2025.09.07

「’87 KAD 3:4:5:6」角谷美知夫

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聴いてみた、日本のサイケデリック・ギタリスト。2025年発表。

1990年に31歳でこの世を去った「角谷美知夫」が、生前制作したデモテープ音源をCDとして復刻したのが本作。1987年に角谷が各種楽器を多重録音したもので、交友があった作家・中島らもの遺品より発見されたとの事。尚ボーナストラックには中島や、鈴木創士らの参加したセッション演奏が収録されている。

本当に衝撃的なリリース…まさか、こんな音源が遺されていようとは。まあ衝撃を受ける人も世間には少ないだろうけど、以前PSFレーベルより発売された「腐っていくテレパシーズ」に打ちのめされた身としては、そう言わざるを得ない。コンピ的音源集だった前作より、1つの作品として纏まりがあるのも素晴らしい。

内容的には精神の不安定さがそのまま漏れ出したかの様な、聴いていて気が滅入ってしまうサイケデリック作。でも決して人を不快にさせるつもりではなく、飽くまでもありのままの自分を曝け出したものだろう。…儚く、哀しくも美しい。
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2025.09.05

「Voice of a generation」BLITZ

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聴いてみた、イギリスのパンクロック・バンド。1982年発表。

「ブリッツ」は1980年、Carl Fisher(vo)、Charlie Howe(dr)、Nidge Miller(g)、Neil McLennan(b)により結成。1982年にはNo Future Recordsより、1stアルバムの本作をリリース。「Oi!」の代表的存在として活動した。

その後作品発表に伴う音楽的な変遷や、メンバーの対立等あって解散してしまうのだが…本作は「Oi!」の名付け親、ギャリー・ブシェルが熱烈に支持したという、Oi!の代表的な演奏が聴ける。とか言っておいて自分はこのジャンルを上手く説明出来ないんだけど…「オイオイオイ」という掛け声が入る、例のあの感じね。

パンクスとスキンズのメンバーが両方いたりして、(その辺の縄張り争い?には、そこまでコダワリが無いのか)ややこしい事は考えずに聴いた方がいいのかも。…で今回購入したのは、ボーナストラック満載の2枚組CD(2008年発売)。個人的には音質や演奏がラフな、ライブやレア音源の方が面白く聴けたかな。
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2025.09.04

「The Harry Partch collection / Volume1」HARRY PARTCH

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聴いてみた、アメリカの現代音楽作曲家。1997年発表。

「ハリー・パーチ」は1901年、カリフォルニア州オークランドで誕生。母親からの手ほどきで、各種楽器を演奏する様になる。南カリフォルニア大学へ進学するも中退。ホーボー生活の傍ら、独自理論に基づく音楽の研究を進める。特に「43微分音」を用いた楽曲により、後進に多くの影響を与えた。1974年逝去。

本作は彼の1949年から、1955年にかけての作品を集めたコンピ盤。「43微分音」というのは、平均律では1オクターブを「12音」で割るところを更に細かくしたもので、通常の西洋楽器では演奏が不可能。なので竹の長さを調整・切断した管を多数並べて音を出したりと、独自の自作楽器を用いているのが面白い。

その雰囲気が、存在しない民族音楽みたいと言うか…何だかThe Residentsの演奏を思わせる、ストレンジさビザールさ。その両者に影響関係があるかどうかは知らないけど…難解と言うよりヘンテコな感じは、きっと楽しく聴ける筈。
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2025.09.02

「Budapest éjszakája szól / Ady dalok」MAKÁM

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聴いてみた、ハンガリーのトラッド/フォーク・バンド。2019年発表。

1984年にMakám És Kolindaが分裂、Zoltán Krulik(g,vo)を中心に独立した「マカーム」。その後もメンバーの変遷を経つつ、作品発表を続けて来た。2022年にはKrulikとMakámに、「ハンガリー遺産賞」が与えられたとの事。

本作は彼らの結成35周年を記念して行われた、ライブを収録したアルバム(何でかDiscogsに登録されてない?)。20世紀初頭のハンガリー文学者である「アディ・エンドレ」に敬意を捧げた、トータルコンセプト作となっている。彼の詩作品を歌詞として採り入れている様で、成る程演奏よりも歌物が中心という印象。

それがトラック毎に曲調が違っていて、正直掴み所がない。変拍子も勿論あるけれど…レコメン系みたいに前衛的な曲や、トラッドともフォークとも言えないのが多いかも。それが男女デュエットだと、Serge GainsbourgとJane Birkinみたいになるのが面白いと言うか。まあKolindaとだいぶ違うのは、よいのでは?
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2025.09.01

「6」KOLINDA

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聴いてみた、ハンガリーのトラッド/フォーク・バンド。1988年発表。

「コリンダ」は1974年、Péter Dabasi(mandoloncello,gadulka,vo)を中心に結成された。Makámとの合体バンド「Makám És Kolinda」の解消後も定期的にアルバムをリリースし、1994年には結成20年の記念として、オリジナルメンバーでのツアーも行った。現在でも散発的ながら活動を行っている模様。

本作はM&K解消後の初作品。初期の3枚+M&Kの2枚のアルバムを経てのものなので、「6」というタイトルが冠されている。本作の収録は1983年と1987年に行われ、それぞれで多少メンバーに変更がある。とは言え音楽性自体は一貫しており、変拍子トラッド〜フォーク系チェンバーロック、という例の感じな。

そういう意味ではM&Kの方向性と、流石にそう大きな違いはないものの…割れ気味の管楽器(多分リコーダー)のバーバリックな音色のお陰もあって(?)、洗練しきれないプリミティブな魅力がある。これは、文句なしにカッコいい1枚。
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2025.08.30

「A 30 éve alakult együttes karácsony koncertje a Millenáris teátrumban」MAKÁM & KOLINDA

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聴いてみた、ハンガリーのトラッド/フォーク・バンド。2011年発表。

1974年に結成された「コリンダ」。3枚のアルバムをリリースし、一旦活動停止した後に再編成されたのが「マカーム&コリンダ」。1982年に同名の1st、1984年に2ndを発表した後に「マカーム」が独立し、各々で活動する事になる。

(自動翻訳のせいで正確じゃないかも)…まあ本作はその結成30年を記念して再集合した合体グループの、コンサートを収録したライブ盤。M&Kに3人を加えた、総勢11名という大編成での演奏(Millenáris Teátrumは会場の名前)。ドゥドゥクやガドゥルカといった、耳慣れない民族楽器も採り入れられている。

でも音の響き自体は(最新の録音機材を用いているお陰か)実にモダンで、トラッド曲を聴いているという感じはあまりして来ない。印象としては、近年のチェンバーロックをイメージすればいい。なので正直、好き嫌いは出てしまうと思うけれど…個人的には意外と悪くない。変拍子バリバリなら、まあ無条件に好きだし。

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2025.08.29

「リーダー・ウント・テンツェ」リリエンタール

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聴いてみた、ドイツのトラッド/フォーク・バンド。1977年発表。

「Lilienthal」は1976年のゲッチンゲンで、アイリッシュ・フォーク曲を演奏する、Rakish Paddy und Kith and Kin’から発展。翌年1stアルバムとなる本作をリリースして以降、(コラボ作も含め)全7枚のアルバムを制作した。が2003年、Herwig Steymans(vo,g,key,per)の逝去に伴い活動を停止した。

主に収録しているのはルネサンス期の舞曲やトラッドで、どちらもドイツの伝統曲。でも元々はフォーク・リバイバルからの影響で、英トラッドを演奏していたとの事。メンバーの殆どが、ギターとクレジットされているのを見ても成る程と。

なのでライナーの解説でも、PentangleやFairport Conventionからの影響を指摘しており興味深い。とは言え単に英国の物真似じゃなく、自国の民族楽器や「中低地ドイツ語」を採り入れ(プロテストソング的内容の歌詞を歌っている)独自の個性を発揮している。…個人的にはこのバンドの音楽、すごく好き。

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2025.08.27

「ノー・モア・トゥ・ザ・ダンス」シリー・シスターズ

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聴いてみた、イギリスのトラッド/フォーク・デュオ。1988年発表。

「Silly Sisters」は、Maddy PriorとJune Taborの女性シンガーによるデュオ。Steeleye Spanのボーカルとして知られるPriorが、当時(図書館員だったという)無名のTaborと制作した同名アルバムを1976年にリリースした。本作はその12年後の2ndで、Dan Ar Braz(g)を始めとする演奏が支えている。

全編アカペラという訳ではないけれど、2人で歌っている印象が強いと思う。当時のスティーライの音楽性はロック/ポピュラー化して既に長い頃で、Priorがトラッド曲にシリアスに取り組むのは久々となる模様。…でも本作ではエレキギターやキーボードも用いており、異質/現代的な響きも意識的に採り入れられた。

個人的に連想したのはEnya辺り…(Enyaはトラッド歌手じゃないけど、伝統音楽的な要素があると共に)実際1986年がデビューらしいので、同時代的な音楽性というのはやはりあるんじゃないかな。スティーライもいいけどこっちもね。

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2025.08.26

「知とよろこび」テイル・トッドル

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聴いてみた、オランダのトラッド/フォーク・バンド。1977年発表。

「Tail Toddle」は蘭Stoofレーベルに、LPとEPを各1枚残したグループ。メンバーは、Bianca Duindam(vo.)、Stephan Duindam(g,bouzouki,dulcimer)、Jan Duindam(g,banjo,dulcimer)、Nol Duindam(g,mandolin)。

なお全員コーラスも兼ねている。…本作はオランダの伝統曲を採り上げているのだが、それらは17世紀にヴァレリウスという人物が書いた、歴史書に掲載されたもの。同国では一時期民族音楽は消滅したものと認識され、フォークリバイバルで再発見されるまでアイルランド等、英周辺のトラッドが好まれていた。

(前記事の疑問がこれで判った)…で本作も上記事情を踏まえて聴くと大変興味深いが、踏まえなくても楽しく聴ける。まあ当バンドの演奏者は全員ギターを用いて、逆にダルシマー等は使ってもフィドルは無しという辺り面白い。英は割とギター先導の傾向があるので、本作でも影響が皆無って訳じゃないのかも。

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2025.08.24

「ホワッツ・イン・ア・ソング」シカモア

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聴いてみた、オランダのトラッド/フォーク・バンド。1977年発表。

「Sycamore」は1970年代、オランダのStoofレーベルで2枚のアルバムをリリースしたグループ。メンバーは、Hans Hassing(fl,tin whistle,vo)、Math Bruls(g,mandolin,mandola,harp,vo)、Erik Nijsten(g,vo)、Suzanne van Nassau(fiddle,altrecorder,vo)、Jan Vernhout(b,vo)、Gaudia Geijsen(vo,per)。…蘭国の出身ながら英トラッド曲を演奏しているのが特徴。

まあ殆ど情報が無い為に、ライナーの解説でもほぼ推測でしか書かれていないのだけれど…オランダでもイギリスのフォーク・リバイバルの影響は大きく、そうしたバンドが採り上げた曲を自然に演奏する様になったのだろう。という話。

実際Pentangleも演奏したトラッドが、本作にも収録されているのは興味深い。内容も英に近い感覚があって、結構取っつきやすいのでは。変拍子のダンス曲とかあるし。ギターがリード楽器ではなく、リズム楽器的な使い方で面白い。

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2025.06.06

「マルチュピ」アサラ

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聴いてみた、バスクのトラッド/フォーク・バンド。1985年発表。

「Azala」は1980年代に活動していたグループで、4枚のアルバムを残した。メンバーは、Marta Cocho (fl, alboka)、Koro Andonegi (acc)、José Leon Kazabon (g)、Asier Carrasco (txistu, sapo txistu, abotsa)、Tomás Diaz (dultza ina)、Inaki Malbadi (trikitixa)、Ramon Dorronsoro (perc)、Ion arrizabalaga (atabala)。なお「アルボカ」というのは2本の牛の角で作ったホルン、「チシトゥ」は3つの穴の羊飼いの横笛、だとの事。

他にも判らない楽器の名称があるけど、ライナーには説明が無い。同グループはバスクの愛の歌「ベルチョラリ」と、ダンス音楽の両方を演奏するらしい。

バスクの音楽は多少聴いてはいるけれど、割とプログレ寄りだったりとモダナイズされたものだったので、Azalaの音楽はより原初的というか土俗的な感覚があって悪くない。地中海風の変拍子ダンス音楽とか、自分そりゃあ好きだし。

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2025.06.05

「さらばアイルランド」ドロレス・ケーン&ジョン・フォークナー

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聴いてみた、アイルランドのトラッド/フォーク・デュオ。1980年発表。

「Dolores Keane」は1953年、ゴールウェイ州シレーンで誕生。音楽家の叔母の影響で、幼い頃より歌を歌う様に。同地の伝統音楽を演奏する「De Danann」のメンバーとして名声を得た。本作は私生活のパートナーであるJohn Faulkner(vo,g)とのデュオに、Éamonn Curranがバグパイプ等で加わった。

題名にある「さらば」というのは、19世紀の大飢饉で他国へと旅立ったアイルランド移民を表すらしい。本作にはそうした人々が口ずさんだ、移民の歌を採り上げている(因みにZEPの曲は、バイキングの事を歌ってるので関係ない)。

聴いた感じは何だか農民歌みたいだな、と思ったのだけれど(アカペラ独唱の曲などは、日本の民謡っぽかったりする)…アメリカへ移住した人々には農民が多く含まれていたのだろうから、それも宜なるかな。アイルランドへの望郷の念と恨み節に溢れた歌詞を読むと、日本の演歌と共通する感情かもしれない。

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2025.06.03

「ディライテッド・ウィズ・ハープ」シリース

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聴いてみた、スコットランドのハーピスト・デュオ。1986年発表。

「Sìleas」は1982年、Sprangeenというバンドの録音の際に出逢った、Patsy Seddon(electric harp,gut-strung harp)とMary Macmaster(electric harp,metal-strung harp)が結成。英語とゲーリック語での歌唱で、5枚のアルバムを制作。2013年にはスコットランド伝統音楽に殿堂入りした。

本作は同デュオの1stアルバム。基本的には2台のハープによる合奏だが…アコースティック・ハープとエレクトリック・ハープ、更にガット弦と金属弦とを使い分ける事で、豊かな音色の組み合わせと楽曲の幅を出す事に成功している。ハープ演奏にはぶっちゃけ詳しくないものの、面白い発想なのではなかろうか。

ゲーリック語というのはゲール語のスコットランドでの呼び名で、古ケルトの流れを汲むもの。ケルトと言われると、何故だかテンションが上がる訳だけど…それに加えてケルティック・ハープの音色は、妖精の世界に誘うかの様だな。

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2025.06.02

「ナダル・エンカラ」ロジーナとマルティナ

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聴いてみた、フランスのトラッド/コーラス・グループ。1981年発表。

「Rosina de Pèira E Martina」は、1933年にファバで生まれたRosinaと、実娘であるMartinaとのコーラスデュオ。Rosinaは南仏のロワール河以南で中世に用いられていた俗語、「オック語」による歌唱で現地では伝説的なシンガーである。娘とのデュオ作を6枚程リリースした後、2019年この世を去った。

本作は母娘のデュオに更に2人を加えて、オック語圏に伝わっていたクリスマス・キャロルをアカペラで歌ったアルバム。アカペラと言えばティッシュのCM(前にも書いたなこれ)…ともちょっと違っていて、多重コーラスによる厚みがあって案外聴きやすい。声を伴奏楽器みたいに使っている辺りなども、仲々面白い。

クリスマス・アルバムというのは正直、シーズンを外れるとどうも聴くのに抵抗があったりするけれど…本作なら、そういうの無しに楽しめるんじゃないかな。オック語の響きがまず素敵で、美しいコーラスは年中敬虔な気持ちで聴けそう。

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2025.05.31

「時の流れに」ブラス・モンキー

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聴いてみた、イギリスのトラッド/フォーク・バンド。1986年発表。

「Brass Monkey」は1980年代に、ギタリストのMartin Carthyを中心に結成。第2作となる本作は、 John Kirkpatrick(accordion他)、Howard Evans(tp他)、Richard Cheetham(trombone)、Martin Brinsford((harmonica, sax)という編成。管楽器主体でトラッドとしては、特異な形態である。

その事自体ユニークだけれど特にCarthyという人が、ギタリストとして英フォークリバイバルで画期的役割を果たした人物、だって辺りがすごい。初期のSteeleye Spanにも参加しているのだが…本作で主役は「ブラス」で、リズム・セクションが入っていない上に、ギターもあくまでも控えめな役割に留まっている。

なので結構音楽としての質感が違う。その辺は正直、好みが別れそうな気もするけど…ブラスの楽しそうな躍動感は、スティーライ的なシリアスさとも違って、これはこれで面白い。本作のライナーは、今までの疑問が色々解けました。

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2025.04.20

「アビシニアン」ジューン・テイバー

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聴いてみた、イギリスのフォーク・シンガー。1983年発表。

「June Tabor」は1947年、ウォリックで誕生。独学でフォークの歌唱を学んだ後、様々なレコーディングに参加する様になる。ソロでの活動の他にも、Maddy Priorとのデュオとなる「The Silly Sisters」で作品を発表している。一時期音楽からは身を引いていたのだが、1990年代に復帰して現在も活動中。

本作は彼女の4枚目のソロアルバム。バッキング演奏もあるものの、本作の殆どは彼女の独唱によるアカペラが中心。聴いた感じはと言うと、昔ティッシュのCMで流れる曲が呪いの歌だ、って噂があったじゃない?…あんな感じ。まあTaborの歌は、もっとドスが効いた感じなのだけれど(しかし古すぎる例えだなあ)。

それより個人的にはNicoを連想した、と言った方がいいか。本作で採り上げた曲の多くはトラッドながら、かなり印象が違って聴こえる筈。深い残響を伴った歌声が、英国の霧の立ち籠める森の情景を思い起こさせる…かもしれない。

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2025.04.18

「(same)」ラウルプー

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聴いてみた、フィンランドのトラッド/フォーク・バンド。1981年発表。

「Laulupuu」はフィンランドで、同地のトラッドを演奏するグループ。メンバーはLiisa Lääveri(vo)、Eeva-Leena Sariola(vo, kantele)、Matti Kontio(vo, kantele, guitar他)、Hannu Syrjälahti(vo, kantele)、Tapio Salo(contrabass)。本作「Suomalaisia Kansanlauluja」が唯一作。

フィンランドでも1960年代末にフォークリバイバルが起きたそうで、同国ではカウスティネンという村が発祥地となる。…Laulupuuもそれ以降のグループだが、フィンランド独自の弦楽器「カンテレ」がフィーチャーされているのが特徴。

本作ではギターも用いられてはいるものの、脇役としての使い方の様だ。でもライナーだと(ギターではなく)「フィドル」を使わない事を、特記していたのが興味深い。フィンランドならでは…かは判らないけど、かなり独特な素朴さがある。その代わり(?)に、60年代のフレンチポップスみたいな曲もあるのは面白い。

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2025.04.17

「ブルターニュの調べ」ソアジグ

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聴いてみた、フランスのハーピスト。1980年発表。

「Soazig」は、フランスのブルターニュ地方で活動するハープ奏者。ブルターニュは仏におけるフォークリバイバルの勃興地だとの事で、彼女もトラッド曲の演奏に際して、復元された「ケルティック・ハープ」を用いている。本作はそのハープ独奏によるSoazigの1stアルバム、他にも2枚程アルバムを制作している。

Soazigに関しては殆ど情報が無いのだけれど…本作でもケルトのトラッドを、多く採り上げている。音楽的な特徴はやはりケルティック・ハープで、多少小型なところもあってか、トラッドらしい軽快な印象がある。でも本作に収録されているダンス曲のメドレーを聴くと、流石にギター等とは違ってスピード感が無いな。

小型とはいえ弦と弦の間が離れているし、指先の動きだけでは演奏できないからかも(あとギターで言う「ストローク奏法」みたいなのが頻繁に入るのが、ハープらしくて面白い)。でもこうした独特な響きも楽しく聴けるんじゃないかな。

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2025.04.15

「(same)」アベルジャベル

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聴いてみた、ウェールズのトラッド/フォーク・バンド。1985年発表。

「Aberjaber」は、同地のトラッドを採り上げた初期のグループ「Cromlech」メンバーにより結成。Peter Stacey(fl,bagpipes他)、Stevie Wishart(vl,hurdy gurdy他)の2名に、ハープ奏者のDelyth Evansを加えて1985年にリリースしたのが、本作1stアルバム。その後も2枚アルバムを制作している模様。

当グループは「ケルト」のトラッドを中心に採り上げており、バグパイプの音を聴くとああとなる感じ。…で本作でもギターは、演奏で用いられていないのが興味深い。代わりにハープの音色が中心だと、古代の音楽ってイメージになるな。

ライナーによると同地方で、ケルトのトラッドが見直される用になったのは実は結構最近。英フォークリバイバルから更に遅れてのものだが、80年代頃からケルト音楽が世界的ブームになった印象なのは、そのままリアルタイムの現象だったみたい。…本作もそうした伝統の復活と、新鮮さが感じられる好盤でしょう。

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2025.04.14

「ウェールズの雪」カレンニグ

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聴いてみた、ウェールズのトラッド/フォーク・バンド。1985年発表。

「Calennig」は1978年、Mick Tems(accordion,p,syn,vo.他)とPat Smith(vo.他)の2人組で結成。南ウェールズのスウォーンジーを拠点に活動、1980年には1stアルバムをリリースした。本作「Dyddiau Gwynion Ionawr」は彼らの3rdで、Mike Kennedy(b,dr)を迎えて、レコーディングが行われた。

本作はほぼ全曲でトラッドナンバーを採り上げており、エレキベースも導入している辺りからして、英国フォークリバイバル以降の表現と見てよいと思う。でも本作では「ギター」を用いず、アコーディオンがメインのリード楽器という点は独特…かな?(後述すると思うけど、トラッド演奏で案外ギターは使われない)。

電化トラッドの先入観があると、素朴な響き(有名バンドはやはり洗練されている)に感じるかもしれないが…これはこれでよい。歌詞の方も炭鉱労働者のスト等を採り上げており、その辺からもウェールズ独自の味わいがあるのかも。

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