2017.08.18

アゲイン / 明日への誓い

観てみた。チョウ・ユンファ主演、ツイ・ハーク監督映画。1989年公開。

マークはベトナム戦争当時のサイゴンから、従弟のマイケルと叔父を香港に脱出させるべくやって来た。その際彼らは裏の世界に顔の利くキティの協力を得て、無事に故郷への帰還を果たす。マークとマイケルは共にキティに惹かれるのだが、彼女のボスである暗黒街の顔役・ホーが2人の前に現れて…という内容。

「男たちの挽歌」シリーズ第3作(原題は「英雄本色V夕陽之歌」)だが、時系列的には過去の話?なので一応独立した作品として観られる。というか筆者1・2の内容は忘れてしまったんだけど…それでも何かこんなんじゃなかった感が。

実際監督がジョン・ウーからツイ・ハークに交代しており、アクション等も(スロー演出は健在だが)大分雰囲気が違っている。日本からは時任三郎が参加し、かなり大規模なエキストラの起用やM48戦車まで登場するバトルシーンなどは確かに派手なんだけど…ちっとも羨ましくない三角関係とか、何か違うよなあと。
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2017.08.17

初恋のきた道

観てみた、チャン・イーモウ監督映画。1999年公開。

中国奥地の村で、教育に一生を捧げた父親がこの世を去った。故郷に戻ったユーシェンは、母親のチャオディが夫の遺体を乗物の力を用いず、人が担いで帰宅させる風習に固執している事を知る。それは村に都会から教師としてやって来た父親と、まだ娘だった頃の母親との出逢いの想い出があって…という内容。

パオ・シーの小説が原作。近年では派手な武侠映画の印象が強いイーモウ監督だが、本作では瑞々しい演出で純粋な恋愛を描いている。語り手である息子の登場する現在が白黒、恋模様が描かれる過去場面がカラーと、この演出だけ見ても恋愛が中心の映画と言って間違いないけれど…それだけでもないだろう。

個人的には父親の教育への想いを継ぐ息子の姿に感動する。「道」も邦題では恋愛を連れてきたものだが、葬儀の列と共に帰宅する父は再度村に「教育」を齎す者として描かれている。…まあ単純に恋愛だけ見たっていいんだけどね。
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2017.08.15

恐怖分子

観てみた、エドワード・ヤン監督映画。1986年公開。

ある朝台北の街に銃声が響き、警官隊が出動する。そこへカメラを手に駆け付けたのがシャオチャンで、彼はシューアンという少女が現場から去る姿を撮影した。一方街には彼の恋人シャオウェンを始め、女流小説家イーフェンと夫のリーチュン。更に彼女の元恋人、シェンといった人々が暮らしていて…という内容。

80年代から90年代にかけて隆盛を極めた映画運動「台湾ニューシネマ」で、中心人物であるヤン監督の代表作とされるのが本作。内容は台湾で暮らす人々の持つ現代的/パーソナルな問題を採り上げ、それが徐々に悲劇へと交錯していく…という感じだけど、寡黙な語り口が人物の内面の空虚さを照らし出している。

そう書くとアントニオーニっぽい作品だな。壁に貼られた大判の写真が風に靡き、左右に揺れるカメラの映す視界が世界の不安定さを語る…かの様だが、アジア的猥雑さから離れた映像は成程、新しい感性の発露だったことを伺わせる。
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2017.08.08

ニューヨーク恋泥棒

観てみた、リチャード・シェパード監督映画。1991年公開。

NYの高級クラブで働く脱出マジシャン志望のルーシーと、英国人バーテンダーのモンティ。彼女はフーディーニ夫人の指輪購入の為、彼は米国滞在の為に偽装結婚するべく大金を必要としていた。思惑が合致した2人は更に友人ヴィヴィアンを巻き込み、自分達が勤めるクラブで強盗を計画するのだが…という内容。

デヴィッド・ボウイ主演のラブコメディ映画。こんなのあったのか…と思って調べたら、彼の音楽活動としては丁度Tin Machineの頃でもあって、まさに低迷期を象徴するかの様な存在だなと。内容はウディ・アレン作品っぽい辺り興味深いが(邦題も多分それを踏まえている)、知名度通り正直冴えない出来ではある。

シナリオやキャラ描写等手堅くまとまっているのに、簡単そうで真似が難しい作風なんだな。…とは言えボウイ主演の映画でボウイを鑑賞する事以上の価値なんてそうそう無いんだから、本作も充分その要件は満たしているんじゃないか。
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2017.08.07

ルーキー

観てみた。クリント・イーストウッド主演、監督映画。1990年公開。

パロヴスキー刑事は自動車窃盗団をの捜査中、相棒を殺害されてしまう。その代わりにコンビを組む事になったのが、若手刑事のアッカーマンだった。ところが犯人を追い詰めるも、新人故の判断の甘さからパロヴスキーが拉致されてしまう。アッカーマンは相棒を救うべく、独自に捜査を進めるのだが…という内容。

60歳を迎えたイーストウッドが「世代交代」をテーマに、相棒として若手のチャーリー・シーンとコンビを組んだ作品。なんだけど内容的には目茶苦茶で、60歳なのに監督としてはまだまだまるで未熟なのがある意味凄い。彼が過去演じた刑事物を手癖で再現した様な内容の上、大味で社会性もへったくれも無いという…

どんな大監督であっても駆け出しの時期はあるもんだと言っても、還暦を迎えんとする頃にまでこれではな。むしろシーンの方が若手俳優として堂々としてる位だよなあ…とは思ったものの、それが監督イーストウッドの特異な点なのかも。
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2017.07.30

7500(ななごーぜろぜろ)

観てみた。レスリー・ビブ主演、清水崇監督映画。2014年公開。

ロサンゼルス空港を離陸し、日本へのフライトへと発った「7500便」。機内には操縦士や客室乗務員始め、様々な乗客が顔を揃えていた。そんな中突然の乱気流に巻き込まれ機は騒然となる。何とか機体を立て直し飛行を続ける7500便だったが、乗客の男性が血を吐いて死亡するという事態になり…という内容。

「THE JUON」で海外進出を果たした清水監督による、ハリウッド映画第3弾。本作では旅客機内を舞台に、密室環境でのホラーを描いた…のかなあ? 何か怖い事が起きてるという演出ではあるけれど、ホラーと言うよりサスペンスという感じ。呪怨で幽霊をあからさまに見せたのと、真逆の方向性と言えるかも。

オチこそオカルト的でふーんという話だが、実は本作「ヘリオス航空522便」で実際に起きた航空事故を元にしているらしい。こちらの実話の方が遙かに興味深い内容だが、監督の資質的にこうなったと言われると、まあそれも成程なと。
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2017.07.27

ハーモニー・オブ・ザ・デッド

観てみた、ミゲル・アンヘル・ビバス監督映画。2015年公開。

ゾンビの大量発生から9年が過ぎ、ゾンビそして人類までもが死に絶えた地表。雪積もる「ハーモニー」という町にはジャックと少女ルー、そして隣家にパトリックと犬一匹が交流も持たずに生活していた。彼らにはかつて確執があり、それが今も尾を引いているのだ。だがある日、絶滅した筈のゾンビが現れ…という内容。

ゾンビ物ながら、いかにもな展開は冒頭のみ。全体としてはポストアポカリプス…と言うか、崩壊後の孤独な生活を追う「地球最後の男」に先祖返りした様な作品だった。ただ実際観た印象はまた違って、米田舎での親子の生活と怪物出現が並行して描かれる内容は、シャマランの「サイン」みたいな感じだという。

まあ一風変わっているのは間違いないし、ゾンビ映画としては意欲も買うけれど…そんな無理して褒めなきゃならないって程でもないかなあ。修復する人間関係のドラマを描くのに、ゾンビを持ち出さなきゃならない理由がどこにも無いしな。
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2017.07.20

シンデレラ

観てみた。リリー・ジェームズ主演、ケネス・ブラナー監督映画。2015年公開。

幼い頃に母を亡くしたエラ。数年後彼女の父親が再婚し、継母と連れ子の娘2人が屋敷にやって来る。ところが父が旅先で病死し、一家は継母が取り仕切る様になった。エラは彼女から日常の労働全てを押し付けられ、屋根裏部屋で暮らす事に。そんなある日エラは、森でキットと名乗る若者と出逢い…という内容。

原作はシャルル・ペローの童話。原題は「サンドリヨン」だが、「シンデレラ」として世界的に広く読まれている物語を、ほぼ直球で映像化している。前後の経緯に最小限の補足を加えてはいるものの(…個人的に良改変と思うのは、ドレスを介して母親への想いに筋を通した辺り)、誰もが知っているシンデレラそのもの。

ただまあディズニーらしい王道的作品とは言えるけれど、流石にいい歳したオッサンが観るには捻りが無さすぎてな。…でも逆に言うと、生まれて初めてシンデレラの物語に触れる少女がまず観るには、最適の作品なんじゃないかなと。
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2017.07.16

スピード・レーサー

観てみた、アンディ&ラリー・ウォシャウスキー監督映画。2008年公開。

カーレースで汚名にまみれ事故死したレックス。彼に憧れを抱く弟スピード・レーサーもまた、父の作った「マッハ5」を駆って華々しい勝利を上げた。そんな彼にスポンサー話を持ちかけたのがローヤルトン。だが家族チームにこだわり申し出を断ったスピードに対して彼の態度は豹変、妨害工作を始め…という内容。

海外でも人気を博した日本のアニメ「マッハGoGoGo」を、ウォシャウスキー兄弟(当時)の手で実写映画化したのが本作。マトリックスの次作という事で期待されたものの、興行としては大変な失敗に終わったらしい。まあ内容自体は想像以上に原作の雰囲気が尊重されていて、そういう意味では良かったのだが…

スタイリッシュなカーアクションを期待していた観客にとって(…俺か)全編カラフルなCGで現実感の無いレースシーンが、賛否両論だったのは仕方ないかなあ。マッハGoと言うより、クラッシュギアのアニメでも観ている気分になったし。
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2017.07.15

ワイルド・スピード SKY MISSION

観てみた。ヴィン・ディーゼル主演、J・ワン監督映画。2015年公開。

かつてドミニクらの活躍で、弟を斃された元特殊部隊員デッカード・ショウ。復讐を誓う彼は、次々に残虐な手を繰り出してドミニクらに迫って来た。一方ドミニクには「ゴッド・アイ」という監視プログラムを開発したハッカーの奪回が依頼される。彼らは空中から自動車でダイブして、敵に急襲をかけるのだが…という内容。

人気シリーズの第7作。自動車アクションを観たいなと思ったら…そうなんだけど、そうじゃないと言うか。筆者当シリーズは初期数作しか知らないもんで、何本か間を開けて観た本作はドンパチにバトルまみれでレースする話じゃないのな。幽遊白書で蔵馬飛影の登場を飛ばして、いきなり戸愚呂編を読んだ気分だわ。

まあとは言え馬鹿馬鹿しいながらも、アクション自体は楽しめたかな。それよりシリーズ第1作より出演していた俳優ポール・ウォーカーが、本作完成を前に他界されたそうで。…昨日の映画もだが、こういう話はついて回るものなのだなあ。
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2017.07.14

バニシング in 60”(ばにしんぐ いん ろくじゅう)

観てみた。H・B・ハリッキー主演、脚本、監督他映画。1974年公開。

保険調査員ペイスはその立場を悪用し、裏で自動車盗難を行っていた。彼が今回依頼を受けた仕事は、48台もの高級車の入手。それらの車を着実に確保するペイスだったが、独自の矜持から保険未加入の車は除外していた為、最後の1台に手こずる。ある日その車に乗り込む所までは成功したのだが…という内容。

その車というのが「エレノア」こと、フォード・マスタング。この車両が後半の40分にも渡ってパトカーと繰り広げる、激しいカーチェイス場面はまさに語り草だけど…そちらに限らず、アメリカン・マッスルカーが数々登場する実に眼福な映画。

まあ後半のアクション釣瓶打ちに対し、前半の地味さもある意味語り草だが…個人的には自動車盗難の手口を、セミドキュメンタリー・タッチで描いたそちらも仲々楽しめた(ニューシネマ風でもあったお陰で、鮮やかな結末にスカッと出来たし)。続編の撮影中命を落とした同監督を、惜しまずにはいられない作品だな。
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2017.07.12

FAKE

観てみた、森達也監督によるドキュメンタリー映画。2016年公開。

かつて全聾の作曲家として、一世を風靡した佐村河内守。だがゴーストライター騒動によりその偽りが曝かれた後、彼は一体どう過ごしていたのか? 本作は2年近い同監督による密着取材の元に、佐村河内の姿を追った…という内容。

オーソン・ウェルズじゃない方のFAKE。堕ちた天才作曲家にしてペテン師、という今以て世間で語られる様な佐村河内像が本作を観て変わるかというと…そうでもない気はする。それでも惹句にも用いられた「衝撃のラスト12分間」ではドラマチックな展開を見せるのは確かなので、筆者も一応ここでは黙っておこう。

佐村河内が力説するのは、自らの障碍が真実という点だが…個人的にそこは別によくて、結局作曲はしてなかったんだろと。まあ自分も聖人君子ではないので敢えて批判はしない。でも作曲も出来ないのに作曲家面した面白い人って辺りが重要な訳で。その当人がそこをひっくり返しても、それはそれで大変面白い。

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2017.07.10

ビッグ・アイズ

観てみた、ティム・バートン監督映画。2014年公開。

一人娘と共に旧夫の元を逃れたマーガレット。その後彼女が再婚したのが、同じく絵を趣味に持つウォルターだった。やがて「ビッグ・アイズ」と呼ばれる、眼の大きな子供を描いたマーガレットの一連の絵は大評判になる。しかしそうした全ての作品は、社交的で商才のある夫が描いたものと世間を偽って…という内容。

画家マーガレット・キーンを題材にした実話映画。日本人なら恐らく誰もが連想するのが例の佐村河内事件だろうけれど、50年程前にも似た様な話があったというのだから驚く。…そちらと比較すると本作の事件で実際の夫は、最後まで自らの非を認めなかったというのだから、佐村河内以上の悪あがき振りが凄いわな。

映画ではその夫を存在感たっぷりに描いており、確かに最も目立つ対象なのだが…本作で胸に迫るのはマーガレットの孤独や疎外感。これは初期バートンを特徴付けていた主題と言え、個人的には久々に同監督作ではピンと来たな。
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2017.07.09

クロノス

観てみた。ギレルモ・デル・トロ脚本、監督映画。1993年公開。

かつて錬金術師/時計師の手で製作された、甲虫型の精巧な機械「クロノス」。天使像の中に隠されていたそれを発見した骨董商ヘススは、再び作動した機械の針先に刺される。やがて彼の肉体は若返ると共に、人の血を欲する様になってしまった。変貌するヘススを前にした、妻と孫娘のアウロラは…という内容。

デル・トロ、メキシコ時代の初監督作。闇と異形やそれを見つめる少女というダーク・ファンタジー的な題材は、後の「パンズ・ラビリンス」に結実すると思われ興味深い。まあオタク的には「パシフィック・リム」での日本のアニメ/漫画からの影響に反応してしまうけど、監督本来の中核はやはりこういう辺りなんだろうな。

思ったよりしっかりした内容である反面、見せ場皆無で退屈なのは初監督作だからか。それこそヘルボーイやパシリムでサービス精神を発揮できる様になったのは、その後キャリアを経て身に付けた「したたかさ」という外装なのかもね。
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2017.07.08

トランス

観てみた、ダニー・ボイル監督映画。2013年公開。

ある競売場に強盗団が押し入り、高額絵画が盗まれる。だが実は犯人の物にはなっておらず、開催側協力者サイモンの手で何処かに隠匿されていた。彼を拷問する強盗団だったが、サイモンは事件の際の怪我で記憶を失っていた。催眠療法士エリザベスの協力で、絵の在処を解明しようとするのだが…という内容。

2001年に放映された同名TV映画と、同じ脚本を基にしているという作品。ガイ・リッチーを思わせる序盤の絵画強奪シーン、また催眠状態の内面を映像化した場面などは、ヒッチコックの「白い恐怖」を連想させて引き込まれるんだけど…どんでん返しと言うか、結局「まあそうだろうね」って辺りに落ち着くのがちょっと。

現実と催眠状態を意図的に曖昧に混濁させているので、観ている間は流せるんだけど…最後まで観た後に振り返ると、相当無理な展開が連続している。どうせならラストで、「うつつまくら」並にボカしちゃった方がまだ納得出来たかもね。
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2017.07.06

目撃

観てみた。クリント・イーストウッド主演、監督映画。1997年公開。

凄腕の泥棒ホイットニーは忍び込んだある邸宅で、殺人現場を目撃する。被害者は家の主人が留守中の妻で、殺害したのはその妻が不倫相手にナイフを向けた事から発砲した警護官だった。不倫相手とは時の米大統領で、側近は事件を揉み消そうとする。だがホイットニーは証拠のナイフを持ち去り…という内容。

デイヴィッド・バルダッチの同名小説を原作とする本作。当時任期中の大統領はビル・クリントンで、こうして時を経た上で見るとその下半身にだらしないイメージが、そのまま反映している事に驚いてしまった。で社会正義の人イーストウッドが、それに業を煮やして作った映画が本作という見方も出来るとは思うけれど…

サスペンスとしては悪くないものの、近年の「覚醒後」の作品には及ばない。彼の監督作における覚醒前後を分けるのは、自己投影の度合いだと思う。本作の万能で強キャラな泥棒なんて、今の彼は(少なくとも自分では)演じないよな。
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2017.07.05

アウトロー

観てみた、クリストファー・マッカリー監督映画。2012年公開。

ある日男が狙撃銃を用いて、往来の人々を次々に殺害した。残された証拠から警察は、退役した兵士ジェームズ・バーを逮捕。奇妙な事に取り調べで彼は「ジャック・リーチャーを呼べ」というメモを示した。リーチャーとは元陸軍所属の捜査官で、ヘレン・ロディン弁護士に捜査協力する事になるのだが…という内容。

原作はリー・チャイルドによる小説、「ジャック・リーチャー」シリーズの第9作(邦訳版タイトルも「アウトロー」)。…原作の描写では主人公は大柄という設定のようだが、本作でトム・クルーズが主演するに当たって原作者は快諾したとの事。

個人的にアクション快作を期待して観たら全然違って、どちらかと言うと「ブリット」辺りに近い匙加減の刑事物だった(刑事ではないが)。小説が原作と言われると成る程という感じだが…結構展開がゆったりペースで、正直眠くなってしまった。だから現代版マーロウ物という感じもあるけれど、それだとトム君強すぎだな。
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2017.07.04

レバノン

観てみた。サミュエル・マオズ脚本、監督映画。2009年公開。

1982年6月のレバノン戦争。イスラエルの侵攻により始まったこの戦闘には、4名の若者が搭乗したある戦車も参加していた。歩兵部隊に随行する任務を負った彼らだったが、初めての戦場に戸惑い翻弄されてしまう。更に敵兵から対戦車攻撃を受け、しかもその当の相手が捕虜として車内に捕らえられ…という内容。

マオズ監督自身が戦車兵として参加したというレバノン戦争を描いた本作、ベネツィア映画祭では金獅子賞を獲得している。本作はカメラを戦車内だけに据えて、外部の映像はスコープ越しという斬新な演出が評価された。…圧迫感や重圧感が尋常ではない作品だけど、その反面戦争映画としては地味極まりないな。

同戦争はメルカバの初戦として知られるが、本作の主役戦車はセンチュリオン「ショット」。本編ではラストでようやく画面に映る演出だから、これってネタバレだけど…予告を見たらいきなりそのシーンが出て来たから、まあいいよね。
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2017.07.02

めだまろん ザ・レジデンツ・ムービー

観てみた、ドン・ハーディー監督によるドキュメンタリー映画。2015年公開。

「The Residents」は1960年代、ルイジアナで結成されたロックバンド。現在まで存続中の彼らだが、その正体は一切公にされず「目玉」のコスチュームが代表する、人を食った様な活動で知られている。本作はバンド関係者を始め、影響を受けた音楽家等のインタビューを中心に、彼らの実像に迫る…という内容。

同じドキュメンタリーを作るにしても現在も活動中のバンドなんだから、ツアーやレコーディングに密着するというやり方だってあった筈。でも上記事情のお陰でまるで故人や、解散済みのバンドでも扱ったかの様なアプローチになっている辺り面白い。ドキュメンタリーなのに、モキュメンタリーみたいな映画なんだよな。

本作は当然The Residentsの音楽に興味がある人の為の作品だろうけれど、ある種の「謎」を巡る創作劇として観たっていいかもしれない。…予備知識無しに観た人が「こんな人らいる訳ないじゃない」とでも思ってくれたら素晴らしい。

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2017.06.30

ラビッド

観てみた。デヴィッド・クローネンバーグ脚本、監督映画。1977年公開。

ローズは恋人ハートと同乗中のバイク事故で瀕死の重傷を負うも、駆け付けたケロイド医師の施術で一命を取り留める。だがそれは実験段階の細胞移植手術で、彼女は脇腹の棘の付いた突起物で他人の精気を吸い取る怪物と化してしまった。しかも被害者は凶暴化し、その症状は次々感染していって…という内容。

同監督初期のホラー作品で、肉体と精神の変容というテーマが既に見られる。扇情的に過ぎる音楽こそ違和感バリバリだが、無常観漂う結末もその後の作風を想起させた。まあ本作の場合「女吸血鬼物」の変形で、被害者の拡大は飽く迄吸血鬼の特徴を踏まえたものながら、感染型ゾンビを先取ったと言えるかも?

先取ったと言えば個人的に驚いたのは、劇中語られる細胞移植手術の説明が「iPS細胞」の概要そのままだった事(!)。…山中教授以前の研究事情はよく知らないけれど、30年前に映画で描いていたというのは、これ凄い事だよな。
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