2024.04.12

BLUE GIANT

観てみた、立川譲監督によるアニメーション映画。2023年公開。

仙台で独りサックスの練習に打ち込んで来た高校生、宮本大。彼は卒業を機に、世界一のプレイヤーを目指し東京へとやって来た。そして華麗な演奏をするピアニスト・沢辺雪祈と、全くの素人であるドラマー・玉田俊二と共に、バンド「JASS」を結成。名門ジャズクラブ出演を目標に、奮闘するのだが…という内容。

原作は石塚真一と、NUMBER8(本作で脚本も担当)による漫画。現在でも連載中の作品だが、導入部の仙台編をダイジェストとし、東京編を中心にした構成となっている。その為2時間の映画としては、少々強引な面もある様だが…

その代わりか尺は演奏シーンに割いており、それが大変に見応えある。音楽の出来に確信がないとこんな構成は取れないだろうけど、映像も負けていない。大胆なカメラアングルや移動に、様々な手描き技術等を駆使し千変万化するアニメジャズ空間は夢幻の心地(CGの違和感だってその一部ではないかと)。
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2023.11.08

かがみの孤城

観てみた、原恵一監督によるアニメーション映画。2022年公開。

安西こころは、学校でのいじめから不登校の状態。そんな時彼女は「鏡」を通り抜け、孤島に建つ「城」へと辿り着く。集められたのは似た境遇の中学生男女7人。その場所には安らぎや自由があり、そして友情が芽生えた。また彼女達には、何でも願いが叶う鍵を探すという目的も与えられたのだが…という内容。

原作は辻村深月の小説。デスゲーム的な枠組みを用いているのにデスゲームではないという。モチーフや設定等で色々伏せている要素があるのだが、小説と違って映像化してしまうと、結構そのまんま見せてる感が出てしまうかも。

代わりに少年少女の繊細な感情表現で綴られており、そういう辺りのリアリズムや描写力は(「カラフル」を手掛けた)原監督ならでは。と言うか個人的には、同監督にしてはこれでも相当、取っつきやすい作品を作ってくれたと思うよ。ワンダーエッグプライオリティが萌えアニメなら、これだって萌えアニメでいいだろう。
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2023.11.07

犬王

観てみた、湯浅政明監督によるアニメーション映画。2022年公開。

室町時代。平家が滅びた壇ノ浦から引き揚げられた神剣の為、盲目になった友魚は成長し琵琶法師となった。彼が出逢ったのが、猿楽の家の出ながら、異形の体に生まれついた名もなき少年。自らを「犬王」と名付けた彼は巧みな舞を踊り、友魚改め友有の琵琶と共に、世間の注目を集めるのだが…という内容。

原作は古川日出男の小説だそうだが…アニメ映画化された本作は何故だか、どろろ meets ファントム・オブ・パラダイス、みたいな感じになってる。犬王という室町時代に実在した能楽師を題材にしているのに、なんと「ロックミュージカル」「ロックオペラ」の手法を採り入れて、大胆な解釈で映像化してしまっている。

豪華作画陣や音楽担当に大友良英の起用と、驚く程に酔狂で水準の高い内容だけれど…ジャンル的なコンセンサスも無しに、いきなりやってしまっているので、困惑した人の方が多かったのでは。まあでも本当よく作ったなこんなの。
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2023.11.05

ぼくらのよあけ

観てみた、黒川智之監督によるアニメーション映画。2022年公開。

2049年。阿佐ヶ谷団地に住む少年・沢渡悠真は、人口知能ロボのナナコが機能不全を起こすのに遭遇。それは何と27年前に異星から飛来した、宇宙船のAIに乗っ取られたからだった。彼と小学生の友人達は、故障した宇宙船「2月の黎明号」が宇宙へと帰還するのを、助ける決意をしたのだが…という内容。

原作は今井哲也の漫画。ジュヴナイルSFといった風情のアニメだが、連載はアフタヌーンだったらしい。同誌らしいサブカル的要素は無い代わりに、意外とあなどれないSF感を持った作品となっている。…ただ雰囲気がどう見ても単なる子供向けなので、アフタ読者と近い層にも、殆ど興味を持たれなかった様な。

決して嫌いではないけれど…話自体は要するにETみたいなものなのに、親や同級生間でのいさかい。加えてAIに対するわだかまりといった、何かモヤモヤする要素をど真ん中に据えている辺り、やはりアフタだからなのだろうか。
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2023.11.03

ぼくらの7日間戦争

観てみた、村野佑太監督によるアニメーション映画。2019年公開。

高校生・鈴原守は密かに想いを寄せる千代野綾が、政治家の父の意向で転居すると知る。そこで彼らは同級生の男女6名で、廃墟となった炭鉱に7日間だけの家出をする事に。だがそこに不法滞在者の子供・マレットが住み着いていた為、彼らと入管職員や警察、更に綾の父親との「戦争」が始まって…という内容。

原作は宗田理の小説「ぼくらの七日間戦争」(1985年)だが、本作は現代を舞台にしたアニメ映画として再構成されている。なので原典での校則ではなく今風な学生の問題、SNSでの情報拡散といった現代的な味付けがされている。

とは言え割とリアリティライン自体は低く見積もられているので(普通死ぬだろこれ、という無茶な描写も多々あるし)、そこはまあ重く受け止める様な作品でもないだろう。それより本作には、ちょっとした仕掛けがあって…その辺は伏せておくべきだと思ったのに、予告編だと結構思いっきり見せてしまっているのな。
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2023.11.02

夏へのトンネル、さよならの出口

観てみた、田口智久監督によるアニメーション映画。2022年公開。

そこに入った者は、何でも願いが叶うと噂される「ウラシマトンネル」。高校生・塔野カオルは転校生の花城あんずと協力関係を結び、お互いが望むものを手に入れる為にトンネルの検証を始める。ところがトンネルでは違う時間が流れており、その内部だと僅か一瞬でも、外では何日もが経過してしまい…という内容。

原作は八目迷のライトノベル。同書は賞応募時のタイトルが「僕がウラシマトンネルを抜ける時」だったそうで、これは珍しく編集者・出版社に変えられた方が良くなっている例かも。ハインラインの小説への目配せと思しき「夏への」の通り、タイムパラドクス的すれ違いの恋愛模様を描いているだけに、より適切だな。

ただSFと言うにはフワフワしているのだが、繊細な関係性(おねショタカップル誕生?)は魅力的。特にガラケーメールでの気持ちの交感というシチュには、ぐっと来てしまう…ケータイ小説の持つ訴求力というのも、ちょっと判るなあ。
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2023.07.22

君たちはどう生きるか

観てみた、宮崎駿監督によるアニメーション映画。2023年公開。

第二次大戦中。母を火事で亡くした少年・眞人は、父親の再婚相手であるナツコの邸宅に疎開する事に。そこで彼は奇妙なアオサギに導かれ、現世から姿を消したナツコを取り戻すべく、「下の世界」へと旅立ったのだが…という内容。

宮崎監督の引退撤回作、ほぼ完全に事前宣伝無しで公開された事でむしろ話題に。内容的にはいわゆる異世界ファンタジーで、タイトルが引用された吉野源三郎の同名小説とは関係がない。…かと言うと案外そんな事もなく、最終的に「友達=友情」を着地点にしている辺り、そちらを踏まえているんじゃないかな。

「黄泉平坂」モチーフは同監督が何度も描いた展開だが、今回は「少年が母親を」というエディプス的な描写となっている。なのでインモラルから急に教訓的になった印象もあるのだけれど…本作はいちいち挙げたらキリ無い位「死」の象徴に溢れており、そこから観客の意識も「現世」へ引き戻す必要があったのかも。
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2023.04.06

ブラザーズ・クエイ短編集 V

観てみた、アメリカのアニメーション作家の作品集。2016年発表。

「ブラザーズ・クエイ」こと、一卵性双生児であるスティーブンとティモシーのクエイ兄弟。2人は1947年にペンシルベニア州で誕生し、英米の大学で芸術を学んだ後に、モデル・アニメーションの制作を始める。1986年発表の「ストリート・オブ・クロコダイル」では世界的な注目を集め、現在でも活動を続けている。

こちらもアマプラ見放題で配信している作品だけど、元々2016年に「〜短編作品集」として販売された日本版ソフトを、3分割したものの様だ。…代表作である〜クロコダイルはUに収録。LD時代に見たきりなので、自分も久々だな。

内容自体はどれも病的で陰鬱、廃墟・廃物趣味のダークな映像で、夜になると人形が動き出すという…グロテスク版おもちゃのチャチャチャみたいな作品ばかり。でもVに収録している「人為的な透視図法、またはアナモルフォーシス(歪像) 」は、なぜかドキュメンタリーと言うか、美術紹介番組みたいで面白い。
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2023.04.05

The Emperor's Nightingale(邦題:皇帝の鶯)

観てみた、イジー・トルンカ監督によるアニメーション映画。1948年公開。

少年は病の床で夢を見る、それは昔の中国に暮らす若き「皇帝」の夢。彼は西洋人から見せられた本に載っていた「鶯(=ナイチンゲール)」に興味を持ち、女給の助けを借りて捕まえる。その歌声に、涙を流す程感動した皇帝。しかし機械仕掛けの鳥を手に入れた途端、その鶯には見向きもしなくなって…という内容。

導入部こそ俳優を使っているものの、皇帝の話になってからは同監督お得意のモデル・アニメーションにて表現されている。…今回観たアマプラでは字幕無しだったのだが、ボリス・カーロフの語りもあって大体判った。しかしフランケンの時は「フンガー」しか言ってなかったけど(言ってない)、こんな声だったんだな。

内容自体は素朴な人形アニメだし、話の方も有名なアンデルセン童話「小夜啼鳥」なので、自分が付け加える事はない。…けれどこの話、ここ最近のAI絵師関連のあれこれを思い浮かべると、色々と考えさせられる。かもしれない。
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2023.03.28

ユーリー・ノルシュテイン傑作選

観てみた、ソ連のアニメーション作家の作品集。2017年発表。

戦時中の1941年、疎開先の村で生まれた「ユーリー・ノルシュテイン」。家具職人を経てアニメーターとしての教育を受けた後、作品を発表する様になる。本作は「25日・最初の日」、「ケルジェネツの戦い」、「キツネとウサギ」、「アオサギとツル」、「霧につつまれたハリネズミ」、「話の話」…の6作を収録している。

こちら2016年に日本人スタッフの手で修復された6作品を、アマプラ見放題で配信したというものだが、先にソフトとしてリリースされている(その際のタイトルは〜作品集)。素晴らしい画質で観られる様になったのは、実にありがたい。

と言うか「話の話」は、自分も久々に観た。シュールと言うか難解という印象は変わらないものの、何だかタルコフスキー作品に近い感じがした。その辺同時代・同国人作家だけあるのかな…と思ったら、話の話はノルシュテイン自身の断片的記憶がモチーフらしい。それって要するに「鏡」と同じだな、成る程納得した。
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2023.03.12

バリバリ伝説

観てみた、鳥海永行監督によるアニメーション映画。1987年公開。

バイクで峠を攻める高校生・グンは、ある日同年代のライダーとの競走で手痛い敗北を喫する。その相手の名はヒデヨシ、なんとグンの高校への転入生だったのだ。常にいがみ合う2人だったが、同級生・美由紀が運営するチームのメンバーとして、鈴鹿4時間耐久バイクレースに参加する事となって…という内容。

原作はしげの秀一の漫画。前年に前後編で発売されたOVAを、再編集した劇場版となっている。荻野目洋子が歩惟役で出演し、主題歌も担当しているけど…ある意味原作初期のノリには合っているかもしれん(いいとは言っていない)。

で盛大にネタバレしとくと、本作で描かれるのは秀吉の死まで。原作自体それ以降何やってるか知ってる人少なそうだし、妥当な所か(自分の場合はWGP編の内容に印象が上書きされてた)。それよりネタバレすると、峠バトル中に「かめっ!」って叫んでない! …うーん、ギャグっぽくなりそうだし仕方ないのかな。
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2023.03.09

FUTURE WAR 198X年

観てみた。舛田利雄、勝間田具治監督によるアニメ映画。1982年公開。

198X年。アメリカ合衆国は軌道上のレーザー衛星により、大陸間弾道ミサイルの迎撃実験に成功する。ところがその為にソビエト連邦との緊張が高まり、衛星計画責任者の誘拐を手始めに、東西間の軍事衝突は急速にエスカレート。遂には核ミサイルによる、全面戦争の火蓋が切られてしまい…という内容。

東映動画制作によるアニメ映画だが、社内で「好戦的な内容」とされた事から反対運動が起き、当時大激論となった問題作。まあ様々な意見は当然あるだろうけれど…40年以上過ぎた今、そう目くじらを立てる事もあるまい。個人的には監督に起用された舛田利雄が、例によってキワモノ映画をまた任されたんだなと。

と言うか舛田のせい?か、本作はやけに「ヤマト」っぽい。カッコよさげな兵器描写や、主人公の特攻を見ると致し方ないか。…とは思ったものの、核被害の惨状などは「ザ・デイ・アフター」に1年先駆けた辺りにも着目してよいのでは。
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2023.03.08

BIG WARS / 神撃つ朱き荒野に

観てみた、 滝沢敏文監督によるオリジナル・ビデオ・アニメ。1993年発表。

西暦2416年の火星。人類と「神」を名乗る勢力との戦争が始まっておよそ40年。神々は人間を操り、軍内部にスパイとして潜入させていた。隠密巡洋艦「青葉」の艦長である亜空歓喜もまた、恋人を神々の手先にされて喪ってしまう。だが彼女から託されたのは、敵の不沈空母「地獄」攻略の情報で…という内容。

原作は荒巻義雄のSF小説シリーズで、本書はその「枝篇」となる一冊(原作版のタイトルは「朱い〜」)。まあ自分も全くの未読だが、本作を見る分にはだいたい判ると思う。ストーリーは置いといても、メカ描写だけでもかなりの力作。

本作でもメカを担当したのは横山宏。横山は「マシーネンクリーガー=SF3D」で知られるだけあって、本作でもパワードスーツをデザインしている。多分「SAFS」が有名だと思うけど、(装着者の顔が見えないのは、よろしくないからか)今回は「AFS」風。他にも雪風っぽい?戦闘機もいるし…好事家なら必見だ。
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2023.03.06

ヴイナス戦記

観てみた、安彦良和監督によるアニメーション映画。1989年公開。

地球からの移民が行われてより72年が過ぎた金星。その地では2国間の戦争が繰り広げられていた。バイクゲームのライダーである「アフロディア」の少年・ヒロは、彼の街を蹂躙した「イシュタル」の戦車に戦いを挑む。その際自国の軍隊に助けられたヒロ達は、彼らと行動を共にする事になるのだが…という内容。

原作は安彦自身による同名漫画。アニメと漫画との2足の草鞋だった同監督だが、本作の興行的失敗から漫画専業に。その為本作は一時期観るのが難しい状態だったものの、安彦のアニメ復帰と共に配信・ソフト販売も実現した。

まあ実際内容的にはパッとしないのも確かなのだが…メカ描写は本当に見応えがある(実写映像による場面は置いといて)。本作でメカデザインを担当したのが、小林誠・横山宏のトゥーファクトリー・コンビ。一輪バイクをはじめ癖のあるデザインだとは思うけれど…当時の模型誌誌面を想起してニヤニヤしてしまう。
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2023.03.05

UFO学園の秘密

観てみた、今掛勇監督によるアニメーション映画。2015年公開。

レイを始めとする5名の「ナスカ学園」生徒は、課題としてUFO・宇宙人研究をテーマに選ぶ。ところが発表直前に何者かの妨害を受け、しかも突然UFOの機内にアブダクションされてしまう。そこで宇宙人がレイに語るには地球では善悪二大勢力が争っており、彼らの学園にも悪の手先が潜伏していて…という内容。

大川隆法製作総指揮による、「幸福の科学」劇場アニメ第7作。今掛監督としては3作目に当たり、その後の作品でもキャラデザ・総作監を兼ねる力の入れ様。その教祖様がいなくなってしまって、今後アニメ製作はどうなるのだろう…

別にいいけど。本作はUFOをネタに採り上げ、案外普通のアニメっぽいのだが…チャネリングして宇宙に飛んでからは胡散臭さ全開。大川先生の教えを延々聞かされて眠いのなんの。でも主人公が超サイヤ人4みたいに変身したりと、デタラメ…いやサービス満点。監督のキャラは地味可愛いくて結構好きだな。
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2023.03.03

空の青さを知る人よ

観てみた、長井龍雪監督によるアニメーション映画。2019年公開。

両親を事故で亡くして以来、姉・あかねと2人秩父で暮らす妹のあおい。あかねは高校時代同級生の慎之介から上京を誘われたものの、それを断った為に2人の関係も終わっていた。そして13年経ったあおいの前に、高校生の慎之介が時を超えて現れる。しかも現在の慎之介まで久々に帰郷してきて…という内容。

「あの花」制作チームによる第3作。シリーズと銘打つ程でもないけれど、秩父を舞台にしている事とファンタジー描写、ヒロイン少女にとって恋愛がビターに終わる点などは共通している。ただ前2作にあった、屈折した要素(女装だのラブホだの)が見られない辺り、取っつきやすい代わりに少々フックが足りない気が。

どちらかと言うと「焼けぼっくいに火が付いた」姉の恋愛の方が主軸なので、(結局バンド演奏云々は脇道だったりと)あおいはあくまでもそのストーリーの語り手にすぎない。…そういう意味では「妹の存在自体が」屈折しているのかも。
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2023.03.02

青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない

観てみた、増井壮一監督によるアニメーション映画。2019年公開。

「思春期症候群」と呼ばれる奇妙な現象が、周囲で起こる高校生・咲太。ある日彼の知り合いである中学生・翔子が、突然大学生の姿になって現れた。それは病弱で先行きを不安に思う彼女の内心が、願望として叶ったものと推測された。だが咲太の恋人である麻衣と、ひと悶着を引き起こす事になって…という内容。

原作は鴨志田一の小説「青春ブタ野郎」シリーズ。本作は先立って放送されたTVシリーズの続編となる映画。(麻衣先輩という決まった相手がありながら)各巻でメインとなる少女が交代するスタイルで、本作では牧之原翔子がヒロイン。

一言でいえば「化物語」を連想させる本作。そちらがドライな作風のお陰で、ガハラさんがいても大して気にならないのに対して、本作ではウェットな表現を採る為に、麻衣の存在が甚だしくノイズ(=恋愛関係としての圧)になっているのは大分違うな。…まあ要するに、泣かせたいかどうかの違いって事なのかも。
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2023.02.28

サイダーのように言葉が湧き上がる

観てみた、イシグロキョウヘイ監督によるアニメーション映画。2021年公開。

内向的な性格から耳にヘッドホンを着用する俳句少年・チェリーと、コンプレックスを抱く前歯をマスクで隠す少女・スマイル。スマホを取り違えた事から偶然知り合った2人は、老人福祉施設で働く事に。そちらの利用者の老人・フジヤマが常に探しているある「レコード」を、彼らも見つけようとするのだが…という内容。

ヒロイン少女が「マスク」を着用しているのが、チャーミングな本作。でも例によって新型コロナ蔓延の為に公開が延期…世間中がマスクだらけになるとは、作り手も思わなかっただろうな。まあ内容自体は他愛ない恋愛ものだが、個人的にはそれで充分。加えて「幻のレコード」の探索、という辺りにもぐっと来た訳で。

劇中で使われるのは大貫妙子の楽曲だけど、ネット検索にもヒットしないなんてアシッドフォークの激レア盤みたい。まあピクチャーレコードは、あんなSP盤みたいな割れ方しないだろ…というツッコみどころもあるものの、これはこれで。
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2023.02.27

サマーゴースト

観てみた、loundraw監督による中編アニメーション映画。2021年公開。

ネットを通じて知り合った高校生の友也、あおい、涼。3人は噂の「サマーゴースト」に出逢う為に、廃飛行場へと出掛ける。果たしてそこに出現したのは少女の幽霊で、絢音と自ら名乗った。彼女に逢えるのは「死」を近しくする者だけ。そして絢音は心残りを叶えるべく、友也にある頼み事をするのだが…という内容。

幽霊に頼まれてその当人の死体を探す、というプロットからは「Another エピソードS」を思い出した。ちなみに本作で脚本を担当したのは、安達寛高こと乙一。…だからどうしたと訊かれても口を濁すけれど、いやどういう事なんだろう?

ま、どうでもいい事だろう。…で本作はZ会からの依頼で制作されただけあって、死や別れというモチーフが採られながらも、若者へのエールとなる作品が目指されている。しかし夏に花火と共に出てくる幽霊だし、まさに「夏と花火と彼女の死体」だな。若い子達の間ではこういうのが応援になるのかい?、みたいな。
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2023.02.26

鹿の王 / ユナと約束の旅

観てみた。安藤雅司、宮地昌幸共同監督によるアニメ映画。2022年公開。

山犬が媒介する、黒狼熱という死病が蔓延する森。大鹿を巧みに乗りこなし、孤児のユナと共に旅するヴァンは、山犬に噛まれても何故か命を取り留めていた。その事を知った医師のホッサルは病気に打ち勝つ抗体を得る為に、ヴァンの行方を追う。その背景には長年に渡る、2国間の争いがあって…という内容。

原作は上橋菜穂子の小説。今回初監督の安藤、宮地も共にジブリとは関りが深いので、本作は相当宮崎作品を連想させる。でも上橋と言えば「精霊の守り人」だし、同じくProduction I.Gで制作された同作を思い出してもいいよな。

本作は例によって新型コロナ蔓延により、数度の延期を経て公開された。内容が病気を扱うものなので、ある意味タイムリー?(そんなタイムリー要らん)。病との闘いという観点では正直、描写が超常現象じみてて「?」となってしまうけれど…それこそが本作での、凄腕アニメーター監督ならではの見せ場だしなあ。
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