観てみた、山田尚子監督によるアニメーション映画。2016年公開。
小学生・将也のクラスに、聴覚障碍者の少女・硝子が転校して来る。集団内の異物である彼女を将也はいじめ、最終的に硝子は学校を去る事に。その責任を負う形で将也は周囲から孤立し、高校生になった現在では自殺まで考える様になった。そこで彼は過去を清算する為、硝子と再会するのだが…という内容。
原作は大今良時の漫画。アニメ版「名もなく貧しく美しく」…かと思ったら、幽霊を聾唖者と入れ替えた「あの花」みたいなお話だった。原作がいじめ関連で賛否両論の注目をされただけあって結構キツい描写が続くけど、大筋としては世界から孤立し怯える主人公が自己を取り戻す、リハビリ展開が中心と言えるだろう。
だから個人的には「名もなく〜」みたいに美しい手話描写が、京アニ作画で堪能出来るかと思ったら…殆どそんなシーンは無いんだな。とは言え繊細な映像で描いた、傷付きやすい少年少女の内面描写を観るだけでも本作の価値はある。
2018.12.10
映画 聲の形(えいが こえのかたち)
posted by ぬきやまがいせい at 22:08
| Comment(0)
| アニメ
2018.12.09
打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?
観てみた、新房昭之総監督によるアニメーション映画。2017年公開。
ある夏の日典道と祐介は、学校のプールで泳ぎの競争をする。その際2人が想いを寄せる同級生・なずなが、勝った方をその晩打ち上げられる花火を見に誘った。だが勝った祐介は、男友達との約束を優先してしまう。一方彼女が転校してしまうと知った典道がショックを受けた瞬間、不思議な珠が反応して…という内容。
岩井俊二監督の単発TVドラマ(後に劇場公開)を原作とする本作。元々は主人公の選択で変化する、異なる2つのストーリーを描く企画だった様だが…長編化するに当たり、数度に渡って展開をやり直す「ループ物」へアレンジされている。
まあ言ってしまえば、いかにもよくある類のアニメになったという気もするけれど…そこは新房総監督&シャフトなので、化物語のノウハウで再解釈をしたという感じ。流石に原作は今見ると古すぎてちとな(スラムダンクがワンピースになってて笑った)。ただ吹替の配役に関しては、原作の雰囲気を踏まえたのかも?
ある夏の日典道と祐介は、学校のプールで泳ぎの競争をする。その際2人が想いを寄せる同級生・なずなが、勝った方をその晩打ち上げられる花火を見に誘った。だが勝った祐介は、男友達との約束を優先してしまう。一方彼女が転校してしまうと知った典道がショックを受けた瞬間、不思議な珠が反応して…という内容。
岩井俊二監督の単発TVドラマ(後に劇場公開)を原作とする本作。元々は主人公の選択で変化する、異なる2つのストーリーを描く企画だった様だが…長編化するに当たり、数度に渡って展開をやり直す「ループ物」へアレンジされている。
まあ言ってしまえば、いかにもよくある類のアニメになったという気もするけれど…そこは新房総監督&シャフトなので、化物語のノウハウで再解釈をしたという感じ。流石に原作は今見ると古すぎてちとな(スラムダンクがワンピースになってて笑った)。ただ吹替の配役に関しては、原作の雰囲気を踏まえたのかも?
posted by ぬきやまがいせい at 21:50
| Comment(0)
| アニメ
2018.12.07
ファインディング・ドリー
観てみた。A・スタントン、A・マクレーン監督によるアニメ映画。2016年公開。
ナンヨウハギという魚のドリー。物事をすぐに忘れてしまう彼女は、家族や故郷の事もわからず茫漠とした日々を過ごしていた。だがある事を切っ掛けに彼女は両親の事を思い出し、カクレクマノミの親子・マーリン&ニモと共に旅に出る。しかし一行が辿り着いたのは、人間が管理する研究所の水槽で…という内容。
2003年に公開された「ファインディング・ニモ」の続編である本作。13年後に続きを出すとは大胆と言うか…公開当時に観た子供達も、いい歳になってるだろうよ。とは言え本作は単なる子供向けではなく前作と同様「ハンディキャップ」がテーマにあって、今回の主人公ドリーも「短期記憶障害」の症状に苦しんでいる。
楽しげな冒険ものであると共に、社会の一様でなさを子供達に自然と伝える内容なのは成る程巧みだ。…だからまあ自分なんかが観て、ドリーって主人公の器じゃないよねとか思うのは、やはり不純と言うか間違ってる気がしてしまうな。
ナンヨウハギという魚のドリー。物事をすぐに忘れてしまう彼女は、家族や故郷の事もわからず茫漠とした日々を過ごしていた。だがある事を切っ掛けに彼女は両親の事を思い出し、カクレクマノミの親子・マーリン&ニモと共に旅に出る。しかし一行が辿り着いたのは、人間が管理する研究所の水槽で…という内容。
2003年に公開された「ファインディング・ニモ」の続編である本作。13年後に続きを出すとは大胆と言うか…公開当時に観た子供達も、いい歳になってるだろうよ。とは言え本作は単なる子供向けではなく前作と同様「ハンディキャップ」がテーマにあって、今回の主人公ドリーも「短期記憶障害」の症状に苦しんでいる。
楽しげな冒険ものであると共に、社会の一様でなさを子供達に自然と伝える内容なのは成る程巧みだ。…だからまあ自分なんかが観て、ドリーって主人公の器じゃないよねとか思うのは、やはり不純と言うか間違ってる気がしてしまうな。
posted by ぬきやまがいせい at 22:39
| Comment(0)
| アニメ
2018.12.06
劇場版 天元突破グレンラガン
観てみた、今石洋之監督によるアニメーション映画。2008年、2009年公開。
地下で生きる事を強いられている人々。埋もれていたロボット「ラガン」を発見した少年シモンは地上の世界へと飛び出し、螺旋王や獣人といった脅威に立ち向かう事となる。彼は精神的支柱だった兄貴分カミナの死や、螺旋王の娘ニアとの出逢いを経て束の間の幸福を得たのだが、更なる危機が訪れて…という内容。
2007年に放映されたGAINAX制作のTVアニメ「天元突破グレンラガン」。2008年には「紅蓮篇」、その翌年には「螺巌篇」という2部作の形で公開されたのが劇場版である本作。…内容自体はTV版の総集編なので大筋としては変わらないけれど、両作ともクライマックスシーンをより派手に「盛って」る辺りが見所。
特に後編での展開は元の荒唐無稽さを更に上回るやりすぎ感で、一見の価値はある。…ただ筆者TV版を見たのが10年は前なので、ダイジェスト過ぎる進行には戸惑った。それでも現トリガースタッフの原点として、やはりいいもんだな。
地下で生きる事を強いられている人々。埋もれていたロボット「ラガン」を発見した少年シモンは地上の世界へと飛び出し、螺旋王や獣人といった脅威に立ち向かう事となる。彼は精神的支柱だった兄貴分カミナの死や、螺旋王の娘ニアとの出逢いを経て束の間の幸福を得たのだが、更なる危機が訪れて…という内容。
2007年に放映されたGAINAX制作のTVアニメ「天元突破グレンラガン」。2008年には「紅蓮篇」、その翌年には「螺巌篇」という2部作の形で公開されたのが劇場版である本作。…内容自体はTV版の総集編なので大筋としては変わらないけれど、両作ともクライマックスシーンをより派手に「盛って」る辺りが見所。
特に後編での展開は元の荒唐無稽さを更に上回るやりすぎ感で、一見の価値はある。…ただ筆者TV版を見たのが10年は前なので、ダイジェスト過ぎる進行には戸惑った。それでも現トリガースタッフの原点として、やはりいいもんだな。
posted by ぬきやまがいせい at 22:40
| Comment(0)
| アニメ
2018.12.04
劇場版 艦これ
観てみた、草川啓造監督によるアニメーション映画。2016年公開。
軍艦の魂を宿し、謎の敵・深海棲艦と戦う艦娘(かんむす)。ある日以前の戦闘で命を散らしたと思われていた艦娘、如月が無事な姿で回収される。ところが彼女は何と一旦深海棲艦に生まれ変わり、敵として砲火を交えていたのだ。いずれまた深海棲艦に戻ってしまう如月を前に、仲間の艦娘・吹雪は…という内容。
人気擬人化海戦ゲームを原作に、2015年に放映されたTVアニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」。本作はそちらの続編劇場版。…内容としては第二次大戦で行われた「鉄底海峡」を巡る戦いを元に、艦娘や世界観の真相が語られている。
のはいいんだけど、個人的にはその言い訳がましい設定が好きになれなくてなあ。まあ自分は既にゲームからは足を洗って久しいので、今更ブツクサ言っても仕方ないし、言うべき事でもないな。…本作はやけにシリアス化しており、これが「泣ける艦これ」かなんて。個人的には、動く龍驤が見られただけで満足。
軍艦の魂を宿し、謎の敵・深海棲艦と戦う艦娘(かんむす)。ある日以前の戦闘で命を散らしたと思われていた艦娘、如月が無事な姿で回収される。ところが彼女は何と一旦深海棲艦に生まれ変わり、敵として砲火を交えていたのだ。いずれまた深海棲艦に戻ってしまう如月を前に、仲間の艦娘・吹雪は…という内容。
人気擬人化海戦ゲームを原作に、2015年に放映されたTVアニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」。本作はそちらの続編劇場版。…内容としては第二次大戦で行われた「鉄底海峡」を巡る戦いを元に、艦娘や世界観の真相が語られている。
のはいいんだけど、個人的にはその言い訳がましい設定が好きになれなくてなあ。まあ自分は既にゲームからは足を洗って久しいので、今更ブツクサ言っても仕方ないし、言うべき事でもないな。…本作はやけにシリアス化しており、これが「泣ける艦これ」かなんて。個人的には、動く龍驤が見られただけで満足。
posted by ぬきやまがいせい at 21:37
| Comment(0)
| アニメ
2018.12.03
さよならの朝に約束の花をかざろう
観てみた。岡田麿里脚本、監督によるアニメーション映画。2018年公開。
代々ヒビオルという布を織って暮らす長命族イオルフ。「別れの一族」とも呼ばれる彼らはある日、メザーテ軍から襲撃を受けた。偶然戦禍を逃げ延びた少女マキアは、やはり戦場で親を失った赤子をエリアルと名付け育てる事に。一方捕らえられた親友のレイリアが、敵軍の王子と婚礼を挙げると知って…という内容。
これも「女の一代記」もの。本作は脚本家として知られる岡田が、初めて監督を手掛けたアニメ映画。ヨーロッパ中世風世界を舞台にエルフみたいに長命な一族を登場させて、母と子の出逢いと別れを描いている作品だけど…一女性の目を通したある種のホームドラマとも言えるので、これは岡田の得意な分野だろう。
だからまあやっぱりそういうのは、ガ○ダムでやるべき題材じゃないなと。とは言え初監督としては実に堂々とした内容で、今後の展開にも期待させるが…男性目線からだと、どこか物足りないのも正直な所。次は現代劇で勝負すべきかな。
代々ヒビオルという布を織って暮らす長命族イオルフ。「別れの一族」とも呼ばれる彼らはある日、メザーテ軍から襲撃を受けた。偶然戦禍を逃げ延びた少女マキアは、やはり戦場で親を失った赤子をエリアルと名付け育てる事に。一方捕らえられた親友のレイリアが、敵軍の王子と婚礼を挙げると知って…という内容。
これも「女の一代記」もの。本作は脚本家として知られる岡田が、初めて監督を手掛けたアニメ映画。ヨーロッパ中世風世界を舞台にエルフみたいに長命な一族を登場させて、母と子の出逢いと別れを描いている作品だけど…一女性の目を通したある種のホームドラマとも言えるので、これは岡田の得意な分野だろう。
だからまあやっぱりそういうのは、ガ○ダムでやるべき題材じゃないなと。とは言え初監督としては実に堂々とした内容で、今後の展開にも期待させるが…男性目線からだと、どこか物足りないのも正直な所。次は現代劇で勝負すべきかな。
posted by ぬきやまがいせい at 22:26
| Comment(0)
| アニメ
2018.11.30
KUBO / クボ 二本の弦の秘密
観てみた、トラヴィス・ナイト監督によるアニメーション映画。2016年公開。
三味線を弾きながら折り紙を自在に操る少年・クボ。彼は母親と漁村の近くで、隠れる様に暮らしている。クボの左眼は祖父である月の帝に奪われ、父親もまたこの世にはいなかった。村の灯籠流しの日、亡き父に向かって語りかけていたクボは、日没までに家に戻れという母からの言いつけを守れず…という内容。
幼い日に日本を訪れ衝撃を受けたという、ナイト監督による和風ファンタジー。本作も一見するとCGの様だが、コマ撮りのストップモーション映像で制作されている。内容的には時代劇というか、まるで日本の昔話そのものでユニーク。
かぐや姫や桃太郎等を自然に消化した上で、独自の物語に再構築する手腕は仲々。彼の地では翻訳資料も少なそうなのによく研究している。ただ月の帝や武具が中国風になって、やや混乱している様にも思ったけれど…日本だって竹取物語で月の使者は中華イメージで描いたりするから、多分そういう事では。
三味線を弾きながら折り紙を自在に操る少年・クボ。彼は母親と漁村の近くで、隠れる様に暮らしている。クボの左眼は祖父である月の帝に奪われ、父親もまたこの世にはいなかった。村の灯籠流しの日、亡き父に向かって語りかけていたクボは、日没までに家に戻れという母からの言いつけを守れず…という内容。
幼い日に日本を訪れ衝撃を受けたという、ナイト監督による和風ファンタジー。本作も一見するとCGの様だが、コマ撮りのストップモーション映像で制作されている。内容的には時代劇というか、まるで日本の昔話そのものでユニーク。
かぐや姫や桃太郎等を自然に消化した上で、独自の物語に再構築する手腕は仲々。彼の地では翻訳資料も少なそうなのによく研究している。ただ月の帝や武具が中国風になって、やや混乱している様にも思ったけれど…日本だって竹取物語で月の使者は中華イメージで描いたりするから、多分そういう事では。
posted by ぬきやまがいせい at 21:58
| Comment(0)
| アニメ
2018.11.29
犬ヶ島
観てみた、W・アンダーソン監督によるアニメーション映画。2018年公開。
今から20年後のメガ崎市では、犬たちに「ドッグ病」なる奇病が流行していた。そこで長年犬に対して憎しみを抱く一族の小林市長は、犬たちを全てゴミの投棄地である島に隔離する。そんな時チーフと呼ばれる野良犬が島で見たのは、愛犬を救出にやって来た市長の養子・小林アタリ少年の姿だった…という内容。
一見CG風だが、全編ストップモーション撮影により制作されたという本作。アンダーソン監督としては「ファンタスティック Mr.FOX」に続く、2作目のアニメ映画との事。…内容的には日本の伝統文化から現代サブカルチャーまで雑多な要素をパッチワークして、独特の世界観で描いたファンタジー作品となっている。
いかにも外国人が日本を曲解して作ったと言うよりも、寺山修司が自国文化を誇張して描いた感覚に近いのは結構すごい。…まあ個人的には先ず少年に恭順を示した犬4匹が、途中から完全に出番が無くなるのはひどくねえか?と。
今から20年後のメガ崎市では、犬たちに「ドッグ病」なる奇病が流行していた。そこで長年犬に対して憎しみを抱く一族の小林市長は、犬たちを全てゴミの投棄地である島に隔離する。そんな時チーフと呼ばれる野良犬が島で見たのは、愛犬を救出にやって来た市長の養子・小林アタリ少年の姿だった…という内容。
一見CG風だが、全編ストップモーション撮影により制作されたという本作。アンダーソン監督としては「ファンタスティック Mr.FOX」に続く、2作目のアニメ映画との事。…内容的には日本の伝統文化から現代サブカルチャーまで雑多な要素をパッチワークして、独特の世界観で描いたファンタジー作品となっている。
いかにも外国人が日本を曲解して作ったと言うよりも、寺山修司が自国文化を誇張して描いた感覚に近いのは結構すごい。…まあ個人的には先ず少年に恭順を示した犬4匹が、途中から完全に出番が無くなるのはひどくねえか?と。
posted by ぬきやまがいせい at 22:05
| Comment(0)
| アニメ
2018.10.31
ズートピア
観てみた、リッチ・ムーア監督他による3DCGアニメ映画。2016年公開。
肉食と草食の動物達が共存する社会。ウサギの少女ジュディは憧れだった警官になって、「ズートピア」へとやって来た。でも与えられる仕事は駐車違反取り締まりだけ。不満を感じる彼女は署長に直訴して、詐欺師のキツネ・ニックと共に連続誘拐事件の捜査に乗り出す。与えられたのは僅か48時間…という内容。
本作で製作総指揮を担当したジョン・ラセターの作品で個人的に割と共通した印象としてあるのは、既存の実写映画の「ガワ」を替えたアニメだなと。例えば本作は警察/探偵ものバディ作品を、動物のキャラへと置き換えた感じかな。
故に過去作られた作品の積み重ねを反映し優れた内容なのも確かだが、本作は更にそれに加えてキャラを動物にした事による、見事な化学変化まで起こしている。まあ本作の場合それは、米国における「人種問題」のアナロジーでもあって…本作を乱暴な言葉で表現したら、「動物版ミシシッピー・バーニング」だな。
肉食と草食の動物達が共存する社会。ウサギの少女ジュディは憧れだった警官になって、「ズートピア」へとやって来た。でも与えられる仕事は駐車違反取り締まりだけ。不満を感じる彼女は署長に直訴して、詐欺師のキツネ・ニックと共に連続誘拐事件の捜査に乗り出す。与えられたのは僅か48時間…という内容。
本作で製作総指揮を担当したジョン・ラセターの作品で個人的に割と共通した印象としてあるのは、既存の実写映画の「ガワ」を替えたアニメだなと。例えば本作は警察/探偵ものバディ作品を、動物のキャラへと置き換えた感じかな。
故に過去作られた作品の積み重ねを反映し優れた内容なのも確かだが、本作は更にそれに加えてキャラを動物にした事による、見事な化学変化まで起こしている。まあ本作の場合それは、米国における「人種問題」のアナロジーでもあって…本作を乱暴な言葉で表現したら、「動物版ミシシッピー・バーニング」だな。
posted by ぬきやまがいせい at 22:03
| Comment(0)
| アニメ
2018.10.30
カッパの三平
観てみた、平田敏夫監督によるアニメーション映画。1993年公開。
父母と離れ、祖父と田舎の村で暮らす少年・三平。ある日彼は川で溺れて、何と河童の国に囚われてしまった。三平は彼を助けてくれた河童のガータローと共に人間の世界に逃げ延びるも、祖父はこの世を去る。彼は消息を絶った母親と再会する為に、子守歌を手掛かりに地下の世界を目指すのだが…という内容。
原作は水木しげるの漫画(元は紙芝居らしい)。「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」より知名度は落ちるものの、1968年には「河童の三平 妖怪大作戦」としてTVドラマ化もされている。本作は「にっかつ児童映画」の制作による劇場アニメ。
てっきり東映アニメーション作品かと思ったら違うんだな。…本作は冒頭に文部省やらPTAやら推薦のテロップが数々出て来るだけあって、まあかなり優等生的な内容。鬼太郎や悪魔くんと違ってバトル展開にはならないから少々地味なのも仕方ないが、逆に水木アニメとしては民俗学的な雰囲気があるのは面白い。
父母と離れ、祖父と田舎の村で暮らす少年・三平。ある日彼は川で溺れて、何と河童の国に囚われてしまった。三平は彼を助けてくれた河童のガータローと共に人間の世界に逃げ延びるも、祖父はこの世を去る。彼は消息を絶った母親と再会する為に、子守歌を手掛かりに地下の世界を目指すのだが…という内容。
原作は水木しげるの漫画(元は紙芝居らしい)。「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」より知名度は落ちるものの、1968年には「河童の三平 妖怪大作戦」としてTVドラマ化もされている。本作は「にっかつ児童映画」の制作による劇場アニメ。
てっきり東映アニメーション作品かと思ったら違うんだな。…本作は冒頭に文部省やらPTAやら推薦のテロップが数々出て来るだけあって、まあかなり優等生的な内容。鬼太郎や悪魔くんと違ってバトル展開にはならないから少々地味なのも仕方ないが、逆に水木アニメとしては民俗学的な雰囲気があるのは面白い。
posted by ぬきやまがいせい at 22:35
| Comment(0)
| アニメ
2018.10.22
劇場版 マジンガーZ / INFINITY
観てみた、志水淳児監督によるアニメーション映画。2017年公開。
マジンガーZ操縦者としての戦いを終えて10年、兜甲児は科学者の道に進んでいた。ある日彼は地下に埋まった巨大な人型構造物の中から現れた、少女型ロボット・リサに遭遇する。一方剣鉄也の乗るグレートマジンガーが何者かに襲われる。それは倒したはずのDr.ヘルが操る機械獣の群だった…という内容。
永井豪原作による「マジンガーZ」「グレートマジンガー」の続編となる劇場アニメ(本来続編としては既に「グレンダイザー」が存在するけれど、本作ではそちらは無視されている)。続編というか、堂々たる完結編的な内容となっている。
原作の持つお約束やテイストを丁寧に踏まえた上で、作品や作り手/受け手に経過した時間や変化の要素を加えた、味わい深い内容になっているのが心憎い。個人的には今永井作品をやるに際し、原作要素に寄りかかりすぎると失敗するという持論があるので、本作の距離感はまさに絶妙と言わざるを得なかった。
マジンガーZ操縦者としての戦いを終えて10年、兜甲児は科学者の道に進んでいた。ある日彼は地下に埋まった巨大な人型構造物の中から現れた、少女型ロボット・リサに遭遇する。一方剣鉄也の乗るグレートマジンガーが何者かに襲われる。それは倒したはずのDr.ヘルが操る機械獣の群だった…という内容。
永井豪原作による「マジンガーZ」「グレートマジンガー」の続編となる劇場アニメ(本来続編としては既に「グレンダイザー」が存在するけれど、本作ではそちらは無視されている)。続編というか、堂々たる完結編的な内容となっている。
原作の持つお約束やテイストを丁寧に踏まえた上で、作品や作り手/受け手に経過した時間や変化の要素を加えた、味わい深い内容になっているのが心憎い。個人的には今永井作品をやるに際し、原作要素に寄りかかりすぎると失敗するという持論があるので、本作の距離感はまさに絶妙と言わざるを得なかった。
posted by ぬきやまがいせい at 21:16
| Comment(0)
| アニメ
2018.08.25
ハーモニー
観てみた。なかむらたかし、M・アリアス監督によるアニメ映画。2015年公開。
「大災禍」を経て人々が健康な生活を享受する様になった時代。WHO監察官のトァンは学生時代、ミァハという同級生の導きで自殺未遂を起こしていた。そして帰郷した彼女の前で旧友キアンが、不特定多数の人々と共に自殺してしまう。彼女は背後に失踪した父親と、死んだ筈のミァハの存在を感じ…という内容。
夭折のSF作家、伊藤計劃の最終長編が原作。アリアス監督は「鉄コン筋クリート」、なかむら監督は奇作「パルムの樹」の人なので、どんな感じかと思ったら…大筋では原作そのまま。電脳会議の様子などになかむら監督らしいセンスが感じられるのに加えて、内容では多少感傷的な百合風にアレンジしている感じ。
まあアニメでは意識云々のカタストロフが、今一つ伝わらない気がしたけれど…それより原作通りなら、ヒロイン2人はアラサーな筈なんだよねえ。正直高校時代以上に不思議ちゃんと化したミァハが結構きっついなあと。大きなお世話か。
「大災禍」を経て人々が健康な生活を享受する様になった時代。WHO監察官のトァンは学生時代、ミァハという同級生の導きで自殺未遂を起こしていた。そして帰郷した彼女の前で旧友キアンが、不特定多数の人々と共に自殺してしまう。彼女は背後に失踪した父親と、死んだ筈のミァハの存在を感じ…という内容。
夭折のSF作家、伊藤計劃の最終長編が原作。アリアス監督は「鉄コン筋クリート」、なかむら監督は奇作「パルムの樹」の人なので、どんな感じかと思ったら…大筋では原作そのまま。電脳会議の様子などになかむら監督らしいセンスが感じられるのに加えて、内容では多少感傷的な百合風にアレンジしている感じ。
まあアニメでは意識云々のカタストロフが、今一つ伝わらない気がしたけれど…それより原作通りなら、ヒロイン2人はアラサーな筈なんだよねえ。正直高校時代以上に不思議ちゃんと化したミァハが結構きっついなあと。大きなお世話か。
posted by ぬきやまがいせい at 02:44
| Comment(0)
| アニメ
2018.08.24
虐殺器官
観てみた、村瀬修功監督によるアニメーション映画。2017年公開。
サラエボで核爆弾テロが発生した後の混迷する世界。極秘に暗殺任務を行う米国情報軍所属のシェパード大尉は、世界各地の紛争地帯で虐殺に関係していると思しき「ジョン・ポール」という男の足取りを追っていた。大尉はプラハの町で、彼の恋人であるルツィアという女性との接触に成功するのだが…という内容。
夭折のSF作家、伊藤計劃のデビュー長編が原作。本作は制作を担当していたアニメ会社が倒産した為に当初の公開日より延期されたものの、後を引き継いだジェノスタジオの手で無事完成された。本作の内容自体は大筋で原作をなぞったものだが…原作の特徴と評される、「ナイーブさ」は後退してしまった様な。
主人公と母親との関係をオミットしてしまったのは、やはり印象としては結構変わって来るな…特に最終的決断への動機に関わる部分なので(折角の衝撃的ラストなんだからお茶を濁さず、きっちり見せておくべきだったとも思うし)。
サラエボで核爆弾テロが発生した後の混迷する世界。極秘に暗殺任務を行う米国情報軍所属のシェパード大尉は、世界各地の紛争地帯で虐殺に関係していると思しき「ジョン・ポール」という男の足取りを追っていた。大尉はプラハの町で、彼の恋人であるルツィアという女性との接触に成功するのだが…という内容。
夭折のSF作家、伊藤計劃のデビュー長編が原作。本作は制作を担当していたアニメ会社が倒産した為に当初の公開日より延期されたものの、後を引き継いだジェノスタジオの手で無事完成された。本作の内容自体は大筋で原作をなぞったものだが…原作の特徴と評される、「ナイーブさ」は後退してしまった様な。
主人公と母親との関係をオミットしてしまったのは、やはり印象としては結構変わって来るな…特に最終的決断への動機に関わる部分なので(折角の衝撃的ラストなんだからお茶を濁さず、きっちり見せておくべきだったとも思うし)。
posted by ぬきやまがいせい at 22:26
| Comment(0)
| アニメ
2018.07.30
ハイスクール・フリート OVA
見てみた、信田ユウ監督によるOVA。2017年発表。
初の実習航海の際RATt事件に巻き込まれ、乗艦を失った横須賀女子海洋学校の「晴風」クルー。現在は始末書執筆に追われる艦長・岬明乃に代わって、記録員・納沙幸子が乗員全員に通達事項が記された封筒を手渡す事になる。だが晴風クラスには事件の後処理で、解散になるという噂があって…という内容。
2016年に放映されたTVアニメシリーズの、続編となるOVA。更に劇場版製作がアナウンスされたので、本作はまあ繋ぎの話となる訳だが…主役メカの乗り換えエピソードという側面もあるな。ただ別にパワーアップは伴わない上に名前変更もないので、どちらかと言うとアイアンギアクルーが同型艦を乗っ取った感じか。
内容自体は戦闘の無い日常話。脇キャラ個々に焦点を当てて掘り下げるものだけに、ミケちゃんにほとんど出番が無い辺り個人的には残念。まあ本作の場合これでいいんじゃないかという気もするけど…何だかんだ映画は楽しみすな。
初の実習航海の際RATt事件に巻き込まれ、乗艦を失った横須賀女子海洋学校の「晴風」クルー。現在は始末書執筆に追われる艦長・岬明乃に代わって、記録員・納沙幸子が乗員全員に通達事項が記された封筒を手渡す事になる。だが晴風クラスには事件の後処理で、解散になるという噂があって…という内容。
2016年に放映されたTVアニメシリーズの、続編となるOVA。更に劇場版製作がアナウンスされたので、本作はまあ繋ぎの話となる訳だが…主役メカの乗り換えエピソードという側面もあるな。ただ別にパワーアップは伴わない上に名前変更もないので、どちらかと言うとアイアンギアクルーが同型艦を乗っ取った感じか。
内容自体は戦闘の無い日常話。脇キャラ個々に焦点を当てて掘り下げるものだけに、ミケちゃんにほとんど出番が無い辺り個人的には残念。まあ本作の場合これでいいんじゃないかという気もするけど…何だかんだ映画は楽しみすな。
posted by ぬきやまがいせい at 21:52
| Comment(0)
| アニメ
2018.07.28
夜明け告げるルーのうた
観てみた、湯浅政明監督によるアニメーション映画。2017年公開。
東京から祖父の実家がある港町に移り住んだ少年、足元カイ。音楽の才能を持つ彼は、同級生の遊歩と国夫からバンド活動を誘われていた。そんな彼の奏でる音楽に誘われて、人魚のルーが姿を現す。音楽に合わせて華麗に踊る動画が大評判になったルーは、町興しを狙う人々から目を付けられて…という内容。
本作は湯浅監督の劇場アニメとしては3本目であると共に、「マインド・ゲーム」以来のオリジナル作品。ただ内容的には、「崖の上のポニョ」との共通点が指摘される事が多い。だからストーリー自体、そこまで重視しても仕方ないのかも。むしろ(まさに水流のごとくに)溢れるイマジネーションに浸るべき映画なのでは。
四角く区切られた水が宙に浮き、奔放な流れを形作る。毎度の湯浅流作画だけに現実感には乏しいものの、まさに奔流と言うべきイメージに圧倒される。結局マインド〜同様マニア向けと言うのは残念な気がするけど、これはこれで良い。
東京から祖父の実家がある港町に移り住んだ少年、足元カイ。音楽の才能を持つ彼は、同級生の遊歩と国夫からバンド活動を誘われていた。そんな彼の奏でる音楽に誘われて、人魚のルーが姿を現す。音楽に合わせて華麗に踊る動画が大評判になったルーは、町興しを狙う人々から目を付けられて…という内容。
本作は湯浅監督の劇場アニメとしては3本目であると共に、「マインド・ゲーム」以来のオリジナル作品。ただ内容的には、「崖の上のポニョ」との共通点が指摘される事が多い。だからストーリー自体、そこまで重視しても仕方ないのかも。むしろ(まさに水流のごとくに)溢れるイマジネーションに浸るべき映画なのでは。
四角く区切られた水が宙に浮き、奔放な流れを形作る。毎度の湯浅流作画だけに現実感には乏しいものの、まさに奔流と言うべきイメージに圧倒される。結局マインド〜同様マニア向けと言うのは残念な気がするけど、これはこれで良い。
posted by ぬきやまがいせい at 22:54
| Comment(0)
| アニメ
2018.07.27
くもとちゅうりっぷ
観てみた、政岡憲三監督によるアニメーション映画。1943年公開。
昆虫の世界。巣を張り巡らして獲物を探すクモは、楽しげに歌うテントウ虫の少女に、自分のハンモックに寝てみないかと誘う。それを断るテントウ虫に執拗にクモが付きまとい、見るに見かねたチューリップが彼女を救って逃がしてやる。怒ったクモはチューリップの花を、糸でグルグル巻きにしてしまい…という内容。
横山美智子の童話を原作とする本作は「日本アニメの父」とも呼ばれる政岡監督により、日米戦争の行われる只中に製作された。16分程の短編ながら当時は大変貴重だった「セル」を用いている上、(「桃太郎 海の神兵」等の様に戦意高揚を目的としない)メルヘンチックな内容が現在も高く評価されているとの事。
まあ今の感覚だと自然界の法則に従っているだけのクモを、まるで悪者みたいに描いている辺りどうなの?…という気もしてしまうけど。それでも丁寧に描写された作画や、(元祖萌えキャラ?)テントウ虫のコケティッシュさ等見所は多い。
昆虫の世界。巣を張り巡らして獲物を探すクモは、楽しげに歌うテントウ虫の少女に、自分のハンモックに寝てみないかと誘う。それを断るテントウ虫に執拗にクモが付きまとい、見るに見かねたチューリップが彼女を救って逃がしてやる。怒ったクモはチューリップの花を、糸でグルグル巻きにしてしまい…という内容。
横山美智子の童話を原作とする本作は「日本アニメの父」とも呼ばれる政岡監督により、日米戦争の行われる只中に製作された。16分程の短編ながら当時は大変貴重だった「セル」を用いている上、(「桃太郎 海の神兵」等の様に戦意高揚を目的としない)メルヘンチックな内容が現在も高く評価されているとの事。
まあ今の感覚だと自然界の法則に従っているだけのクモを、まるで悪者みたいに描いている辺りどうなの?…という気もしてしまうけど。それでも丁寧に描写された作画や、(元祖萌えキャラ?)テントウ虫のコケティッシュさ等見所は多い。
posted by ぬきやまがいせい at 22:59
| Comment(0)
| アニメ
2018.07.24
桃太郎 海の神兵
観てみた、瀬尾光世監督によるアニメーション映画。1945年公開。
休暇で帰郷した少年兵の犬、猿、雉とそれに熊。久々に再会した郷里の弟から訊ねられて猿は、自分が航空兵だと説明する。だが実際には彼らは極秘に編成された海軍の落下傘部隊で、桃太郎隊長指揮の下日々訓練に明け暮れていた。そして遂に鬼ヶ島を占領した鬼共を、急襲する作戦の命が下り…という内容。
手塚治虫も戦争真っ直中の公開当時に観たという、日本初の長編アニメ映画。当時実際に行われた空挺降下作戦を題材にした国威発揚作品である。…少年兵の帰郷から始まる辺りは「ハワイマレー沖海戦」を連想させるけど、(そちらと違い)落下傘部隊への取材が許されただけあって、詳細な描写に驚かされた。
まだまだ発展途上のアニメ技術や戦時下の窮乏も伺わせるが、それを上回る熱意が感じられて素晴らしい。「あいうえお」ミュージカルの楽しさや、ポパイパロディ等のお陰で、下品にならず済んだのは製作者のセンスあってのものだろう。
休暇で帰郷した少年兵の犬、猿、雉とそれに熊。久々に再会した郷里の弟から訊ねられて猿は、自分が航空兵だと説明する。だが実際には彼らは極秘に編成された海軍の落下傘部隊で、桃太郎隊長指揮の下日々訓練に明け暮れていた。そして遂に鬼ヶ島を占領した鬼共を、急襲する作戦の命が下り…という内容。
手塚治虫も戦争真っ直中の公開当時に観たという、日本初の長編アニメ映画。当時実際に行われた空挺降下作戦を題材にした国威発揚作品である。…少年兵の帰郷から始まる辺りは「ハワイマレー沖海戦」を連想させるけど、(そちらと違い)落下傘部隊への取材が許されただけあって、詳細な描写に驚かされた。
まだまだ発展途上のアニメ技術や戦時下の窮乏も伺わせるが、それを上回る熱意が感じられて素晴らしい。「あいうえお」ミュージカルの楽しさや、ポパイパロディ等のお陰で、下品にならず済んだのは製作者のセンスあってのものだろう。
posted by ぬきやまがいせい at 21:42
| Comment(0)
| アニメ
2018.07.23
宇宙ショーへようこそ
観てみた、舛成孝二監督によるアニメーション映画。2010年公開。
夏休みに子供達だけで行う合宿に集まった、夏紀を始めとする小学生5人。そこで彼らは森の中で傷付き倒れていた、犬そっくりの宇宙人・ポチと出逢う。彼は助けてもらった礼として、皆を月旅行に招待する。月は実は宇宙人達の一大観光施設になっていた。夏紀達はそこで「宇宙ショー」の存在を知り…という内容。
倉田英之脚本、舛成監督の「かみちゅ!」コンビによるアニメ映画。少年少女によるひと夏の冒険、と書くとまた宮崎アニメシンドロームかよと思ってしまうところだが…実際は「モンスターズ・インク」等のピクサー作品を、日本アニメに落とし込んだ感じ(それから主題歌は、歌の上手いおばちゃんことスーザン・ボイル)。
ゆるキャラだらけの中で進む内容は楽しげだが、次第に生真面目なアクション展開になる辺りいかにも日本のアニメと言うべきか。…まあピクサーの様にファミリー向けにならないのは、上記コンビのオタク的気質が根本にあるからだろう。
夏休みに子供達だけで行う合宿に集まった、夏紀を始めとする小学生5人。そこで彼らは森の中で傷付き倒れていた、犬そっくりの宇宙人・ポチと出逢う。彼は助けてもらった礼として、皆を月旅行に招待する。月は実は宇宙人達の一大観光施設になっていた。夏紀達はそこで「宇宙ショー」の存在を知り…という内容。
倉田英之脚本、舛成監督の「かみちゅ!」コンビによるアニメ映画。少年少女によるひと夏の冒険、と書くとまた宮崎アニメシンドロームかよと思ってしまうところだが…実際は「モンスターズ・インク」等のピクサー作品を、日本アニメに落とし込んだ感じ(それから主題歌は、歌の上手いおばちゃんことスーザン・ボイル)。
ゆるキャラだらけの中で進む内容は楽しげだが、次第に生真面目なアクション展開になる辺りいかにも日本のアニメと言うべきか。…まあピクサーの様にファミリー向けにならないのは、上記コンビのオタク的気質が根本にあるからだろう。
posted by ぬきやまがいせい at 22:38
| Comment(0)
| アニメ
2018.07.21
きみの声をとどけたい
観てみた、伊藤尚往監督によるアニメーション映画。2017年公開。
女子高生・行合なぎさはある日商店街の一角に、ラジオ放送設備の整った閉鎖中の喫茶店を見つける。そこはかつて矢沢紫音の母が、ミニFM局を運営していた場所なのだ。事故のために12年もの間意識不明である紫音の母に「声」を聞かせるべく、なぎさは友人達を集めて再びFM放送を始めるのだが…という内容。
新人声優発掘企画「キミコエ・プロジェクト」の下に製作された本作。それゆえ主要キャストはほぼオーディション選考による新人声優で、内容の方でも「声」を主題としたものとなっている。個人的には同じく女子高生ものでマッドハウス制作、映像的な雰囲気等から「宇宙よりも遠い場所」と似た印象があったんだけど…
この2作はむしろ、「相違点」から語った方がよい気がするという位、正反対な印象を持った。筆者がいちいち挙げるよりは実際観て比較した方がいいと思うけれど…とは言え比較した事で、両作とも「これはこれで」という風に感じられたかも。
女子高生・行合なぎさはある日商店街の一角に、ラジオ放送設備の整った閉鎖中の喫茶店を見つける。そこはかつて矢沢紫音の母が、ミニFM局を運営していた場所なのだ。事故のために12年もの間意識不明である紫音の母に「声」を聞かせるべく、なぎさは友人達を集めて再びFM放送を始めるのだが…という内容。
新人声優発掘企画「キミコエ・プロジェクト」の下に製作された本作。それゆえ主要キャストはほぼオーディション選考による新人声優で、内容の方でも「声」を主題としたものとなっている。個人的には同じく女子高生ものでマッドハウス制作、映像的な雰囲気等から「宇宙よりも遠い場所」と似た印象があったんだけど…
この2作はむしろ、「相違点」から語った方がよい気がするという位、正反対な印象を持った。筆者がいちいち挙げるよりは実際観て比較した方がいいと思うけれど…とは言え比較した事で、両作とも「これはこれで」という風に感じられたかも。
posted by ぬきやまがいせい at 22:09
| Comment(0)
| アニメ
2018.07.20
ポッピンQ
観てみた、宮原直樹監督によるアニメーション映画。2016年公開。
中学卒業を目前に控えながら、家庭や学校生活に悩みや問題を抱える少女達、伊純、蒼、小夏、あさひ。4人は異世界「時の谷」に喚び出され、不思議な生き物・ポッピン族に世界を危機から救うよう頼まれる。その手段はなんとダンス。仲々息の合わない彼女達の前に、ダンス経験者の沙紀が現れて…という内容。
東映アニメーション60周年を記念して製作された本作。同じく記念作である「タイガーマスクW」が過去の名作の続編だったのに対し、本作は新規企画によるオリジナルとなっている。…ただ宮原監督が「プリキュア」シリーズの3DCG担当だった事もあって、そちらと同様ファンタジーやダンス要素が採り入れられている。
というか黒星紅白絵でバトル要素が控えめという以外、ほぼプリキュアだ。ただそちらが1年掛けてやる話を90分程で済ませてしまうので、キャラにも内容にもちっとも愛着が湧いてこない。色々勿体ないと思うものの…続編は要らないな。
中学卒業を目前に控えながら、家庭や学校生活に悩みや問題を抱える少女達、伊純、蒼、小夏、あさひ。4人は異世界「時の谷」に喚び出され、不思議な生き物・ポッピン族に世界を危機から救うよう頼まれる。その手段はなんとダンス。仲々息の合わない彼女達の前に、ダンス経験者の沙紀が現れて…という内容。
東映アニメーション60周年を記念して製作された本作。同じく記念作である「タイガーマスクW」が過去の名作の続編だったのに対し、本作は新規企画によるオリジナルとなっている。…ただ宮原監督が「プリキュア」シリーズの3DCG担当だった事もあって、そちらと同様ファンタジーやダンス要素が採り入れられている。
というか黒星紅白絵でバトル要素が控えめという以外、ほぼプリキュアだ。ただそちらが1年掛けてやる話を90分程で済ませてしまうので、キャラにも内容にもちっとも愛着が湧いてこない。色々勿体ないと思うものの…続編は要らないな。
posted by ぬきやまがいせい at 22:28
| Comment(2)
| アニメ