2020.09.24

Uボート ザ・シリーズ / 深海の狼

見てみた、A・プロハスカ監督によるTVドラマ・シリーズ。2018年放映。

第二次大戦中、ドイツ軍占領下のフランス。ラ・ロシェル海岸の独海軍基地より潜水艦「U-612」は、ある密命を帯びて発進する。一方搭乗員・フランクの姉であるシモーヌもまた、抗独レジスタンスの戦いに巻き込まれて…という内容。

1981年公開の映画「U・ボート」の続編を謳った、全8話となるTVドラマ。ていうか前作からして元々TVドラマだったのを、劇場先行上映したものなんだから「セカンド・シーズン」と言うべきか(原題は本作も単なる「Das Boot」)。内容的にはU・ボートの息詰まる戦いを描いたという意味では、前作と一緒なんだけど…

本作はサイドストーリーが併行して描かれており、前作の「ソリッドシチュエーションスリラー」にも近い圧迫感や緊張感は希薄。まあ結構エグイ描写もあって、戦争ものとしては水準以上に見応えがあるものの…なんかな。実話と見紛うかの様な前作と較べて、こちらはどうも常にフィクションだと意識させられる感が。
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2019.10.11

タンク・ソルジャーズ / 史上最大の戦車戦に挑んだ兵士たち

見てみた、ユーリー・レイゼロフ監督によるTVドラマ。2019年製作。

第二次大戦中ソ連。ワシリーとマリアは惹かれ合いながらも、一方は戦車兵もう一方は看護兵として別れ別れになる。互いに別の相手との交際もあって、2人の関係はより複雑に。そして遂に戦車による総力戦が始まり…という内容。

1943年、独ソ間で行われた「クルスクの戦い」を描いたロシア製ドラマ。主人公が実物のT-34/76戦車に搭乗して、活躍するというのが売りらしい。…そう聞くと8話全部でクルスクの話だと思うじゃない? 実は最終回の最後の方だけ。まあ敵のタイガー戦車がハリボテなのは仕方ないが(他には三突なんかいた)。

むしろそうした戦闘より、恋愛話ばかりなのがなあ。韓流か「君の名は」(昔の実写の方)みたいなメロドラマを延々見せられて、正直疲れ果てた。実は割と反戦的な内容だったりもするのだが、戦場悲劇よりも惚れた腫れたの修羅場ばかりだったとは。仲々興味深い内容も含んでいるものの…力強くはお薦めしない。
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2019.09.23

プロジェクト・ブルーブック

見てみた、ヒストリー・チャンネル製作によるTVドラマ。2019年放映。

1950年代。全米各地で常識では説明の付かない現象に遭遇、目撃する事例が多数報告されていた。後に未確認飛行物体=UFOと呼ばれる様になるそれらの怪現象を解明する為に、天文学者ハイネック博士とクイン空軍大尉が「プロジェクト・ブルーブック」の名の下、調査を始める事になったのだが…という内容。

実際にアメリカで活動したUFO調査チームを題材にした、ロバート・ゼメキス製作総指揮によるドラマシリーズ。各話の内容も当時実際に発生したUFO・宇宙人遭遇事件を元にしている。ただ真偽の分かれる話だけに、ここで問題になるのが製作スタンスなんだけど…本作の場合UFOは実在のものとして扱っていた。

ドキュメンタリー局製作なのに?、と思ったけどヒスチャは普通に怪しいUFO番組流してたっけ。…という前に全体的になんだか、盛り上がりが足りないのよな。矢島正明ナレーションと例の音楽(矢追さんのアレ)でも流してくれんかな。
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2018.10.08

SIX / アメリカ海軍特殊部隊

見てみた、ヒストリー・チャンネル製作によるTVドラマ。2017年放映。

米海軍特殊部隊「SEALDs」チーム6の元隊長・タガート。彼は民間軍事会社の一員として警備中、学校の教師や生徒達と共に武装組織に捉えられてしまう。彼は以前アフガンでの任務中非武装のアメリカ人を射殺しており、首謀者はその弟なのだ。犯人は彼を人質に、米国へ身代金を要求するのだが…という内容。

タイトルの「SIX」は(例によって)SEALDsのチーム「6」から。ここは特殊部隊なのに映像作品に協力的なのか、やけに色々と製作されているんだけど…本作はアメリカのドキュメンタリー局が手掛けた、全8話のTVドラマ・シリーズ。本国での放映時には高視聴率を記録したとの事で、翌年にはシーズン2も製作された。

最近似た様な作品を立て続けに見たせいで、正直全く新鮮味は感じられなかったのだけれど…流石に8時間分あるだけに、非戦闘時の掘り下げには充分な尺を費やしていた。ただそれが個人的にそんな見たかったものかと言われると?
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2018.09.04

学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで

見てみた、前田敦子主演によるドラマ・スペシャル。2018年放映。

アニメ脚本家・坂田安喜子はかつて、小学時代にいじめを受けた事から高校進学した後もひきこもり生活を送っていた。そんな彼女が一念発起し、「外の世界」である東京のゲーム専門学校に入校する。そこでかつて無い自由を得た彼女は脚本家への道を進み、遂にアニメ作品への参加を果たすのだが…という内容。

そのアニメ作品というのが「DTエイトロン」。作中では別のタイトルになってしまっていた(あの花・ここさけと同じく映像が引用されていたら、個人的には嬉しかったのだが…)けれど、同作を手掛けたアミノ監督との関わりが坂田こと原作者・岡田麿里にとって大きな意味があったというのは仲々に興味深い話だと思う。

まあ内容自体はタイトルそのまま、それ以上特にないという出オチみたいなものながら、脚本家・岡田麿里に興味がある人なら見ておく価値はあるのでは。また同様の状況にある若い子にとっては、希望になり得る内容なのも確かだし…
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2018.05.17

デッドストック / 未知への挑戦

見てみた、テレビ東京放映の深夜TVドラマ。2017年製作。

テレビ東京の社屋移動に伴い、倉庫に保管されていた詳細不明のビデオテープが大量に発見された。それらの内容を確認する部署・未確認素材センターに配置されたのが新人AD・常田大陸。彼は二階堂早織、佐山暁らと共に、奇妙な映像に残された心霊現象や超能力といった数々の謎に挑戦する…という内容。

牙狼シリーズを始めテレ東深夜枠のドラマは注目に値するものが多いけど、本作もその一つ。内容的には深夜らしくホラーだが「怪奇大作戦」を現代的に解釈した様なスタイルや、VHSの荒れた映像を織り交ぜて、投稿心霊動画風に恐怖を煽る辺りなかなか上手い。しかもそれだけで終わらなかったのが最終回で…

なんと森達也が監督しエスパー清田が登場する、フェイクドキュメンタリー的な展開を見せている。ただその直前の話でスプーン曲げどころじゃないエスパーが既に出ているので、今更曲がる曲がらないやられてもな…とは思ったかも。
posted by ぬきやまがいせい at 13:09 | Comment(0) | テレビ

2018.04.22

真夜中のスーパーカー

見てみた、NHK名古屋局製作による「地域ドラマ」シリーズ。2018年放映。

ナゴヤ自動車で働く白雪は仕事に行き詰まり、異動か退職かの岐路にあった。そんな時自動車博物館に憧れの名車「2000GT」を見に来た彼女は、盗みに忍び込んでいた日系ブラジル人・リカルドと共に、建物内に閉じ込められてしまう。脱出する為には何と、レースで2000GTに勝たねばならなくなり…という内容。

NHK地方局製作の単発ドラマである本作。自分が他に見たのは、広島製作による「戦艦大和のカレイライス」位だけど…本作もそちらと同じく會川昇脚本だった。道理で名車擬人化(唐沢寿明)なんて、ファンタジーというかファンシーな内容だと思った。でも2000GTを始めとする名車の数々が登場するのはGOOD。

だからナゴヤ自動車というのは、要するにトヨタ。しかも劇中で2000GTとレースするのが、同社の最新スーパーカーである「レクサスLFA」というのにもニヤリとしてしまう訳で。…これどっちも「ディメンションW」主人公の愛車だもんなあ。
posted by ぬきやまがいせい at 21:03 | Comment(0) | テレビ

2018.02.25

荒神(こうじん)

見てみた、内田有紀主演によるドラマ・スペシャル。2018年放映。

江戸時代の東北地方で、長年いがみ合う永津野藩と香山藩に挟まれた山間の村。そこで暮らす女性・朱音の前に、少年が何か恐ろしい物から逃れてやって来た。そして少年の言った通り巨大な怪物「つちみかど」が現れ、破壊の限りを尽くす。その怪物はどうやら、二藩の対立から端を発したもので…という内容。

原作は宮部みゆきの小説。時代劇とも伝奇物とも評されるが、今回見たドラマ版はまさに「怪獣」特撮作品そのもの。で時代劇で怪獣と言えば「大魔神」。高櫓内部を睨む巨大な眼球の描写や、荒ぶる神が乙女の祈りにより鎮められる展開等で連想させられるけど…実際、原作者が執筆の際参考にしていたらしい。

また登場するつちみかど様は、シンゴジ第2形態を思わせると専らの評判だが…まあ、想像したより結構な力作で驚いた。怪獣映画の衰退が叫ばれて久しいけれど、こういう意外な形で見られるというのは、実際馬鹿にしたものでないよ。
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2018.02.17

アフガン・ハンター / 極秘兵器・スティンガー発射

見てみた、セルゲイ・チェカロフ監督によるTVドラマ。2010年製作。

1987年、アフガニスタン駐留中のソ連軍。ヘリコプターを用いて攻撃を行う彼らに対抗する手段を持たない現地ゲリラ勢力・ムジャヒディンに向け、米国は携行型地対空ミサイル「スティンガー」の供与を始める。それを脅威に感じたソ連軍は、オコバルコフ部隊にスティンガー奪取作戦の命を下したのだが…という内容。

ロシア製作による全4話のTVミニシリーズである本作。同紛争におけるスティンガーミサイル供与は事実ながら、「極秘兵器」は大袈裟な気がしてしまうけど…当時はまさに戦場の様相を一変させる、新兵器だったのだろう(現在でも同地では当時供与されたスティンガーによる、潜在的脅威が懸念される位だしな)。

内容自体は少々安手な作りの上、1本2時間前後の映画より間延びしているのは気になるけれど、後半孤立無援の脱出展開はなかなかに緊張感がみなぎっている。…しかし若手のムジャヒディンは、髭を伸ばした山田孝之にソックリだ。
posted by ぬきやまがいせい at 19:18 | Comment(0) | テレビ

2018.01.15

ロング・ロード・ホーム

見てみた、ナショナル・ジオグラフィック放映のTVドラマ。2017年製作。

2004年、フセイン政権崩壊後のイラク。バグダッドに駐留する赴任して間もない兵ばかりのアメリカ軍部隊がパトロール中、民兵組織の襲撃を受け孤立してしまう。民家に立て籠もった彼らを助け出すべく戦車を含む救出部隊が出動したのだが、敵軍からの激しい攻撃を受ける。果たして彼らの運命は…という内容。

59名もの死傷者が出た、「ブラックサンデー」武力衝突事件を題材にした8話構成のTVミニシリーズ。…概要自体は映画「ブラックホーク・ダウン」で描かれた「モガディシュの戦闘」を連想するけれど、本作はおよそ8時間の長さを活かして米本土で待つ家族や、兵士のその後を挿入したりの立体的な構成になっている。

ドキュメンタリー局の放映だけあって考証や再現に抜かりはなく、映像の臨場感としても劇場映画並に満足できる。…戦場のありのままを投げかける内容(人間の盾にはぞっとする)だけに、何とも複雑な思いに駆られる作品なのも確か。
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2017.02.18

ザ・ローマ 帝国の興亡

見てみた、イギリスBBC製作によるTVドラマ。2006年放映。

紀元前8世紀のイタリア半島より始まり、その後地中海一帯に勢力を拡大した巨大国家「ローマ帝国」。本作はネロやシーザーを始めとする歴史上有名な指導者を採り上げ、帝国の衰亡までを描いた全6回のミニシリーズ…という内容。

ローマを題材にした海外ドラマは他にもあって紛らわしいのだけれど、本作は多分そんなに有名じゃない方。印象としてはドキュメンタリーに挿入される再現場面だけでシリーズ化してしまった感じ(実際日本のあるTV番組で、本作の映像が引用されたらしい)で、ドラマには違いないものの結構ダイジェスト感がある。

とは言え、考証のしっかりした映像だけでも充分楽しめた。古代の軍勢が見せる威容や、投石機や櫓による攻城戦といった大規模の戦闘描写は仲々見事。今風に画面が揺れて速いカット割りで進むので、余りジックリ見る感じでもないけど…簡潔に纏められた有名な歴史的事件を目撃する様な臨場感はあるかも。
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2016.09.23

ROOTS ルーツ

見てみた、アレックス・ヘイリー原作によるTVドラマ。1977年放映。

ガンビアで暮らすマンディンカ族の少年クンタ・キンテは、白人の商人に捕らえられ奴隷として米国の農場に送られる。彼はトビーという名を押し付けられ右足を切断されても、決して誇りと自由への希望を捨てなかった。その後娘のキジーや孫のジョージが生まれるも、彼ら黒人の一族に受難は続いて…という内容。

原作者ヘイリーの祖先を題材にしたピューリッツァ賞小説のドラマ版、アメリカ本国で放送されるやセンセーションを巻き起こしたらしい。日本でも勿論大きな話題になったが、実際に全編を通して見た人そんないたのかなあ?…筆者も「クンタ・キンテ」って名前はよく知ってたのに、内容は殆ど見た記憶が無かった。

とは言え最近アカデミー賞を獲得した映画「それでも夜は明ける」と比較しても、全く古くなっていないどころか遜色ない出来で驚いた。…クンタ・キンテの名はガンビアの島にも付けられたとの事で、まさに自由の象徴として永遠なのだろう。
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2016.06.21

CHILDHOOD'S END -幼年期の終り-

見てみた。アーサー・C・クラーク原作によるTVドラマ。2015年放映。

人々が見上げる空に異星人の巨大な宇宙船が現れた。自らを「カレルレン」と名乗った異星人は圧倒的な科学力で地球上から貧困や病気、戦争までも根絶させ人類を幸福へと導いた。だが彼は仲介者に言葉を伝えるのみで、人々の前に直接姿を見せようとはしない。果たしてカレルレンの真意とは…という内容。

原作は有名なSF小説で、これまで幾度となく映像化が検討されたがその都度実現には至らなかった。今回遂に満を持して製作された6話構成のTVミニシリーズの本作は、まあ実際悪くない出来だと思う。ただ内容がほぼ原作そのままである分、今これを見せられて上記知識の無い人はどう思ったのかなあ…と。

名作SFという風格に相応しく「人類の進化」という壮大なテーマを扱っているものの、実際は感動と言うより呆然とするバッドエンドにしか見えないしな。まあカレルレンの正体の方で、落とし話短編SF的に楽しんでくれればいいんだが…
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2015.05.26

昭和怪盗傳

見てみた。仲代達矢主演、岡本喜八監督によるTVドラマ。1977年放映。

昭和初期。押し入った先で家人を相手に蕩々と説教し、貧乏人には逆に金を与えるという「説教強盗」が世間を騒がせていた。警察署に紛れ込んで捜査の裏をかくその正体は、左官工を表の顔に持つ梅吉だった。彼はカフェの女給・すえ子と暮らしつつ、夜ごとほっかむりを被って犯行に及んでいたのだが…という内容。

原作は加太こうじの「実録説教強盗昭和大盗伝」だが、内容は設定だけを借りた別物だとの事。本作は「土曜ワイド劇場」で放映された作品だそうだが、1977年は当番組が始まった最初の年で、今とは結構雰囲気が違っていたんだな。

刑事役・田中邦衛との追いかけっこや、放映当時の風景をそのまま撮影して(まあ予算の都合もありそうだが)作中との違いを仲代に語らせる等、岡本監督らしいとぼけた演出が楽しい。…因みに翌年同番組で岡本監督は赤川次郎「幽霊列車」を作っているのだが、筆者それ見た記憶があるな。そうかあれ岡本喜八か。
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2014.03.31

天才脚本家 梶原金八

見てみた、ヨーロッパ企画出演のテレビドラマ。2014年放映。

昭和9年。時代劇が盛んに制作されていた頃の京都で、仕事にあぶれた映画人が8名。監督の山中貞雄を始めとする彼らは共同で脚本を執筆し、「梶原金八」というペンネームで発表を始めた。その作品は次々ヒットを連発し、個々のメンバーの評判も次第に高まる。だがそんな最中、戦争の足音が迫り…という内容。

CSの時代劇専門チャンネルで放映された、実話を題材にしたドラマ。本作で描かれた「鳴滝組」メンバーで筆者が事前に名前を知っていたのは、山中以外だと稲垣浩くらいかな。でも仲々興味深く見られたよ、映画版のトキワ荘みたいで。

特に山中貞雄は現存する映画作品が3本きりという事もあって、伝説的に語られる存在。本作で「丹下左膳余話 百萬両の壺」の台詞が繰り返されるのも、当たり前だけどそれしか残ってないからなんだよなと。有名な「人情紙風船」に対する心残りの言葉と共に味わい深い。2時間尺の映画にしてもいい題材だと思うよ。
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2014.02.13

NHK少年ドラマシリーズ 七瀬ふたたび

見てみた。…こちら筒井康隆のSF小説としては、「時をかける少女」と並んで映像化の機会が多い作品。本作は、初の映像化である「少年ドラマシリーズ」版。

面白いのは主演の多岐川裕美が、本作に先駆けて「家族八景」のドラマ化であるTBS日曜劇場「芝生は緑」で火田七瀬を演じている点。続編なのに映像作品的にはいきなり世に出る事の多い本作も、最初は案外気を使われていたんだな。

特にオリジナル脚本回の第8話「家族」は、七瀬が家政婦をするという内容で「家族八景」の雰囲気を残しておりへえと。筆者「芝生は緑」の方は未見だけど、当時の評判は良かったのかもしれない(多分映像は残ってないんだろうねえ…)。

本作の内容自体は大方が想像する通りの少年ドラマクオリティ、でも無茶苦茶面白い。当時のビデオ撮影による映像は確かにチープだが、その分合成等の特殊技法の使用を極力抑えた演出が、同シリーズならではの雰囲気を醸し出している。…家庭用ビデオの録画でも、映像が残っていたのは本当に僥倖だったよ。
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2013.12.13

日本沈没

見てみた。…小松左京のSF小説「日本沈没」は、劇場用映画と共にTVシリーズも制作された。1974年から翌年にかけて放映されたのが、本作であるドラマ版。

内容としては多少設定の変更を加えつつ、大まかには原作を踏襲している(…まあ読んだのは昔だから、記憶が定かでないが)。ただ「1週1都市沈没」みたいな各話完結形式なので、一気呵成に状況が進む原作や映画とは印象が違うかな。

あと原作にあった「修士論文に匹敵する」とも評された科学面の解説をほぼ省略しており、田所博士の「直感だ!」で全部押し切ってしまっているのがスゲエな(いやあんな正確な予測をして見せたら、周囲も納得せざるを得ないだろうけど…)。

勿論最大の見所はやはり特撮で、結構大規模なミニチュアを組んだカタストロフ映像が毎週お茶の間で見られたというのは、確かに凄い事だっただろうな。…それにしても日本全土沈没は流石に大袈裟でも、大震災を経た今本作を見ると、色々と考えるところもある訳で。本当に先見的な作品だったのだなあと、改めて。
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2008.09.14

U・ボート TVシリーズ完全版

見てみた。…第二次世界大戦のドイツ海軍、通商作戦での勇猛さで知られた潜水艦部隊・通称「U・ボート」の苦しい戦いを緊迫したタッチで描いたドラマ作品。

実はウォルフガング・ペーターゼン監督による映画「U・ボート」(81年公開)は本来TVドラマのミニシリーズとして制作されており、それを劇場版に再編集したものだとの事(ただ本国でのTV版放映は、映画公開の4年後という逆転現象みたいな状況でもあったりする)。…しかし自分もこの件に関しては、今回初めて知ったよ。

両作を比較すると、さすがに尺を充分に取って艦内や人物の描写(ヒゲの伸び方で時間経過だけでなく、内面すら浮き彫りにさせている)、状況の推移を丁寧に描いているドラマ版の方に軍配が上がると思う。…でも映画館で見るというのが本作の場合また特別で、戦闘での緊張や潜水艦艦内そのものの圧迫感、どうしようもない「逃げ場の無さ」みたいなのは自宅のくつろいだ環境では得られないな。

…という訳でどちらにも一長一短あるけれど、初見の人にはドラマ版を推そう。
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2007.12.09

NHK知るを楽しむ・私のこだわり人物伝「澁澤龍彦 眼の宇宙」

見てみた、全4回のシリーズ。今回録画できたのはいいんだけど、なんかHDDレコーダーの調子が悪くてDVDに焼けない。…このまま永久保存でもするか。

今回の番組は生前の澁澤と交流の深かった人物4名の語る証言によって、作家の活動や人物像を浮かび上がらせるという趣向。細江英公って人は初めて聞く名前だけど、あとはだいたいお馴染みのメンツかな。…澁澤がTVで採り上げられる機会自体あまり無いと思うし、動く姿や本人の声まで聴く事が出来たのはそれだけでちょっと感激。まあ内容的にはほとんど知っているような話ばかりなのは仕方ないけれど、それでも直接関係者の発言に触れられたのには価値がある。

個人的に物凄い影響を受けてしまった人物だけに、そういう意味でも感慨がある。…高校時分、オカルティズムに興味を持って手に取った「黒魔術の手帖」が最初だったかな。なんか色々と手当たり次第に読んでいた頃を思い出してしまうよ。

そういやこの番組見て、横須賀で澁澤龍彦展が開かれていたって初めて知ったんだけど、気付くのが遅すぎてとっくに会期が終わってしまった後だった…orz
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2007.09.24

ドクター・フー

5話目まで見た。…本作はイギリスBBCで、1963年から89年までの長期間に渡り放映されたSFテレビドラマの、16年ぶりになる新作シリーズ。2005年から現在までに、2シーズン27話分制作されている。

本作の内容は、宇宙人である通称「ドクター」が時空間を自由に移動できる機械「ターディス」に乗り、様々な危機や難問に立ち向かうというもの。…これまでに主役であるドクターを、色々な俳優が何代にも渡って演じ継いで来ている。でも設定的に無理がないのが功を奏したのかも?

自分は当シリーズ自体を見るのは今回が初めてなんだけど、いや面白いねえ。5話分見ただけで、作劇上の「自由度」に驚いてしまう。ターディスのお陰で歴史上のあらゆる時点を舞台にする事が出来るのだが、タイムトンネルみたいな感じかなあ…と思ってたら全然違ってるし。

…ドクターの存在が「英雄」的であったり、トリックスター的なのも良い。
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