2017.04.09

龍の歯医者

見てみた、鶴巻和哉監督によるスペシャルTVアニメ。2017年放映。

巨大な龍が実在する世界。だが強大な龍も弱点の歯に異状を来すと力が発揮できない。そこで龍の体表上で暮らし歯の治療を行う、「龍の歯医者」という職能集団が存在していた。ある日新米歯医者の野ノ子は、龍の歯の中から敵軍の少年ベルを救い出す。だが彼は既に命を失い「黄泉返った」者で…という内容。

元々「日本アニメ(ーター)見本市」の短編として発表されたものを、1時間半程の前後編として再構成しNHK-BSで放映したのが本作。すごく大雑把に言えば東洋風ファンタジー世界の退魔物だが…戦う相手が虫歯菌だったり、世界観的に第一次〜二次大戦風の戦闘描写が採り入れられている辺り、独自の雰囲気。

殊に独特なのはその死生観というか、宗教(?)観なのだが…本作のヒロイン・野ノ子を演じた清水富美加というのが、例の幸福の科学に出家した人。そう考えるとまるで、天に愛されたかの如くに奇跡的な配役とでも言うか。何と言うか。
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2017.04.07

ひるね姫 -知らないワタシの物語-

観てみた、神山健治監督によるアニメーション映画。2017年公開。

女子高生の森川ココネは、機械国の王女エンシェンとして活躍する夢を繰り返し見ていた。幼い頃母を亡くし、自動車整備士の父親と岡山で2人暮らしの彼女。だがある日父が警察に逮捕され、更に彼から託されたタブレットを狙う何者かに追われる事に。ココネは現実そして夢の中で困難に立ち向かい…という内容。

女子高生の冒険物語に異世界ファンタジー、更に今話題の自動車の完全自動運転やロボット物要素を加えるという、神山監督らしい盛り沢山な内容。…なんだけど要は(貴種流離譚を経て)修復する家族を描いたシンプルなストーリーであって、アニメアニメした表面的描写なんかサービスみたいなもんじゃないか。

個人的には「東のエデン」との共通点が窺えるのが興味深い。社会変革ゲームというSF的課題を主人公の出生話にすり替えちゃったそちらと違い、最初からココネの「ルーツ探索」を描いた本作は、同テーマの完成形と言ってよいかと。
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2017.04.06

モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-(もーれつぱいれーつ あびすおぶはいぱーすぺーす あくうのしんえん)

観てみた、佐藤竜雄監督によるアニメーション映画。2014年公開。

私掠船免状を持つ「宇宙海賊」である女子高生、加藤茉莉香。彼女が今回受けた仕事は、謎の集団から追われる無限彼方という少年の保護。彼は宇宙の深淵とも言うべき亜空間航路の研究で知られる、無限博士の息子だった。父親に複雑な感情を抱く彼方も、茉莉香達にやがて心を開いていくのだが…という内容。

笹本祐一の小説「ミニスカ宇宙海賊」を原作とする、TVアニメの劇場版である本作。時系列上では続編だけど、内容は外伝的なものとなっている。女子高生であり海賊だという辺りが売りのシリーズだが、今回は女子高生要素が強めと言うか…弁天丸の戦闘は殆ど無いと言っていい感じで、少々拍子抜けかも。

その代わりに謎解き要素や、亜空間を深海潜行に準えた展開が見せ場なのだけれど…どうもTV版と較べると今一つSF的な感性をくすぐってくれんな。とは言え近年のアニメでは希少なスペオペ作品だけに、次の展開もあったらいいな。
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2017.04.05

ガールズ&パンツァー 劇場版

観てみた、水島努監督によるアニメーション映画。2015年公開。

戦車道全国大会の優勝で、母校の廃校を回避した西住みほら大洗女子学園の生徒達。だがエキシビションマッチを終えた彼女達に届いたのは、口約束を反古にする廃校通告だった。失意の中転校手続きの為実家に戻ったみほは、姉のまほと再会する。そして学園に再び、廃校撤回のチャンスが訪れて…という内容。

TVアニメシリーズの続編である本作、何だかプリキュアのオールスター映画を連想させるファンムービーといった感じ。観ていてガルパンってこんなローテンションなアニメだっけ?、という感想なんだけど…多数のキャラや戦車に満遍なく台詞や出番を割り振ったお陰で、単調な上に緩急のない内容になってしまった。

とは言え更に新作も決まった今では、それこそ純粋なファンムービーとして楽しめばいい。センチュリオンやM26といったWW2後発組の投入もあって、劇場版に名前負けはしてないけれど…続編の方に出す車輛残ってたかなと、ちと心配。
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2017.04.04

GAMBA ガンバと仲間たち

観てみた、河村友宏監督他による3DCGアニメーション映画。2015年公開。

海に憧れる町ネズミのガンバは、幼馴染みのマンプクと共に旅立つ。辿り着いた港で、夢見が島から来た忠太と出逢うガンバ。彼の故郷は恐るべき白イタチ・ノロイの襲撃を受けて甚大な被害が出たというのだ。島を救うべくガンバはヨイショやガクシャを始め、頼れる仲間と共に大海ヘ船出するのだが…という内容。

原作は斎藤惇夫の小説。出崎統監督によるTVアニメの印象も強いが…筆者もそちらと較べない訳にはいかなかったな。とは言え名作の誉れ高いTV版には流石に及ばないものの、原作の優れた要素は汲み取っており意外と楽しめた。

ただ(最近Eテレでやっていた、ピクサースタッフのTEDプレゼンを見たせいで)CGアニメにおける照明や、光線に対する配慮の欠如が気になってしまってどうも。あとネズミなのに毛のフワフワ感が無くて、ボディスーツみたいなのが気色悪くてなあ。データ量とかの都合かもしれないけれど、致命的に可愛くないのが…
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2017.01.20

超神伝説うろつき童子

見てみた、高山秀樹監督によるオリジナル・アニメーション・ビデオ。

3000年に一度出現するという「超神」を求めて、人間界にやって来た獣人・天邪鬼。彼は恐るべき霊力を発揮する少年・南雲辰夫を見出すのだが、その振る舞いは余りにも邪悪で伝説の内容と反していた。やがて南雲は…という内容。

前田俊夫の漫画を原作にアダルト作品として製作されたOVA。近年でも派生作が作られている長期シリーズだが、本項は1987年から1989年にかけて発売された「初期三部作」に関して触れる。同作は容赦無いエロス&バイオレンス描写で大変なセールスを上げると共に、海外でも高く評価された事で知られる。

筆者は当時2巻まで見てふーんって感じだったんだけど…今回改めて最後まで見て、確かに大変な名作だって納得したわ。スペクタクル場面での破格な作画や何でか消しの甘いエロ描写(LD-BOXで見たから)等だけでなく、結末における宇宙的視野の終末展開と、一縷の希望を託す天邪鬼の叫びに心震わされた。
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2017.01.19

DETONATORオーガン

見てみた。大張正己監督によるオリジナル・ビデオ・アニメーション。

西暦2292年。外宇宙から送られて来た通信データを元に作成されたマシンは、戦士「オーガン」の肉体だった。彼と一体化した地球の青年・真道トモルは、宇宙からやって来る破壊者イバリューダーと戦う事になるのだが…という内容。

1991年から1992年にかけて全3巻で発売されたOVAの本作、凄腕メカアニメーターとして注目されていた大張が手掛けた初の単独監督作でもある。…「アンドロメダのA」等のSF作品からの影響が興味深いが、本作は元々テッカマンのリメイク企画だったそうで、「〜ブレード」との共通点が散見される辺りも面白い。

個人的には以前1巻だけ見てそれきりだった。バリ全開の戦闘等今見ても流石ながら、当時はそこまで突出した作品ではなかった気もするが…時代の変化もあって実に楽しめる。時間経過と言えばオタ界隈で急に知名度を増した平沢進の音楽も貴重で、この劇伴あって生れる独特の存在感に関しては唯一無二かも。
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2017.01.07

屍者の帝国

観てみた、牧原亮太郎監督によるアニメーション映画。2015年公開。

19世紀末。フランケンシュタイン博士の開発した蘇生術により、屍者を様々な労働に使役する時代が到来していた。英国の医学生ワトソンは無許可で蘇生した屍者・フライデーと共に、諜報活動に従事する事に。彼らが探し求めるのは博士が残した「手記」。果たしてそこに書かれた恐るべき内容とは…という内容。

夭折の作家・伊藤計劃の絶筆原稿を、友人である円城塔が遺族の許可を得て完成させたというスチームパンクSF。そうした経緯が失われた手記を探索する本作の物語とシンクロしているが…内容の方も実在の人物や創作の有名キャラが入り乱れつつ進行する、メタ的な入れ子構造を採り入れたものとなっている。

フランケンシュタインやホームズ等は、筆者も読んでいるので割と楽しめたけれど…表面的な印象自体は「有名人大集合物」と「ゾンビ物」を合体させた、近年では手垢付きまくりなものに見えてしまうのが、ちょっと勿体なかったかな。
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2016.11.14

この世界の片隅に

観てみた、片渕須直監督によるアニメーション映画。2016年公開。

夢見がちで絵の得意な少女・すず。広島の江波で暮らしていた彼女は、面識の無い青年・北條周作の住む呉へと嫁いでいく。米国との戦争が激しさを増し物資が欠乏するする中、やりくりと工夫を重ねて義父母や夫と共に難局を乗り越えていく。だが実家に戻っていた義姉の娘が、すずと外出した際に…という内容。

(いい加減しつこい表現で申し訳ないけれど)「女の一代記物」映画。…原作はこうの史代の漫画で、過去にはTVドラマ化もされた。本作アニメ版は、クラウドファンディングによる資金を元にした製作。内容的には戦争の前後における広島での暮らし振りを、一女性の目を通して時に軽妙に、時に緊張の中で描いている。

アニメならではの婉曲表現を得て、俯瞰的にあの時代を描いた事に意義を感じる。勿論2016年の今だから持ち得た視点でもある訳だが…丘の上から世界を見晴るかすあの場所だからこそ、「片隅」であり「中心」にもなり得たのだろう。
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2016.10.26

ドラえもん のび太とふしぎ風使い

観てみた、芝山努監督によるアニメーション映画。2003年公開。

ある日のび太は不思議な台風の子供と出逢い、「フー子」と名付けて可愛がる。ドラえもん達と共に遊びに出掛けた際彼らは洞窟の中に吸い込まれ、風使いの民が暮らす村へと辿り着いた。その一方封印を解かれた古代の怪物・マフーガがスネ夫の身体を乗っ取り、嵐の民を従えて風使いの村を襲い…という内容。

旧ドラえもん劇場版シリーズの第24作で、同時上映は「Pa-Pa-Pa ザ★ムービー パーマン」。そちらでは90式戦車が登場し、発射したAPFSDSの弾芯が空中に静止するという、結構興味深いミリタリー描写があるんだけど知ってるかな? …いや何の話って、本当はそっちを見たかったのだけれど。同時収録されてる筈のDVDをレンタルしたら、届いたのは何故か本作単品のものだったのだよ。

まあ仕方ない。本作では明瞭に宮崎作品を意識しているのが窺える辺り興味深いが…名エピソード「台風のフー子」をこんな形で持ち出されるのはちとな。
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2016.10.22

THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!

観てみた、錦織敦史監督によるアニメーション映画。2014年公開。

天海春香を始めとする765プロのアイドル達が、新たに取り組む事になったのはアリーナでのライブだった。そこで新人バックダンサーを加え合宿に臨むのだが、その際長年彼女達を支えたプロデューサーの海外留学が判明し動揺が走る。更に新人の1人である矢吹可奈が、練習に欠席がちになって…という内容。

人気ゲームのアニメ化であるTVシリーズからの続編映画。TV版は基本的に困難や障害こそあっても常に上昇を続ける物語だったのに対し、映画版ではアイドルとしての苦悩や葛藤による沈降が描かれる比較的シリアスな内容なのが特徴。…要するにこれって、その後に作られた「アニデレ」と同じ傾向なんだよな。

本作とアニデレとでは監督が違うので、共通する脚本家の意向かなと(いや犯人捜しではないよ)。個人的に本作は、「特殊職業としてのアイドル」の一端が窺えたのが面白かったのだけれど…まあアイドルをアニメで描く方も大変そうだ。
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2016.10.20

心が叫びたがってるんだ。

観てみた、長井龍雪監督によるアニメーション映画。2015年公開。

高校生の成瀬順は、以前自分の多弁が両親の離婚の原因となった事から、言葉を発するだけで腹痛を起こす「呪い」にかかっていた。そんな彼女が坂上拓実、仁藤菜月、田崎大樹と共に学校行事の委員に選ばれてしまう。順は拓実の支えもあって、その行事でミュージカルを上演する事になるのだが…という内容。

長井監督に脚本担当の岡田麿里を始めとする、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」スタッフが再結集した劇場アニメ。同作のクライマックスが絶叫版青年の主張と揶揄されたのを逆手に取ったのか、本作では内心の想いを「言葉」で発する事をテーマに置いているのが興味深い(…と言うか何と言うか)。

それをミュージカルの歌に乗せて表現する辺り、映像作品的な仕掛けとして面白いが…青春物としてのビターな味付けもあってか、今ひとつカタルシスに届かないのがどうも。まあ個人的には別にいいけど、順ちゃんめっさ可愛かったし。
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2016.10.17

サカサマのパテマ

観てみた、吉浦康裕監督によるアニメーション映画。2013年公開。

かつて大事故が発生した後の地球。地下の空洞に暮らす少女・パテマは、逆様に天井を歩く何者かに襲われる。彼女が縦穴を落下した先は開けた地上、だがそこは重力が逆転した世界だった。地表は管理社会の国「アイガ」。空へと落ちそうになるパテマは、エイジという孤独な少年の世話になるのだが…という内容。

前回紹介した「アップサイドダウン」と類似したアイデアの作品。そちらの日本公開が2013年9月、本作が同年11月という事でどうやら完全に偶然の一致らしい。映像面では流石に、ハリウッド製のアップサイドに軍配が上がりそうだが…

こちらも仲々どうして負けてない。まあ本作のストーリーがコナンやラピュタを直接連想させてしまう辺り、点数は辛くなってしまうけれど…やはり着想の良さで個人的には全部許せてしまう。特に「空に落下する」って逆転感のあるビジュアルが見事で、価値観の顛倒と相互理解という本作の内容を象徴していると思う。
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2016.10.14

台風のノルダ

観てみた、新井陽次郎監督によるアニメーション映画。2015年公開。

親友の西条ケンタとの喧嘩で、文化祭準備中のクラスの雰囲気を悪くしてしまった中学生・東シュウイチ。彼は台風で暴風が吹き荒れる中、鉄塔から落下した見知らぬ少女の姿を目に止める。傷ついた少女を介抱した際シュウイチが彼女から聞いた話では、地球に大変な事態が迫っているというのだが…という内容。

スタジオジブリ出身の新井監督が手掛けた中編アニメ映画。同監督と共に本作を制作したスタジオコロリドはパズドラのTVCMも担当しており、その中に登場している少年・都北くんが「ある層」にやたら受けてたのが記憶に新しいところ。

本作もジブリ出身と言われたら、そうだろうねとしか言いようのない内容で長編だと辛そうな感じだが…逆に言えば30分弱で簡潔にまとめたお陰でスルッと逃げ切っている。キャラの掘り下げ等物足りないというのも確かではあるものの、(都北くんと同様)脳内であれこれ妄想を膨らませた方が楽しいかもしれん。
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2016.10.11

バケモノの子

観てみた、細田守監督によるアニメーション映画。2015年公開。

母を事故で亡くした少年・蓮は、夜の渋谷で放浪するうちにバケモノの世界に迷い込んでしまった。彼はそこで「九太」と名付けられ、乱暴者・熊徹の弟子として拳法を学ぶ事になる。顔を合わせると喧嘩ばかりの2人だったが、互いに強さのみならず人格的にも成長していく。そして数年が過ぎて、蓮は再び…という内容。

で熊徹の声を演じるのが、終戦日に割腹自殺した役所広司(違)。本作は同監督で最大のヒットを記録したとの事だが…観ていて思ったのは、同監督は自身が見聞きして体験した事以外からは発想出来ないタイプの作家なんだろうなと。

そうした資質自体を批判する気はないけれど、本作の様なファンタジーの場合は少々厳しい。本作の内容は人生で迎える出逢いや別れといった数々の岐路を律儀になぞりすぎで、非現実的なイマジネーションの奔流で逸脱するという事がない。同監督はいい意味での「大嘘付き」になってもいいんじゃないかなあ。
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2016.08.30

サウスパーク 無修正映画版

観てみた、トレイ・パーカー監督によるアニメーション映画。1999年公開。

アメリカの田舎町・サウスパーク。そこに暮らす子供達はカナダのお笑いコンビ、テレンス&フィリップに夢中。でも彼らの余りに下品な言葉遣いを真似たせいで、ママさん達は大激怒する。下品排斥の市民運動の盛り上がりはT&Pの逮捕から、遂には米国によるカナダへの宣戦布告にまで発展し…という内容。

現在でも放映継続中の米国製TVアニメシリーズ、本作はその劇場版。昔流行ったなコレと思いつつ。…しかし昔とは思ったけれど、本作公開はなんと911よりも前(!)なのか。そのせいか流石に時事ネタの感覚がズレ過ぎで参った。

ただ今も放映中という事は、現在のシャレにならない世界情勢をネタにしている訳で…どうしてるんだろ。本作の下品・差別・不謹慎ネタも今や牧歌的に思える位だが、実際にこういう作品を作った事自体に対しては(色々な意味で)賞賛せねば。でも本作を観てゲラゲラ笑えるような人とは、お友達になりたくねえな。
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2016.05.31

クラッシャージョウ

観てみた、安彦良和監督によるアニメーション映画。1983年公開。

西暦2160年代。宇宙の何でも屋「クラッシャー」のジョウは、病気治療の為に冷凍されている娘を運搬する仕事を引き受ける。ところがワープに入った途端に宇宙船がコントロール不能になり、気が付いた時には依頼人と娘の姿が船内から消えていた。資格停止となり荒れるジョウに接触して来たのは…という内容。

現在も継続刊行中である高千穂遙の「クラッシャージョウ」シリーズを元に、自身のオリジナル脚本をイラスト担当の安彦監督が映画化したのが本作。公開時「幻魔大戦」「宇宙戦艦ヤマト完結編」との対決が話題になったのも懐かしい。

内容自体は流石に時間の経過を感じさせるものの、シンプルなスペースオペラだけに(そこさえ飲み込めば)今でも充分に楽しめる。それより同監督が現在シリーズ発表中の「機動戦士ガンダムORIGIN」でも、相変わらず本作で見られる様なマンガマンガした演出が健在なのが、困惑する様な微笑ましいような…
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2016.05.07

LEGO ムービー

観てみた。P・ロード、C・ミラー監督による3DCGアニメ映画。2014年公開。

レゴブロックで出来た世界。平凡な建設作業員であるエメットはある日、ワイルドガールを追って落ちた穴の中で伝説の「失われたパーツ」を手に入れる。彼は「選ばれし者」として多くの協力者達と共に、恐るべきスパボンを用いて世界を征服せんと狙う悪人・おしごと大王に、立ち向かう事になるのだが…という内容。

3DCGを駆使して、実物の「レゴブロック」を動かした感覚の映像で作り上げてしまったユニークな作品。筆者自身はレゴには余り馴染みはないけど…ガレージキットをやってた頃に、シリコン型を作る際の「枠」として使った位かな。

内容自体はそうした映像や展開がガチャガチャとせわしない上に、登場キャラがやたらと多くて(バットマンとスーパーマンの映画での共演って本作が初?)付いていくだけでも大変だった。…とは言え子供がおもちゃ遊びする時にする妄想を、そのまま映画化したかの様な内容に、結構共感してしまったのは確か。
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2016.05.04

星を追う子ども

観てみた、新海誠監督によるアニメーション映画。2011年公開。

母子家庭に育つ少女・明日菜は、ある日「アガルタ」から来たという少年・シュンに命を救われる。だがシュンが遺体で発見され、明日菜は代理教師・森崎の語る死後の世界に興味を持つ。その直後、シュンと瓜二つのシンの導きで異世界に辿り着いた彼女は、ある死者の復活を願う森崎と行動を共にし…という内容。

2011年の前後に、ポスト宮崎駿を狙ったと思しきアニメ映画が次々公開されたのは、今になってみると興味深い。その中だと「おおかみこどもの雨と雪」の独自性は確かに群を抜いているが、本作もまた別な意味で強烈な印象を残す。

これより以前の同監督作とは大分違った感覚…という前に、宮崎アニメのパロディとしか思えない内容に面食らった。でもファンタジーや冒険要素が強い反面、これまで見せたナイーブさとも違う薄暗く退廃的な雰囲気なのは面白い。そういう意味では決して嫌いじゃないんだよな(ダラダラと長く散漫で疲れただけで)。
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2016.04.16

花とアリス殺人事件

観てみた、岩井俊二監督によるアニメーション映画。2015年公開。

「アリス」こと有栖川徹子が転校して来た中学校のクラスには、奇妙な噂が流れていた。昨年同じ3年1組で、「ユダ」が4人のユダに殺されたというのだ。当時の事情を知っているのはどうやら、隣人の「ハナ」こと荒井花だけらしい。不登校のハナと協力して、ユダの謎を追った彼女が辿り着いた真相は…という内容。

「花とアリス」の前日譚となる本作。前作から10年以上を経ている事もあってか、手法としてアニメーションが用いられている。と言ってもロトスコープである上、オリジナルの俳優陣が声を当てているので違和感は案外少ない。…前作からしてアニメや漫画に対する言及があった訳だし、あるべき場所に落ち着いた感も。

ただ逆に映像単体としての魅力には少々疑問があるので、トントンといったところか(この手のアニメ作品にしては、キャラが可愛いのはよかったけど)。内容の方は相変わらずトンチンカンな展開で、思わず笑ってしまったのでまあよし。
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