2015.02.15

MARCO 母をたずねて三千里

観てみた、楠葉宏三監督によるアニメーション映画。1999年公開。

ジェノバの少年マルコ。彼の母親は夫の慈善医療を手助けするために、遠く離れたアルゼンチンに出稼ぎに行ってしまう。マルコは連絡が途絶えた彼女を心配して、単身南米に旅立つ。アルゼンチンで母の行方を追う中で様々な人々との関わりを持ち、マルコは大きく成長していく。だが遂に再会した母は…という内容。

原作はデ・アミーチスの「クオーレ」。そちらの一挿話をTV化した1976年放映のアニメを、リメイクした劇場版が本作。…要するに非常に短い原作小説から膨大に増量したTV版を、今度は逆に切り詰めるという何だか七面倒な事をしている訳。

増量分の中だと医療に関する辺りはTV版のオリジナルなのだが、本作でもそこは踏襲されている。特に本作独自要素である成長したマルコが登場する場面では、彼が医学の道に進んだ事が語られており興味深い。…まあ個人的にはフィオリーナとその後どうなったのか気になるけど、やっぱりあれきりなんだろうな。
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2015.02.06

劇場版 フランダースの犬 THE DOG OF FLANDERS

観てみた、黒田昌郎監督によるアニメーション映画。1997年公開。

修道女のアロアは、幼い頃に親しかった少年ネロの事を回想する。絵を描くのが好きな彼は荷車引きの仕事を愛犬パトラッシュと共にし、優しい祖父の元で貧しいながらも穏やかな日々を過ごしていた。ところがある時、パトラッシュの元主人だった粗暴な男が現れて一悶着。更に祖父が体調を崩してしまい…という内容。

原作はウィーダの有名な小説だが、本作は1975年に放映されたTVアニメのリメイク劇場版となっている。内容の面でそちらに準じているだけでなく、キャラクターの絵柄もTV版を踏まえて、佐藤好春の手により新たにデザインされている。

TV版を知っていると殆どダイジェストという印象だが、その上でも不幸の釣瓶打ちがしんどい。…とは言え簡潔さの分本作が描く精神の純粋さ、宗教的高潔さがより直截的に伝わり、単なるお涙頂戴には終わっていないのは良い。TV版は長い分ツッコまれる隙(ネロが愚か者にしか見えない)も作っちゃっているからねえ。
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2014.11.03

まことちゃん

観てみた、芝山努監督によるアニメーション映画。1980年公開。

まことちゃんは幼稚園児。父母と祖父母、姉らと共に暮らしている。彼の毎日はエネルギッシュで、公園で出逢った女性、拾った鳥の卵、給料袋を落とした男性等と共に騒動を巻き起こす。彼が欲しいのは「よいこ大賞」なのだが…という内容。

原作は楳図かずおの漫画。ホラーで有名な作者だが、本作では下品ネタオンパレードのギャグと共に「グワシ」「サバラ」といった流行語も生み出した。本作は「がんばれ!!タブチくん!!」等の芝山監督による映画だが、これまで余り観る機会が無かったと思ったら…それもその筈、こりゃTV放送するのは色々と憚られるわ。

お色気どころかSMネタなんか幼稚園児相手にやっちゃったら、これ単なる児童虐待だ。でも仮にも少年誌に載ってた作品の筈だよな…と考えると、当時は随分と大らかだったという事か。今観て笑えるかと言われると正直微妙だが、すげえ珍しいものが観られたな(ゲストのツービートとか)という満足感は得られたのだわ。
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2014.09.28

ロボッツ

観てみた、クリス・ウェッジ監督によるCGアニメーション映画。2005年公開。

ロボットの世界。コッパーボトム夫妻の元に授かった一人息子ロドニーは、偉大な発明家ビッグウェルド博士に憧れて大都会ロボット・シティに出る。だが博士の会社は新経営者のラチェットに乗っ取られ、彼は隠遁の身。しかもラチェットはロボットの部品供給を絶ち、多くの住民が困窮する事態に陥っていた…という内容。

ディズニーでもピクサーでもなく、ブルースカイ・スタジオ制作の3DCGアニメ。代表作としては「アイス・エイジ」等で少々地味な印象はあるけれど、(20世紀フォックスがバックにいるので)本作での豪華声優陣等の力の入りようも成る程と。

内容としては割と典型的な子供向けなので、多くは期待してもという感じ。その割に古典映画のパロディを堂々とやっているのが凄い。ボケたロボットが歌う「デイジー、デイジー」は爆笑した。別にいいけどラストで言われてた「JUNK」って音楽ジャンルは実際あるんだけどな。Pussy Galoreとか(日本だけの呼称?)。
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2014.09.10

魔女っこ姉妹のヨヨとネネ

観てみた、平尾隆之監督によるアニメーション映画。2013年公開。

「のろい屋」を営むヨヨとネネが暮らす魔の国にある日、建物に枝を絡ませた巨大な樹木が出現する。ヨヨは中で見掛けた孝洋と亜紀を追ううち、別の世界へと飛ばされてしまう。彼女が辿り着いたのは現代の日本、孝洋の両親はのろいで化物に姿を変えていた。原因を究明するべく調査する姉妹だったが…という内容。

ひらりんの漫画「のろい屋姉妹」をベースにした本作。でも観ていて、てっきり児童小説が原作なのかと思った。だって内容的にはどう見ても「黒魔女さんが通る」辺りを思わせる感じだし…まあ作画/映像的には、段違いのクオリティだけれど。

そのアニメ制作を担当したのがufotable。最近はすっかりTYPE-MOON御用達になった感があるので、題材のチョイスだけで興味が湧く。上記の通り割と無難な児童向けだとは思うが、随所にフェティッシュ&コケティッシュな描写があって、旧来の同スタジオファンも楽しめるんじゃないかな(ただし粘土アニメはない)。
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2014.09.07

マインド・ゲーム

観てみた、湯浅政明監督によるアニメーション映画。2004年公開。

初恋の女性みょんと久々に再会した西。彼女の姉が経営する飲み屋に行くと、激高したヤクザが現れる。西は拳銃で射殺されてしまうのだが、あの世で会った神にチャンスを与えられ直前の瞬間に戻る。危機を脱した西とみょん姉妹、ところが逃げ出した先で彼らは巨大な鯨の体内に呑み込まれてしまい…という内容。

原作はロビン西の漫画で、湯浅監督にとってのデビュー作でもある。かなり実験的にして奔放な内容の上、主演の今田耕司を始め吉本芸人が声優を担当している辺り、アニメファンからは敬遠される類の作品になってしまっているような。

実際観てこんなのサブカル糞野郎以外喜ばないだろ(←悪口じゃないつもり)とは思ったものの、湯浅監督の作風が既に完成しているのは興味深い。むしろ本作へ雑多に放り込まれた要素を幾つか取り出して整理したのが、最近の同監督作という事かも。くどい割に案外呆気なくてアレッと思ったけど、一見の価値はある。
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2014.08.06

イヴの時間 劇場版

観てみた、吉浦康裕監督によるアニメーション映画。2010年公開。

人間型ロボットが人々の生活環境に深く入り込んでいる近未来。高校生リクオは、彼の家で使っているアンドロイド・サミィの行動に不審を覚える。そして彼が辿り着いたのは、人間とロボットを区別しないというルールを掲げる「イヴの時間」という喫茶店だった。その場所でリクオと友人マサキが出会ったのは…という内容。

2008年よりネット上にて発表された全6話を再編集して、劇場公開したのが本作。ファーストシーズンと銘打たれており、本作だけでは内容的に未消化な所が多い印象がある。…とは言え先日見た「アルモニ」という作品も、膨大な背景設定の存在を匂わせるだけに止めているので、これは多分作風的なものだろうな。

喫茶店という限定された空間を中心に短編連作的な構成で描かれる、対話劇という体裁は日本のアニメとして案外独特な部類。3DCGにより作り込まれた現実感のある背景に、自在なカメラワーク…内容自体は小品ながらなかなか面白い。
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2014.07.13

レミーのおいしいレストラン

観てみた。B・バード、J・ピンカヴァ共同監督によるCG映画。2007年公開。

天才的な料理の腕を持つネズミのレミー。彼はパリにある今は亡き憧れの料理人グストーのレストランで、リングイニに出会う。才能の全くない彼を助けてレミーが作った料理が、何と街中で大評判になってしまう。その後リングイニのものとなった店は、グストーと因縁のある評論家イーゴを迎える事になり…という内容。

ピクサーらしくそつ無く楽しめる作品…と言いたい所だが、やっぱりネズミが料理を作るという根本部分に引っかかりを感じつつ観てしまった。当初の人間を帽子の中で操縦して料理する、って辺りのアイデアが上手く問題を回避して秀逸だった分、後半のどう見ても「大群獣ネズラ」だこれという料理風景は流石にアカンわと。

個人的には街中の車がシトロエンバスや2CV、ベスパスクーターとフランス車だらけなのが嬉しい。まあ舞台がパリなんだから当たり前だけど、50〜60年代を想定してる辺り(…でもヒロインの乗るバイクは、ヴォクサンてメーカーの最新式)。
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2014.04.07

グスコーブドリの伝記

観てみた。杉井ギサブロー、前田庸生監督によるアニメ映画。2012年公開。

森で静かに暮らすグスコーブドリ、だがイーハトーヴを冷害が襲う。両親が姿を消し、更に妹までが謎の男に連れ去られてしまった。妹の消息を追い、働いて知識を身に付けつつ各地を訪ね歩くブドリ。尊敬するクーボー博士の紹介で火山局に勤める事となった彼は、同地が再び冷害の危機にあると知って…という内容。

宮沢賢治の童話が原作だが、それ以外にも「雨ニモ負ケズ」等が引用されている。実は本作、1994年にもアニメ化された。そちら火山噴火を解決手段に用いる原作の内容をそのまま映像化した事に対して、高畑勲から批判を受けたそうで…ひょっとしたら、本作の決着に関する曖昧さの遠因になったのかも?(邪推)。

本作のスタッフが以前制作した「銀河鉄道の夜」は、賢治のアニメと言えばますむら猫のキャラ、と言う程のイメージを定着させた名作。だから本作も雰囲気それ自体は悪くないんだけど、何か色々と違和感がある作品だったな。もったいない。
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2014.03.30

塔の上のラプンツェル

観てみた。B・ハワード、N・グレノ監督による3DCGアニメ映画。2010年公開。

森の奥に聳え建つ塔、中ではラプンツェルという娘が孤独に暮らしていた。その場所を訪れるのは母親だけで、入り口の無い塔の中へはラプンツェルの長く伸ばした髪の毛を伝って、よじ登るという具合だった。そんなある日王冠を携えた泥棒のフリンが逃げ込んだ事から、彼女の出生の秘密が明かされていく…という内容。

ディズニースタジオ50本目のアニメ作品にして、初の3Dによるプリンセス物だとの事。原作はグリム童話の「髪長姫」だが、筆者は時代的に先に編纂されたシャルル・ペロー作の童話集(澁澤訳)の方で読んだ。グリムの方は性的な表現の面で版により内容が異なるそうだが、ペロー版はどうだったかな…忘れちゃった。

本作はキャラクターの生き生きとした表現が実に楽しい。昔ながらのディズニー的な動きを3DCGにやらせている感じなんだけど、実はそれって無声映画の喜劇で見られるパントマイム演技から来ているんだな…というのは、ちょっとした発見。
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2014.03.24

がんばれ!!タブチくん!!

観てみた、芝山努監督によるアニメーション映画。1979年公開。

プロ野球選手のタブチくんは新球団・西武ライオンズのキャッチャー。セ・リーグではホームラン王を獲得した彼も、ここのところバッティングは不調気味。でも突き出たお腹を気にしつつ、今日もご飯が止まらない。妻ミヨコをはじめ、友人のヤスダくんやヒロオカ監督といった愉快な人々と巻き起こす騒動は…という内容。

原作はいしいひさいちの4コマ漫画。声優には西田敏行が起用され大変な人気となり、2本の続編も製作された。…監督の芝山努はドラえもん映画で知られる人だが、本作が初の監督作だとの事。作画監督として関わった事もありSEの使い方などの演出は、天才バカボン等の東京ムービー作品の手法が踏襲されている。

流石にモデルとなった田淵幸一選手や当時のプロ野球界の事は遠い記憶の彼方なのだが、懐かしさもあって結構楽しめた。まあ今見るとこのキャラは、西田敏行の方がイメージが重なって感じられたな(「池中玄太80キロ」も体重ネタだし)。
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2014.02.25

009 RE:CYBORG

観てみた、神山健治監督によるCGアニメーション映画。2012年公開。

世界各地の超高層ビルが爆破される連続テロ事件が勃発していた。サイボーグ009こと島村ジョー、彼もまた「彼の声」と呼ばれる謎のメッセージを聴き、テロを引き起こし掛けた1人だった。記憶を取り戻したジョーは、嘗て共に戦った仲間であるサイボーグ戦士達と人類存亡の危機に立ち向かうのだが…という内容。

石ノ森章太郎の「サイボーグ009」を元に、現代的アレンジを加えた作品。ただ当初押井守が監督に予定されており、それを前提に神山が脚本執筆した事もあって、天使・聖書といった押井色が強い内容(勿論原作「天使編」等も踏まえたものだが)となっている。でも結末のモヤッとした感覚は石ノ森テイストって気も?

3DCGによるアクションは思ったよりアイデア面で面白く、要所要所では楽しめるけれど、上記経緯の為か(009でもない攻殻でもない押井作品でもない)どっちつかずの出来になってしまった様な。…まあでも004はやはりカッコよかったよ。
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2014.02.12

綿の国星

観てみた、辻伸一監督によるアニメーション映画。1984年公開。

浪人生・須和野時夫が拾って来た子猫・チビ猫は、彼の為にいつか人間になる事を夢見る。気分が沈みがちの時夫を案じて、彼の両親はチビ猫を向かい入れるものの、母は重度の猫アレルギー。更に時夫の想い人・美津子や、美しい野生猫・ラフィエルに彼を追う猫ハンター。チビ猫の新しい生活の行方は…という内容。

原作は大島弓子の少女漫画。筆者も以前読んだけれど、作家本人が脚本を担当している事もあってか、大まかなストーリー自体はほぼ原作通りという印象。ただ原作の特徴である「猫が人間の姿で登場する」という独特な表現の持つある種の「曖昧さ」が、アニメという媒体を通すと少々具体化しすぎる感じはあったかも。

とは言え、ネコ耳だの、擬人化だの、萌え化だののルーツを探るのも悪くない。…個人的にはそんな事より、母親の「猫アレルギー」というのが何か違ってる気がして仕方なかった。どちらかというとあれは、「猫恐怖症」とでも呼ぶべきだよね。
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2014.01.07

熱風海陸ブシロード

見てみた、迫井政行監督によるTVアニメ・スペシャル。2013年放映。

小惑星の地上落下により広まった猛毒「シノビ」に侵された世界、人々は怪物の影に怯えながら暮らしていた。姫巫女アメは、自らの肉体一つで怪物を倒す少年スオウと出会う。彼女と旅を共にする事になったスオウだが、アメの目的とはこの世からシノビを一掃するべく、「機神将」を目覚めさせる事にあった…という内容。

元々は2003年に製作が発表されながら、原作者・吉田直の急逝等の不幸が重なり、長期間に渡り実現が見送られて来た悲運のアニメ。本作から名前を採った会社設立に至ったブシロード社長・木谷高明の、執念の賜物とも言える作品。そうした逸話だけでまるでドラマだが、本編放映前のあれこれはちょっと長すぎだ。

何だか一昔前のOVAみたい、でも原作等深く関わっているニトロプラス色が強いのが特徴(敵のあいつとか)。特にキャラやメカ等のデザインに目を惹くものがあるが…まあ完成した事自体が美談みたいなもんで、この際内容は別にいいよね。
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2014.01.06

図書館戦争 革命のつばさ

観てみた、浜名孝行監督によるアニメーション映画。2012年公開。

出版を弾圧する悪法が施行され、検閲部隊に対抗するべく武装した「図書隊」が戦闘を繰り広げる未来。作家の当麻蔵人はテロ事件との関与を疑われる。本の内容に留まらず、彼の執筆自体を規制しようとするメディア良化隊の横暴を恐れ、図書隊は笠原郁と堂上篤を当麻の身辺警護に当たらせるのだが…という内容。

原作は有川浩の小説シリーズ。2008年にはTVアニメ化もされ、本作は同スタッフによる続編にして完結編。…短期クールの深夜アニメは尻切れのまま放置される事が(実に)多いので、本作の様なアフターケアには歓迎したいところ。社会的問題にしろ人物の恋愛にしろ、結末まで描かれている点だけでも溜飲が下がる。

女性の特殊職業作品という雰囲気だったTV版に対し、映画はポリティカルフィクション要素を強く打ち出すと共にコミカルな演出も楽しめる。…簡単に問題が片付き過ぎだろとも思うが、元々無理がある状況なんだから瓦解だって早かろうよ。
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2013.12.24

おおかみこどもの雨と雪

観てみた、細田守監督によるアニメーション映画。2012年公開。

女子大生の花が恋したのは「おおかみおとこ」だった。二人の間に雪と雨の姉弟を授かって間もなく、彼は非業の死を遂げてしまう。残された花は田舎へと引きこもり、野生と人間との間を行き来し育児の難しい姉弟と暮らす事に。家を修理し畑を耕し近隣住民とも打ち解けた頃、姉弟にも進学の時期が訪れて…という内容。

んで、これも「少年少女×田舎×ファンタジー」のアニメ。本作では更に恋愛や育児といった、女性映画的な要素を掛け合わせているのがミソ。…日本映画には「女の一代記」物というジャンルがあって、本作もその中に位置づけてよいだろう。

個人的には原節子主演の「わが青春に悔なし」を思い出した…と言ったら褒め過ぎか。そうした王道的な題材を、ジブリ風味鉄板アニメとして調理し口当たりよくした辺り、広く受け入れられた所以じゃなかろうかと。まあ本作に関しては実際に子育てを体験した人なら、自分とはまた違った感想を持つだろうなとも思う訳で。
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2013.12.23

虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜

観てみた、宇田鋼之介監督によるアニメーション映画。2012年公開。

ダム近傍を訪れた小学生・ユウタ、そこは交通事故でこの世を去った父と過ごした場所だった。森の中、暑さに難儀している老人に水を与えた事で、彼の身に不思議な現象が起こる。なんと1977年、この地がダムで水没する以前の時代にやって来てしまったのだ。少女・さえ子に導かれたユウタはその村で…という内容。

原作は川口雅幸のオンライン小説。内容自体は低年齢向けに属しており、本作アニメ版の映像表現がまるで児童書の挿絵が動いている様な感覚なのは成る程と。…ただアニメで「少年少女×田舎×ファンタジー」と揃ってしまうと、どうしてもジブリの影がちらつくので、それを避けるという意図があるのかもしれん(邪推)。

あといわゆる「作画マニア」が注目していたので気になっていた。でも個人的には正直苦手だな。写実的な背景画とクレイメーションみたいな人物がマッチしていないし、だいぶチグハグだと思う。…でも意欲は買うし、面白い試みなのも確か。
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2013.12.22

PERFECT BLUE パーフェクトブルー

観てみた、今敏監督によるアニメーション映画。1998年公開。

アイドルを脱却し女優の道に進む事になった未麻。だが彼女の挑んだドラマには大胆な性描写があり、演じる事に苦悩する。そんな未麻の心情を察したかの様に、そのシナリオを書いた脚本家が惨殺されてしまう。同時に彼女周辺には不審な何者かの影、そしてアイドルとしての未麻自身の幻像が現れ…という内容。

今敏初の監督作、の割に何故か余り観る機会に恵まれなかった。実際に鑑賞して納得、毛の問題か(それだけじゃねえ)。最初の映画としてはサイコサスペンスとして上々で、幻想と現実が交錯する複雑な内容を確かな演出力で描いている。

でも監督自身は、アイドル自体には興味ないんじゃないかという気も。それより本作は後の「千年女優」とも共通する、女性のアイデンティティ探求というモチーフを採り上げているのが興味深い。…今作品は上記した様に「幻想と現実」だのの繰り返される主題が注意を引くが、それとは別の切り口を見て取るのもいいかも。
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2013.12.08

ももへの手紙

観てみた、沖浦啓之監督によるアニメーション映画。2012年公開。

父親が事故で他界し、母と共に瀬戸内の汐島へと引っ越してきた宮浦もも。彼女の手には、父が遺した「ももへ」とだけ書かれた手紙が握られていた。新しい生活に戸惑う中、彼女は屋根裏部屋に潜む3人の妖怪「見守り組」と出逢う。食い意地ばかり張った彼らに振り回されるうちに、ももの内心も変化して…という内容。

凄腕作画マンとして知られる沖浦監督自身の脚本・絵コンテによる劇場アニメ、自らのルーツとする瀬戸内海を舞台に描いたとの事。ただぶっちゃけ言うと、雰囲気や映像自体は相当にジブリ作品っぽい。あの沖浦監督がどんな映画を作るのだろうか、という興味から観た訳だが…これはこれで意外と言えば意外だったな。

前作の「人狼」が押井世界、本作は宮崎(風)世界。でもこと作画に関しては、実はかなり「電脳コイル」っぽい(同作に関わったスタッフも多数いる模様)。…うーん? いやまあこれはこれで好きだけど、もっと独自性の追求が見たかったかなあ。
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2013.11.29

伏 鉄砲娘の捕物帳

観てみた、宮地昌幸監督によるアニメーション映画。2012年公開。

山中で猟師として暮らしていた少女・浜路。彼女は兄と共に近頃江戸の町を騒がすという、人に化身する犬の化物「伏」を狩る事に。だが浜路が親しくなった青年・信乃は深川一座の役者であると共に、人から逃れた伏のうちの一匹であった。ある日浜路は、追い詰めたもう一方の伏・凍鶴から手紙を託され…という内容。

原作は桜庭一樹の小説「伏 贋作・里見八犬伝」。そちらからも判る通り「南総里見八犬伝」を下敷きにしており、作者の滝沢馬琴も本作に登場している。でその声を当てているのが、なんと桂歌丸師匠。落語天…ゲフンゲフン、いやなんでもない。

カラフルな美術設定による江戸の風景の中で、アニメアニメしたキャラ達がワイワイ動く作品。なのだが結構タッチ自体は重く万事オーライとまでは行かない辺り、観ていてスッキリせず評価に悩む。いや、個人的には嫌いじゃないけど。八犬伝ネタというのは観ている途中にようやく判って、あ…やられたと思ったもんで。
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