
行ってきた、東京国立近代美術館。
今回の展覧会、筆者が行ったの実は最終日。流石に結構な人出だったんだけれど、自分が入場したのは午前中だったので、まだそれ程でもなかったのかな(会場を出る頃には、チケット購入の長い列が出来ていたし)。…本当はもっと余裕を持って行くつもりだったのだが、先週やけに暑い日に原付で遠出した際に腕にひどい日焼けをしてしまって。それが赤く火傷の様に腫れ(これまた話が長くなるんだけど…)、みっともない事になっていたもんで外出自体を躊躇していたのさ。
そんな話は別にどうでもいいや。「竹内栖鳳(たけうちせいほう)」は明治〜戦前昭和の日本画家で、西洋画から影響を受けた写実的な画風で知られている。…因みに自分が栖鳳を知ったのはそんな前という訳ではなく、今年の始め頃にEテレの番組「日曜美術館」で特集されていたから。で今回の展覧会に合わせてまた採り上げてたけど、年2回特集されるというのはあの番組では珍しいかもしれない。
半世紀に渡るという、彼の長い画業の通り展示されている作品もかなりの数で、そこから来る作風の移り変わりにも同じく見応えがあった。とは言え上述した通り会場内は結構人が多く、空いている絵から飛び飛びで見ていったせいで、入場口近くの一番混んでいる場所にある初期の作品は、結局ロクに見られなかったよ…
でも代表作に関してはじっくり見られたのでまあよし。彼の持ち味とも言われる、写実的な画風で描かれた獅子や鳥、虎や魚といった動物の数々は特に素晴らしく、思わず「カッコいい…」と洩らしてしまった(というか身を乗り出しすぎて、頭をガラスにぶつけてしまい「イテッ」と洩らしてしまったがな)。いや、本当にカッコいい。
だから今回見たかったのは、「日曜美術館」で事前に知ったそうした動物画だったんだけど…そういや「美の巨人たち」の方で紹介していた猫の絵(「班猫」)はどこにあるのかな?、と思ったら人だかりがしていて面倒だなとスルーしていた場所だった。おっとあぶない見逃すとこだった。カッコいいと言うか、これは和んじゃう。
ぶっちゃけると、個人的に日本画ってそんな好きではないんだよね。勿論凄い作品は凄いと思うけれど、伝統的な狩野派などより琳派や伊藤若冲の様な対抗勢力の方が面白い(まあ筆者に限らず、近年の人気は多分そんな感じ)。…それらと同様に栖鳳も、日本画に洋画の要素を採り入れる革新的な作風が、また逆に単なる洋画の猿真似に陥らないオリジナリティが、何とも魅力的に感じられる。
とは言うものの、逆にちぐはぐだなと思える部分も無きにしもあらずで、例えば洋行の体験から採り上げられたベニスやローマの風景は、水墨画調に描かれると何か違和感があるなあ?と(…でもそうしたタッチにスピード感が加わったもの等はターナーみたいでいいじゃないと思ったら、実際影響は受けているみたい)。
企画展の後は例によって、同美術館の常設展示も見た。萬鉄五郎やら梅原龍三郎やら、上記TV番組で紹介された記憶のある絵も色々見る事が出来た。でそういう中に何故か栖鳳の作品もあって何で?、と。それが(確か)「鳥獣戯画」の蛙の模写なのも面白い。成る程動物上手になるには、色々描かんといかん訳だ。
とまあそんな訳で、最終日までズルズル遅らせちゃったけど本当に行っておいてよかった。で、その後はまだ見てなかった「あの花」の映画をハシゴする事に…したはいいが、上映まで数時間ヒマになってしまった。仕方ないので友達の家に上がり込んで、アメトーーークの録画を見ていた。別にどうでもいいや、そんな話。