年公開。

地球からの移民が行われてより72年が過ぎた金星。その地では2国間の戦争が繰り広げられていた。バイクゲームのライダーである「アフロディア」の少年・ヒロは、彼の街を蹂躙した「イシュタル」の戦車に戦いを挑む。その際自国の軍隊に助けられたヒロ達は、彼らと行動を共にする事になるのだが…という内容。

原作は安彦自身による同名漫画。アニメと漫画との2足の草鞋だった同監督だが、本作の興行的失敗から漫画専業に。その為本作は一時期観るのが難しい状態だったものの、安彦のアニメ復帰と共に配信・ソフト販売も実現した。

まあ実際内容的にはパッとしないのも確かなのだが…メカ描写は本当に見応えがある(実写映像による場面は置いといて)。本作でメカデザインを担当したのが、小林誠・横山宏のトゥーファクトリー・コンビ。一輪バイクをはじめ癖のあるデザインだとは思うけれど…当時の模型誌誌面を想起してニヤニヤしてしまう。
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