2025.04.20

「アビシニアン」ジューン・テイバー

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聴いてみた、イギリスのフォーク・シンガー。1983年発表。

「June Tabor」は1947年、ウォリックで誕生。独学でフォークの歌唱を学んだ後、様々なレコーディングに参加する様になる。ソロでの活動の他にも、Maddy Priorとのデュオとなる「The Silly Sisters」で作品を発表している。一時期音楽からは身を引いていたのだが、1990年代に復帰して現在も活動中。

本作は彼女の4枚目のソロアルバム。バッキング演奏もあるものの、本作の殆どは彼女の独唱によるアカペラが中心。聴いた感じはと言うと、昔ティッシュのCMで流れる曲が呪いの歌だ、って噂があったじゃない?…あんな感じ。まあTaborの歌は、もっとドスが効いた感じなのだけれど(しかし古すぎる例えだなあ)。

それより個人的にはNicoを連想した、と言った方がいいか。本作で採り上げた曲の多くはトラッドながら、かなり印象が違って聴こえる筈。深い残響を伴った歌声が、英国の霧の立ち籠める森の情景を思い起こさせる…かもしれない。

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2025.04.18

「(same)」ラウルプー

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聴いてみた、フィンランドのトラッド/フォーク・バンド。1981年発表。

「Laulupuu」はフィンランドで、同地のトラッドを演奏するグループ。メンバーはLiisa Lääveri(vo)、Eeva-Leena Sariola(vo, kantele)、Matti Kontio(vo, kantele, guitar他)、Hannu Syrjälahti(vo, kantele)、Tapio Salo(contrabass)。本作「Suomalaisia Kansanlauluja」が唯一作。

フィンランドでも1960年代末にフォークリバイバルが起きたそうで、同国ではカウスティネンという村が発祥地となる。…Laulupuuもそれ以降のグループだが、フィンランド独自の弦楽器「カンテレ」がフィーチャーされているのが特徴。

本作ではギターも用いられてはいるものの、脇役としての使い方の様だ。でもライナーだと(ギターではなく)「フィドル」を使わない事を、特記していたのが興味深い。フィンランドならでは…かは判らないけど、かなり独特な素朴さがある。その代わり(?)に、60年代のフレンチポップスみたいな曲もあるのは面白い。

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2025.04.17

「ブルターニュの調べ」ソアジグ

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聴いてみた、フランスのハーピスト。1980年発表。

「Soazig」は、フランスのブルターニュ地方で活動するハープ奏者。ブルターニュは仏におけるフォークリバイバルの勃興地だとの事で、彼女もトラッド曲の演奏に際して、復元された「ケルティック・ハープ」を用いている。本作はそのハープ独奏によるSoazigの1stアルバム、他にも2枚程アルバムを制作している。

Soazigに関しては殆ど情報が無いのだけれど…本作でもケルトのトラッドを、多く採り上げている。音楽的な特徴はやはりケルティック・ハープで、多少小型なところもあってか、トラッドらしい軽快な印象がある。でも本作に収録されているダンス曲のメドレーを聴くと、流石にギター等とは違ってスピード感が無いな。

小型とはいえ弦と弦の間が離れているし、指先の動きだけでは演奏できないからかも(あとギターで言う「スウィープ奏法」みたいなのが頻繁に入るのが、ハープらしくて面白い)。でもこうした独特な響きも、楽しく聴けるんじゃないかな。

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2025.04.15

「(same)」アベルジャベル

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聴いてみた、ウェールズのトラッド/フォーク・バンド。1985年発表。

「Aberjaber」は、同地のトラッドを採り上げた初期のグループ「Cromlech」メンバーにより結成。Peter Stacey(fl,bagpipes他)、Stevie Wishart(vl,hurdy gurdy他)の2名に、ハープ奏者のDelyth Evansを加えて1985年にリリースしたのが、本作1stアルバム。その後も2枚アルバムを制作している模様。

当グループは「ケルト」のトラッドを中心に採り上げており、バグパイプの音を聴くとああとなる感じ。…で本作でもギターは、演奏で用いられていないのが興味深い。代わりにハープの音色が中心だと、古代の音楽ってイメージになるな。

ライナーによると同地方で、ケルトのトラッドが見直される用になったのは実は結構最近。英フォークリバイバルから更に遅れてのものだが、80年代頃からケルト音楽が世界的ブームになった印象なのは、そのままリアルタイムの現象だったみたい。…本作もそうした伝統の復活と、新鮮さが感じられる好盤でしょう。

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2025.04.14

「ウェールズの雪」カレンニグ

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聴いてみた、ウェールズのトラッド/フォーク・バンド。1985年発表。

「Calennig」は1978年、Mick Tems(accordion,p,syn,vo.他)とPat Smith(vo.他)の2人組で結成。南ウェールズのスウォーンジーを拠点に活動、1980年には1stアルバムをリリースした。本作「Dyddiau Gwynion Ionawr」は彼らの3rdで、Mike Kennedy(b,dr)を迎えて、レコーディングが行われた。

本作はほぼ全曲でトラッドナンバーを採り上げており、エレキベースも導入している辺りからして、英国フォークリバイバル以降の表現と見てよいと思う。でも本作では「ギター」を用いず、アコーディオンがメインのリード楽器という点は独特…かな?(後述すると思うけど、トラッド演奏で案外ギターは使われない)。

電化トラッドの先入観があると、素朴な響き(有名バンドはやはり洗練されている)に感じるかもしれないが…これはこれでよい。歌詞の方も炭鉱労働者のスト等を採り上げており、その辺からもウェールズ独自の味わいがあるのかも。

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2025.04.12

「フィーリング・ザ・シーリング」ルイージ・アナ・ダ・ボーイズ

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聴いてみた、イギリスのハードロック・バンド。2024年発表。

「Luigi Ana Da Boys」は1976年頃、西ヨークシャー州の高校で、Duncan McFarlane(g,vo.)を中心に結成。翌年に録音されたのが本作「Feeling The Ceiling」。1000枚がプレスされプロモーション用に各所へ配布されたものの、レコード会社等からの反応は無かった。その後バンドは解散するも散発的ながら活動を継続し、本作は幻のアルバムとして高いプレミアが付く様になった。

オリジナル盤は資金的な都合から白い無印刷のジャケットだったのが、2024年の再発の際に現行の物となった(筆者が購入したのはP-Vineよりの日本盤)。…で音楽的には、これはもう「Wishbone Ashみたい」の一言に尽きる。

何せ他に語り様がないというのも正直な所。幾らでも伝説になってそうな存在なのに、(バンド名や白ジャケ始め)素っ気無さすぎ。有名バンドはやはり、そういう自己プロデュースに長けてるというのが判る。個人的には好きだけどね。
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2025.03.17

「ゴジラ オリジナル・サウンドトラック」伊福部昭

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聴いてみた、映画のサウンドトラック・アルバム。2014年発表。

日本の作曲家「伊福部昭」が手掛けた、「ゴジラ」(1954年公開)の映画音楽。本アルバムはその際に使用された楽曲を、全て集めるというコンセプトのもので、公開当時にはそうした形態ではリリースされていなかった。…伊福部昭生誕100年、ゴジラ誕生60周年の記念企画として、アナログレコードが発売された。

で昨年が伊福部昭生誕110年ゴジラ誕生70周年で、同アルバムがCDでリイシューされるついでにレコードの方も再発された。今回購入したのもその再発レコード、元のは「完全初回プレス限定盤」と謳っていた筈だが…まあいいか。

内容の方はお馴染みの楽曲がまとめて聴けるので、よいものなのに決まっている。ただモノラル録音なのに加えて、音源にほぼ手を加える事なくそのままお出ししたそうなので、何というか音楽と言うより記録音源みたいな感覚がある。…とは言え「平和への祈り」等は、やはりレコードで聴くと格別の味わいがあるな。
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2025.03.16

「Nordheim」CIKADA DUO

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聴いてみた、ノルウェーの現代音楽作曲家。2007年発表。

「アルネ・ノールヘイム」は1931年に誕生し、オスロ音楽院でオルガンそして作曲を学んだ。後にコペンハーゲンやパリで、電子音楽への道へと進む事となる。同国を代表する現代作曲家として知られるようになるも、2010年に逝去。

本作は彼の電子音楽作品「Electric」(1974年)を、Kenneth Karlsson(per)とBjørn Rabben(syn)の「シカダ・デュオ」が演奏したもの。そちらにエレクトロニクスや女性ソプラノを加え、Nordheimの世界をモダンに再現している。

まあ自分はNordheimを聴くのは初めてなので、比較した訳でもないが。感じとしては声楽が多めでその印象が強い。現代声楽曲は、すぐOpus Avantraと挙げたくなる辺り、例えの幅が狭くてお恥ずかしい。でもギリシャの詩人アルキロコスを歌詞に採り入れているそうで、意外と近いかも。演奏の方は2001年の、スターゲート場面で流れる曲みたいな印象があったり。…その例えもどうだろう。
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2025.02.28

「Accordion & voice」PAULINE OLIVEROS

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聴いてみた、アメリカの現代音楽作曲家。1982年発表。

「ポーリン・オリヴェロス」は1932年、テキサス州ヒューストンで誕生。大学等で音楽を学んだ後に、第二次世界大戦後の米国における電子音楽の中心人物となる。自身の音楽性を「ソニック・メディテーション」と称しており、瞑想的な響きを持った持続音によるドローン・ミュージックを中心に制作した。2016年没。

本作もそうしたドローン音楽の一つだが、演奏に用いられているのは機械ではなく、「アコーディオン」と彼女自身の「声」によるもの。…Tr1は一片のメロディーすら無い曲だが、Tr2の方には多少音階らしきものも採り入れられている。

という説明をしてしまうと如何にも難解そうだけど…電子機器の発する音ではなくアコーディオンと声という耳に馴染んだ、肉体的・有機的な音響なので、意外に結構気持ちよく聴ける筈。灰野敬二によるハーディガーディでの演奏曲の感じに近いかな。でもジャケットの自然風景と、一体化した空気も感じてみたい。
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2025.02.27

「Below the salt」STEELEYE SPAN

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聴いてみた、イギリスのフォーク/ロック・バンド。1972年発表。

3rdアルバムの発表後、創設メンバーのAshley Hutchingsが脱退し、Maddy Prior(vo.)、Tim Hart(g他)を中心に再編された「スティーライ・スパン」。本作4thアルバム以降ロック色を強めて、現在まで続く活動の礎となった。

元々はFairport Conventionを脱退したHutchingsの意向により、(基本的にはドラムスを導入しない)硬派な伝統曲のフォーク演奏を行って来た当グループ。本作でも全曲トラッドを採り上げているものの、ヒット曲「Gaudete」も輩出した事もあって、よりダイナミックでポピュラリティあるスタイルを強めている。

まあ当グループは初期3枚の評価が高い、という認識で間違いないと思うが(筆者が先にYBO2のカバーで知った、Boys of Bedlamも2ndに収録)本作も…と言うか、本作以降もスティーライは全部いい。殆ど全ての作品に参加しているPriorの歌声が素晴らしいので、多少演奏の方が変わっても魅力は不変だな。

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2025.02.26

「The 5000 spirits or the layers of the onion」THE INCREDIBLE STRING BAND

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聴いてみた、スコットランドのサイケ/アシッドフォーク・バンド。1967年発表。

1966年に1stアルバムの発表をしたものの、一旦は解散した「ザ・インクレディブル・ストリング・バンド」。その後、Robin Williamson(g,p他)とMike Heron(vo他)のデュオとして再結成され、翌年リリースした2ndアルバムが本作。

前作での主に伝統的なフォーク音楽から、サイケデリック・フォークやアシッド・フォークへと音楽性を発展。同時代的なヒッピームーブメントとも呼応して、アメリカでも高く評価された。…当時流行っていたシタール等を採り入れており、英国のフォークという感覚で聴いていると、余りのスモーキーさにむせてしまう。

無国籍フォーク…と言うよりは、移動民族的な自由さと横断性が感じられるのではないかな。Paul McCartneyやDavid Bowieからも、高く評価されたそうだが…本作のサイケサイケしたジャケットを手掛けた「ザ・フール」という集団は、アップルブティックの建物にも壁画を描いたりしたそう。成程、当時っぽいねえ。

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2024.10.25

「Caminantes… ayacucho」LUIGI NONO

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聴いてみた、イタリアの現代音楽作曲家。2007年発表。

「ルイジ・ノーノ」は1924年、ヴェネツィアにて誕生。ヴェネツィア音楽院で理論を学び、卒業した後に生涯行った作曲活動は大きく3期に分かれている。初期にはセリー音楽、中期の政治的主張を推しだしたテープ音楽、後期ではライブエレクトロニクスでの音楽制作を行った。1990年に生地ヴェネツィアで没した。

本作に収録された3曲は「後期」に属するもので、1986年〜1989年にかけての作品。でもライブエレクトロニクスではなく、管弦楽曲となっている。…いるのだけれど、かなり(現代音楽らしい)晦渋な内容。特にやたら音量の低い場面が延々続き(てっきり無音かと)、逆に突然大きな音を鳴らしたり。イヤガラセか。

特に興味深いのは代表作でもある、「進むべき道はない、だが進まなければならない…アンドレイ・タルコフスキー」(1987年)という曲。タルコフスキーとは勿論ソ連の映画監督の事で、制作時期を見るとその死(1986年)に触発された作品だろうと推測は出来る。ただ作曲家とのつながりは、よく判らないのだよな。
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2024.10.23

「秘密…マニの光 / 西村朗管弦楽作品集」西村朗

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聴いてみた、日本の現代音楽作曲家。2006年発表。

「西村朗(にしむらあきら)」は1953年、大阪市城東区で誕生。小学5年生でクラシックと出逢い、作曲家を志す。東京藝大大学院卒業までに多くの音楽家から教えを乞い、作曲家として独立する。作曲活動の一方、ラジオ・テレビの音楽番組で司会や解説を務めるなど、現代音楽の普及にも尽くした。2023年没。

本作は彼が2001年〜2006年にかけて制作した、管弦楽曲を4作集めたアルバム。表題作が仏教要素をモチーフとするのを始め、全体としてもスピリチュアルなイメージに基づいている。まあ作品リストの表題をざっと見ると、大体そんな感じではあるので…作曲家が生涯に渡って取り組んで来たテーマなのだろう。

曲調としてもハープや雅楽器ぽい音色が鳴っていたりすると、昔の大作仏教系映画のサントラ感(伊福部とか)があるかも。でもご本人は(TVへ出演はしても)映画音楽等を手掛ける事はなかったみたい。現代音楽家の活動も色々だ。
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2024.10.22

「Player piano 1」CONLON NANCARROW

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聴いてみた、メキシコの現代音楽作曲家。2006年発表。

「コンロン・ナンカロウ」は1912年、アーカンソー州テクサーカナにて誕生。ジャズ・トランペット奏者となった後、多くの音楽家に師事して作曲を学ぶ。その後スペイン内戦で人民戦線側に参戦した事から、アメリカへの帰還かなわずメキシコへ亡命。日本人女性を妻に迎え、音楽活動を続けるも1997年に逝去。

彼の代表作となるのが「自動ピアノの為の習作」シリーズで、本作はその第1番から第12番を収録している(全51曲だが、最終作は3750番という曲名)。…独自改造によるプリペアド・ピアノを用いた、人間技ではとても演奏できない複雑な曲調で、その上「五線譜上には記譜すらできない」リズムまで実現している。

と聞くと難しそうだけど、「映像の世紀」のBGM(前にもこの喩え使ったな)とかサティみたいな感じ。ヴォードヴィル風だったりして案外親しみやすい…気はするものの、複雑すぎる曲がおっそろしいスピードで演奏されて実に楽しい。
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2024.10.20

「Basket of light」THE PENTANGLE

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聴いてみた、イギリスのフォーク/ロック・バンド。1969年発表。

1967年にBert Jansch(g)、John Renbourn(g)、Jacqui McShee(vo.)らによって結成された「ペンタングル」。トラッドにジャズやブルースの要素を採り入れた、斬新な音楽性により英フォークシーンの中心的存在となった。

本作は彼らの3作目のアルバムで、最高傑作との呼び声も高い。自分も最初に聴いた事もあって、最も愛着を覚える。当時現地ドラマの主題歌にもなったという1曲目「Light Flight」は、何故かやけに脳内リピート率が高いし。…何故かと言うか、アップテンポで高度な演奏はいわゆる「トラッドロック」の白眉でしょう。

でこのアルバムを無性に「レコード」で聴きたくなったので、手軽にオクで入手してみた。一応Transatlanticの英国盤だけれど、1stプレスではなく(例のイラストレーベルなので)多分2nd以降。初回が欲しいという気持ちもあるものの、「手軽」にならこんなものでしょう。でも…うむ、やっぱりレコードはよいですなぁ。
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2024.10.19

「In the round」PENTANGLE

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聴いてみた、イギリスのフォーク/ロックバンド。1986年発表。

1973年に解散した「ペンタングル」は1982年に再結成するも、John Renbournが間もなく脱退。Bert Jansch(g)、Jacqui McShee(vo.)を始めとする、残されたメンバーで作品発表を続けた。Jansch離脱(2011年逝去)以降は、McSheeを中心とする「Jacqui McShee's Pentangle」として現在でも活動中。

本作は彼らの通算8枚目、再結成後としては2枚目のアルバム。再編Pentangleは電気楽器の要素がより増えて、フォークロック・バンドと呼んでも差し支えない感じ。そのせいか全6枚のアルバムは、だいたい似通った印象がある。

まあ勿論JanschとRenbournのコンビが、至高なのは言うまでもないけど…再結成後も案外悪くない。特に2ndの本作は曲調が、ちょっとAll About Eveを思わせて気に入った。そちらの1stは1988年なので、実際影響を与えたのかも? 他のアルバムだとそうでもないので、もっとこの路線で聴きたかったな。

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2024.10.17

「At the BBC」BERT JANSCH

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聴いてみた、スコットランド人ギタリストのスタジオライブ集。2022年発表。

「バート・ヤンシュ」は1943年、グラスゴーで誕生。10代の頃にギターを手にし、やがてロンドンに出てフォーク音楽シーンの中心的存在となる。1965年にはソロアルバム「Bert Jansch」でデビューを飾り、「英国のBob Dyran」とも評された。ソロ活動の一方グループ「Pentangle」で活動するも、2011年逝去。

本作は彼が1966年から2009年にかけて、ラジオ局のBBCで放送用に収録したライブ音源等を集成した、8枚組のCDセット(LPだと4枚組)。BOXではなく、LPサイズのブックレット仕様のジャケットに、CDを収める装丁となっている。

貴重な音源ばかりではあるが、物量的にも大変な内容なので。全体の印象を言おうにも、聴いているうちに段々ぼやけてしまい…あれどんなだっけ?、と。まあ音質のせいか、Janschの各アルバムと較べ「鋭さ」には欠ける気はするものの、すごい作品なのは間違いない。Johnny Marrと共演なんかしてたんすね。
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2024.10.16

「Another monday」JOHN RENBOURN

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聴いてみた、イギリスのフォーク・ギタリストのソロアルバム。1967年発表。

本作は「ジョン・レンボーン」のソロとしての第2作だが、後にフォーク・グループ「Pentangle」を共に結成し、そのボーカリストとなる女性シンガーの「Jacqui McShee」が参加している辺り、Pentangle前史として聴きどころ。

クラブでトラッドを歌っていたMcSheeとRenbournがデュオ活動を始め、そこに他のメンバーが加わりPentangleが結成されたという経緯らしい。でもその前にRenbournとBert Jansch(g)は1966年、「Bert and John(邦題:華麗なる出会い)」を制作しているので、成るべくして成った流れではなかろうか。

本作では勿論、Renbournは1stソロからトラッド曲を採り上げてはいるものの、Pentangleでの斬新な表現の域にはまだ至っていない印象。当然中世音楽の要素もまだ見られないが…その代わりに、大変に高度なテクニックによるギター演奏には驚嘆してしまう。発展途上と言えばそうだろうけど、これはこれで。
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2024.10.14

「Solid air」JOHN MARTYN

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聴いてみた、イギリスのシンガーソングライター。1973年発表。

「ジョン・マーティン」は1948年、サリー州ニュー・モールデンで誕生。17歳で早くもプロミュージシャンとしての活動を始めた彼は、2009年に大英帝国勲章を叙勲した数日後に亡くなるまでに、23枚のアルバムをリリースした。私生活では薬物依存や家庭問題があったものの、批評家からは常に高く評価された。

本作は彼の代表的なアルバムで、1曲目に収録された「Solid Air」は友人であるNick Drakeに捧げられた作品。…という話を聞いて少々センチになったのだが、実はDrakeの死は1974年なので、同曲は生前にリリースされている(!)。言われてみると別に感傷的な曲調ではないのも、そういう事だったのかと。

フォーク、ロック、ブルース等が混在し、少々掴み所がない印象。日本で殆ど知名度がないのはそういう辺りのせいか、という気もしたけれど…本作にはFairport Conventionメンバーも参加しており、聴き込むほど味わいが出そう。
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2024.04.28

「I.A.B.F.」LES THUGS

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聴いてみた、フランスのパンク・バンド。1991年発表。

「レ・サグス」は1983年、Eric(g)とChristophe(dr)のSourice兄弟を中心に結成されたグループが、改名した事で誕生。1986年に1stミニアルバム「Radical Hystery」をリリースした後は、Sub Popレーベルとも契約し活動の幅を広げた。1999年に解散したものの、2008年には一時的ながら再結成もした。

本作はフルアルバムとしては4枚目で、Alternative Tentaclesから発売された。…自分がこのバンドを知ったのは、同レーベルのオムニバス「Virus100」に収録された、Dead Kennedysの「Moon Over Marin」カバーを聴いて。その音源を聴いたのは相当前な筈なのに…余程印象に残っていたって事かも。

当バンドの特徴は、シューゲイザーとハードコアの折衷的な音楽性という辺り。本作でもいそうで案外いない感じのスタンスがいいと思う。…いいはいいのだけれど、Moon Over〜で受けた印象には一押し足りない感じ。ちょっと惜しい。
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